米軍の戦略は冷戦以降大きく変わった。そしてそれが、基本的に今日まで継続している。
私の『日米同盟の正体』からの引用
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第三章 冷戦終結後ー米国の新戦略と変わる日米関係
・「一九八八年春、ゴルバチョフは自分に『将来私は冷戦を終わらせるつもりだ。あなたは新しい敵を探さなければならない』と述べた。」(パウエル、「米国の軍事力―今後の課題」)。
「われわれは米国に対して『秘密兵器』を持っている。われわれはもう米国を敵と位置づけるのを一方的に止める。もしソ連という敵が存在しなくなったら、米国の軍事支出や対外政策は一体どうなるのであろう」(アルバートフ米加研究所所長、一九八七年一二月八日ニューヨークタイムズ紙、筆者訳)
ソ連の脅威が消滅するショック
・イラク戦争は九・一一同時多発テロ事件の影響をうけてブッシュ大統領が実施しただけに、ブ
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米国戦略についての孫崎先生のご説明に基本的には賛同いたします。物理学で言えば、アインスタインの方法論的にはという意味です。ただ、もう少し深堀しますと、つまり、素粒子論的方法に従いますと、違った光景が出て来ます。
米国戦略がイラン、イラク、北朝鮮を殊更に批判し、それを口実に自らを強化し、それら諸国を挑発しているのは事実です。しかし、それは戦略のフェイントであり、その背後のロシア、中国がターゲットであることはばればれで且つ透けて見えています。
米国の権力構造は複雑怪奇だから、諸々の立場によって見え方が違ってきます。日本の親米右翼はその看板通り米国は民主主義国家という風に信じているようですし、中東のテロを自作自演しているのが実はイスラエルと米国だという風にしっかり認識している私たちには米国は悪魔の国です。
米国の問題はウオール街の強欲が資本(米ドル)による世界支配を今も尚激しく追求しているという事実です。そしてそれが堂々とCIAやNSAといった公的機関を私物化して世界政策を勝手に進めているのです。オバマ政権の8年間はそれを証明しました。
続く
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続き
私が心底心配しますのは、米国大統領府がつんぼ桟敷に置かれてウオール街の強欲集団が新たな形の朝鮮戦争を起こすということです。勿論、ロシアも米国の最終ターゲットですから、ロシアと事実上同盟しているイランとの戦争をも起こすということです。米国と言えども、ロシアと中国は強大な国ですから直接対峙出来ない。その代わりに朝鮮半島とペルシャ/アラブ地域に限定的戦争を起こすことです。当然、ロシア、中国はそれらの国を全面的に支援しましょう。一方、米国とその従属諸国はロシア、中国に経済制裁を課す。そして、ロシア、中国を経済破綻に追い込むという具合。勿論、米国が対岸の火事として管理できることが絶対条件です。
上記はあり得ないと断定は出来ません。9.11を自作自演した連中です。それに加え、仮に北朝鮮の核・ミサイルが国際的に認められれば、イランの核・ミサイルを拒否する理由が無くなる。そうなるとイスラエルは中東で暴虐を行うことは出来なくなるのです。限定的な中東・朝鮮戦争の可能性を一笑に付すことは出来ません。
米国で、政治の実権を握っているのは軍産複合体である。軍事産業が成長するには、戦争を継続させなくてはならない。
かつては共産圏を敵にしていたが、ソ連が崩壊した後はイスラム圏を敵にするため、シーア派とスンニ派の対立を煽り、アルカイダやイスラム国をつくって武器や軍事訓練まで与えている。
そんな中で、イラクやリビアなどの惨状に恐怖を感じ、核やミサイル技術を磨いてきた北朝鮮が、ICBMにも成功し、米本土に届くミサイルの完成も時間の問題になってきて、米国内では慌てていると思われる。
だが、そのミサイルが完成しても、米国近海への発射はしても、本土を攻撃するとは思えない。なぜなら、そんなことをしたら、反撃により北朝鮮が破壊されてしまう。
北朝鮮が望んでいるのは、米国との対等な対話であり、国家の安定なのだ。
但し、米国より遙かに近い場所にあり、虎の威を借りて「断じて許せない」「さらなる制裁が必要」などと威張り散らす国には、手痛い攻撃を加えるかも知れない。
米国が、北朝鮮を承認することは、韓国、日本にとっても好ましいことである。
中國とロシアの影響力の問題であるが、その影響力を極端に言えば、無くせれば、理想的であるが、そのようにうまく展開することはない。承認したら、中国、ロシアの影響力が強く働くという考え方も取りにくい。米国、中国、ロシアに対して対等な立場を取ろうとするでしょう。この時、米国のこの地域の軍事力が、現状を維持できるかどうかである。この判断が、難しいのであろうが、軍事兵器の商売は、一気に減少することが、否定できない。一方。民生品ビジネスは、拡大が見込める。軍事兵器ビジネスを考えれば、日本、韓国が軍事兵器需要を支えなければ、ネオコンなどが、簡単に、北朝鮮を認めることに同意することは考えにくい。
孫崎さんの分析には、米国と当事国(この場合北朝鮮)はでてくるし、米国への厳しい批判もでてきますが、日本が主体的にどうするという話はあまり出てきませんね。米国支配下で外交やってた習性から抜け出ていないのでしょう。
私が気楽に考えるなら、朝鮮半島など所詮は米国と中露との緩衝地帯にすぎず、かりに米国の影響力がなくなっても中露に支配されるだけなのだから、あとはそこにすむ人たちがどっちがいいかという選択の問題にすぎないと思いますね。
韓国にもいろいろ問題はありましょうが、庶民の暮らしぶりをみれば一目瞭然。北朝鮮の人民が金王朝や中国にひどく搾取されている状況と比べれば、米国支配下でもそれなりに自由と豊かさを得ている韓国に軍配があがるのが当然でしょう。しかし、ガラクタにアタマがおかされ人たちには、なぜか「韓国における現実の生活」と「韓国が米国支配を離れた場合の理想の生活」との比較となり、米国支配からはなれるのがよく見えてくるわけですね。まあ勝手にすればいいのですが。
日本も米国に支配されている国ですが、その最大の問題点は、米国に支配されている限り米国の朝鮮半島戦略にくみいれられてしまうという点です。朝鮮半島などとはできる限りつきあわないで村八分(火事と葬式にはつきあうが普段はつきあわない)で行きたいと感じる若い日本国民がどんどん増えていますが、そのためにはどういう戦略をとればいいのか。これが今後の日本にとっての主体的な朝鮮半島問題だということでしょう。