第411号 2021.9.28発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…「デマは決して許してはならない」…そう言われると、否定できない正論のように思うかもしれないが、実はそこに大きな落とし穴がある。それでは「デマもある民主主義」と、「デマを許さない全体主義」だったら、どっちがいいだろうか?意見や情報の真偽を国民に判断させず、権力があらかじめある種の意見や情報を「これはデマだ」として排除していって、特定の方向の意見しか表明されてこないような社会は、全体主義社会である!
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…イスラエルでは、今年8月から急ピッチで3回目のブースター接種が行われたにも拘らず感染者も死者も増え、8月末には今年1月の真冬のピーク時の感染者数をあっさりと追い抜き、圧倒的な過去最多に!この状況について、イスラエル保健省のアッシュ長官は「失望している」と発言している。ワクチンにかつてない国民的関心が注がれており、接種先進国の情報がすぐに手に入る状態なのだから、「イスラエル保健省長官『失望している』 3回接種後も重症化止まらず」「ワクチン集団免疫政策にイスラエル『失望』ブースター効果なく」などの速報がマスコミ各社から次々と流されて然るべきだろう。しかし日本のマスコミは、このような内容を積極的に報じないのだ。ワクチン接種先進国の現状を見よ!これでもまだワクチン接種を続けるのか!?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!男にとって腹上死は「名誉の死」と言える?自身の経験から学べる者を「愚者」とは言えないのでは?「こびなび打ったフリ事件」をどう見ている?今年の超過死亡が激増していることをどう分析すべき?新政権で石破茂は「重し」になり得る?コロナアプリやワクチンパスポートには賛成し、性犯罪者のGPS取り付けには「人権侵害だ」と猛反対するリベラルって何?どこかに別荘を建ててみたいと考えたことはある?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第436回「デマもある民主主義」
2. しゃべらせてクリ!・第367回「芸術の秋!超傑作肖像画のお披露目ぶぁ~い!の巻【前編】」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第230回「イスラエル保健省長官、3回打っても重症者増加で『失望している』」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第436回「デマもある民主主義」「デマは決して許してはならない」
そう言われると、否定できない正論のように思うかもしれないが、実はそこに大きな落とし穴がある。
それでは「デマもある民主主義」と、「デマを許さない全体主義」だったら、 どっちがいいだろうか?
決してデマを許容するとか、容認するとかいうわけではないが、民主主義は自由な議論が行われることが前提であって、自由に意見が交わされるのであれば、その中にデマが紛れ込んでくるのはどうしたって仕方のないことだ。
あらゆる意見が提出され、それを見た上で国民が自分の頭で考え、どの意見が正しく、どの意見がデマかを見極め、選択する。これが民主主義の基本というものだ。
意見や情報の真偽を国民に判断させず、権力があらかじめある種の意見や情報を「これはデマだ」として排除していって、特定の方向の意見しか表明されてこないような社会は、全体主義社会である。
もちろんデマによって被害が生じることはよくあるし、それは時には人の命に係わることもある。悪意でわざとデマを流す奴だっていっぱいいる。だからデマがどんどん流れる世の中であっていいはずはない。
あくまでも「デマもある民主主義」と「デマを許さない全体主義」だったら、どちらがよりよい社会だろうかという選択の話だ。
そもそもデマのない社会をつくろうというのは、「ゼロコロナ」の社会をつくろうというのと似たような発想である。世の中には必ずどこかにデマ情報が入り込んでいるもので、人は常日頃デマに曝露し、時には軽く感染して、痛い目に遭ったりして、情報の真偽を見抜く「リテラシー能力」という免疫を自らの中に作っておいた方がいい。
デマのない「無菌室」のような社会を作ろうという考えは、非常にいびつで危険なものだ。
しかも「デマを許さない」と言った時に、デマか否かを権力が決めていくというのは大問題である。
ところがこのことに対して「リベラル」を自称する者までが一切警戒していないのは、全く理解ができない。
今、政府や厚生労働省が、ネットの中に「ワクチンデマ」があると決めつけている。権力が特定の意見を「デマ」と認定していくということが堂々と行われているのだ。
それを、国民の大多数がそれを許容しているというのはあまりにもおかしな現象であり、それだったら日本国民って実はみんな、中国共産党が好きなのだと見なすしかない。
中国共産党は、デマは許さない。そして、何がデマかは党が決めるのだ。
中国共産党にとっては、1989年6月4日、天安門広場に集結した民主化を要求するデモ隊を中国人民解放軍が虐殺したというのは、デマだということになっている。
香港もこれからは、何がデマかは権力が決めることになる。民主派が何を言っても、それはデマだということにされるのだ。
このままでは日本もそんな社会になってしまいかねないところに来ているのに、なぜそれをみんな許しているのだろうか?
