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  • 【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】恋多き女は古い!彼氏は3「種類」確保すべし第26号

    2013-03-25 07:00  
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    「ひとりもできたことないわたしに、 彼氏三人なんて無理、絶対 」と嘆いたあなたも、「おれも 彼女を三人持っていいんですね! 」と喜んだあなたも、落ちついて。

    活字キャラ、アニメキャラ、映画スターから宅配便のお兄さんまで……次元も結婚制度も超えて、好きな人がいっぱい。二つ名は伊達じゃない、トキメキのミワコです、はじめまして。
    昨年2月、「恋愛本勉強会」が名古屋で開催されました。出版社から担当編集者を招き、一般のお客さまの前で、書籍の公開打ち合わせをしたのです。
    そのとき、ホワイトボードを駆使して岡田斗司夫が解説したのが「彼氏三人理論」でした。
    どうすれば「三人」も? どうして「三人」なの?  それを岡田がお教えします。
    あ、「おれの彼女問題はどうなるんだ?」と思った男性のみなさん、もちろん岡田がお答えしますよ。安心してください。
    まずはハイライトをどうぞ。


    ************************************
     女の子の中には、“ 恋少ない女 ”と“ 恋多い女 ”がいるんですよ。
     恋多い女はだいたいハタチとか22、3くらいで「いろんな男と付き合ってきたけど〜」とか「男っていうのはだいたい〜」とか口走るんですけども。
     まあ、決まってるんですね、パターンが。
     ひとつは、同じタイプの男とばっかり付き合う(A1→A2→A3→……)。
     もうひとつは、二種類の男と交互に付き合うパターン(A1→B1→A2→B2……)。
     たとえば、“頼りない彼(A)”と“甘えられる彼(B)”。甘えられる彼と別れたら、また頼りない彼(B→A)。頼りない彼と別れられたら、また甘えられる彼(A→B)。
     だいたい、恋愛回数が多いって自慢している女の人っていうのは、これらのどっちかです、僕が見てる限り。
      おんなじような男とずーっと付き合ってるか、2つのパターンをぐるぐるサイクルしてるか。
     だから、恋愛回数が多いように見えて、前者はいっぱい恋愛しているように見えても、Aという種類の男しか知らないし、後者はAとBという二種類の男しか知らない。
     っていうふうに、僕は“観測”しました。

    『彼氏三人理論』の三人にはそれぞれ、役割というか、意味があります。
     これ(ホワイトボードに書いたA、B、Cというメモ)は、そこに当てはめています。
     好きな男と付き合いなさいっていうのは、Aです。
      Aは"好きな男" 。
    「あなたにも好きなタイプっていうのがいるでしょう? これと付き合いなさいよ」って考えます。「ええ! そんなのどうすれば?」……それは後で話します。

     次に、Bは何かっていうと、このAという男が既にいるという前提で、“ その他の男 ”ですね。
     好きな男Aはいるんですよ。自分の好きな男と付き合ってる。でも、その男だけだったら実は足りないでしょう?

     たとえば、才能あって、ミュージシャンで、顔も良くて……そんな彼氏がいたとする。
     そんな彼には、絶対足りない。何かが足りない。何が足りないかって言ったら「自分に対するマメさ」が足りない。
     だって、才能があってミュージシャンなんだから、自分のことしか見てないに決まってる。そんな男は自分にしか興味がないし、自分のやってる音楽にしか興味がない。でも、そこがよくて、好きになっちゃったわけですね。
     ところがそいつと付き合ってると、「なんでこの人はもっと私に優しくしてくれないんだろう?」とか、「なんで他の男みたいにどっか連れてってくれないんだろう?」とか、不満が溜まってくる。
     普通は不満が溜まってくるから別れるんですね。それで「恋多い女の2パターン」に入ってっちゃう。
    「才能のある男と付き合った。次に安心できる男。でもやっぱりつまんないから、才能のある男2。でもやっぱり安心できる男2……」
    ってなるか、
    「才能のある男と付き合った。でもやっぱり不安で別れた。また才能のある男2を見つけた。でもまた不安で別れた……」
    っていうのを繰り返すのか。
     どっちかになっちゃう。
     じゃあ、あらかじめ二人と付き合っちゃえ。

     で、問題は三人目。
    「このAとBと、この両方と既に付き合っているのに、もうひとり、あなたが付き合うとしたら、どういう男がいいですか?」と。
      Cは“趣味” ですね。

