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  • 岡田斗司夫プレミアムブロマガ「『千と千尋の神隠し』の不思議な話と、「ハーメルンの笛吹き男」の真相」

    2019-08-31 07:00  
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    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/08/31
     今日は、2019/08/11配信の岡田斗司夫ゼミ「『千と千尋の神隠し』の「不思議な話」、その他“幽霊” “UFO” “怪奇現象” ……の「少し怖い話」特集!」から無料記事全文をお届けします。
     岡田斗司夫ゼミ・プレミアムでは、毎週火曜は夜8時から「アニメ・マンガ夜話」生放送+講義動画を配信します。毎週日曜は夜8時から「岡田斗司夫ゼミ」を生放送。ゼミ後の放課後雑談は「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」のみの配信になります。またプレミアム会員は、限定放送を含むニコ生ゼミの動画およびテキスト、Webコラムやインタビュー記事、過去のイベント動画などのコンテンツをアーカイブサイトで自由にご覧いただけます。  サイトにアクセスするためのパスワードは、メール末尾に記載しています。(※ご注意:アーカイブサイトにアクセスするためには、この「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」、「岡田斗司夫の個人教授」、DMMオンラインサロン「岡田斗司夫ゼミ室」のいずれかの会員である必要があります。チャンネルに入会せずに過去のメルマガを単品購入されてもアーカイブサイトはご利用いただけませんのでご注意ください)
    本日のお題と次回告知
     こんばんは、岡田斗司夫ゼミの時間です。  今日は8月11日ですね。コミケの3日目とういことで、暑い思いをした人もいるのではないでしょうか。  今日は、予告でも話した通り、「ちょっと怖い話」というのをします。  『千と千尋』については、準備してるんですけど、この準備には時間が掛かりそうなので、思い切って、たぶん9月くらいになると思います。  今回は「ちょっと怖い話」ですから、そんなに怖い話というよりは、どっちかというと、不思議だったり面白かったりするような話だと思います。  まあ、ただ、一応、今日の無料部分の間に、『千と千尋』についての都市伝説みたいな不思議な話というのも、ちょっと触れてみようと思います。  コミケは……あのね、今、自分に新刊がないから、同人誌を作ってないから、行かないんですけども。これはもう、昨日、今日の様子をニュースで見ている限り、これからももう行かないんだろうなと思います。
    ・・・
     明後日から1週間、ロサンゼルスのアンティーク・トイショーに行ってきます。  『スター・ウォーズ』のテーマパークが、カリフォルニアのディズニーランドで開いているので、時間があれば行って来て、写真を撮って来ようと思います。  なので、次回、8月18日のニコ生は、過去の再放送になります。その辺、よろしくお願いします。  3年前の「『シン・ゴジラ』と核兵器」の話というのを再放送しようと思いますけども。一応、番組の前と後ろとに、語り下ろしをつけて、以前、有料で公開していたものも合わせて、無料でいっぺんに公開しちゃおうと思います。  単なる再放送ではなくて、そういう感じでやっていこうと思っているので、よろしくお願いします。  じゃあ、早速行きましょう。今日はね、レジュメが33枚もあるんですよ。  ということは2時間コースですので、皆さん、適当にトイレ休憩を自分で取ってくださいね。
    『なつぞら』の「空ー!」と『魔法使いサニー』の理由
    【画像】スタジオから  では、今週の『なつぞら』です。  もうね、結婚式とかそういうシーンが見たければ、普通の朝ドラを見るから、必要ないんですよね。  あとは、いきなり十勝のよつ葉バターの誕生の話とかが入ってきて、まあビックリしたんですけど。  他にも「国とメーカーが結託して、農協の工場を邪魔する」とかも、もう、わかりやすいくらいの悪者設定で、番組の知能指数が一気に20くらい下がりました。  本来だったら、東京のアニメ編でやらなきゃいけない組合問題というテーマを、十勝に持って行って、農業の問題と絡めて誤魔化そうとするから、流れがちょっとメチャクチャになっちゃうんですよ。
     今回の注目ポイントは、木曜日オンエアの第112話です。  工場問題が一段落して、主人公のなつと、その彼氏の坂場さんは、柴田牧場を手繋ぎデートしています。 (パネルを見せる)
