箱根に素敵な美術館がある。成川美術館だ。日本画を展示している。総長50mにも及ぶ一面ガラス張りの窓からは、箱根・芦ノ湖の大パノラマを見渡すことができる。ここには堀文子氏((1918- 2019年)の作品が約100点あるという。
堀文子氏は自然の中にある命や花鳥を作品のモチーフとし、「花の画家」と呼ばれた。
私はこの画家の絵が好きで、知人が手術で入院したときに『文子画文集 命といふもの』(小学館、二〇〇七年)を贈り、大変に喜ばれたことがある。
シンの強い生き方をした人で、心に残る寿葉を発している。
・「群れない、慣れない、頼らない」
・「闘わず屈服せず」
・「同じものは描かない」
・大抵は若い時にちやほやされて、ダメにされるんです。自分を堕落させるのもよくするのも自分なんだ。
安全な道はなるべく通らない。不安な道や未知の道を通っていくとか、獣道を選ぶとか。大通りはつまらないと思っている人間で、それがいまで