    (中略)

     こういうふうにすると、女の子の視野が「ガッ!」と広がるんですね。
     これは、同時に3つ考えるからです。
     僕はこれを、『 香港最後の夜理論 』と呼んでるんです。
     香港に旅行に行って、今から最後の晩ご飯を食べようとなったら、中華料理で決定打を食わなきゃ気がすまないんですね。
     で、「どこの食べようか? 四川もいいな! 広東もいいな! 海鮮も食べたいな!」と思っていると、どんどん時間ばかりが経ってしまって、店が閉まってしまう。
     こんなことになってはいけない。
     そうではなくて、「香港にはこれから何日もいるんだから、3日間とか4日間で何食べよう?」って思ったら、「1日ぐらいマクドナルドでもいいや!」とか考えられるようになる。この余裕が、この人の食生活を豊かにするんです。
     目的は『食生活の豊かさ』であって、「究極の一店舗を見つけましょう」ではない。そんなことをやってると、考えてるだけでハタチになって25になって30になって、結局、彼氏イナイ歴が更新されるだけになってしまう。
     おそらくその戦略で、彼女はこれまで彼氏がいなかったわけだから。
     たったひとり、運命の人を探しましょうって考え方をやめる。
    「好きな男がいて。何故か縁があるタイプの男がいて。こういう男もいいなって思える趣味的な男もいる」って考えるんです。
  • 【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】世界征服は悪に学べ!海賊とヤクザにリーダーシップを学ぶ 第25号