    【画像】なつと坂場 ©NHK  ここで「上手くいってよかったね」と言ったら、いきなり、なつが、こう、手を振り上げて叫ぶわけですね。「やるぞー! 空ー!」というふうに、大空に向って叫ぶんです。  空に向って「空ー!」と言う人って、あんまりいないので、「なんで?」って思ったんですけど。しかし、なつがそうすると、一緒にいた坂場さんも「空ー!」って叫ぶんです。「なんで?」って思ったんですけど。  「まあ、タイトルが『なつぞら』だからかな?」と思ったんですけども。
     「わかった!」と。  先週まで、僕は「これからは、『アルプスの少女ハイジ』をモデルにした『スイスの少女サマー』というアニメを作るようになる」というふうに予想してたんですけど。まあまあ、これはもう「十勝が舞台のアニメ、『十勝の少女サマー』になるな」と思い直したんです。  きっとこれね、『十勝の少女そら』にするつもりなんですね。『十勝の少女そら』とか、『北海道の少女そら』に。ドラマのタイトルが『なつぞら』で「なつ」が主人公の名前だから、余っているのが「そら」なんですよ。  で、これを脚本家が伏線としてセリフの中に無理やり入れるから、こんな無茶苦茶な感じになるんですね。  「やるぞー! 空ー!」というのは、後に作ることになるアニメのタイトルを「そら」にするつもりだからじゃないかな、と。……「ダサいなあ」と思うんですけども。
    ・・・
     もう1つ、来週から妊娠話になるみたいです。  「まゆゆが大塚康生の子供を宿して」という……もう現実の人名と役名とが滅茶苦茶になってるんですけど(笑)。出産して、子供を会社に連れてきて、という流れになるらしいです。僕も予告編を見ただけなんですけど。  そうなると、たぶん、なつも妊娠するんでしょう。  でも「なつの元には、新しいテレビシリーズの作画監督かキャラデザインの仕事が来たので、出産しても仕事を休みたくない」みたいな、まあ、ちょっと家庭と仕事の話というのが入ってくるんだと思います。
     ドラマ内でのこういった話が、現実のアニメーションの歴史では、どの辺にあたるのかというと。  1967年か68年頃の話ですから、テレビシリーズだと『ハッスルパンチ』、『海賊王子』、『魔法使いサリー』のどれかになると思います。  たぶん、ドラマでは『魔法使いサニー』になるんじゃないかと思うんですよ。
     実は、『魔法使いサリー』は横山光輝の原作が連載された当時は『魔法使いサニー』というタイトルだったんですね。 (パネルを見せる)
    【画像】魔法使いサニー  なぜ、これがサリーになったのかというと、ソニーという電気会社が「サニー」という名前の商標権を持っていたからなんですよ。「サニーという名前を使わせてください」と言ったんですけど、許可が降りずに、しょうがなく「サニー」を「サリー」にした、と。  ちなみに、日産のサニーという自動車は、ちゃんとソニーから商標権を取って、お金を払って使っているんですけど。  それがあるので、『魔法使いサニー』か、または『魔法少女サニー』というあたりを、やるんじゃないのかな、と。  このドラマは、主人公のなつが、坂場さん……つまり、高畑勲と一緒に作品を作るのがラストになるはずだから、それまでに腕を上げるためとか、ドラマ内でアニメの歴史を見せるためなら、たぶん、『海賊王子』ではなく、『ハッスルパンチ』か『魔法使いサリー』のどっちかをやるんじゃないかというふうに思います。
     というわけで、この予想も、1ヶ月もすると「なんで俺、あんなこと言っちゃったんだろう?」って思うかもわからないですけど。  来週は1週間、アメリカに行ってくるので、次の『なつぞら』の解説と予想は、8月25日、2週間後のゼミまでおあずけです。  それまでは、皆さん、僕の代わりに日本で『なつぞら』を見ておいてください。俺は、アメリカで見れないので。
     ということで、今週の『なつぞら』はここまでです。  いやあ、久しぶりに短かったね。前回は、『なつぞら』だけで40分くらい話しちゃったから、今回の『なつぞら』は短くてよかった。
    お便り「怪談イベントで砕けた僧侶の数珠」
     「今日のニコ生では、ちょっと怖い話する」と言ったら、ゼミの聴講生のみんなから、ちょっと不思議な話や、怖い話が届いています。  練馬区のそたさんからのお便りです。

    先週の消えた宇宙飛行士の話は背筋が凍りました。 男女2人の飛行士の魂が、今も声なき声を上げながら地球の周りをグルグル回っているのかと思うと、哀しくて恐ろしいです。 私は不可思議な現象やオカルトは好きなのですが、自分自身ではまったく経験がないし、死後の世界についても半信半疑です。 昨年、「怪談座談会」なるイベントに何度か出席し、自身でも職場の後輩から聞いた怪談を披露しました。 会場内にいる30名あまりのうちの大半の人が、人影を見た、音を聞いた、何かが歩き回る気配を感じると訴えていましたが、その真っ只中にいるにも関わらず、私は何も感じませんでした。 イベント中、真言宗の僧侶で霊能者の「水晶の数珠」が、瞬時に飛び散るのを目の当たりにもしました。が、そこに霊がいると言われてもどうにもピンときません。 霊が見える、感じるという人は職場にもいます。 岡田さんとしてはこのような能力、或いは資質というものを、どのようにお考えでしょうか?

