米国大統領選挙は異様な様相を呈している。
最終的な落ち着きはどうなるかは不明であるが、共和党はトランプ氏がリード、民主党もサンダースがヒラリーに激しく挑戦している。
両者に共通なのは、両者とも各々の政党の主流から離れ、これに挑戦している点である。
トルンプは権威ある者、全てに侮辱的言葉を投げかけ、35%位の確固たる支持基盤を獲得した。
サンダースは現在の米国政治の基盤である金融分野、その象徴のウォール・ストリートを激しく攻撃している。米国は自由主義を標榜する国家であるがサンダースは「民主主義的社会主義者」を標榜している。これまでの予備選で葯40%の人が社会主義者で構わないとしている。
かつて米国は「人種のるつぼ」と呼ばれた。よく米国とカナダの比較で、米国人は国旗と国歌に象徴されるように「米国人」という一体性を持ち、他方カナダ人はサラダボールで野菜は各々違うがサラダと言う一
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日本が今後歩む社会を描き出しているとみるべきでしょう。
競争の中で、格差差別を広げていくことは、中間層が薄くなることであり、社会の構造が大きく変わる。大きく変わったからといって、新上流階級というか、特別に選ばれたものが、果てして幸福感を得られるかどうかは疑問がある。新上流階級の基盤はもろく、少しのストレスがかかるだけで瓦解してしまうのでしょう。社会全体がストレス状況に置かれるといってもいい、不安定な社会は、少しも人間的なにおいがしない。知足の社会、共生社会を目指すエネルギーが国民の中から湧き出てもおかしくない。どちらを目指すかは別としても、米国の大統領選挙からは目が離せない。
今やわが国の状況は、日々アメリカに似てきている。にもかかわらず、安倍内閣の支持率は依然大きな落ち込みを見せない。
日本ではなぜ、「サンダース現象」が起きないのだろう。
ずいぶん前だけれども、何人かの日本在住の米国人が
日本のテレビに招かれ司会者の質問に答えていた。
当時は国民皆保険をめざすオバマの保険制度改革のことがよく
日本のニュースに出ていた。
当然、その質問がされた。
その答えは衝撃的だった。
わたしは初めて聴いたのだ。
普通の米国人の肉声で国民皆保険が攻撃されるのを。
そんなことを言うオバマはコミュニストらしかった。
米国はロシア連邦を除くヨーロッパのどの国の総人口より
多くの健康保険非加入者を抱える国だ。
盲腸の手術が百万円もかかる国で。
わたしは息子を米国留学させた子とがあるのだけど
当時は私も息子も無知だった。
今なら決してさせない。
させるにしてもヨーロッパにする。
多数の米国人が地獄と隣り合わせの生活をしている。
そんな人々に手を差し伸べようとする指導者をコミュニスト
呼ばわりする、普通の市民がいるわけですね。
米国などに未来はない。
日本では知識は先生から、情報はテレビ、新聞、インターネットから「教えてもらう物」ですね。
孫崎さんが示してくださっているのは、「情報」とは客観的な事実を「整理」して、これに自らの視点からの「分析」を加えたものをいうということ。
要するに自分の視点、自分の現場のない人に「情報」はないということだ。
奇しくも、孫崎さんのデビュー作であり、山本七平賞受賞作の書名は『日本外交:現場からの証言』であった。
「戦場カメラマン」石川文洋氏は-自分のような並の人間でも判ることなのに、何故マクナマラのようなエリートが数知れない民衆を犠牲にしたベトナム戦争が「間違った戦争」であることに気付かずじまいだったのか、現場を知らないからだ-との旨語っていたと思います。エリート(上流)は非エリート(下流)の世界(現場)にはほとんど興味がない、それで済むから知らない、それが惨劇を生む。その繰り返し。しかも時を経るごとに増幅されて。実は「米国の信条」(あるいは努力の方向)には「如何に現場に関わらずにラクして生きていくか」も在る気がします。
p_fさんのコメントを読んで、今の世界構造において、上からのイデオロギーの押し付け(新自由主義やネオコンの猛威)が露骨になっているのも、エリートが下流の世界に興味がないからだと気づかせてもらった。
1%の<支配層>が「現場性」とともに客観的「情報」を喪失している。
「ラクをして生きて」きたツケがまわってきている。そして、それを下流に押し付ける。まさにリーマン以降の対処がこれだ。
Mythe et poemeさん恐縮です!お蔭様で購入したまま失念していた「日本外交:現場からの証言」(復刻版)を思い出した次第です。「仮面の日米同盟」(春名幹男著)を読み終え次第、味読したいと思います。
やはり読んでいる本の傾向が同じですね。