    2013-03-18 07:00  
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    Amazonのおかげで世界征服本の収集が順調に進んでいます。無銘のマサフミです。
    前回に引き続き、「岡田斗司夫の世界征服塾」後半、5級〜1級の解説をお送りします。 世界征服のカリキュラムはこちらを御覧ください。 http://blog.freeex.jp/archives/51370504.html
    5級は「悪とリーダーシップ」についてです。海賊やヤクザから世界征服にふさわしいリーダーシップのあり方を学んでいきましょう。 この先1級まで進んだら次はいよいよ昇段です。実際に企画を立てて仲間を二人集めなければなりません。
    晴れて世界征服を達成できるのは、定義上この世にただ一人。 したがって世界征服の野望を持つ者は、同じ野望を持つ者といつかどこかで必ず出会うことになるでしょう。
    でも、この言い方は間違っているかもしれません。 ネット社会では いつかどこか ではなく、 いまここで 出会うことができるのですから。 早速リーダーシップを発揮し1級を終えた人を二人探し出して仲間になって、三人ともに初段を達成して世界征服へ乗り出しましょう。
    それでは5級から1級までの解説です。どうぞ。
    ************************************  5級、「悪とリーダーシップ」ですね。つまり、どのように自分は部下を掌握していくのか? リーダーシップを発揮していくのか?  もちろん“世界征服”ですから、正義のリーダーシップではないわけですね。「悪のリーダーシップ、そのあり方とは何か?」です。
     4つ参考書が出てます。『海賊の経済学』(ノンフィクション)、『本気(マジ)!』(漫画)、『竜馬がゆく』(小説)、『宇宙船ビーグル号』(SF小説)の4つです。
    『海賊の経済学』は割と最近に出たノンフィクションで、“海賊”というふうに言われる人たち、18世紀に大暴れした海賊たちが、実はかなり合理的、かつ、意外なことに民主主義に近い統治体制を持っていたということが書かれてます。 「残酷で無法者である」っていうことはもちろんそうなんですけども。なぜ残酷であらねばならなかったのか? それは彼らが自分たちの目的、つまり、船を襲って略奪品を奪い、かつ自分たちの被害を最小化させるということに関して、ものすごく気を使ったからなんです。残虐であるという評判を立てれば立てるほど、襲った船は無抵抗で白旗揚げてくれるんですね。  これがとても大事だった。なんでかっていうと、海賊船が最も怖れたのは何かというと、“身内の怪我”なんですね。身内が怪我をすると、後でお金を配分するときにもめるし、そいつが怪我をしたらその分余計に補償金とか怪我に対する見舞金を積まなければいけないと。  最もうれしいのは、もちろん、宝が山のようにある船を襲って、そこが無抵抗でその宝を全部譲ってくれることなんですけども。「戦争したかったか? 戦いたかったか?」っていうと、戦いを望んでいた海賊なんかほとんどいないんですね。もちろん血の気の荒いような船長もいるんですけども。やたら戦争をやりたがるような船長は、その戦争をやった後の“船長会議”とか“船長裁判”みたいなのにかけられて、海の中に放り込まれてしまうんですよ。  それぐらい、海賊というのはいかに経済的に合理的な存在であったか……経済的で合理的な存在であったが故に、彼らは悪名を世に轟かせる必要があったんです。つまり、「ブランディングと宣伝が大事であった」というようなことが書かれてます。  これに対して『本気!』という作品は、立原あゆみっていう、決して一流とは言えない漫画家が描いた、50巻以上ある、『少年チャンピオン』に載ってるヤンキー漫画です。  この本気!っていうのは「親分っていうのがどういう存在でなければならないのか? なぜ日本の親分は徹底的に人情が厚くなければならないのか?」っていうのを描いた漫画です。  書いてあることは、「これをよく少年チャンピオンに載せたなあ……」というような“えげつない話”の集まりです。惚れた女をソープへ売り飛ばすとか、あとAVショップを経営するとか、そういうことばっかりやります。  2巻か3巻ぐらいで、主人公の“白銀 本気”(しろかね まじ)がようやっと自分のシマを任されます。シマというのはちっちゃい路地の飲み屋5、6軒なんですけども。この本気が、エフェクトが一杯かかったコマで、「シマ、俺のシマ、初めてのシマ!」ってすごくうれしそうに語るのが見開きであるんですけども……読んでるときに我が目を疑います。ほんとに。「すごい話だ!」って(笑)
     なんですけども、この中でも50巻ぐらいで書かれるのが、その白金本気っていう主人公が、いかに遠回り遠回りして。ヤクザであるが故に、周囲の人々に善意を振りまいて、いい人として振る舞っていって。遠回りに見えるんだけども、彼が着実に着実に味方を増やしていく様子です。  この漫画の中にも、すぐ儲けようとしたり、戦闘力が強かったりするような同じヤクザのライバルたちが描かれます。彼らは短期的には上り詰めるんですけども、長期的にはヤクザの世界の中でとてもに生き残りにくい、という話が出てきます。これは実際に、他の“実録ヤクザもの”なんかを見ても同じです。やっぱり組長クラスになってくると、「いかに人徳者か」とか、もしくは「情けが厚いのか」というのが、なぜだか常に組員から語られるんですね。  僕らが知ってるヤクザの実体というのはそんなことも言いながら、任侠とかも言いながら、麻薬もやれば売春もやるような集団だと。この作品の中でもそういうヤクザ像は肯定されています。  でも、その中でなぜ彼らは人情的であらねばならなかったのか? 『海賊の経済学』が、「海賊という人たちがいかに残酷に見えようが狡猾に見えようが、その中で経済的な合理性を追求せざるを得なかったか?」を語っているのと同じように、『本気!』という漫画の中では「ヤクザという人たちがなぜ人情というものを追求しなければいけなかったのか? その結果、なぜ“任侠”という言葉が生まれたのか?」っていうのが、すごいビビッドに、目に見えるように描かれています。
    『竜馬がゆく』は司馬遼太郎の中学生でも読める歴史小説です。  竜馬がゆくっていうのは、割と有名な割に大人になってから読んだ人が少ない作品です。司馬遼太郎の作品でも、もっと難しいものは読まれてるんですけども、竜馬がゆく自体はあまり読まれてない。  この中に描かれている坂本龍馬像はすごく意外です。