     もうね、これ、以前の僕なら「いや、気のせいだよ」とか「商売上手なお坊さんのトリックだよ」って言ってたと思うんですよ。「真言宗って言っても、みんな食わなきゃいけないからね。数珠にトリックを仕込んだんだよね」って、絶対に言ってたと思うんですけど(笑)。まあ、「勘違い」とかね。  でも、最近は、今日、ちょっと不思議な話をすると言ってることからもわかると思うんですけど、最近の僕は、ちょっと目線が変わってきたんですよね。  たぶん、このゼミを見ている皆様の大半は、以前の僕と同じようなタイプだと思うんですけど。  ちょっと聞いてみましょうか。アンケートをお願いします。
     「霊感は存在するか、しないか?」というアンケートです。  今のお便りに出てきた霊感みたいなものは存在するか? もしくは、気のせいか? シンプルな2択です。「わからない」みたいな回答は認めないので、パパッと答えてみてください。
     はい、結果をお願いします。……おっ! ちょうど半々ですね。「存在する」と「存在しない」が、ちょうど半々くらい。面白いですね。  僕はというと、実は今、この「存在する」派閥なんですよ。その理由は、この後のゼミで話しますけども。  そたさんには「タオル君の大好き / 大嫌いステッカー」を差し上げますので、楽しみにしていてください。  半々というのは割りと意外でしたね。
    岡田斗司夫が事故物件に20年住んで体験した奇妙な現象
    【画像】スタジオから  最近、怖い話が好きになってきたというのは、別に「個人的にオカルト体験があって、それで考え方が変わった」とかいうわけじゃなく。  たぶん、オカルト体験はこれまでにも何度かあるにはあったと思うんですけど、まあ、全然、興味がなかったんですね。  例えば、今の家に引っ越したのは4年前なんですけど、その前は、吉祥寺の井の頭公園の近くの一軒家を借りて暮らしてたんですよ。  借りたのは、1995年の春。もう本当に25年前ですね。広さや場所を考えたら、家賃もやたら安い物件だったんです。  なので、物件の内見に行った時に「ここ、気に入りました。契約します」と不動産屋に言うと、「じゃあ、ちょっと店まで来てください」と言われて。不動産屋まで行くと、奥の応接室に案内されて、お茶を出されたので、「もう契約するのかな?」と思ったら、支店長が出てきて「実は……」という話が始まったんですよ。  「あの家は、実はいわくがありまして。井の頭公園の事件を知ってますよね?」と。  いや、「事件」と言われてもよくわからなかったから、「なんですか?」と聞くと、「あの、バラバラの……」って言われて。それで「ああ」と。  新聞やニュースを見ない僕でも知っていたんですけど、昔、井の頭公園バラバラ殺人事件というのがあって。平成日本で最大の残酷事件で、いまだに犯人も見つかってないし、動機もわからないまま、未解決の迷宮入りをした事件なんですよ。  僕がその家を借りる1年前、1994年4月23日の朝に、井の頭公園のゴミ箱から、ポリ袋に入った変な物体が出てきたんですね。ゴミ袋を開けると、人間の足首が出てきた。  あわてて、捜査員が周り一帯を捜索すると、合計で27個、バラバラになった人体のパーツ、手足とか胴体が出てきたんです。  そのゴミ袋も、魚を獲る漁師さんが、網とかで使う、臭いが漏れない特殊な結び方をされていたり、遺体の手足の指紋がすごく丁寧に削られてたんですけど。  DNA鑑定で、被害者は近くに住む一級建築士の35歳の男性だとわかったんです。  その男性は、妻と子供と、あとは自分の母親と一緒に暮らしていて、建築士として自分が設計して建てた家に住んでたんですね。  僕が借りた家というのは、その被害者の家だったんですよ。
    ・・・
     ただ、僕は幽霊というのを全く信じていないので、気にせずに、安いから借りたんです。  まあ、こういうことの告知義務がある不動産屋さんとしても、ホッとして、すごく喜んでくれて。  なんでも、こういう物件のことを事故物件と呼ぶらしいんですけど、最初に借りる人には、こういったことを告知しなきゃいけないらしいんですね。  でも、「1人でも借り手がついて、その人が退去したら、次の借り手にはもう言わなくてもいい」という、そういう申し合わせがあるみたいです。