コメント
コメントを書くモーニングコロナショーはもう店じまいなんですね。今日は直接的にはコロナの話題は出できませんでした。先生もブログで書かれているように臆病との戦いですね。周りがマスクを外さないから自分もマスクを外せない、店もマスクをしなくていいとは言えない。幽霊の正体見たり枯れ尾花となるのはいつの日か。
おはようございます☆♪
サトルさん、連絡、どうもありがとうございました。
m(_ _)m
こんにちは。遅ればせながら、今号のプチ感想です。
〔ゴーマニズム宣言〕
新コロ騒動が始まって、今ではすっかり「デマに支配された全体主義」になってしまった感があります。
「デマもある民主主義」を維持する為には、デマをデマと見抜けるリテラシーも必要で、この辺りに関しては『学校教育』の脆弱さを感じております。
昔、「豊田商事会長刺殺事件」という事件があり、殺人事件の一部始終がテレビで生中継されるという衝撃的な出来事がありました。大勢のマスコミの前で起こった事件だったのですが、テレビで見た印象と翌日の新聞報道の『乖離』に大きな違和感を感じ、私は「新聞は必ずしも本当の事は書かない」と小学生ながらに知ることが出来ました。ですので、朝日新聞の「従軍慰安婦キャンペーン」も『本当かね?』と話半分で受け取っておりました。
閑話休題。情報の取捨選択やリテラシー能力を磨くには、「競馬」がうってつけです。様々な情報の真贋を見極めないと馬券が当たりません。…完全に無駄話でした。失礼致しました。
〔トンデモ見聞録〕
最近、街の内科クリニックに行くと、新型コロナワクチンの接種を受ける人がやたら多く、待合室が「接種後の15分間の経過観察」の人であふれています。制服姿の中高生も少なからずおり、「やめておけ」と言う訳にも行かず、何とも複雑な気分になります。
SNS等で「ワクチン信奉派」とやり取りすると、彼らは海外での事例を全く知らず、『情報取得チャネル』の寡多とリテラシーの有無が命運を分けるのかも知れないと思います。
「鰯の頭も信心から」と申しますが、鰯の頭には害は無いものの、「mRNAワクチン」は…。
以上、今号のプチ感想でした。
>>206 うさぎさん、ご無沙汰しております。
ご提供の情報、興味深く拝読しました。
私は英語がサッパリなので、翻訳機能で概要はある程度把握できますが、原文は翻訳できないため図表と概要から内容を推測しております。
そこで正しく理解できているか不安な点について、もしよろしければ確認して頂きたいと思っております。
今現在は以下のように認識しています。
1.マスク着用等の指導を受けた300村(介入村と翻訳、約16万人)は、着用率が13%から42%に増加、指導を受けない 300村(比較村と翻訳、約15万人)は着用率13%のまま。
介入村と比較村ともに着用する者と着用しない者を含んでいる。
2.発症者数の計算(24頁の図2)
比較村:155,268人×8.6%=13,353人
介入村:168,328人×7.6%=12,793人
介入村の8.6%が発症した場合14,476人なので、その内1,683人(図では11.9%)の発症を防止できたことになる。
3.発症者約26,000人の40%(約10,000人)を抗体検査、血清有病率から抗体保有者数を算出(23頁の図1)
比較村:146,783人×0.76%=1,116人
介入村:160,323人×0.69%=1,106人
介入村の0.76%が発症した場合1,218人なので、その内112人(図では9.3%)の感染を防止できたことになる。
以上のような理解でいいのでしょうか。
抗体保有者数は計算の便宜上書いたもので、原文には出ていないように思います。発症者数は47頁の表A1にそれらしい数字が見えますがよく分かりません。原文後半の数々の表や難解な計算式は素人の私にはチンプンカンプンです。
抗体検査を受けた約1万人は全員が発症者なのに、抗体保有率が1%未満というのはどういうことでしょうか。抗体が必要ではないくらい軽症だったか、実は新コロ以外の症状だったとか。
確かに興味深い調査ですが、村単位で実施するこの様な方法では、仮にマスクが有効だったとしても大雑把な傾向しか把握できないので、有効性の根拠としては弱いと思います。どうせやるなら個別にマスクの着用群と未着用群に分けて調査すべきです。
それに、うさぎさんの言われるようにワクチンの有効率と同じカラクリ算術だし、30万人以上という対象者数の多さに対し100~1600人という人数差は有意といえるのか疑問です。
勘違いもあるかと思うので、理解できる程度にご教授頂ければ幸いです。
>>242
今のところ分科会を解散する意志はなさそうです、国のために尽くしてくれてるから・・・とか、やっぱこの人、人はいいんだけどなぁー・・・と嘆いてばかりいられない、まだ何もしていないですからね。
ヤシローが今更ワクチンパスポート反対だって?この日和見野郎め、
