今、安倍政権は原発であれ、集団的自衛権であれ、共謀罪であれ、憲法改正であれ、国民の反対を押し切って強引に進めようとしている。本来安倍政権には{NO}を突き付ける状況に来ている。
少し前であるが、ジャック・アタリは今日の日本には「怒る力」「憤慨する能力」が不足している。とくに衰弱したエリート層に対して、日本人は憤慨すべきだ」 と主張しているので紹介する。
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ジャック・アタリは1943年生まれ。仏の経済学者。フランソワ・ミッテランの側近中の側近で81年から91年まで大統領補佐官。初代欧州復興開発銀行総裁。著書『危機とサバイバル』(作品社二〇一四年)からの引用。米国『フォーリン・ポィシー』は百人の世界の思索家に選出。著書「日本は“二一世紀の危機”をサバイバルできるか?」の引用。
・ 経済の危機、国家・社
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今日の日本人には「怒る力」「憤慨する能力」が不足しているというジャック・アタリの指摘は当たっていると思う。現状にほぼ満足し、未来に重大な国家としての衰弱、ないし滅亡が待ち構えているとは考えていない。日本人にはモノづくりの特異な能力があり、地道な改善を続ける限り、国際競争を勝ち抜けると信じているのだろう。ただし、科学技術における国際競争に勝ち抜けるかについては、悲観的な見方をする者がその先端分野の専門家の中にいることがあまり知られていない。改善努力は必要だが、怒り、憤慨して暴力的な手段による改善を図るのは間違いだろう。安倍内閣は間違いもおこしているが、戦後の今までの内閣として落第点をとっているとは思われない。安倍より優秀な総理とはだれのことだろうか。また孫崎が総理になったら安倍より良い総理になり得るだろうか。
現在日本の衰弱したエリートたちを象徴する言葉【忖度】が、あたかも日本人の美徳のごとく流布されている。マスコミが事あるごとに”忖度””忖度”と引用する。
国民は「部下が上司の意を思い先走ってミスを犯した」ような感覚に誘導されている。
忖度を森友事件の実態に即していえば、
上司の解釈:「自分の罪を部下に擦り付けること」
部下の解釈:「上司の罪を丸ごと自分でかぶること」という事が明白だ。
テレビにはたくさんの”お笑い芸人”も出演している。一人として、このあほらしさをネタにする芸人はいない。腹から爆笑できる”サビの効いた話芸”を披露する芸人はいない。森友事件には山ほど”ネタ”があると言うのに。例えば、
・8億円値引きの真相
<設計業者と弁護士の会話>
設計業者:「3m以下ゴミは見当たりません」
弁護士:「調査しなかったことにしましょう」
<弁護士と役人の会話>
弁護士:「9.7mまでくい打ちする土地にゴミが埋まっていました」
役人:「分りました。8億円値引きしましょう。ことは一切非公開。証拠書類は破棄。アリガトウ!」
なんとも奇妙な会話??? 庶民から衰弱したエリートの悪行を暴き、笑いとばす行動も必要かも知れない。
山ほど小咄ができる、ネタだらけの日本になってしまった!
ジャック・アタリさんの指摘は爽やかですね。実に的を得て居ます。日本は今何となく株価も維持され浮かれ気分に浸っている。しかし、現政権に民生向上に関する展望は全く無い。中国と敵対するしか能がない。ビジョンも無い。あるのはダウンサイドのリスクだけなんです。中国脅威と北朝鮮脅威を唱えてダウンサイドのリスクを隠ぺいしているだけです。残念だが、ここまで来れば、方向転換はなかなか難しい。外部要因で浅瀬に乗り上げるくらいでストップがかかるのを期待するしかないんじゃないですか。