マル激!メールマガジン 2015年1月21日号
(発行者:ビデオニュース・ドットコム http://www.videonews.com/
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マル激トーク・オン・ディマンド 第719回(2015年1月17日)
異物混入問題と危機に瀕する食システム
ゲスト:南清貴氏(フードプロデューサー)
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 食品への異物混入が相次いでいる。特にハンバーガーチェインのマクドナルドでは各地の店舗で人間の歯やビニール片、鉄くずなどの混入が報告され、メディアでも大きく取り上げられている。ビジネス誌などでは企業のガバナンスや品質管理のあり方が問題視されているようだが、果たしてこれはそのような次元の問題なのだろうか。
 一連の異物混入事件について、自らもオーガニック・レストランを手がけた経験を持つフードプロデューサーの南清貴氏は、「混入が騒がれている商品はいずれも食品というより工業製品だ」とした上で、工業製品の製造工程では一定数のエラーが起きることは避けられないことから、異物の混入もそれほど驚くことではないと言う。しかし、より重要かつ本質的な問題は、製造工程でどの程度エラーが起きるかではなく、人間の基本的な営みである食が、工業製品として扱われているところにあるのではないかと、南氏は指摘する。
 コンビニやファストフード店に行けば数百円で、十分にお腹を満たしてくれるだけの食料が手に入る。そのような「豊かさ」こそが、先進国の証であるかのように思われてもいる。しかし、そうした「消費者ニーズ」を満たすために、生産面でもコスト面でも、そして流通面でも、世界の食システムにはもはや限界を超えた負荷が掛かっているとの指摘が出始めている。100円でハンバーガーを提供する世界最大のファストフード・チェインのマクドナルドは、ある意味でその象徴的な存在と言っていいだろう。
 この際、われわれは消費者として、その「100円ハンバーガー」や「290円牛丼」、「300円弁当」を提供するために、コストカットと称してどれだけの工業的な合理化が行われ、それと引き替えに農薬や化学肥料、食品添加物の濫用といった形で食の安全性が犠牲になっているかに目を向けるべき時が来ているのではないだろうか。
 一連の異物混入事件の背後で日本の食システムに何が起きているのか。その結果として、異物混入以上に危険なことが起きていないのか。安全健全で持続的な食システムを守るために消費者として何ができるのかなどを、ゲストの南清貴氏とともに、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
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今週の論点
・“工業製品”である以上、異物混入などのトラブルは避けられない
・日本の食を変える、ファストフードと農業システムの問題
・理想的な食事バランスを示す「オプティマル・フード・ピラミッド」とは
・「食生活のシステム」をいかに築くか
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