イラン・サウジ関係の緊張を時系列的に整理してみよう。
・1月2日、「サウジアラビア内務省は、テロに関与した罪で47人の死刑を執行した。処刑された死刑囚の大半は国際テロ組織アルカイダのメンバーだが、同国のイスラム教シーア派高位聖職者のニムル師が含まれている。」
・3日ハメネイ最高指導者が、“ニムル師の処刑は政治的な過ちだ。サウジは神の報復を受けるだろう”と発言。ハメネイ師の発言は、一般大衆に何をしてもいいというゴーサインだ
同日夜、イラン市民の一部がサウジ大使館放火。内部を荒らした模様。
・3日、サウジアラビア外相はイランとの外交関係を断交。
・4日。サウジアラビアと関係が深いバーレーンとスーダンもイランとの断交を宣言した。アラブ首長国連邦も駐イラン大使の召還。
・アンサリ外務報道官は7日、イエメンの首都サヌアにあるイラン大使館が6日夜にサウジアラビア主導の連合軍による空爆を受
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イランが、パーレビ独裁体制の時出かけたが、近代化が進んでおり、サウジなどに大きく水をあけていた。ホメイニのイラン革命があり、宗教の厳格化が進み、米国との関係が悪化している間に、サウジの近代化が飛躍的に進み、イランの武力を凌駕するようになっているのでしょうか。それとも、孫崎さんのお話のように、サウジ内の宗教対立が、ISがらみで大きく広がり始めているのでしょうか。一方、米国が、イランの封じ込め制裁を解除したことは、サウジにとって面白くないことも理解できる。しばらく、表面的にしか目を向けず、中東の本質に目を向けていなかったので、少し中東関係の書物をあさり、勉強してみたい。
サウジはロシアのプーチンを脅したりするゴロツキ国家です。米国とそっくりの傲慢極まりない国です。昨年のルーブル暴落と原油価格暴落の背景にサウジとウオール街の謀略があるというのがもっぱらの噂でした。目的はずばりロシアの石油業とロシアの経済を破綻させることです。そうすれば、ロシアはシリア援助から手を引くという算段だったと有力筋は伝えています。その結果は全くサウジとウオール街の見込み違いでした。単なる見込み違いどころではない。王制が危なくなる可能性も出てきた。米国ではシェールオイルが壊滅した。ルーブルは人民元が支え、ドルとの交換比率が好転し、ロシアの石油業のバランスシートはそんなに悪くなっていないのです。一方、サウジの財政は破綻に近い状態に一挙に陥り、これまでバラマキ予算で王制を維持してきたが、それも出来ず、サウジ内部の不満は高まって来ている由。
石油代金にだけ依存する単純経済のサウジではこの苦境の打開には古典的な手法である国内不満を外に向けるやり方を取らざるを得ない。イラン挑発は必然的な結果だと私は観測しています。中東は大動乱の危機を迎えています。ロシアと中国と米国が冷静となり常時意思疎通を図り抑制的に対処してもらいたいと願うばかりです。イランもトルコもイスラエルもイラクもサウジもエジプトに邪な野心があったとしても、三大国家の抑制があれば大事になることはありませんから。
>>2
訂正:下から三行目以降は「イランもトルコもイスラエルもイラクもサウジもエジプトも単独では何もできません。それぞれに邪な野心があっても、三大国家が話し合って抑制すれば、大事にいたることはありませんから。」が正しい。