本年、野党連合ができたことは、日本の政治史において極めて重要な現象であったとみられる。

 安倍首相は憲法改正に強い意欲を持ち、緊急事態条項を入れて、独裁体制を作れる法的環境を作り、更にできれば憲法9条を改訂し、自衛隊を米軍の傭兵的に海外に展開させる法的根拠を確立しようとした。

 かつ、それは実現可能であった。

 安倍首相は1月10日のNHK番組で夏の参院選について、自民、公明両党だけでなく、おおさか維新の会など一部野党も含めた改憲勢力で、憲法改正の国会発議に必要な参院の3分の2議席を目指す考えを示した(毎日新聞)。

 この時期、自民党関係者は野党協力が進まず、3分の2の確保可能との見解を述べていた。

 その際、最大の焦点は1人区で、野党協力が進まなかった場合、32議席は1、2を除き自民党が獲得する可能性は高かった。

 しかし、ほとんど全ての人の予想に反して、32選挙区全てで