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大会後恒例の笹原圭一RIZIN広報インタビュー、超RIZIN&RIZIN38の後編です!(聞き手/ジャン斉藤)
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――メイウェザーvs朝倉未来も面白かったですが、それ以外の超RIZIN&RIZIN38の試合も最高でした。
笹原 「超RIZIN&RIZIN38がつまらなくなるって言ってたヤツ謝れ!」ってエンセン井上さんばりに叫びたいですよ!
――それ、前編と同じこと言ってますよ!
メイウェザーvs朝倉未来を語った前編はこちら!
――まあRIZINは毎大会「こんなカードじゃダメだ!」だの「DEEP以下」だの文句を言われるわけですけど。超RIZIN第1試合は三浦孝太選手でした。
笹原 それがジジの12オンスグローブ騒動で1ミリも試合が見られなかったんですよ!
――ハハハハハハハハ!
笹原 まあでも負傷やコロナで2戦目は伸び伸びになっていましたが、やっぱり華がある。舞台慣れしているし、なにより人に注目されることを力に変えられるタイプですよね。慌てずに経験を積んでもらいたいなって思います。
――ムエタイルールの吉成(名高)選手はあいかわらずのキラーぶりでKO勝ち。
笹原 この試合のときはメイウェザー軍団がようやく会場に到着して1秒も見られなかったんですよ!
――これもでしたか(笑)。名高選手は超一流の格闘家なんですけど、格闘技って試合という作品が求められるじゃないですか。RIZINでの相手選びが本当に難しくなってきてますよね。
笹原 名高選手がこの先スーパースターになるには、彼にふさわしいライバルの登場が必要ですし、いまの階級にライバルがいないのであれば階級を変えるとか。いろんな選択はあると思いますが、どこかで“何か”を踏み越えることが必要かもしれないです。ある意味、競技じゃないところのセンスが問われるかもしれないですよね。
――皇治vsジジはその「競技じゃないところのセンス」が炸裂した試合でしたね。
笹原 面白かったなあ。12オンスグローブ問題を解決したかいがありましたよ!
――ただ、コアファンになればなるほど「皇治vsジジ、楽しみ!」と大声で叫べなくなるんですよね。そこはみんな素直になりづらいんですけど(笑)。
笹原 たしかに鰻重はご馳走ですよ。でもそればっかじゃ飽きるでしょ? たまにはお茶漬けとか食べたくなるじゃないですか。それと同じですよ。
――皇治vsジジってどんなお茶漬けですか。どちらかというと「ペヤング 超超超超超超大盛」ですよ!
笹原 お茶漬けにしては「なんか喉につっかえるくらい具材が大き過ぎじゃないか!」みたいに思うかもしれませんけど、そういうのは目をつむって飲み込めばいいんです(笑)。でも、この試合は絶対に面白くなるのはわかってましたから。決して終わってから言うわけじゃないですよ!(笑)。
――今回の朝倉未来もそうでしたけど、皇治が大真面目にジジ戦に取り組んだこともありましたよね。体重差のある異種格闘技戦だから、トリッキーなことを仕掛けてもおかしくないのに。
笹原 そこで真っ向勝負するのが皇治選手のいいところです。しっかりボクシングをやって倒したかったんでしょう。たしかに競技的ではないマッチアップですが、やっぱり心を動かすものはありますよね。
――「不平等の克服」のドラマがありましたね。北米のMMAニュースサイトでは、旧約聖書の「ダビデvsゴリアテ」にたとえていたくらいですから。ダビデも「モテてしゃーない」人でしたけど(笑)。
笹原 やっぱりRIZINは幅広い層に楽しんでもらいたいので、とってもわかりやすい皇治vsジジから、コアファン向けの扇久保博正vsキム・スーチョルまで用意してるんですよ。どうですか、この振り幅!(笑)。嘘発見機にかけられた凶悪犯でも、ここまで針が触れないですよ!
――振り幅が広いというか、ぶっ壊れてますよ! “殺し”が漂う名高くんの試合のあとに、試合直前にグローブでゴネたジジが登場するわけですからね。
笹原 たしかに茶番という指摘はもっともだと思いますし、それに反論する気は全然ないですけど、ボクは覚悟もない競技をやるくらいなら、全身全霊で取り組む茶番を選びます。
――平場じゃないからこそ、人間性が浮き彫りになるところはありますよね。
笹原 皇治選手もジジも人間的な魅力に溢れてましたからね。前回も話しましたけど、ジジは負けて控室に帰ったら、メイウェザーの試合だから関係者が誰ひとりいなかったんですよ。仕方なくジジは誰もいない控室で、彼女にずっと慰められてましたからね。「鼻が痛いよぉ」「大丈夫よハニー、私が撫でてあげるから」みたいな感じで(笑)。
――ハハハハハハ! お叱りの声が飛んできそうですけど、ジジの試合はまた見たいですねぇ。
笹原 悪ぶっていましたけど、なんかあの優しそうな目がいいんですよね。
――聞くところによると、「日本人は礼儀知らず」とか言っていましたけど、実は非常に親日家らしいじゃないですか。
笹原 ち、ち、違いますよ! あいつは凶悪な男で、今回は負けましたけど、復讐を誓ってまた日本人ファイターを血祭りに上げるために乗り込んできますよ!
