何故、20年も戦ってきた米国が、バイデン政権になってアフガンからの全米軍撤退を決めたのであろうか。
ベトナム戦争は米軍が完全に敗北し、北越軍がサイゴンを完全に軍事的に制圧する中で起こった。アフガンにおいては米軍はそこまで追い込まれていない。
先ず第一に、バイデン政権は金融資本と、軍産複合体の支援でできた政権である。大統領選挙時9月、489人の安全保障関係者がバイデン氏支持、大統領批判の書簡に署名し発表、元将軍、元国防長官、元CIA長官ら」の動きがあった。バイデン大統領がこれらのグループの意思を無視してアフガン撤退を考えたとは思えない。つまり、アフガン撤退は軍産複合体の選択であった。ではなぜか。
第二に米国安全保障政策上の最重要課題は何か。中国と対峙することである。
今日、中国の最大弱点は何か。新疆ウイグルの民族主義とイスラム教である。
これを思ってアフガン情勢を見ると全く異なった図式が
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<ブレジンスキの教え子たちが新疆ウイグルの民族主義、イスラム主義を支援する。>
日本の尊米嫌中族もそうなってほしいと切に望んでいることでしょう。
ブレジンスキという人物は熱狂的な反共主義者で、私の一番嫌うタイプの男です。彼は「殺人でも誘拐でも犯罪は何やっても構わない。ただ、絶対やっていけないのは証拠を残すこと。他者からその犯罪について非難を受けたら、その非難を陰謀と呼び、非難者に陰謀論者というタグを付け、社会から葬ることだ」と教えていたのです。
その教え子たちが実行したのが9.11のニュウヨーク襲撃事件なんです。レモコンでボーイングをトレードセンターにぶつけ、同時に基礎に仕込まれた爆薬を爆発させたのが明らかなんですが、全部陰謀論で撥ね付けてます。
ブレジンスキは米国際政治の教科書を作った意味でDSにとっては偉大な人物です。
アフガンに居るイスラムの不良(一般には過激派と言う。私は金で転ぶマセナリと呼ぶ)をパキスタン辺りに事務所を構え、CIAがリクルートする。そのリクルートした過激派を新疆に送り込む。香港では失敗したが、アフガンでは何とか成功させたいとブレジンスキの教え子たちは考えないことは無いと私は思います。
中国の人民解放軍は既にその対処方針を用意しているでしょう。少なくとも、次のことを学習しての対処方針だと私は思います。
1.ソ連も米国も機甲部隊をアフガンに派遣し、見事に敗北した。5000年にも及ぶモンゴル、チベット、ウイグル人との折衝の歴史を持つ中国は無知なソ連、米国とは一味違う手段を採用するに違いない。
2.ウイグル族のイスラーム戒律は、聞いた話だが、オープンだということです。宴会では平気で酒を飲むらしいし、女性も自由な服装でかまないということです。原理主義を背中に抱えて且つ金で転んだテロリストがウイグル人を動かすことは無理なんじゃないでしょうか。
中國の「鎖国主義」というか、「自己完結主義」というか、孤立型の方向に向いている政治・経済体制に注目する必要性がある。
民営企業が主導する形で経済発展が続いてきた中国の奇跡的発展を大きく変換する動きが顕著になっている。
「国家統制」と「市場経済」のバランスをどのようにとるかは非常に大きな問題であるが、習近平体制は、「自力更生」の「国進民退」に舵を切っている。極端に言えば、いま中国に拠点を持っている日本企業はいらなくなっているということでもある。現在必要とされても数年のうちに切り捨てられるのでしょう。
中国政府の民間企業締め付けによって外国人投資家が中国株を売却し、チャイナ指数とダウのPERは7月はじめまで同水準であったが、7月末時点でチャイナ33倍に対しダウ40倍と開きが出ている。
米国のテーパリングがどのように進むかも中国経済に対する影響を無視できない。
外国の思想が中国内に入らないように、思想統制も行われていく。「漢民族」支配の家族民族主義には、自由な宗教選択はないし、自由な言動がないという鎖国状態に置かれると、日本が期待している「インバウンド」は一部の特権階級にしか与えられないのでしょう。日本人の頭の切り替えが必要である。
他国との政治的・経済的活動は、「漢民族」の儒教がすべての行動規範であり、ウイグル問題を鎮静化しようとすれば、イスラムとの協調性以上の要求が出てくるタリバンに対応できるのであろうか。ウイグルだけでなくイスラムとの付き合い方が中国に問われている。中国は深入りしたくないが、近隣国であり、紛争は回避していかなければならない。かじ取りが難しくなっていくので、米国の笑いが聞こえる。