      司馬遼太郎が書いた坂本龍馬像は、一言で言うと“芸人”です。いろんな国に行って、「よそのところではどんな議論があったのか?」というのを、羽織の紐を振り回しながら語る芸人として書かれてるんですね。 「坂本龍馬はなぜ日本の革命の時期にあのようにいろんな場所で活躍できたのか?」っていうのは、ある箇所に行って聞いてきた話というのを……龍馬は実は“信念がない”んですね。もう本当に目の前の人に影響されてしまう。一番最初、周りの友達が全員「黒船を討つべし!」って言ってたら「黒船討つべし!」とかって言って、勝海舟の暗殺を考える。勝海舟の暗殺に行ったら勝海舟に説教されてあっと言う間に考え方が変わってしまう。と、いったように彼は生涯において何回も考え方が変わります。  そういう人がなぜ主人公なのかというと、底抜けに考えが変わることに関して抵抗感がないからです。目の前のおもしろいことがあったら、そのおもしろいことの情報収集に一番熱心になって、何度も足を運んで。文字通り明治以前の日本ですから、ほんとに鉄道も何もないわけです。下級武士でお金もないから歩くしかないですね。日本国中を無駄に何往復も何往復も歩きながら。その道中にたぶん、聞いた話とかあった議論とかを頭の中で何回も“繰ってる”わけですね。  この繰る(くる)っていうのは「ネタを繰る」みたいに落語家とかが使う言葉なんですけども、同じネタを頭の中で何回も繰り返すことを言います。トランプのカードをパァーとシャッフルすることを繰るっていうんですけども、それと同じ言葉です。  頭の中で何回も何回も繰り返して、「あのときに彼はこう言った」、「このときにあの人はこう言った」、「西郷どんはこういうふうに反対してる」、「大久保さんはこういうふうに言ってる」というのを、頭の中で何回も何回も、中山道とかそういうのを往復しながら、何日も何日も歩きながら頭の中で繰って。  そして会った殿様に「おもしろい話があるから聞いてくれ!」と言って語る。本当はその殿様を説得しなければいけない立場があるのに……例えば勝海舟の暗殺とかそういうふうなことをしなければいけないのに。目の前の自分の話の面白さに夢中になって。  坂本龍馬は一番悪い癖は、喋りながら羽織の紐を噛むそうです。羽織の紐を噛んでガーッとやって、ベトベトにしたものをブンブン振り回すので、周りの人間はよだれだらけになったそうなんですけども。  坂本龍馬に会った人はみんな「あんなに笑ったのは生まれて初めてだった!」って言ってるんですね。つまり、それぐらい幕末の爆笑王だったわけです。爆笑させておもしろがらせて興味がらせるということで、そのときに坂本龍馬が会った偉い人から偉くない人まで全てを、「この幕末の日本はどうあるべきか?」という議論に巻き込んだ。いわゆるトリックスターなんです。  決して偉人でもなければ歴史を変えた人でもない、“歴史の変換点にいたものすごく変なやつ”だったんですね。その彼の活躍をすごく楽しく描いてます。
     というのも、司馬遼太郎が注目するまで坂本龍馬という人物に注目する歴史学者なんかほとんどいなかったんですね。でも司馬遼太郎はいろんな資料集めていくうちに、「ちょっと待った! こいつすごく変だぞ!」っていうような形で拾っていったと。  そうすると、その坂本龍馬の英雄的な部分が大きくなっていって。僕らはついついNHKの大河ドラマでもなんでも観るときに、坂本龍馬を英雄として見ちゃうんですけども、僕自身が司馬遼太郎の原作小説から受けた印象は、“お笑い芸人の中のちょっとレベルが高いやつ”ですね。なによりも周りの人間を巻き込むことが好きだった人っていうふうに考えてください。
     これがリーダーシップです。なんで“悪”とって言ってるのかっていうと、坂本龍馬が信念がなくて、そのとき自分の中でブームで会った言説を周りに言ってるだけの人だからです。つまり歩くワイドショーみたいな人だったわけですね。
     4つ目の『宇宙船ビーグル号』 。これ、SF映画『エイリアン』の原作になったお話しの一つでもあるんですね。エイリアン自体、原作がいくつもあるんですけども。  でも注目すべきはこの中に出てくる“総合科学”っていう学問なんですね。
     宇宙船ビーグル号にはいろんな宇宙怪獣が襲ってくるんだけども、たった一人の総合学者……ビーグル号っていう千何百人も科学者ばっかりが乗ってる船の中は、「どの科学が正しいのか? この場合どの科学を、学問を運用すべきか?」で、年がら年中部門争いが起こってるんですね。その中にたったひとり乗ってる総合科学者ってのがいます。  総合科学っていうのは、科学と科学を結びつける学問です。例えば“冶金学”、金属と金属を混ぜ合わせて合金を作るという学問の立場で地層を判定し、「大陸がなぜ移動するのかっていうのを判定したらどういうふうになるのか?」を考えたり。または、電気抵抗というものの専門的な知識を利用した化学反応によって、「生物の細胞の浸透膜の中にいかに栄養素が流れていくのかを考えたらどうなるのか?」っていうのを考えたり。つまり、学問のクロスオーバーをやる学問です。   その総合科学者というのは、最初は善良に、宇宙船ビーグル号の中の人たちに自分の学問を役立てようとするんですけども。段々と「それではもう駄目だ!」というのがわかってきて、徐々に徐々にこの宇宙船ビーグル号という中で独裁者になっていくっていう課程を書いてます。 ただし、この独裁者っていうのは“善意の独裁者”で、あらゆる科学者を総合科学者にするというカリキュラムを組んで、全員を教育するというラストシーンで終わってます。  小説自体にもいろんな宇宙怪獣というか宇宙生物との戦いが出てくるんですね。どれ一つとして僕らが考える平凡な話ではないです。どれもこれも異様で、どれもこれも想像を絶するような宇宙怪獣との戦いが描かれます。  その中で、 たったひとりの総合科学者がどうやって千何百人の科学者が一杯乗っている宇宙船の中で実権を掌握して、自分の学問をやっていくのか? そういうものを乗り越えていく彼の姿は、やはり悪の独裁者、悪の支配者の、悪のリーダーシップを僕らに教えてくれるわけです。
  • 【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】愚王・黒幕・魔王・支配者、あなたはどのタイプ?第24号

