町田 最近はあんな感じでやってまして。
――あっ、最近なんですか(笑)。
町田 なぜかというと、格闘家のインタビューや記者会見って元気があんまりないじゃないですか。
――まあそうですねぇ。
町田 面倒くさそうに喋らなくてはいけない風潮があるのかなあ、と。ボクも昔はそういう風にやっていたところがあるんですけど(笑)。こないだの記者会見はファンの方も集まってて、ウェブでも配信されていたので、自分なりにできることを少しでもやってみようと思いました。
――少しどころか大好評でしたよ!
町田 そう言っていただけるとありがたいんですが……いまのキャラクターが正解かといえばわからなくて。まだ方向性が定まってないところはありますね。
――まだ自分でもわかってないと(笑)。
町田 そうなんです(笑)。今回はRIZIN初参戦なので記者会見から爪痕を残そうと思って。なぜかといえばRIZINに出るキックボクサーはたくさんいまけど、なかなか線にはならずに点で終わってしまうことのほうが多いのかと。RIZINに出るだけでは意味がなくて、いい試合をするだけでも意味はない。どれだけファンの心に自分の存在を残せるか、ということを意識しております。出席者の中でいえば、知名度はメチャクチャ低いですから。
――それで記者会見から大チャレンジしたということですね。
町田 自分でもキャラが定まってないから、じつはメチャクチャ緊張してましたね……。
――ハハハハハハハ! あんまりキャラが濃すぎると初見じゃ受け止められなかったりしますし。
町田 そこのさじ加減は難しいですよね。それにそこまでしゃべりがうまいわけじゃないですし、語彙力もない……じつは周期的にキャラチェンジしてるんですよ。
――なんというカミングアウトですか!(笑)。
町田 今回も、はたしてこのままでいいんだろうか?という迷いもありまして。常にいまの自分より前に進みたいっていう気持ちは強いですね。キャラを変える、というより「もっとこうしたらいいんじゃないか」と。
――でも、今回好評だったのは、作り物じゃない町田さんの人間性が伝わったからだと思うんですね。
町田 ああ、それだと嬉しいですね。たしかにああいう場だと普段どういう生き方をしてるのかが出ると思います。どういう思いで格闘技をやってるのか。そこが大事なことだとは思ってるんです。
――記者会見で目立つ方法って対戦相手に噛み付くのが一番ですけど、試合をする大雅選手とは何の因縁もないわけですよね?
町田 接点すらないですから、そこで挑発したところで意味はないですね。僕は格闘技がもう一つ上のステージに上がってほしいという想いを持っていて。悪口を言い合ったり、バカにしたり、罵りあったりすることで盛り上がるんじゃなくて。 たとえば虐待やイジメとか問題がある中で、肉体的に強い格闘家たちが日本に与えられるいい影響ってあると思ってるんです。 そこが格闘家の本当の強さだと思っていて。
――格闘家として正しいメッセージがあるんじゃないかと。
町田 ボクも一時期トラッシュトークをやってたんですよ。でも、どうも合わなくて(苦笑)。
――ああ、一度は噛み付いてみたんですね(笑)。
町田 口は災いの元なのか、悪い言葉を吐いたときにケガをしたり、入院したり……。自分に返ってくるんじゃないかなって考えるようになっちゃって。
――人間ってめぐりが悪くなると、何か無理をしてるところに原因を求めちゃったりしますもんね。それにしても町田さん、マジメです!(笑)。
町田 とりあえず今回の会見は少し手応えはあったので、試合でもきっちり魅せて、出落ちにならないように頑張ります(笑)。
――ところでRIZINからオファーがあることって考えてました?
町田 まったく考えてなかったですね。ボクに目をつけるって事は滅多にないだろう、よっぽどのことがないかぎりないだろうと。今回も大雅選手の相手に誰かいないか?ってことじゃないですか。やっぱり大雅選手ありきのカードなので。
――そこで外国人を連れてくるんじゃなかったのは、町田さんにも期待感はあると思うんですね。興味が持てるカードにしたいと。
町田 理由はなんであれ、このチャンスを生かすしかないですよね。シュートボクシングで試合をしたばかりで、試合スパンは短いんですけど、こんなチャンスはないですから。いままでずっと埋もれていたので、なかなか世間に届くチャンスはなかったので。
――その強い思いが記者会見で溢れていたのかもしれないですねぇ。
町田 キックでいえば、新生K-1とかに出てる選手のほうが知られてますよね。こないだ中学の同級生に久しぶりに会ったんですけど……「芦澤竜誠って知ってる?好きなんだよね」って言われて。ボク以前、芦澤選手に勝ってるんですけど、知名度では完全に負けてます(笑)。
――今回のRIZIN参戦は、その同級生にも届くきっかけとなるかもしれない試合ってことですね。
町田 こういう試合はなかなかないですね。この試合の勝ち負け、内容次第で今後の人生が変わるかもしれない。モチベーションは自然と上がります。相当気合が入っております!
――だからこそ、ああいうエネルギーに満ち溢れた会見になったんでしょうね(笑)。
町田 そこなんですよ。エネルギーなんです。エネルギーに満ち溢れてるって大事だと思うんです。いまこの世の中にエネルギーがない人の方が多いので、エネルギーを出すだけで需要はあると思うんですね。
――ボクもそのエネルギーにつられて、こうやって取材に来てますからね(笑)。
町田 ハハハハハハ。
町田 ボクはサンドバックの練習を大切にしてるんですけど。1人で黙々とサンドバックに向き合ってる中「どうしたらもっとパンチが強くてるのか」と思って、両手が打ったら強かったんですよ。スパーリングでも両手だから相手は吹っ飛ぶんですよね。
――ルール的には許されるんですか?
町田 ルール的には全然オッケーです。これは侍が刀を抜く動作に近いなと思って「居合パンチ」と名付けてまして。
――ということは、武道的なものとはまったく関係ないわけですね?(笑)。
町田 まったく関係ないです!
――ガハハハハハハハハ!
町田 このパンチはお客さんにも届かせることができるなと。この構えになった瞬間に「あ、居合パンチが出る!」ってもっと試合を楽しめるじゃないですか。いまでは居合パンチを出すと客席から少し歓声が起きるんですけど、最初の頃は「いったい何をやってるんだ???」って笑われました。
――見たことない技ですもんね。
町田 そこから入場コスチュームを和にしてイメージを強調したりして。侍の所作もわからないけど、とりあえずやってみようと。最初は「拙者は〜〜」みたいな感じだったんですけどね(笑)。
――それじゃお笑いタレントのお侍ちゃんですよ!(笑)。マジメな話、競技として居合パンチはどれくらい有効なんですか? いや、ここまで勝ってるから魅せ技ではないんでしょうけど。
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コメント
コメントを書くk-1の選手に読んで頂きたい
ジャンさんは誰かの話をする時に秋山とか佐藤とか村田とか苗字しか言わないですけど、聞く方は違う方の秋山だと思って聞いていて、しばらくしてそっちの秋山の話かってなってますからね
今日だってジャンさんは亮太の話してんのにシュウさんは夏南子だと思ったでしょ
そんなに人名の下の名前を言うのが面倒くさいですかね
めんどくさいなら今のままでいいですけど