安倍首相は、憲法改正で、緊急事態重視の方針を打ち出してきた。

11月11日の参院予算委員会で、憲法改正による緊急事態条項の創設について「国民の安全を守るため、国家、国民がどのような役割を果たしていくべきかを憲法に位置づけることは極めて重く、大切な課題だ」と述べ、重視する考えを示している。

この「緊急事態条項」は多くの国民の反対している9条改訂より、一段と危険な存在である。

「大災害が起こるかもしれない、どこかの国が攻めてくるかもしれない、こういう緊急事態はありうる、しかしこれへの備えが憲法にはない。だから“緊急事態条項”が必要である」という説明は一応もっともである。

問題は何をするかである。

「緊急事態条項」は首相に独裁権限を与えるものである。

自民党の改憲草案で何をしたいかを見てみよう。

第九十八条

内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