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記事 7件
  • [久田将義]「AV強制出演」は本当にあったのか【ニコ生タックルズマガジン】

    2016-06-23 17:00  
    330pt
      「AV強制出演」は本当にあったのか
     この問題がヒステリックにならないよう、AVユーザーの立場からまずは祈るばかりです。

    「今どきのAV業界は、無理やり出演させたりはしない。クリーンになった」。
    何人かのAV関係者に話を聞くと口をそろえて皆さんおっしゃいます。「皆さん」の中には、匿名を条件に話して頂いた有名監督もいます。

     こと、AV業界になるとどうしても「SEXを他人に見せて収入を得る行為」が、他の職業と比較して一段低く、という表現が宜しくないならば一歩引いて見てしまいがちなのは止むを得ないでしょうか。「女性の裸体を商売」とする行為――ストリップ、風俗――などがやはりキャバクラ嬢あたりからも「一緒にしないで」と言われる(少し前、歌舞伎町のキャバクラで言われました)事も事実です。

     が、原則論として、「職業に貴賤なし」。この、人類が長い歴史から勝ち取った素晴らしい言葉を頭の中にインプリントしておく必要があります。それを踏まえてのブロマガです。ここまでは前置きになります。

     今回の「AV強制出演はあったのか問題」は大きく、二つに分けた方が、マスヒステリアに飲み込まれずに済むと思います。

     まずは、マークスジャパン元代表らが労働者派遣法違反で逮捕された件。要するに、派遣先がAV現場だとは知らずに行ったとされる女性が渋谷警察に被害届けを出した事件です。
  • [本橋信宏]今週の裏流行語大賞⑧ 『日本製AV』

    2014-06-20 23:00  
    220pt
    本橋信宏寄稿記事
    今週の裏流行語大賞⑧
    『日本製AV』


     拙著2冊が最近、中国語に訳されて海外で出版された。
     ひとつは「新・AV時代」(文藝春秋)、もうひとつは「なぜ人妻はそそるのか よろめきの現代史」(メディアファクトリー新書)。

     前者が新雨出版社、後者が木馬文化事業。

     日本のAVを変えた伝説の男、テレビで放送されたマネーの虎で一躍文化人の仲間入りを果たした高橋がなりソフト・オン・デマンド(SOD)代表も、中国語では高橋雅鳴。高橋がなりが陣頭指揮した世紀の大バカ企画、クレーン車で空中20メートル、透明アクリルボードをつり上げて、その上で男女が交接する「空中ファック」も中国語では「高空ファック」。AVの帝王・村西とおるは「AV帝王村西とおる」とほぼそのまま。その愛弟子のターザン八木は「泰山八木」。なんだか雰囲気は伝わってくる。 

     AV女優は、中国語でもそのまま「AV女優」
     AV(アダルトビデオ)という名称は日本製英語であって、本来の英語ではないのだが、すでに”AV”は世界に通用する和製英語である。日本製AVは世界的にも人気があり、同じアジア人という親しみやすさもあって中国大陸では日本のAV女優、なかでも蒼井そらが大人気だ。ツイッターフォロー数が1380万人!という驚異的数字になり、蒼井そらは、性の師匠・蒼井空老師という中国語で知られているほどだ。

     反日熱にうなされている中国大陸で、ひとりの日本人女性がこれほどもてはやされているのは奇跡的である。いまや日本が誇る対中秘密兵器、蒼井そら。真の日中友好を再構築するのは、蒼井そらにかかっているといっても過言では無い。

     何故に日本のAV女優がこれほどアジア諸国でモテるのかというと、同じアジア人でありながら裸になってなおかつパフォーマンス(肉交)をおこなえる、しかも愛らしいルックス、どんなときでも微笑を忘れない。
     我々日本人は気づかないが、これほど男性に対して文字通り裸のまま癒やしを与える女性というのは奇跡的だという。

     アメリカやスエーデン、ロシアにも裸のモデルやポルノ女優はいるけれど、性格がきつそう、顔もきつそう、下手なセックステクニックでは太刀打ちできそうもない、というような強めの女ばかりだ。
     そこいくと、日本のAV女優は小さな口を開けて男性自身に奉仕するように、至れり尽くせり男に尽くす。外国の男たちにしてみたら、夢のような存在なのだ。

     中国で日本のアダルトグッズ展示会が催されたことがあった。コンパニオンとして、日本のAV女優が参加したのだったが、会場でもやはり人気を集めたのは日本のAV女優だった。中国のカメラ小僧が日本のAV女優のまわりに集まり、シャッターの嵐。1日に何度か彼女たちの出番があり、そのたびにカメラ小僧のせん光が光る。
    「それはもうすごい熱気でしたよ」
     と語るのは、主催者のある日本人。彼はアダルトグッズを製造・流通・販売する大手メーカーの代表者である。