     それでも、ちょっと気持ち悪いので、入居の前に、1階に住んでるおばあちゃんに挨拶に行ったんですよ。  というのは、一軒家といっても3階建てて、僕が借りたのは2階と3階だけなんですね。外階段から2階に上がれるようになっていて、1階には大家さんのおばあちゃん、つまり被害者の方の母親が住んでたんですよ。  まあ、一応、ちょっと気を使って、東急百貨店でちょっと高級なゼリーのパックを買って、「お線香だけ上げさせてください」と言うと、おばあちゃんは、奥にあるメチャクチャ大きい仏壇に案内してくれたんです。  この1階には、おばあちゃん以外の人の気配がないんですよ。どうも、奥さんや子供さんは、もうすでに実家に引っ越されて、おばあちゃんは1人で息子さんの設計した家に住んでるらしいんですね。  仏壇の写真には、すごく普通な、どこにでもいそうな男性が写っていました。なので、僕もその写真のことをほとんど覚えてないんですよね。  僕は、お線香を頂いて、1本つけて、一応、それが燃え尽きるまで、手を合わせて拝んでたんですよね。
     拝む時の内容は「お化けとして出るんだったら、どうぞ1階に出てください」と。  「2階には他人である僕が住んでいます。あなたのお母さんに、毎月毎月、お金を払って、そのおかげであなたのお母さんは生きていけるんですよ?」と。  「恩を着せるつもりはないんですけど、もし僕がビックリして逃げたら、あなたも困るでしょう?」と。  「1階にはあなたのお母さんが住んでいますから、何か言いたいことがあったら、ぜひ1階に化けて出てください」と。
     マジでそういうことを考えながら、何度も何度も心の中で唱えて、その場を立ち去りました。  以後、その家の1階には立ち入ったことはありません。
    ・・・
     結局、その家には、1995年から2015年まで、20年以上、住んでいたんですけども。  当時は「怪奇現象なんて、何も起こってない。やっぱりオカルトは嘘だな」というふうに思ってたんですよ。  でも……別に脅かすつもりはないんですけど。でも、今、考えると、ちょっとだけ変なんですよ。  例えば、家鳴りが激しいんですよね。家がしょっちゅうギシギシ言うんですよ。  でも、新築の家というのは、もともと家鳴りが激しいものなんです。というのも、結構良い家だから、木材とかも豊富に使っていて、それが乾燥する周期とかがあるんでしょうね。だから、キシキシ鳴るんですけど。  あとは、まあ、井の頭公園の踏切も近くて、電車が通ると家が揺れるから「それで家鳴りがするんだろうな」と思ってたんですね。  2つ目が、天井裏とか屋根裏から、やたらと音がするんですよ。  でも、これもね、そんなにお化けっぽい音じゃないんです。もっと乱暴な、ドッタンバッタンという、怖さも何もない音で。  たぶんね、井の頭公園が近いから、テンとかタヌキとか、そういう小動物が住んでたんだと思うんですよね。  ネズミのサイズじゃ絶対にないんですよ。僕、ネズミが住んでる家に住んでたこともあるんですけど、ネズミの走り方じゃないんですよね。  あと、3つ目。なぜか、リビングのちょうど真ん中あたりの壁と天井に裂け目が入っているんですよね。  一番最初、入居した時は気付かなかったんですけど、どうも、入居した時から薄っすら裂け目があったみたいなんです。それが、15年くらいかけて、メキメキ広がっていくんですよ。  つまり、僕の住んでた家は、ゆっくりとリビングが2つに裂けて行っているんですよね。  これはいまだに原因不明で、なんのこっちゃかよくわからないんですけども。
    ・・・
     ただ、まあ、おかしなことと言ったら、以上のことだけで。たぶん、日本でも有数の事故物件……週刊文春とかも取材に来ましたから。そんな事故物件に20年以上も住んでたんですけど、結果的に、別に何も起こらなかったんですよ。
     今、コメントで「設計ミス」って書いてあったんですけど。  一級設計士の人が自分用に作った家だから、材料もそれなりに吟味しているはずなので、あんまり設計ミスではないと思うんですけどね。
     まあ「3階で寝ている時に、2階から物音する」とか「例の裂け目が年々大きくなってきて、嫌な感じがする」とか「天井裏に住んでるんだろう小動物が、やたら走り回る」ということがあったんですけど。  「こういうことは、どこの家でもあることだ」というふうに解釈してたんですよ。  今考えると、「家が裂ける」というのは、あんまりどこの家でもあることじゃないと思うんですけども。  ひょっとしたら、こういう僕の「いや、別に関係ないんじゃないの? いいんじゃないの?」と思っている態度が、怪奇現象みたいなものがあったとしても、それに気付かせないのかもなと思いました。
    幽霊ホテルで感じた「嫌な気配」の正体とは?
