TPP問題をフォローしている人は、誰もが、「安倍首相はTPP参加に踏み切る」と思っていた。 
 それは安倍首相が
TPPの利点を理解しているからではない。安倍首相の本質は従来の多くの政権に負けない対米従属政権であり、米国に迎合するため、どこかの時点でTPP参加の方針を打ち出すことが予想された。
 それが今次、米国訪問で明確化した。
 当初、安倍政権は米国のジャパンハンドラーと呼ばれる軍産複合体の望む安全保障面でのコミットを打ち出すことにより、日米関係の強化を訴えようとした。しかし、集団的自衛権等に対する中国の懸念に配慮し、米国側はブレーキをかけた。
 そうすると、日米連携の強化をアピールするにはTPPを前面に打ち出すしかない。
 まず何が起こったかを見てみよう。
 2月24日付日経新聞は次のように報じた。
「政府は環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加に踏み出す。安倍首相は22日昼の日米首脳会談で、す