戦略的思考の欠如②「菊と刀」
ルース・ベネディクトは1887年生まれ。「菊と刀」は1946年に出版。本書は戦争情報局の日本班チーフだったベネディクトがまとめた「日本人の行動パターン」を基に執筆された。邦訳『菊と刀』(社会思想社、1967年)より引用。
・日本人は他のいかなる主権国にもまして、行動が末の末まで、あたかも地図のように精密に規定されており、めいめいの社会的地位が定まっている世界の中で生活するように条件づけられてきた。
法と秩序とがそのような世界の中で武力によって維持された(徳川幕府の)二百年の間に、日本人はこの綿密に企画された階級制度をただちに安全ならびに保証と同一視することを学んだ。彼らは既知の領域に留まっている限り、既知の義務を履行している限り、彼らの世界を信頼することができた。匪賊は制圧されていた。大名間の内戦も防止されていた。
人民はもし他人が自分の権利を侵したことが
コメント
コメントを書く孫崎さんから今回紹介のあった「ルース・ベネディクト」氏も,以前に紹介あったインド「タゴール」氏も,日本人の特性・性質・習性を実に良く見抜いている.でも悲しいかなその通り.
日本を私物化・独裁化している安倍晋三氏とそのお仲間の,国有財産や税金使途の詐欺的共謀行為が露見し「忖度」なる言葉が流行語となっているが,この言葉は主として公務員のヒラメ目線の行動形態を表現する用語のひとつと考えている.
私達多くの日本人が「地図」に従う行動を好む理由,それは「忖度」ならぬ「損得」.生まれた時から「隷従社会システム」の中で育った人間の,世渡り・生活の知恵の「損得」「おこぼれ頂戴」の庶民の生活勘定に尽きるのかも知れない.でも生きる知恵は必要だが物を見る眼,判断の眼までも「損得」に委ねて欲しくないもの.
独裁政治の奴隷と化すのが好みならば別だが,自分の考えを自由に表現出来る「民主主義」が良いと思えば,選挙制度がまだ生きている今,唯一出来る強力な世直しの方法は,「選挙」でアベ氏に「NO!」断罪の一票.(2017年5月2日)
>>8
選挙制度がまだ生きている今、選挙でアベ氏に「NO!]の一票、いいですね!
>>10
割り込んで申し訳ない。安倍も蓮舫も同じ日本人だから本質は同じというのも飛躍ですな。ベネデイクトが叙述する日本人とは多数の被支配階級のことを言っているわけで支配階級に属する安倍とか蓮舫はベネデイクトが叙述する日本人には入らないと私は思いますが。
「これらを安倍政権に使ってしまう」というあなたの言い回しも飛躍ですよ。安倍政権の中枢で甘い汁吸っている人間の持つ被害妄想を感じるんですが違いますか。
>>10 指摘されたので若干記述
「本質」と言う言葉が「日本人の特性」を指しているのでしたら,それは一朝一夕には変わらないでしょうね.変えるには徐々に「隷従の社会システム」を解消していく作業が必要でしょう.
ただしこの日本人の特性も世の中を変にひん曲げようとするような輩さえ居なければ,それはそれでうまく調和して世の中うまく進むのですが,アベさんのような過去の亡霊・怨霊の塊の様な特異な人間が,お仲間の協力を得て強権を持った時,私達一般の日本人が知らず知らずのうちに養われ来た,抗う事をせず迎合しやすい日本人のその特性が悪い方に出るので問題な訳です.
従って近い未来における私達市民・国民の幸せな暮らしを考えると,アベ政治(政権)の批判をせざるを得ない訳です.私達市民・国民が国家の僕・奴隷となる「国家主権」の独裁国家が嬉しいですか.北朝鮮の様な国になりたいですか?.
「ものごとの細部をよく考えないと、愚かに・・」の記述がありますが,アベさんがどうして首相をやれているか知っていますか?.アベさんは米国「軍産複合体(大手メディア含む)」と日本経済界の要求に忠実に従って忠犬のように,日本と日本国民の財産や生活・権利を丸裸にし,米国そのほかの外資に差し出し・売り渡そうとしているのが実態ですよ.日本官僚は米国「軍産複合体」と組んで都合良くアベさんをコントロールが基本図式です.従って,アベさんが「軍産複合体」の意に沿わない勝手な事をしでかすようになればその先には失脚が準備されます.
小沢氏や鳩山氏が失脚したのは,米国「軍産複合体」の意に沿わず,日本の自主独立の路線を模索したことから,戦争直後から米国「軍産複合体」の指揮下にある日本官僚などの策謀仕掛けによって引きずりおろされたのが実態に近い所でしょう.投稿「10」中に小沢氏らに官僚の忖度・・云々などの記述がありますが論外ですね.細部実態をもう少し掘り下げましょう.いずれにしても,今この日本はアベ政治で終焉に向かっています.(2017年5月3日)
りゃんさん、KUBOTAさんに触発されて一言。
議論すべき問題の本質は、日本の進むべき方向付けではないか。
①小泉、安倍政権のように日米同盟日米基地協定を従属に近い形で継続するか。
②他政権のように個別的自衛権に限定していく。
③日米同盟は維持しながら日米基地協定を他国のように改定していく。ドイツのように自主路線を選択する。
④日米同盟日米協定を破棄する。
日本人は、表裏二面性の思想信条を持っているからわかりにくいのです。マスコミ人は表裏が極めて激しい。自民党は①、②、③であり、二面性があってもわかりやすい。公明党は全く不明であるが、④は少ないでしょう。問題は野党です。①、②、③、④まで包括しており、全国民的政党です。方向付けがなく、単に自民党を倒したいだけの集合体になっています。先の民進党が分裂に至ったのは、①、②、③、④まで包括していたから、政策提案がまとまらず瓦解してしまったのです。その反省ができておらず、同じ過ちを犯す道を選択しているのです。
今後政権を獲得しようとすれば、②、③を選択した自主路線政党を目指すべきであり、その選択しか国民に受け入れられていかないでしょう。私などは、地方では政策的に賛同する点は多いが、国家規模で、共産党だけは選択したくない。したがって、絶対に野党には投票しないのです。このような人が多いのではないかと懸念しています。
>>12
全く同感です。
>>13
政権を獲得するという点に限定すればそういうことも言えるのかもしれませんが、事態は窮迫してるんですよ。米国の戦争に自衛隊が駆り出せようとしているんですよ。それをどう阻止するかが喫緊の課題なんです。そういう戦争にNOを突き付けるには一定の国会議員を国会に送り込まねばならないのです。そういう瀬戸際に日本があるということを貴方は見過ごしている、いや、敢えて見ようとしていないのではないか、と私は思いますね。
>>15
私だけであれば問題ないのですが、基礎票が互角でも、浮動票の取り込みで、選択が決まる時、今の野党連合では弱いのではないかといっているだけです。強ければ、あなたの言っていることが正しい。弱ければ私の言っていることが正しかったことになります。戦略が間違っていたといえるのでしょう。
>>16
あなたのああいえばこういうやりかたは別に驚きませんがね、我々の目的は集団的自衛権の行使をさせないことです。これをしっかり胸に抱ける政治家集団は野党連合しかありません。浮動票取り込みにはその主張を取り下げろとでも言うのですか。「強ければあなた、弱ければ私」みたいなことではありません。
>>20
孫崎先生ご提供の「菊と刀」の一節の文意から被支配階級と支配階級という用語を使ってみました。「菊と力」の全文をいい機会だから読んでみます。