    【画像】スタジオから  「僕の態度に問題があったのかな?」というのに絡めて、これは、去年の6月にロンドンに行った時の話なんですけども。  ロンドンでザ・ランガムというホテルに泊まったんですね。 (パネルを見せる)
    【画像】ザ・ランガム  これがランガムホテルです。「レディ・ガガがロンドンに行った時に、絶対に泊まる」と言われている超一流ホテルなんですけど。  ここは、世界で一番有名な幽霊ホテルなんですよ。
    ・・・
     「このホテルの3階の333号室には幽霊が出る」というので、結構、有名なんですね。  目撃されているのは小さな女の子とか、あとはドイツ陸軍の兵隊とか、そういうのが出てくるそうです。
     3階でエレーベーター降りたら、目の前に真っすぐの廊下が走ってるんですね。 (パネルを見せる)
    【画像】廊下  この廊下の一番端っこに333号室があるんですけど。もう、なんかね、この廊下自体が嫌な雰囲気なんですよ、正直。  廊下の絨毯の模様が幾何学模様なんですけど、見ていると段々、目がチラついてくるんです。……まあ、幾何学模様だから目がチラつくのは当たり前なんですけども。  なんかね、不思議なことに、嫌な気分になるんですよね。
     で、333号室の前に行ってみたら。 (パネルを見せる)
    【画像】333号室プレート  別に、これも「333」と書いてあるだけで、ドアも、いわゆるカード型のキーを差し込む新型のタイプだから、なんということもないんですけど。  ただ、もう、そんなことを気にしないはずの僕が「早く帰りたいな」と感じるくらい、嫌な感じの気がするんですよね。
    ・・・
     そのまま、廊下を1周して帰ったんですけど。333号室に行った時とは反対側からエレベーターホールに近づいた時、行った時には気付かなかったんですけど、このエレベーターホールにデッカい絵があるのを見付けたんですよね。  エレベーターホールにあったデッカイ絵というのが、これなんです。 (パネルを見せる)
    【画像】怖い絵  なんか、ちょっとこれ、怖いと思いません?  あのね「わざとやってんな」というか「やりやがったな」というか「寄せてきたな」という感じで。  この位置の茶色いシミも込みで、なんか嫌な絵なんですよね。
     これ見たときは、流石にハッキリと怖かったんですよ。気持ち悪くて怖くて。  それで「怖い」って思った瞬間に、初めて、さっきの廊下とか333号室のドアの前で感じてた感覚が理解出来たんです。  僕が感じていた嫌な気配だと思っていたものの正体は、怖いという感覚だったんですね。  絵を見て初めて「ああ俺、怖かったんだ」ってわかったんですけど。  理由はないんですよ。単に「有名な幽霊ホテルだから」と知っているから、勝手に僕が心理的に怖がっているだけだと思うんですけど。  でも、そういう知識とか理性的な考えは、実際にその場で感じた、生命の危機を感じる怖さを、もう全然、打ち消すことが出来ないんですね。  なので、とりあえず写真だけ撮って……自分の人影が絵の額縁に反射して写り込んでいるのが嫌なんですけど。この嫌な絵の写真を撮って、3階からは逃げ出すようにエレベーターに乗って去りました。
    ・・・
     さて、この「嫌な感じがした」というだけの僕は、心霊現象を体験したのか?  それとも、やっぱりこれは、単に弱気になっていたというだけの、気のせいなんだろうか?  もし、僕が5年前まで住んでいた、あの井の頭公園近くの家に「家賃が安いんだから、もう1回住めば?」って言われたら、あの頃のように、家鳴りとか、天井のドッタンバッタンとか、リビングが段々と裂けていく変な家に、平気で住めるかどうかというと、実はちょっと自信がないんですよ。
