私は2009年、『日米同盟の正体』を書いて、日米の軍事関係はかつて米軍が日本にいかに自由に基地を利用するかが最大課題であったが、冷戦以降、米国は自衛隊を米国戦略に提供する方向に力を注ぎ、それが2005年日米間の合意「日米同盟 未来のための変革と再編」になり、新たな展開する状況になったと書いた。

これを推進せんとしたのが第一次安倍内閣である。

しかし、第一次安倍内閣がとん挫し、麻生内閣も短期。

福田首相は集団的自衛権に消極的。

そして民主党政権、それから第2次安倍政権になって、今一度、2005年日米間の合意「日米同盟 未来のための変革と再編」に戻り、集団的自衛権促進になった。

 その意味では、2009年書いた『日米同盟の正体』は今日的意味を持っている。

 幸い、講談社は本年17刷りを行ってくれた。

 かつ、岩波新書、中公新書、講談社現代新書の「新書読み比べ」に入れていただいている。