-
どこの馬の骨かわからないものが常に歴史の扉を開く!
2016-02-19 14:30今週のお題…………「なぜPRIDEは成功したのか?」 文◎ターザン山本(元『週刊プロレス』編集長)……………金曜日担当 PRIDEはなぜ、成功したのかだって? そんなの理由なんてないよ。全ての成功はたまたまだから。たまたま成功した。それでいいんじゃないの? 誰の力でもないのさ。とにかくPRIDEを立ち上げた。そいつが一番、偉い。誰だそんな向こう見ずな連中は? しかしそれも気紛れだろ? 思い付きだろ? 結局、物好きなだけだろ? それでいいのさ。やってりゃ、ひとりでに動き出すしね。旗揚げしたメーバーのひとりに俺はこう言ったもんね。「どこの馬の骨かわからないものが常に歴史の扉をこじ開ける」とね。そうしたら彼はそのどこの馬の骨という言い方がえらく気に入ってね。俺、その時、PRIDEは絶対に化けると確信したよ。そうとわかれば話は早い。勝ち馬に乗れだああああああああ。乗ったよ。と言っても -
グレイシーが衝撃だったのは、どいつもこいつも全員無知だったからだ!
2016-02-12 13:30
今週のお題…………「なぜグレイシー柔術は衝撃を与えたのか?」 文◎ターザン山本(元『週刊プロレス』編集長)……………金曜日担当 なぜグレイシーは衝撃を与えたのか? だって? その答えは簡単さ。格闘家も我々も総合というか他流試合に関して完全に無知だったからだ。
流派とかジャンルが違うものが闘ったらどうなるのか? それについて全く何もわかっていなかった。みんな己が強いものだと思い込んでいた。その幻想をグレイシーはことごとく破壊した。UFCがアメリカで立ち上げた時、それが一体どういうものか? 理解していなかったのだ。
空手、大道塾の市原海樹。太平洋を渡って果敢にUFCに乗り込んだ。おそらく本人は自信があったのだろう。ところが結果はあっけなくボイス・グレイシーの前に敗れてしまう。その時のショックか彼はその後、表舞台から消えた。
和術慧舟會の西良典。西選手はヒクソン・グレイシーと初めて闘 -
K-1の成功? そんなもん石井館長の野心、野望に決まっている
2016-02-05 15:20今週のお題…………「なぜK-1は成功したのか?」
文◎ターザン山本(元『週刊プロレス』編集長)……………金曜日担当
Kー1の成功? そんなもん決まっているじゃないか。 全ては石井館長の野心、野望さ。それ以外に何があると言うのだ。あの人の執念、怨念だよ。それって大事なことだよ。だって自分に絶対的な自信がないと出来ない。館長は自信の塊だった。間違いないよ。じゃあ、何に対しての怨念、執念なの? プロレスだよ。プロレス。
格闘技側の人には俺たちは真剣勝負をやっているのに、なぜプロレスはあんなに人気があるの? プロレスは真剣勝負じゃないだろ? そのジレンマ、腹立たしさが溜まりに溜まっていた。それが格闘家の共通した思い。しかもA・猪木は異種格闘技戦をやってプロレスラーの強さを次々と証明して来た。さらなる苛立ち。これはアタマにくるよな。ただプロレスはあくまで興行。格闘技は純然たる競技。この違い -
神秘性vs数値化! 格闘技に論理性を求めてもつまらない!
2016-01-29 14:20今週のお題…………「3・25巌流島イベントで見たい試合」
文◎ターザン山本(元『週刊プロレス』編集長)……………金曜日担当
『巌流島』が記者会見をやった? マジかよ。谷川の執念は半端じゃないな。本気かよ? 本気なんだ。それが凄い。だいたい興行なんて金がかかるだろ? 出ていくばっかり。そんなこと気にしていたら何も出来ません。気にするならやるなだああああああ。
会見の写真、見たけどムチャクチャ。甲冑を付けて戦う? 闘うじゃないもんね。闘から戦へ。そんなイメージがして来た。なんだろうねえ。とにかく今までの格闘技の殻、常識、概念をぶち破ろうとしているんだろ? 差別化だよね。そんなのはたして可能なの? なんだか『巌流島』がパンドラの箱に思えてきたよ。箱の中から何が出てくるの? 検討もつかない。全てが未知数。それを面白がっているファンがいる。そうだよな。みんな新しいことを求めてい -
ああ、美しき喪失感。1981年9月23日、伝説の田園コロシアム興行!
2016-01-23 12:00今週のお題…………「私が興奮したベスト興行」
文◎ターザン山本(元『週刊プロレス』編集長)……………急遽土曜日担当(昨日、やっと山口日昇氏の原稿が届いたため。1日遅れ)
ベスト興行? そういう言い方をするということは試合ではない。いつ? どこで? つまりどの会場だったの? 空間論、風景論になるよね。だって興行のことでしょ?
昭和の時代に作られた体育館は老朽化が問題となり次々と解体された。有名なところでは札幌中島体育センター。宮城県スポーツセンター。蔵前国技館。などだよね。もう、それは今ではない。解体のあと建て替えられたのが大阪府立体育会館、大田区体育館。東京体育館。ベストマッチ、ベスト興行は常に体育館やアリーナと共にある。それが私の考えだ。
プロレスファンは過去に生きる。記憶に生きる。そういう習性がある。ベスト興行を一つだけあげろということ自体がそれを証明しているではないか? -
名勝負と真逆な試合で神話を作った「前田日明」こそ、理想のプロファイター!