    2013-03-11 07:00  
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    世界は未だ多くの問題を抱えています。現在の権力者たちに解決能力がないのは明らかです。あなたこそが世界の頂点に立ち、全てを解決するべき時ではありませんか?
    思いのままの世界を作り人類を導くのです。さあ、世界征服を始めましょう。
    こんにちは、黒幕タイプの無銘のマサフミです。

    今回から2回に渡り2月10日に行われたイベント、「岡田斗司夫の世界征服塾」の模様をお届けします。まずはこちらで世界征服のカリキュラムを御覧ください。
    http://blog.freeex.jp/archives/51370504.html
    (【レジュメ】として添付してあります)

    世界征服10級の課題は、まず自分が征服者としてどんなタイプなのかを知ること。
    続いて9級課題のマンガ『風雲児たち』『風の谷のナウシカ』を読んで、アニメ『∀ガンダム』も観て、楽しく世界征服をスタートさせましょう。

    「そそのかされて世界征服なんて、するのもされるのもゴメンだね。」
    そんな貴方も悪の手の内を学んで、うっかり征服されないように備えてください。

    それでは世界征服10級から6級まで、岡田斗司夫の怒涛の解説でお送りします。どうぞ。


    ************************************
    では、以下の実習実践でいかにして普通の人が世界征服を成し遂げるのか、そのプロセスと哲学を公開します。

    ポイントは普通の人がということです。根っからの悪人とか根っからの善人とか、あと天才とかそういうのが想定していません。ここに書いているのは普通の人が頑張らなきゃいけないこととかやることですね。所々難しいところがあります。例えば4段5段6段ぐらいの後半になってくると、 仕事が成功しちゃうんですね。仕事が成功しちゃってお金が儲かり出すと世界征服なんかべつにやりたくなくなるんですね。そのときでもちゃんと自分を保って世界征服ができるかどうか。 ひょっとしたらこのまんまお金持ちになって、スティーブ・ジョブズとかマーク・ザッカーバーグみたいに、 ただ単に業界を支配してみんなからいい人というふうに言われて、平和な人生を送ることも可能なんですけども、そこを敢えて世界征服っていう夢を持ち続けられるかどうかっていうのは、この前半の10段階の学習にかかっていますので、いきなりみなさんは初段とかに取りかからずに、面倒くさくても、遠回りに見えても、10級からステップバイステップで自分の認識をつくって、途中で心が曲がったり折れたりしないように世界征服のほうに進んでください。

    では10級です。 まず筑摩書房から出ている『「世界征服」は可能か? 』っていうのがあります。その中にでてくる4つの中から自分の世界征服の、征服者としてのタイプを選んでください。

    ひとつは「愚王」です。 愚かな王ですね。つまり世界征服をする目的は何かっていうのは、贅沢であると。この世の栄耀栄華を極めたい、自分の好きなようにしたい、というのが目的の人ですね。つまり楽しくなりたい、うれしく生きたい、自分が好き勝手に生きたいから征服したいっていう人は、この愚王タイプになります。これはこれで注意点がありますので、それは本の中に書いていますからよく読んでください。