> 米国はソ連の崩壊を願った。
米国(DS)にとってソ連の消滅で軍事予算大幅カットの憂き目に遭うことは火を見るよりも明らかだったろうに、それを望んだ。優秀な頭脳集団のようで、実は救い難いバカの集まりでないか。
昨夜の生放送-
“これで西側の軍事介入がなくなり、タリバンは何の不安も無い状態だろう。更に、この先 経済制裁を受けることになっても殆どダメージを受けないアフガニスタンには、今後、様々な国のテロリストと呼ばれる者達が「攻撃を受けないで済む安全地帯」としてこの地域に入り込んでくるであろう。”
“タリバンのアフガニスタン制圧によって「これからテロの温床になる」ということが言われており、恐らくそれが現実の問題となっていく。”
私に反論する材料もないが、これが「あるべき姿」でないのは明らかだ。
ここでテロとは、基本的に武力等による反米攻撃の意だ。その訓練地として外国勢がアフガンを利用した廉で始まった米国の武力侵攻を漸く終わらせたというのに、再び同じ口実を与える愚行に出るのか。ましてや「追い討ち」などしないタリバンである。
天木直人氏メルマガ(2021/8/19)-
「私はタリバン新政権を手放しで評価しているわけではない...しかし...間髪入れずに記者会見を開き、そこで述べた言葉の数々は素直に評価すべきだと思う。たとえそれが政治的駆け引きであったとしてもだ。特に私が注目したのは、二度と戦闘はごめんだ、もう戦闘はしない、武器に頼らないと、真っ先に言ったところだ...タリバン新政権が内部で対立を抱え...再び...武力集団にもどる危険性を抱えている事は容易に推測できる。だからこそ、(国際社会は)新タリバン政権の良識派を支援し、彼らが新政権を掌握できるように励まさなければいけないのだ...それなのに、メディアに流される新タリバン政権に対する警戒と非難はどうだ...”
どうやら孫崎さんに このような論調は期待できないようだ。それは、昨夜 中村哲医師の活動への言及時に抱いた「不可解」感と重なる。
昨夜の生放送-
“イラク戦争の時、日本は経済協力をした。それは、自分達は そうした経済協力ができる政権なのだ、貴方達に利益を与える政権なのだ、という(政治)利用のために、善意の行動が使われる、ということがあったわけだ。だから、政権と切り離して人道支援というのはあり得ない。人道支援は、そのもの自体が正しくても、それが政権擁護のために使われるという道具であれば、その価値というのは、政治的には疑問が出る。そのことを考えておかねばならないと思う。”
抽象的だが、安倍政権等に政治利用されるのがオチであるアフガンでの人道支援など、中村医師は控えるべきだった━そう捉える他あるまい。
すると、実際に多くのアフガン人を救った長きに亘る中村医師の支援はホンモノであり、政権擁護の道具に過ぎないインチキなどではない━という私の認識は間違っているのか。
だが、例えば、孫崎さんが駐ウズベキスタン大使時代に行った彼の国への人道的善行を、「後ろ盾である日本政府をヨイショする格好の道具にされている」などと然るべき人物/メディアが評したら猛反論されるのでないか。
昨日、孫崎さんにも発信できることと、できないことがある━と書込んだが、更に追加すべきは、「不本意でも発信せざるを得ないこと」すらある、ということだろう。DS傀儡のアベ一派が中村医師をどう見做していたかということだ。要するに中村哲=アビガン、イベルメクチンということだ。
参考-
故・中村哲医師が語ったアフガン「恐怖政治は虚、真の支援を」(日経ビジネス 2019/12/4)
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00059/120400219/
ツイートの「特定陣営は圧勝とみています。」━山中竹春氏を厳しく糾弾する郷原信郎が↓をアップされた-
【山中竹春氏パワハラ音声&起こし<第2弾>】郷原信郎の「横浜から日本の権力を斬る!」18
https://www.youtube.com/watch?v=i89-54EZOwc
この件、郷原氏は もはや犯罪と断じている。すると何が起きるか-
①山中氏が当選(スガは敢えて「ヨンパチ」発動せず)
②山中氏の当選早々、議会で山中氏の「パワハラ」問題追求開始。氏を担いだ野党も責任を問われる
③山中氏辞任
④再選挙(有権者が白け切ったことにして、スガは ここぞとばかり「ヨンパチ」発動!)
