『戦後史の正体』より引用します。

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戦後、岸信介の周辺には、米国の影の部分が徘徊しています。

 岸自身、『岸信介証言録』などで「コンプトン・パケナム、ニューズウィーク東京支局長が、岸の幹事長時代、英語を教えるということで、週一回岸の家を訪れていた」ことをのべています。

 米国は岸に首相になる前から注目していたのです。

 岸は戦前にジョーゼフ・グルー駐日大使(一九三二年から四二年)とも交友関係をもっていました。グルーのゴルフ仲間です。

 なによりも冷戦が始まるなかで、米国が日本を「共産主義に対する防波堤」とする決意をかためたとき、岸信介など、第二次大戦に関与した勢力の利用が考えられるようになったのです。

 ティム・ワイナーの『CIA秘録』には次の記述があります。

「それから七年間の辛抱強い計画が、岸を戦犯容疑から首相へと変身