    2つ目が、案外これ多いんですけども、「黒幕」タイプです。 つまり自分が世界征服はしたいんだけども矢面に立ちたくない、ですね。人を陰から動かすのが大好きであると。世界征服したからといって演説とか特にしたいと思わずに、それよりは人が思い通りに動いてくれるのがうれしいっていう人は、黒幕タイプなんですね。黒幕タイプは黒幕タイプの視点の世界征服のあり方がありますので、そういうのが好きな人はこれを選んでください。

    3つ目は、「魔王」です。 1番目の「愚王」とは違います。魔王っていうのはこの世の中を好きなようにしたい、ですね。違いますよね、愚王っていうのは自分が好きなように生きたい、なんですよ。それに対する魔王っていうのは自分のルールでこの世の中を縛りたいんですね。例えば自分が世の中に女がいるのが間違いだ、男だけの世界を築きたいと思ったら、女を全て絶滅させることっていうのも、魔王だったら可能なわけですね。逆にこの世の中の女は全て私に惚れなければいけない。これは、もし愚王だったらただ単にハーレムつくるだけなんですけども、魔王になってくると、自分に惚れさせるような仕組みとか、自分以外に惚れたらこの女はこういうふうに罰するっていうふうなルールを作るんですね。だから、あくまで対象が自分の快楽に向かっているのか、もしくはこの魔王っていうのは実は快楽を否定しているんですね。人はこうあらねばならない、そして俺はその中でこういうふうにあるって言っているので、あまりこちら側が楽で楽しいのに較べて、こちら側は実はかなりストイックはストイックなんですね。

    「ドラゴンボール」で出てきたピッコロ大魔王っていうのがいまして、この人は地球を世界を支配した後、これから世界を、50幾つの地区を、毎年ひとつひとつ絶滅させるっていうふうに言ったんですね。そのあいだみんな恐怖を味合うがいい! まさに魔王なんですけども、この人こんな約束をしていたから50何年間ずーっと世界を滅ぼさなきゃいけないんですね、延々地道に。ひとりでも逃げている奴がいたらちゃんと殺さなきゃいけないんですよ。
    それに対してピッコロ大魔王と一緒にいたピラフっていうちょっと憎めない奴がいて、これも世界征服考えたんですけども、彼が考えたのはどちらかというと愚王で、世界征服したらおいしいものがどんどん俺んとこに来て楽しいなとか、どんな贅沢ができるだろう、なんですね。同じ世界征服をするにしてもこの愚王と魔王タイプはまったく違うんですね。だから逆に言えば魔王は心の中にちゃんと理想が燃えていることですね。愚王は道徳心とかそういうふうなものよりも自分の快楽を常に優先することができる。快楽主義者っていうふうに言われたピカソなどはおそらく愚王タイプなんですね。岡本太郎はどちらかというと魔王タイプ、人はこういうふうにあらねばならないのほうですから、弟子師匠関係であっても割と違うわけです。

    4番目です。「支配者」ですね。 支配者っていうのは何かっていうと、これはもうワンマン会社の社長みたいなものですね。愚王はとりあえず征服したら自分のところにおいしいものいいものをどんどん持ってこーいって征服後の快楽を考える。そして魔王は征服後みんなにこのようなルールを律して、その通りにやらせようっていうふうにやる。黒幕はあくまで効率を優先として自分は前に出ずに世の中を自分が思ったとおりに運営しようというのに対して、支配者は自分がもう率先して前に立ってバンバンバンバン指示もすれば命令もする、アメリカの大統領タイプとも言えますし、独裁国の独裁者というのはだいたいこれです。

    北朝鮮なんか見ているとおもしろいことに独裁者っていうのは初期はこの支配者になるんですけども、徐々にその支配者の周りに、当たり前ですけども、ひとつの国というよりは多分人数規模が150人ぐらいっていうふうに言われているんですけども、150人が人間が自分たちのグループっていうふうに認識できる数と言われているんですけどね、それを超えるとひとりの人間では把握が不可能になってくると。なので300人400人のグループになってくるとどうしても自分にサブが、つまり自分の右腕が必要になってくるんですね。そうなると支配者の下にはサブリーダーがついて、そのサブリーダーが支配者にどのような情報を与えるのかで支配者をコントロールすることができると。そうすると段々段々支配者だと思ってやってた人は、自分の部下に黒幕が発生するようになって、そして彼らが支配者に、いやいや支配者様あなたは心配しなくていいんです、せっかくこの世の中を支配したんですからということで、どんどんどんどん愚王にしてしまうんですね。これよくある話です。

