秋になると、自分の忙しさがいきなり実感されるようになる。気温が下がるからだ。今月からリアルサウンドで映画批評の連載が再開されるし、写真集に1曲選曲してエッセイを書く。という連載もいい調子で続いている。当コンテンツでも、藤井風の分析と、自作歌詞の分析を準備しているところである。「UOMO」は(とうとう)ウエブ版が出たら「新連載良いですね」とったメールが(案の定)来るようになった。UOMOの連載は、僕の連載史上、最も長く続いていて、今まで誰の話題にも上がらない完全な真空状態だったのだが、これがネットだ。そろそろネットでのインタビューも止めようかと思う。それしか言ってない奴になる。というか、今、ネットに出てこない人間はミッシングパーソンで、とんでもない昔の発言から、ついこのあいだの発言までを好きなように繋げられて、名も知らぬ奴が結論を出す。そして書籍は読んで泣けるやつしか売れない。昭和とさほど変わらないとはいえ、世界は変わった、つまり、秋が来て良かった。

 

 音楽家としてはcurejazzという、ちょっとした大仕事が終わり、今はオーニソロジーのアルバム制作に入った。正午の空は暗く、用意された楽曲は素晴らしいものばかりで、肌寒い気温の中でうっとりする。どの曲の歌詞に「カーボンニュートラル」を入れようかと思うとワクワクする「カーボンニュートラルとか言っちゃって、何が本当で嘘か分からないくせに、僕を好きというの?グリルを食べにゆこう。ワインもつけて。ガソリン車で」「カーボンにニュートラルな君は、パパにしたかった叱責を僕にし始めて止まらなくなった。口から溢れ出る止まらない二酸化炭素と、付けっ放しの家電。少なくともニュートラルな時間じゃなくない?」