    「あんまり多くの客が集まるんで、中国の公安警察が私たちの近くにやってきたんです。これはまずいな。中止に追い込まれるなと・・・・」
     目つきの鋭い泣く子も黙る中国公安警察!
     日本のスタッフも現地で拘束か・・・・。
     するとーー。
  • [沢木毅彦] 裏ビデオが「裏」ビデオではなくなった時代

    2014-04-22 01:00  
    220pt
    沢木毅彦寄稿記事
    裏ビデオが「裏」ビデオではなくなった時代


     ときどき裏ビデオのAD(助監督)をやらせてもらっている。ギャラは取っ払いで2万。することは2カメのうちの1台を回して濡れ場を撮影することと、男優の不測の事態に備えて卵白で疑似精液を作ること、昼の弁当の注文、ほか雑用全般。ソープ嬢モノだとパケ写真の撮影のとき女優さんの身体にオリーブオイル(エクストラバージン)を塗るのも僕の役目だ。

     えっ裏ビデオ撮ったらヤバくね?! ですな、正しくは裏ビデオじゃありません。これらは海外のサイトから配信される無修正物。人気のAV女優の撮りおろしの新作を購入できるんです。これらは違法行為じゃないんです。また、作品をDVDで買うのはもはやナンセンス。今やダウンロード購入の時代なのです。

     有名AV女優の裏ビデオ=流出物の歴史は1991年のバブル崩壊から始まった。原因は、AVメーカーの倒産が相次ぎ、社員が金策のために原版を裏ビデオ業者に売ったか、メーカーに金を貸していた業者が債券回収のために持ち出したかのどちらか。

     その後、AVプロダクションとAVメーカーは海外の配信サイトに目をつけた。女優たちがそうとは知らされず無修正AVに出演するかたちとなり、その時代にインタビューさせてもらった女優の何人かが「騙されて裏に出されちゃったのよね」と苦笑していた。やがて日本からのアクセスも一般的となり、合法な商品だと女優陣も理解するようになった。

    「女の子には海外配信の無修正物だよと説明している。今回はモザイクなしだからギャラも上乗せするからね、と。どこのプロダクションもそうだと思います」(大手モデルプロダクション関係者)。

     僕が都内のスタジオで注文した弁当を和気あいあいと食べて撮影した局部丸見えの作品を見たければ、アメリカ合衆国のサイトに会員登録して購入すればいい。おすすめなのは「カリビアンコム」。月額5000円足らずで会員登録ができる。「一本道」も6500円とやや高いが高画質が売りで高評価を得ている。

     そして、これらは違法なものではない。日本国内で性器をボカしていないAVを販売したら「わいせつ物陳列罪」か「わいせつ物頒布罪」で逮捕されるが、それは日本での決まりごと。アメリカにはAVを修正する決まりはない。カリビアンコムなどは違法サイトではなく、そういうサイトを僕たちが利用することを取り締まる法律が現状は「ない」のです。
  • [沢木毅彦] あなたは何フェチ? 人は必ず何らかの「フェチ」がある!

    2014-03-12 01:00  
    220pt
    沢木毅彦寄稿記事 あなたは何フェチ?人は必ず何らかの「フェチ」がある!

     自分はじゃあ何フェチなのか?
     これが長年の課題です。明確な「××フェチ」との肩書を名乗れない自分が物足りない。歯がゆい。

    「メーカーと品番でいうと、現在はアシックスになったがジェレンクのU-718 、ヒットユニオンの66-N。これらはナイロン地の高級品なんです。今はポリエステル100パーセントのやつばかり。ナイロンじゃなきゃダメです」       
     とAV監督の
  • [本橋信宏]吉行淳之介らを輩出したエロ本出版社も次々倒産「エロ業界苦難の日々」

    2013-11-18 08:45  
    220pt

    ノンフィクション作家本橋信宏 色川武大、吉行淳之介らを輩出したエロ本出版社も次々倒産 「エロ業界苦難の日々」


     不況に強いのが、ラーメン店とエロ本と言われてきた。
     ところがここにきて、ラーメンは過当競争にくわえてスープに手間とカネをかけ過ぎ、店が立ちゆかなくケースが多発。エロ本はネットと携帯の普及によって無料で無修正画像が見放題となって、エロはただで見るものという価値観が三十代以下に広まり、エロ本の売り上げが急減、エロ本系出版社は大不況に陥った。三十代より下の世代は、いまではパソコンや携帯動画でオナニーする。4畳半に寝転び、エロ本でシコる姿は昭和の遺物になった。

     裸さえ載せていれば黙っていても最低でも10万部以上、平均で30万部以上売れていた時代が嘘のようだ。かろうじて生き残っているエロ本も部数はかつての10分の1以下となった。

