月刊「TIMES」誌10月号 :宇都宮健児氏「徴用工問題」の本質とは何か」より抜粋

・1972年の日中共同声明は「五:中華人民共和国政府は、中日両国国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する」とある。

 しかし2007年の最高裁判決は、中国人の強制連行に関し、個人の賠償請求権は、日中共同声明では「請求権を実体的に消滅させることまで意味するものではなく、当該請求権に基づいて請求する機能を失わせるにとどまる」と、個人の請求権の存在を認め、日本企業が自発的に賠償するのは問題ないとし、むしろそうすべきであるという判決を出した。同判決をうけて、西松建設、三菱マテリアル等は、原告やそれ以外の被害者とも和解して和解金を払った。

・日本政府が請求権協定で解決済と言い出したのは、安倍政権になってから。

 過去の国会答弁でも、政府が国民の権利を擁護して外国と交渉する外交保護権はお