イスラエル・イラン間が大変に緊張。
軍事攻撃の連鎖が続いている。まず整理してみたい。
第一段階:昨年10月7日ハマスがイスラエルに攻撃。イスラエル側が1,139 名死亡し約250人がガザに連行された。
第二段階:イスラエル軍がガザに侵攻。パレスチナ人が3万人以上死亡。ジェノサイドとの非難が発生。
第三段階:イランと密接なレバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ―がイスラエル攻撃。イスラエルは背後にイランがいると判断。
第四段階:2024年4月1日シリアの首都ダマスカスのイラン大使館に隣接するイラン総領事館別館をイスラエル軍が空爆。革命防衛隊幹部らが死亡
第五段階:4月13日夜、イランが無人機、ミサイル等約300発をイスラエルに向け発射。イスラエル、米国等はこれらの99%を撃墜。
第六段階:4月19日イスラエルがイラン中部をミサイル攻撃。
こうした中、イラン、イスラエル、米国が何を考え、どの様に行動しているかを
孫崎享のつぶやき
イスラエル・イラン間大変に緊張。こうした中、イラン、イスラエル、米国が何を考え、どの様に行動しているかを知ることは極めて重要。その中、イラン総領事館別館攻撃からイランのイスラエル攻撃までの間、三者がどの様な考えでどう行動したかを記録する貴重な米国記事内容紹介。
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コメント
コメントを書くMoon of Alabama、4月19日付の見出しは「イスラエル、イランの報復攻撃に静かに「報復」する」であった。
静かに、という点がポイントだろう。
イスラエル側は、イランから史上初の大規模な国土への攻撃を受けたわけだ。だから、これまで、やりたい放題だったイラン側への攻撃の延長線上に、イスラエルの行動を予測するなら、10倍返しみたいな最悪のエスカレートも想定された。
しかし、そうはならなかった。ということは、見境なかったイスラエルは、現実の厳しさを突きつけられたということだろう。
イスラエルは今や存亡の危機にある。
Indian PunchlineのMK バドラクマール氏は4月18日に「イスラエル、"スエズの瞬間 "と向き合う」と論評した。
---------引用ここから-------------
要するに、イランはイスラエルを攻撃したのではない。 イランはその代わりに、国際法と国連憲章に違反するイスラエルの主権に対する露骨な攻撃に報復したのであり、これは戦争行為に等しい。
さらに重要なことは、イランの報復は4月1日のダマスカス攻撃に関与したイスラエルの軍事目標に限定されており、イスラエルがこれ以上エスカレーションの階段を上るのを阻止するために、将来的に抑止力を示すことを明らかに目的としていたことである。加えて、民間人の犠牲者を出さないように注意してもいた。
(中略)
問題の核心は、テヘランがイスラエルを直接攻撃するための強大な戦略的能力を蓄えているという強いメッセージを発したことである。 現実には、イスラエルに向けて発射されたほぼすべての弾丸は、撃ち込まれており、"被害はほとんどなかった "などという西側とイスラエルのプロパガンダは関係ない。
イスラエルの意思決定者は頭の固い現実主義者であり、イランを単独で攻撃することは自国の能力をはるかに超えていることを知っている。 これはまさにイスラエルの "スエズの瞬間 "である。
---------引用ここまで-------------
https://www.indianpunchline.com/israel-grapples-with-its-suez-moment/
MK バドラクマール氏は、1956年にスエズ進攻を行い、失敗した挙げ句、大国の地位から滑り落ちたイギリスに、イスラエルをなぞらえた。実際、イスラエルによる在シリア、イラン大使館攻撃は宣戦布告に等しく、それに対するイランの軍事力行使は戦争行為であったとするなら、イスラエルは戦争に負けたくらいのダメージということになろう。
また、田中宇氏も次のように評した。
「イランを本気で大規模に攻撃してしまうと、イランからの本気の反撃を誘発し、あとに引けない全面戦争とイスラエル亡国(とイランの大破壊)を引き起こす。国土が広いイランは大破壊、狭いイスラエルは国家滅亡になる。イスラエルがレバノンみたいになり、テルアビブがガザみたいになる。」
https://tanakanews.com/240419israel.htm
アメリカ帝国が主導した、イランによるイスラエル攻撃を非難する共同声明は、アメリカ帝国の腰巾着ら、たった48ヵ国に過ぎなかったし、トルコは拒否した。
「48カ国がイスラエル攻撃でテヘランを非難
「重大な被害と人命の損失を引き起こした可能性がある」「大規模な攻撃」についてイランとその代理人を非難する声明に署名するアラブ諸国はない」
https://www.jns.org/48-countries-condemn-tehran-for-attack-on-israel/
アメリカ帝国の覇権の陰り、自滅も着実に進行している。
危険なシオニスト国家が自滅の危機に直面し、どう変わるのか、悔い改めるのかが、今後の焦点ではないか?ラファ攻撃や西岸地区への攻撃が停止されることを願っている。
イスラエルとイランに対して、ロシア・中国とも友好的であり経済的つながりも強い。
ロシアと中国は両国問題に対して積極的発言をしていない。中国などは米国に対して善処を要望している。
米国は発言の自由な国であり、イラン支持者とイスラエル支持者が両方いて対立を深めており、報道機関によっても両者に対する姿勢が異なっている。異なっていても、米国とイスラエルは切り離せない。戦争に対してはイスラエル支持に回るのは致し方ないことでしょう。
米国にとって好ましくないことは、イスラエルとイランが決定的に対立することであり、過激な対立にならないよう抑制的行動をとらざるを得ない。決定的対立に発展すれば、大きな戦争に発展することも考えられる。バイデン政権は難しいかじ取りに直面しており大統領選に大きな影響を与えるのでしょう。