イノベーションを起こすためには、まず考え、次にすぐれたアイデアを生み出し、最後にそれを実行することが必要である。このうち、きわめて重要で、かつ難しいのが三番目の「実行」だ。

というのも、イノベーションに限らず人間は、考えただけで満足してしまったり、あるいは失敗するのを恐れたりして、実行しないことが多いからだ。特に、一人ではなく二人以上の組織になると、失敗したときの責任がより重く感じられるので、なおさら実行に移さないことが多くなる。

しかし実行をしなければ、人も組織もやがて衰退し、滅びてしまう。人だったら死んでしまうし、組織だったら消滅の憂き目を見る。つまり、実行するというのは「生きること」に等しい。人も組織も、実行を伴って初めて生き続けることができるのだ。

だから、実行することの重要性は何度唱えても多すぎるということはないし、またそれの難しさは、いつでも社会の健全さを保つ上で大きなボトルネ