     エロ本を出版してきた老舗出版社も相次ぎ倒産、自主廃業となった。

     2007年4月、ビデオボーイ、べっぴん、すっぴん、デラべっぴん、といった月刊誌の毎月発行部数が合計100万部に達し、関連会社の宇宙企画からは秋元ともみ、早川愛美といった美少女をビデオデビューさせ、80年代美少女カルチャーの総本山とされていた英知出版が倒産。

     2007年9月、阿佐田哲也こと色川武大が麻雀放浪の末に在籍した出版社としても知られる出版社、司書房が倒産。釣り、小説関連書を出版していた親会社の桃園書房もともに破産。

     2010年、吉行淳之介が編集者として働いていた古い歴史のある出版社東京三世社が、他社に出版物を譲り自主廃業。

     雄出版、メディア・クライスなどが消失していった。

     つぶれてはいないが、老舗のサン出版、ミリオン出版、コアマガジン、といった大手も大規模なリストラを断行し、多くの優秀な人材がいなくなった。

     社員編集者が解雇され、フリーランスのカメラマン、ライター、デザイナーも苦境に陥っている。フリーランスの世界では、五十歳定年説というのがまことしやかにささやかれている。特にカメラマンは体力勝負であり、早く自然淘汰が迫る。メルセデスと複数の愛人を抱えていた中堅のカメラマン数名が、私の前からいつのまにか消えていった。
     ライターも然り。廃業して不動産会社社員になったり、レストラン従業員となったり、あいた時間にコンビニやガードマンのアルバイトをするライターが増えている。

  • [本橋信宏]文筆家本橋信宏登場!今週の裏流行語大賞 『キーボード越え』

    2013-09-30 01:00  
    220pt
    文筆家本橋信宏登場! 今週の裏流行語大賞 『キーボード越え』


    「昨日の夜、キーボード越えしましたよ」

     照れながらもどこか誇らしげな、30代独身男が告白する。
     キーボード越え・・・・とは?
     パソコンの前に腰掛け、画面に写る悩ましげなAV女優のからみを見ながらシコり、発射。勢い余ってほとばしりがキーボードを超えて・・・・。
     という意味である。

     昭和の時代なら、天井まで飛んだ、という自慢話になるのだろう。
     21世紀になって、オナニーの形態も大いに変化した。「デラべっぴん」買ってきて、こっそり勉強部屋にこもって、畳に広げたら横になってズボンとパンツをずり下げて、シコる。こんな光景はいまや昭和の遺物になってしまった。
     パンツ下げて畳に横になってシコる、という様式がいまの30代いかにはピンと来ないらしい8キーボードを前にしてよくできる、と思うが、たしかに慣れてしまえば違和感はないゾ)。

     最近のオナニー事情によれば、パソコンでのシコ率は下がり、30代以下は圧倒的に携帯動画見ながらやるらしい。

     AVにも変化が起きた。
     大柄・色黒・饒舌の3拍子そろった男優が好まれなくなったのだ。携帯動画の画面は小さい。大柄で色黒の男優が登場すると、小さな画面では存在感がありすぎて邪魔なことこの上ない。そこで、男優も小柄・色白・無口が好まれるようになった(余談だが、昨今の男優が発射しても一物がなかなか萎まないのは、撮影前にバイアグラを粉状にして飲んでいるからだ)。

     AVでは人妻・熟女が相変わらず人気があるが、最近ではテレビ放送を動画で収録して、携帯でお世話になるパターンが多い。デビ夫人(意外と豊乳)、小泉今日子(あまちゃんで人気が再燃)、あたりが人気が高い。
  • [藤木TDC]「ビデオ・ザ・ワールド」休刊と裏ビデオ時代の終焉

    2013-05-15 01:00  
    220pt
    藤木TDC 寄稿記事  「ビデオ・ザ・ワールド」休刊と裏ビデオ時代の終焉
    「ビデオ・ザ・ワールド」という雑誌がこの連休明けに出た2013年6月号で休刊した。 
     ネット世代の読者は知ってる人も少なかろうから、まず基本的な情報から書いておこう。
    「ビデオ・ザ・ワールド」は1983年から発刊され続けたビデオ情報誌で、とくに裏ビデオとAVの情報と批評に重きをおいた内容だった。80年代後半から90年代にはおそらく10万部以上発行していたのでは? 月刊誌としてはものすごい数字である。

    ことに裏ビデオ情報については質量ともに他誌の追随を許さぬレベルの高さで、全国の裏ビデオ販売店には客用のカタログとして同誌が必ず置かれていた。筆者もAV(表ビデオ)分野で86年頃より延々25年近くにわたって寄稿と連載を続けた。

    拙著「アダルトビデオ革命史」(幻冬舎新書)は同誌を参考文献として書いたものだし、「アダルトビデオ最尖端」(コアマガジン)は同誌の連載をまとめた書籍だ。業界人の間でどういう受け止め方をされていた雑誌かについては安田理央氏のブログなどを探して読んでもらえば、抱えていた問題点も含めて少し理解していただけるかもしれない。
     休刊の理由は、