――今度来日したら血の雨が降ると思うので、絶対に呼ばないでください!
笹原 いや、本当はもう1回くらい使いたいんですけどね(笑)。
――ジジの話はこれくらいでジュリの話をしたいのですが、RIZIN.38の第1試合は大原樹里がルイス・グスタボに完敗。世界の壁は厚いですねぇ。
笹原 うーん、大原選手はいつもと違って緊張していたように見えましたねぇ。佐伯さんにも言いましたよ。「DEEP病をぶり返している」「負けたのは佐伯さんのせいだ!」って。
――いまのファンは「DEEP病」なんて知らないですよ!
笹原 PRIDEの昔から大舞台で勝ちきれない、場に飲まれて緊張しちゃうっていうやつですね。
――DEEPって佐伯さんの方針でどこの舞台にも選手をホイホイ出すから、勝ち負けが目立ちやすいところもあるんですけどね。
笹原 まぁ「DEEP病」というのは冗談ですけど、大原選手は試合前日の写真撮影のときから緊張してる感じがあったので心配でした。ボクはこの試合をドミネーター選手と一緒に運営本部で見てたんですよ。
――ヤマス選手は大会中に平本蓮戦決定の挨拶をしましたね。
笹原 大原選手は「もともと打たれ強い選手ではないから、ああいう試合展開になったら勝てないですよね」と。自分から積極的に手を出す感じじゃなく受けに回ると……グスタボの打撃の圧はすごいですから。
――最後のラッシュは20連打くらい浴びせてましたねぇ。ライト級といえば、笹原さんが匂わせていた「世代闘争」カードは飛んじゃいましたが、じつは矢地祐介選手の試合だったみたいですね。
笹原 ギリギリまで粘ったんですが最終調整がつかず……かなりヒリヒリするカードだったんですけど。
――矢地選手がカードが消えた経緯をSNSやYouTubeで明かしてましたけど、 RIZINや対戦相手に迷惑がかからないように自分の主張もしっかりしてて。すごく大人なSNSの使い方でした。
笹原 それでも矢地選手本人は真意がで伝わりきれていないと思ったみたいで、ボクのところにすぐにLINEがきて「ツイッターってむずい!」と(笑)。
――SNSって「1+1は2です」とツイートしても、「あたりまえのことをわざわざ書くなんて怪しい」「それがどうかしたんですか?」「足さなかったら1はそれぞれ1のままです」とか誤解して受け止める人っていますから(笑)。 なんでもかんでもバラしちゃう時代に矢地選手のやり方はスマートだなって。
笹原 ああいう場合って言いすぎちゃダメだし、言わなすぎてもダメだし……そこのバランスをうまく取っていたと思います。まあボクらが最終的に試合が組めていれば、 矢地選手に迷惑はかからなかったんですけどね。
――次は萩原京平vs鈴木千裕。
笹原 ボク、この試合の結果が出た時に萩原京平にとって手痛い一敗だなって思ったんです。でもよくよく考えたら、むしろこのどん底から本当にMMAと向き合うためにはよかったんじゃないかって。どこかに出稽古したからといってすぐに強くなるわけじゃなくて、MMAの技術を自分のものにするのってすっごく時間がかかる。どこまで我慢してMMAに浸かることができるかですよね。
――水の張った洗面器に顔を突っ伏した状態ですね。
笹原 本当に我慢のしどころですし、この3連敗はMMA ファイターになるための通過儀礼なのかもしれないです。やっぱりMMAは簡単じゃない。
――誰かと練習したり指導を受ければすぐに強くなるわけではないですし……。
笹原 一緒に見ていたドミネーター選手は萩原選手と対戦経験があるから戦ってみた感想を聞いてみたんですよ。
○キム・スーチョルに勝てる日本人はいるのか
○敗れるも扇久保博正のベストバウト
○来年は女子ストロー級に力を入れる!?
○堀口恭司フライ級転向について
○ドミネーターvs平本蓮の裏側
○梅野源治の面白さを引き出したい……などなど1万字インタビューはまだまだ続く!
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平本のやりたがった相手って斎藤選手かな
笹原さんのインタビューは毎回面白い!
イベントをどういう視点で観たら良いのか参考になります。
自分の価値観のみで観戦するのも良いですが、幅を広げるために色んなものの見方をした方が楽しいですね。