2016-01-14 16:30今週のお題…………「私が理想とするプロファイター!」
文◎ターザン山本(元『週刊プロレス』編集長)………木曜日担当(本当は金曜日なんですが、まだ山口さんの原稿が………)
理想とするプロファイター? みんなは誰を選ぶのだろうか? そこで思い出したのが名勝負数え歌という言葉だ。すぐに藤波と長州の試合を想像してしまう。しかしだよ。そもそも名勝負とは1回性のことなんじゃないの? それがなぜ数え歌になるんだよ? 名勝負をインフレの大安売りにしていいのか? まあ、プロレスはイメージビジネスだからむずかしいことは言わないようにしよう。
だからプロのファイターで理想とするのは試合で見せることの出来る人となる。とにかく観客が納得し満足し感動しないことには話にならない。だったら猪木しかいない。プロレスだろうと格闘技戦だろうとデスマッチだろうと関係ない。その意味で並外れた想像力、クリエイティブな -
異種格闘技戦こそ、プロレスファンにとっての最大のファンタジー!!
2016-01-08 12:00今週のお題…………「私がシビれた異種格闘技戦」
文◎ターザン山本(元『週刊プロレス』編集長)………金曜日担当
A・猪木がライフワークの一つにして来た異種格闘技戦とは何か? それを定義しようとしたら次の言い方ができる。それはプロレスファンにとって最大のファンタジーだった。だってそうだろ? 猪木が自分のホームグラウンドである新日本プロレスのリングで格闘家と闘い結果として試合に勝つ。そういう構造だったからだ。
プロレスファンのプライドをこれほどくすぐるものはない。異種格闘技戦という概念を考え出した人は相当な知恵者だ。いや悪知恵といってもいい。最初から格闘家を猪木の噛ませ犬、もしくはプロレスの噛ませ犬にしているのだ。えげつないよなあ。そりゃ格闘技の関係者からするとアタマにきただろう。きて当然だ。プロレスとプロレスラーの優位性を証明するための装置。それが異種格闘技戦だった。こんなファンタ -
天龍さん、引退当日に渡した一升瓶のお酒。飲んでくれただろうか?
2015-12-31 12:00※明日が元旦なので、金曜日予定の当記事も本日併せて掲載いたします!今週のお題…………「2015年」
文◎ターザン山本(パピプペポ川柳・師範)………金曜日担当
2015年? もう忘れた。何があったの? そうだ。天龍さんの追っかけをやったんだっけ。5月には引退ロードの大阪大会に行ったもんね。みんな自腹だよ。そんな金があるなら競馬に賭けろよな。チケット代もだよ。なんでチケット買って入らなければならないの?10月には東北の一ノ関にも行った。こっちは密航だよ。密航。なんて懐かしい言葉。もはや死語か? そして11月15日の両国国技館、引退試合。3ヶ月前にチケットは押さえた。全て自腹だああああああ。
出禁の私がなぜ天龍さんの試合を見に行くの? 行ったっていいじゃないか。見ないと何も言えないでしょ。私の奥さんは天龍さんが富山のホテルでやったトークショーにも潜入。深夜バスで行ったよ。まさかそ -
「大晦日に格闘技」というのは、実は私のアイディアだったのだ。大晦日教、バンザーイ!!
2015-12-25 12:00今週のお題…………「大晦日と格闘技」
文◎ターザン山本(元『週刊プロレス』編集長)………金曜日担当
大晦日と格闘技? また面倒臭いテーマだなあ。大晦日とはそもそも何なのか? ハイ、その答えは簡単。ひと言でいうとそれは「大晦日教」なのだ。
日本には明確な形での宗教はない。宗教は罪と救済の二本立てで成り立っている。日本人に罪とか救済の概念なんかあるわけがない。あるのはただ一つ。死んだら終わりじゃんという考え方だよ。どうせ死ぬんだから罪も救済も関係ありません。必要ありません。本音の部分はそうだよな。その証拠に大晦日によってこの1年をなかったことにしようとする。何もかもね。全部、あらゆることをチャラにするのだ。しかもそれを全員一致、満票でね。それを称して日本人の「大晦日教」と名付ける。大晦日教、バンザーイだあああああ。
「紅白歌合戦」がまさにそのための儀式、イベント、祭りだよ -
『大武道!』は極度に資本主義的情報化社会に対して、NOを突きつけている! 面白すぎる!!
2015-12-18 12:00今週のお題…………「私と『大武道』」
文◎ターザン山本(元『週刊プロレス』編集長)………金曜日担当
何? 谷川と山口が活字の世界に帰って来た? 二人がタッグを組んで本を創刊した? 懲りないねえ。しぶといねえ。まるでトカゲの尻尾か? 本のタイトルは大武道? 創刊号のテーマは恥とは何か? 両方ともセンスがいい。さすがだ。それだったらさあ、書道家に恥という字を書いてもらいそれを表紙にドカンと載せる。普通、そう考えるけどなあ。まあ、終わってしまったことを後からぐずぐずいうのは負け犬根性。仕方がない。
さて、私はその創刊号で恥を定義しろと言われた。ランチをご馳走になりながらである。それも立派な個室。しかも豪勢な懐石料理を食べながらである。オイ、オイ、取材は茶店でいいんじゃないの? コスト計算しているの? ちょっと心配になった。ビジネスはローコストこそが基本。そうは言い
1 / 2