橋本元中国大使が死去したと、外務省関係者から連絡があった。

1972年日中首脳会談に現場にいた田中角栄首相、大平外務大臣、橋本中国課長と日本側関係者がほぼなくなった。

「外務省員の仕事は結果で判断してもらえればよい。それに一々解説しない」という姿勢を貫き、日中国交回復交渉の実質的舞台回し役であったが、ほとんど話していない。昨年であろうか、NHKに7時間にわたる取材をし、その後体調を崩したと言われているので、我々の知らない証言はNHKにあるかもしれない。

数少ない発言の中で、例外的に詳細に述べている部分がある。

日本政府は尖閣諸島の棚上げはないと言っているが実は存在する。

この部分を『小説外務省―尖閣問題の正体』に書いた。

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西京寺はこの問題に何か決め手がないか調べ始めた。田中首相も大平外務大臣も、