    ナチス・ドイツのヒットラーはこういうことをすごく怖れて情報を直接自分に報告させました。だから彼がとんでもなく忙しかったのは何でかっていうと、支配者・独裁者というのは簡単に自分の部下が黒幕になりかわってしまって、自分に都合の悪い情報とかほんのちょっと言いにくい情報を流さなくなってくるんですね。その結果、いやあなたはとりあえず自分の好きなことをしていてくださいという形で愚王の座に祭りあげられてしまって、結局自分がやろうとしていた支配体制っていうのを作れなくなってしまう、ですね。ですから支配者になりたい人はできるだけ自分の意志が下に流れる仕組みを作らなければいけません。

    この4つとも、一瞬は簡単なんですけど継続は難しいです。愚王になるっていうのはできるかもわかりませんけども、今日来たみなさん、あなた方ひとりひとりが愚王になった瞬間は構いませんけど、それを1年5年10年というふうに続けさせるシステムというのは割と複雑になっていきます。みなさんがもうほんとに馬鹿みたいに楽しいな楽しいな楽しいなと言っていても、その下の人たちが王様を楽しませるので構わないって思うようなシステムはなかなか組めない。

    黒幕は黒幕で、黒幕ということはつまり、誰かにいつも自分の存在を秘密にしてるということですので、そういう体制やってると同じような情報隔絶が絶対に身内でも仲間でも現れてくるんです。そうなるとその人達との政治闘争になってしまう。大変難しい。それぞれに難しい問題があります。

    自分はどのタイプなのかというのは最後まで引っかかってくる問題ですので、自分は果たしてハッピーになりたいから世界征服をしたい愚王タイプなのか、それともぶっちゃけやりたいことがあるわけじゃないんだけども、無駄が嫌いでしょうがないと。自分にまかせてくれたらこの世の中をほんの少しでも効率よく見せるっていう善意とお節介みたいなもので征服したい黒幕タイプなのか。
    それともこの世の中はこうであるのがけしからん、例えば人類は戦争してるのがけしからん、原子力発電所があるのがけしからん、差別があるのがけしからん、そうでない世の中をつくるっていうこの世の中に対する駄目出しと理想像があるんでしたら魔王タイプですし、そうじゃなくてみんな俺のいうことを聞けって、命令をしてその通りに従ってもらうことに対して自分が快感を感じるのならば支配者タイプですね。 この4つのタイプのうちどれかというのを選んでください。これが第1ステップ、10級です。いいですね。

    ここまでで決められねえやっていう人います? 大丈夫ですね。ワンステップずつ聞いてると時間なくなるかもわかんないですけども、10級のところでひっかかっちゃうと後々しんどくなってきますんで。では次です。
  • 【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】ディズニーを超えられるのか。ネットのEPCOTを目指せ!第23号

