夕方、ベランダで海を見ながらビールを飲み始めたら、奥さんが里芋を皮付きのまま蒸したものを出してくれた。先日、かしこおばあちゃんの畑で掘って来たばかりの里芋だ。手に取ると皮がつるんと剥ける。添えてある粗塩をちょんとつけて頬張る。ねっとりとした食感とともに、土の匂いと井戸水の清冽さが口いっぱいに広がった。

きぬかつぎって言うんだよ」