⑤小此木氏当選
国民の期待を背に民主党政権ができたと思ったら、(結果的に)食わせ者だったと見做され、それで有権者が白け切ったことに「されて」アベ政権が出てきた━この手をまた使いそうだということ。
尊米嫌中というセンチメントは恐らく世界に目を転じても日本以外には存在しないことに何人も気付くはずです。そして、彼らの特徴はほぼ全員金太郎飴みたいな妄想に支配されているのです。例えば、ウイグル問題。ウイグルには自治権が与えられているし、この20年で人口はほぼ倍に増えているのです。
尊米嫌中族(その中にはウイグルで取材するのをしないでウイグルの人権を問題視する記事を書き続ける朝日新聞も入る)は私の眼にはXENOPHOBIAという疾患に罹っているとしか見えません。中国人が北海道のアイヌ問題がねと言ったら、日本人は笑うでしょう。まーそうとは言わないが、ウイグルは中国に於いては日本のアイヌみたいなものに近いと言えましょう。
アラスカのアンカレジで中国共産党のナンバ2が米のブリンケン国務長官を睨みつけ、黒人問題を解決出来ない米人が何を言うかと一喝しました。アメリカインデアンを虐殺して領土を広げた過去の罪を懺悔もしないで、ウイグルの人権問題をテーブルに載せる非常識を厳しく叱責したのです。その強烈な態度にブレジンスキの教え子でならずものの一角を占めるブリンケンは極度に委縮したということです。
私はその光景を記したレポートを読んでいて、星条旗は2030年までには日本を含めたユラシアから引きずり下ろされるだろうという見通しを持つにいたりました。
もう一つ、付け加えたいことで日米人が忘れてはならないことは、日米が極度の財政赤字を抱きながら、ハイパーインフレーションにならないのは中国の供給があるからだということです。日本の1990年前後のバブルの時に株価だけは強烈なインフレ(資産インフレとかその辺の評論家が言ってました)でしたが、消費者物価は実に安定していました。今の状況はそれに酷似してます。中国からの供給がそれを実現させているのです。日本の政界人は米国に尾っぽ振って中国を軽蔑してますが、もうそろそろやめた方が良い。大きな代償を払わされますよ。
中國の鎖国体制・共産党先祖返りの政策を見ていくと、米国の性急なアフガンからの引き上げは、正当化できる。
中国の動きに対応した米国のアフガン行動とみなすことができる。
北京オリンピックが微妙に影響してくるのでしょう。
「一構想(未確定)」とおっしゃっている。たしかに、願望レベルで、このようなことを考える米側政策立案者はいるだろう。
しかし、米がこうしたことを本気で考えるなら、せっかくアフガン内部につくった橋頭保を捨てるはずがない。
それにまた、米なんかのおもうようになどならないからこそ、原理主義なのである。米を中(露)にかえても、まったく同じで、
中国も願望レベルでは米に対してこうしたことを考えるだろうが、相手が原理主義者であれば、思うようには動かないだろう。
タリバンはパキスタンの傀儡政権のようなものだから、中国はパキスタンを通じてタリバンをコントロールしようとするだろう。
その過程で前政府支持者への虐殺もタリバンに認めるかもしれない。いま中国がミャンマー軍を通じてミャンマーをコントロールしているのと似た手法だ。
しかし中国にとってほんとうの敵は全世界からアフガンに集まるであろうジハード主義者であり、かれらがここに再び「第二イスラム国」をつくることだ。
そうなれば、米露中すべてにとって危機なのだ。米露中、このなかのどれ一つとして、今までイスラム教徒にろくでもないマネをしなかった国はない。
米露中は、「協力して」アフガンを「第二イスラム国」の土地にしないように動くだろうというのが、もっとも普通にありそうなシナリオだとおもう。
ただ、実際に実行するのは中国にならざるをえないだろう。
わたしとしては、ジハード主義者にぜひがんばってほしい。かれらが北京で大テロをおこす日を楽しみにしている。・・・とおもったが、
考えてみると、中国共産党が人民にやっているのが、そもそもテロみたいなものなのであった。
1 最近孫さんはアフガンのメルマガが多くなったね。
2 それにしてもわずかの常連さんが、コメントを読まなくてもわかる、コメントで読む気がしない。
3 愛読している田中宇さんのメルマガの方がずっといい。
歴史はすごいスピードで変化しているのに、失礼ながらブログも何年も前の認識で笑える。前に購読していた天木直人さん
は孫さんを尊敬されていいたとおもいますが、少し認識がちがうように思いますが間違っているのかなあ
テロについて、ISの正体はもうわかっているのになあと思うのに、まあ半年1年たてばもっとはっきりする。