セルゲイ・エセーニン(1895- 1925年)、訳:孫崎享
 エセーニンはロシアで最も人気のある詩人の1人、エセーニンの著作のほとんどはスターリンとフルシチョフの政権下で禁書とされた。エセーニンは自身の手首を切り自身の血で告別の詩を書き、翌日アングレテール・ホテルの暖房配管から首を吊って自殺。30歳。ただしこれは公式発表による死因であり、死の真相は未解明。 

 まだ 生きてるかい、婆さんや?
 俺は生きてる。よろしく、よろしく!
 お前さんの小屋の上に 漂わせてよ
 夕時の言うに言われぬ光を。 

 人々が書いてくるんだよ、お前さんが、不安を秘めて、
 俺のことを、とても悲しんでるって。
 お前さんが頻繁に道を行き来してるって、
 流行おくれの古びたシュシュンを着て。 

 夕暮れの青ざめた闇のなかで
 幾度となく同じことが浮かぶだろ:
 誰かが酒場の喧嘩で
 俺をぶ厚い短刀で心臓を突き刺したと 

 何というこ