秋が歩いてくる、風の無謬の足で


すすきの湿原を、すすきの隙間を


早すぎる秋を出迎えるつもりで


私たちも無言で歩いていた


狭い、狭い木の道を行けば遠い山の姿が見える


高い、高いすすきの影に快活な知識をもつトンボが乱舞する


物陰に潜むのはどんな日の生者たちか


ここで氷を割ったのかい


石を焼いたのかい


どんな季節のオレンジ色の太陽やどんな雨雲の下で


歌があったの


笛と弦を知っていたの


群れなす鳥を捕ったの


すすきが隠す古い旋律には耳が届かないけれど


ざわめく雲のような希望を捨てることはない


私はきみたちに語りかける


 


小さな森を探そう、極小の森でいい


兎がいなくてもいい、フクロウの姿が見えなくても


ここは生命が死に移行する地帯


死がたくさんの生命を芽吹かせる場所


菌類が最終的に支配し


環形動物がせっせと働く森では


絶えずかたちが組み替えられ


絶えず色彩と動きが変わる


だがすべてが結局はひとつの