小室さんをバッシングした輩ももちろんそうだが、こういう風見鶏共もチェックしとかないとね、手のひら返せば許されるという事はないよ?俺もオリンピック反対したこと、緊急事態宣言出せとか言ってた事忘れてねえぞ。
ジャーナリストの青沼陽一郎も悪質ですね。
https://news.yahoo.co.jp/articles/64a1c7b014387bf4a528305f570df7bb7a1a6ec9?page=1
>>214
Dr.U様
マスクのメタ解析で効果ありという論文はあります。
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31142-9/fulltext
これを引用してNIIDは次の記事を出しています。
https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2502-idsc/iasr-in/10673-499c05.html
次の提案も
https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/10686-covid19-21.html
by devil's advocate :-)
「デマのある民主主義」と「デマを許さない民主主義」の
どちらがいいかという、よしりん先生の問いかけに対して、
自由を求めるなら「デマのある民主主義」を選ぶのが、
真っ当な答えだと思います。
しかし、今の日本の知性と理性、倫理や道徳のなさを見てると、
それを選べる資格があるのは自分の頭で考えられる人だけで、
今の日本にはかえって危険に思えます。
「デマのある民主主義」を選ぶなら、
これまで「地に足のついた国民」とされていた庶民を
「地に足がついて政治経済を常を常に考えて責任をもって発言する
国民」に一から教育し直す必要があると考えます。
でないと、木蘭さんの「トンデモ見聞録」で紹介された
ますこみのねつ造報道に永遠に踊らされっぱなしのままです。
>>251
昭和43号さま
お元気ですか、うさぎです。私もどこまで正しく理解できているか、あまり自信がありません。また、すべてのご質問に答えることもできませんが、気づいた点のみ記します。
まず、発症者についてです。このイェール大の研究では、「発症者」の定義が「コロナのような症状を出した人 with Covid-like symptoms」とありますので、PCR等での厳密な検査はしてないものと思われます。p.8には、コロナの症状についてはWHOの基準(熱や咳や倦怠感、だるさ、頭痛、等)に基づいているとあります。昭和43号さまがご指摘の通り、場合によっては本当はコロナにかかっていないのに、ちょっと熱が出ているとか、咳が出ているとかだけでも、この「発症者」の中に含まれているのかもしれません。また、ここには無症状(自覚症状なし)の感染者は含まれていないということになります。
ランダム化比較試験において、これらのことは特に問題にならないのかどうか、ちょっと私には判断がつきません。
次に抗体保有率が、介入村で0.76%、比較村で0.68%と、とても低い数値を示したことについて。この点について、p.22では、「発症者」の約2万6千人の全員が抗体検査に協力してくれたなら、抗体保有者の数は2.5倍ほど増えていたかもしれないと書いてあります。それにしても、抗体保有率はとても小さいことは変わりありません。この数値の小ささは、日本における抗体検査の結果を思い出させます。
この点については、『コロナとワクチンの全貌』の中でも論じられていました。IgG抗体は時間の経過とともに急速に減少していくとのことなので、このような結果になったのかもしれません。
全体的な感触としては、多くの人に必死にマスクを付けさせても、この程度の成果しか得られないのか、ということ。そして、50歳以下の人たちに関してはマスクの効果はほとんど認められず、それ以上の年代の人には明らかな効果が認められるという調査結果は、あまりにも不自然過ぎないか、ということ。この2点です。
別にバングラデシュという国に対して偏見はありませんが、デンマークで行われた同じランダム化比較試験と比べて、どれくらいこのイェール大の調査が信頼できるのか、ちょっと疑問です。できれば、もう少し日本やデンマークと似たような社会状況の国で、もっときっちりと条件をコントロールした比較試験をしてもらいたいと思いました。
蛇足:次のHPもよろしければ御参照ください( https://www.poverty-action.org/study/impact-mask-distribution-and-promotion-mask-uptake-and-covid-19-bangladesh )
うさぎより
TMNさま
情報ありがとうございます。
Hi, Mr.Luficer, I'm also the adovocate, not of European world, but of ...