「ここんとこの良いもの(売れないだろうな)」

 

 

 まあもう、<良いものが売れなくたって普通>という時代が、なんかいつの間にか終わって、いつの間にか再開した感じですが、今日、金原ひとみさんの最新作「アタラクシア」が送られてきて、これもう普通に素晴らしいです。

 

 なんでだろうなあ?僕、国文学はもうまったく読めなくて、ディスじゃないですけど、友人に勧められて買った西加奈子さんとか、文字が入ってこないんですよね頭に。僕の文学読みの能力がダメダメなんでしょう。
 

 とにかく僕、ここ50年の日本の小説は、コンスタントに読めるのは筒井先生、小林信彦先生、京極夏彦先生、高橋源一郎先生、水村美苗先生、矢作俊彦先生、で手いっぱいで、(蓮見先生の「伯爵夫人」、小説家再デビューの北野武先生は特例として)、自分より年若い先生方のは、中原昌也さんと金原ひとみさんしか読めないんですよね。このお二人のは、喉が渇いてる時の水みたいにゴクゴク入ってきて、あっという間に飲み干してしまいます。どれもすげー面白い(壇先生のは、ゴクゴク入ってこなけど、異物感や、すげえ知己があるとか、やっぱり例外的な小説家ですが)、日本語の文学には素晴らしい可能性が満ち満ちている、と思わせられます。