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気がつくと、父と二人きりだった。灰色の壁に夕陽が射し込んでいた。顔を背け合い互いの気配を伺っていた。長い沈黙に押しつぶされそうになる。金縛りにでもあったみたいに身動きが取れない。18歳で家を出てから30年近くまとまった話をしたことのない父親と、いや、一緒に暮らしていた時だって母親と比べれば何のコミュニケーションも取っていなかった父親と、今更何を話せばいいのかが分からないのだ。いつしか僕は、子供のように大声で泣き喚いていた。
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こんにちは。
いまさら何を話せばいいんだろう?
んー、むずかしいですね。
いまさら、何でそんなふうに思ったんでしょうね?
父親と話したいから?
親になって父の思いを知りたくなったから?
自分と娘の関係が、そうなったらやだなーと思ったから?
親になってみて、父親のこと、しりたくなったから?
娘さんが大きくなるにつれて、きっと、
二人の関係性が変わってくるような気がします。
娘さんの一挙一動に、みんなで笑ったり怒ったり泣いたり喜んだり。
それを一緒にするだけでもいいのかなぁーなんて
思います。
よくわからないけど、元気なうちに、
たったひとりのお父さんだから、
いっぱい話せたらいいなーと思います。
いまさら何を話せばいいんだろう
私はまだ結婚もせず実家住まいなので、毎日両親とはなんだかの話をするのでそのようなことを思うようなことがありませんが、確かに距離がある両親には一体何を話せばいいのでしょうね。
そのうち考えなくても話すようになる日がくるのではと思いますが。
来てほしいものですね。
小原信治(著者)
>>1
どうしてでしょうね。夢で見たのが理由だからわかりませんが、自分と娘の関係がそうなったら嫌だなと心の深い部分で思ったのかもしれません。父親の年齢や健康面も理由かもしれないですしね。
小原信治(著者)
>>3
うちもレ成人してからも実家にいた弟や妹は距離がありません。母が周囲に「うちはほぼ4人家族なの」と言っていると聞いたこともあるくらいです。彼らがいるから自分はいいかなと思ってしまっている部分もあります。いけないんですけどね。家に帰り辛い、そして帰るたびに喧嘩をしてまた家を出てゆくフーテンの寅さんの気分です。