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庭について:その15(1,728字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 22ヶ月前
リチャード・ボイルとは何者か?彼は、またの名を「バーリントン伯爵」という。このバーリントン、チジック・ハウスをはじめとする素晴らしい庭(建築)を造ったのは、実は「3代目」にあたる。初代と2代目(彼の曾祖父と祖父)は、これもまた有名な貴族だった。3代目バーリントンは、そういう有名な貴族一家の出だった。...
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庭について:その14(1,472字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 22ヶ月前
ウィリアム・ケントは、どのような庭を造ったのか?例えばチジック・ハウスという庭(建築)がある。チジック・ハウス - Wikipedia「絵画のような」英国庭園:ロンドンのチズウィック庭園これを見て分かるのは、まずローマ風の建築ありき――ということだ。ただし、それをローマ風の庭園ではなく、あえてイギリス風の庭園...
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庭について:その13(1,658字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 22ヶ月前
イギリス式庭園とは、どんな庭だろう?その最も分かりやすい定義は「直線を嫌う」というものである。これはもちろん、ローマやアラブ、そして何よりフランスの庭が直線を好んだことへの対抗だ。だから、イギリス庭園は一種の「カウンターカルチャー」ともいえる。それはイノベーションだった。そして17世紀以降、庭とい...
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庭について:その12(1,696字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 23ヶ月前
18世紀に活躍したイギリスの造園家ウィリアム・ケントは「自然は直線を嫌う」という言葉を残して、庭園における非幾何学的なデザインを押し進めた。これがイギリス式庭園のスタイルを作り出したのだが、一方ではこれを「風景式庭園」とも呼んだ。どこを切り取っても風景としての美しさをたたえているという意味だ。この...
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庭について:その11(1,601字)
コメ2 ハックルベリーに会いに行く 23ヶ月前
「北欧風庭園」とは何か?「キナリノ」というサイトに、こんなふうに説明されている。「北欧ガーデンはイングリッシュガーデンの影響を受けつつ、独自の進化を遂げています。整然と作りこまれた庭園のようではなく、まるで森や林の中に住んでいるような、自然と調和する庭造りと、北欧の植物やカラーリングとの絶妙なコ...
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庭について:その10(1,715字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 23ヶ月前
庭の文化はエジプトから始まった。その後ギリシアを経てローマに受け継がれる。いわゆる「ヘレニズム文化」だ。ローマは「建築」と「水道」が自慢だったので、庭もそのまま「建築」と「水道」あるいは「池」が主役となった。それが一つの定番となって、ルネサンス期まで引き継がれた。一方、ローマの庭はアラブ世界にも...
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庭について:その9(1,637字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 24ヶ月前
面白いことに、Wikipediaに「庭園史」なる項目がある。庭園史 - Wikipediaこのことからも、「庭」というのは実に「文化的」な存在だということが分かる。ところで、これをつらつら見ていて思ったのは、ぼくがヨーロッパの「庭園」と聞いて、まず思いつくのはイタリアの「カゼルタ宮殿」である――ということだ。カゼルタ宮...
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庭について:その8(1,728字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 24ヶ月前
日本は世界的に見ても浮浪者が多いと思う。調べたわけではないが、気候的に浮浪者に適しているのだ。まず浮浪者の一番の敵は太陽だが、日本は木が多いためにこれを避けられる可能性が高い。また二番目の敵は雨で、これは木でも防げないが、日本は雨が多いため、逆に屋根つきの公共建築が多い。公園にも屋根つきの東屋が...
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庭について:その7(1,664字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 24ヶ月前
代々木公園は、「庭」としてはつまらない。つまらないが、しかし見事な「公園」ではある。人々が集い、賑わっている。清潔で、安全である。およそいかがわしい雰囲気がない。そのため、大人気だ。都民の興感を集めている。評判も高い。代々木公園を嫌いという人は、なかなかいないだろう。しかし、それでも、庭としては...
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庭について:その6(1,858字)
コメ2 ハックルベリーに会いに行く 25ヶ月前
ぼくは、庭には二つの機能があると思う。一つは「歩く」。もう一つは「見る」である。この二つの機能をどんな庭も基本的に持つ。そしてこの二つの機能を高いレベルで満たせることが、いい庭の条件ではないだろうか。イギリスの庭は、どちらかというと「見る」ことに特化している。それは、イギリスの空が格好の背景とな...
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庭について:その5(1,501字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 25ヶ月前
日本の庭文化は、今はほとんど一部のお金持ちの趣味になってしまった感がある。しかも、相当のお金持ちでも趣味のいい庭を持っているケースはきわめて希である。ほとんどの人が、庭にお金をかけるくらいなら家にお金をかける。そうして「豪邸」は日本のほうぼうにあるのだが、「豪庭」はきわめて希少な存在になってしま...
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庭について:その4(1,586字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 25ヶ月前
これを書いていて思い出したのが、ぼくが最初に庭に目覚めたのは『ドリトル先生』を読んでいたときだった。それも、『ドリトル先生航海記』を読んでいるときだった。ドリトル先生航海記ぼくは小1のときに母に勧められて『ドリトル先生』を読み始めた。最初に読んだのはシリーズ第1作の『アフリカ行き』だったが、一応読...
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庭について:その3(1,840字)
コメ1 ハックルベリーに会いに行く 25ヶ月前
大学時代の京都研修旅行では、茶室にも行った。残念ながらどこの茶室かは全く覚えていないのだが、利休が作った茶室に行く予定だったのが、先方の都合で行けなくなり、他の茶室に行ったと記憶している。ただ、そこへ行けて良かった。というのも、そこは庭が立派だったからだ。茶室の庭のことを「茶庭」という。また「露...
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庭について:その2(1,716字)
コメ2 ハックルベリーに会いに行く 26ヶ月前
ぼく自身、他の多くの日本人と同様、庭とは縁遠い暮らしをしてきたのだが、大学3年生のときに研修旅行で京都へ行った。京都の建築を見学するためなのだが、そこで円通寺に行ったのである。円通寺の庭を見た。圓通寺(円通寺) 平面の美学を打ち出した枯山水(京都府)ここは、日本一有名な庭の一つである。だから知って...
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庭について:その1(1,531字)
コメ2 ハックルベリーに会いに行く 26ヶ月前
庭について考えてみたい。日本人にとって庭というのは「贅沢品」というより「縁遠い」ものだ。ほとんどの人が庭なしで生き、死んでいく。そして、それでほとんどなんの問題もない。庭がなくて困ったという人に、これまで会ったことがない。また、庭は「憧れ」られてもいない。「タワマン」は富の象徴だが、庭はそうでは...