2019年9月27日、ジョセフ・ウイルソンがニューメキシコ州サンタ・フェでなくなった。69歳。妻、ヴァレリー・プレイムとは2017年(トランプ大統領就任年)離婚、彼女は民主党下院議員に立候補しようとするが、2020年予備選挙で敗れれる。

 ジョセフ・ウイルソンが世間で知られたのはイラク戦争時である。米国はサダム・フセイン・イラク大統領が核兵器を含め大量破壊兵器を保有しているとしてイラク戦争を始めた。米国国内でイラク戦争賛成一色であった時期、ウイルソンは、200376日付の『ニューヨーク・タイムズ』紙に「What I Didn't Find in Africa」と題された文章を寄稿し、イラクに核兵器はないと主張した。当時、イラクがウランをニジェールから買い付けたと囁かれていた中、ウイルソンがCIAの依頼によってニジェールで調査し、こうした売却はないと結論付け、それを基礎に記事を書いた。当