    2013-03-04 07:00  
    220pt
    岡田が大のウォルト・ディズニー ファンだということを、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
    『東大オタキングゼミ』
    http://www.netcity.or.jp/OTAKU/okada/library/books/multi/... 
    の第一章ではディズニーランドを取り上げています。
    ディズニーランドやシーからニコニコ生放送で、その良さを熱く語ったこともあります。
    http://ch.nicovideo.jp/okadatoshio/live?&page=8
    http://ch.nicovideo.jp/okadatoshio/live?&page=9
    フロリダで、夢にまで見たシンデレラ城に対面し、大感動したのを昨日のことにように覚えている私としては、嬉しい限りです。
    こんにちは、のぞき見のミホコです。
    岡田は、ウォルト・ディズニーが目指した未来の実験都市EPCOTを、クラウド上で実現しようとしています。 一年半前にFREEexのメンバーに熱く語った「ビジョン」。先月に引き続き、第三回をお届けします。
    使われたメディアは、ボイスチャットシステム「TeamSpeak3」。
    FREEex内の会議や講義で前々から使用されていたものです。
    音声は岡田斗司夫のみ。メンバーはチャット欄で、質問や返答をする方式で進められます。
    第一回『僕らの担当は、「非モテ」など「評価経済社会」の問題です』はこちら。
    http://ch.nicovideo.jp/ex/blomaga/ar20210
    第二回『岡田スクールの原イメージ・適塾とECCOTの両立』はこちら。
    http://ch.nicovideo.jp/ex/blomaga/ar89164
    現在、FREEex内では、内部でだけ使える「社内通貨」を準備中です。まさに、未来都市としての実験です。日々、目の前の仕事で、精一杯になりがちな私ですが、未来都市への歩みは、案外一歩一歩着実に進んでいるのだと、あらためて感じられた講義でした。
    「TSビジョン講義 第三夜」。まずは、ハイライトをお届けします。
    ************************************
    EPCOTとは何か?
    「Experimental Prototype Community of Tomorrow」。
    Experimental Prototype。実験的プロトタイプ。
    Community of Tomorrow、明日のためのコミュニティ、共同体。
    つまり、実験的プロトタイプの明日の為の共同体、という意味です。
    正確に言うとこの場合、町なんです。それを作ろうとしたのです。
    当時、ウォルト・ディズニーは「科学力」に対してかなり自信があったんです。それはディズニーの力や開発力を持ってすれば、大企業の開発と同じようにいろいろな科学技術が持ってこれる。
    例えば、ディズニーが病院を運営すれば、普通の病院よりも楽しくて明るくて病人が治りやすい所をつくることが出来る。ウォルト・ディズニーが不動産をやれば、普通の不動産よりも楽しい町が開発できる。楽しい住宅が開発できる。そんな事を考えたわけです。
    EPCOTとは何かというと、そんな町で働く従業員数千人と、それ以外に、一般の人、数万人を入れた、1つの町を作ってしまおうというプロジェクトでした。その中の学校、病院、消防署、スーパーマーケット…いろいろなものをウォルト・ディズニーがプロデュースして造ってしまうという考え方です。
    そこでいろいろな実験をやってみる。Experimental Prototype ですから。
    その中で人がちゃんと生きている。
    例えば農業。当時はほとんど実験段階と思われた水耕農業、実験室栽培みたいな農業を本格的にやって、それだけでそこの人達の食事を賄う様にする。
    他にも、今の僕等が当り前に考えてるもの、例えばハンバーガーレストランの流れ作業です。食品衛生工場みたいな、セントラルキッチンもウォルト・ディズニーは考えていた。そういうものをいっぱい作り、実験的に、近未来的な町を1つ、運営する。
    実際に、これで人間がやっていけるかどうかをプレゼンテーションし、それをショーケースにしてしまおうと思ったんです。
    遊園地の次は、実際に人が住んでいる町そのものを1つのショーケースにして、そこにいろんな人が引っ越してきたり、ディズニーランドに来た人がついでに何日かホームステイすることで、未来の世界を見せる。あるいは、未来と現実の接点、折り合いの付け方を見せようとしたんですね。
    これを僕が初めて知ったのが大学の時です。SF大会の取材用…というより、取材と考えずにディズニーランド行った時に、何でこんな変なすごいものが出来るんだろうと思って。当時、日本語で分かる資料を探して探して、ようやくEPCOTセンターというコンセプトを知ったのです。ものすごく感動した。そんなスゴイものやってるのか、と。
    (中略)
    そして時代は下って「今」です。
    僕が、僕達がやろうとしてるのは、それのネット版なんです。
    ウォルト・ディズニーの何がまずかったかというと、それをリアルの世界でやろうとしたこと。リアルの世界でやろうとしたら、あまりにコストがかかってしまう。それに賛同する人を集めるのが凄く大変。おまけに維持するにも、一つのものを開発するにしても、ものすごく時間がかかってしまう。開発しているうちに、一番最初に集まった人達が年を取って、もう住めなくなってしまうんです。
    でも、ネット上、クラウドシティとかバベル(FREEexのSNS)でならできる。もう、みんな分かると思うんですが、この進化速度とか、人の居かた、人の居ることの速度というのはものすごく早いんです。
    これが僕達の出来る事じゃないかな、と思ってECCOT(エコット)、Experimental Cloud Community of Tomorrowというのをクラウドシティのコンセプトにしようと思ったんです。
    ディズニーが科学や技術で作ろうとした「夢の街」を、電子の世界・ネットの世界・クラウドの世界の中でやるんだったら可能じゃないか。
    それが、僕らが次の世界や次の世代へ見せられるものじゃないか。
    そう思いました。
    これがクラウドシティの構想です。