     なので、皆さんはどう考えるのかと思って、ちょっとアンケート用意しました。  「岡田斗司夫が自宅やランガムで体験したのは、何なのか?」というアンケートです。お願いします。  岡田斗司夫が体験したのは「1.心霊現象」「2.気のせい」ですね。これをちょっと聞いてみたいと思います。これも、適当にパッパと答えて頂ければ。
    「新宿がすごく居心地悪くて」(コメント)
     ああ、そう言う人もいるわけですね。
    「負のプラセーボ効果」(コメント)
     それもありそうだよな。
     はい、結果を出してください。……あ、「気のせい」が80%ですね。「心霊現象」が20%。  そうなんですよ。特に、これといった証拠も、変な現象も起こっていない。さっきのお便りみたいに、数珠が目の前で弾け飛ぶみたいなことは何も起こってないんです。  だけども、「イヤな気持ちになってしまう」ということがあるんです。
    ・・・
     この「オカルトを信じるかどうか?」というアンケートに関して、明治大学情報コミュニケーション学部の石川幹人教授は、この本の中で、不思議な実験をしています。 (本を見せる。新潮新書『「超常現象」を本気で科学する』)
    【画像】「超常現象」を本気で科学する 『「超常現象」を本気で科学する』(石川 幹人)
     まず、明治大学の学生を相手に「超常現象に否定的か、肯定的か?」というふうにアンケートをとるわけですね。  すると、答えが綺麗に2つに分かれて「否定的40%、肯定的40%」と、ちょうど半々になったわけです。残りの20%は「わからない」とかの他の解答だと思います。  しかし、その次に「じゃあ、あなたではなく、一般多数の意見はどうだと思うか?」と聞くと、「否定的だと思う」という回答が、いきなり70%に上昇するんですよ。「肯定的だと思う」は10%に落ち込む。
     「自分以外の他の人はどう考えていると思うか?」という聞き方をすると、みんな、「否定的だ」と思っていて、「肯定的だ」と思っている人は10%に落ち込む。  これ、どういう意味かというと、「自分は信じているんだけども、人前では信じてないフリをする」ということなんですね。  その理由は「幽霊を見た」とか「そういう話を信じる」とか「そういう体験をした」というのは、個人的な体験であって、その体験を否定されると、まるで自分自身が否定されたような気がして、身構える癖がついているから。  だから、人間は、オカルト的なこと、超常的な体験を人前で話す時には、自分自身の本心に逆らって、否定的に話す傾向がある。  それが、この明治大学のアンケートでわかったことです。
    『千と千尋の神隠し』にまつわる俗説と天狗の話
    【画像】スタジオから  じゃあ、もうちょっと詰めた話をしていきましょう。  ええと、今度の8月16日の金曜日、金曜ロードショーで『千と千尋の神隠し』をやるんですけど。ちょうど僕は、そのタイミングでアメリカに行っているので、来週はその話が出来ないんですね。  なので、今のうちに『千と千尋』の都市伝説の話をしたいと思います。
     といっても、よくあるタイプの都市伝説って、僕は嫌いなんですよ。  例えば、『千と千尋』の中に「主人公の千尋が電車に乗って、おばあちゃんのところへ行く」というシーンがありましたよね?  この時、駅構内に女の子の影が見える。 (パネルを見せる)
    【画像】駅の少女 ©2001 Studio Ghibli・NDDTM  「この、駅に立っている少女は、『火垂るの墓』の節子だ」とか、そういう説がありますよね。
     僕、こういうのは嫌いで。「絶対にない」と思うんですよね。  なぜかというと、「宮崎駿というのは、そういう程度の低い遊びをやらない人だから」なんですよ。  それぞれの作家には、作家なりの癖というのがあるんです。宮崎駿という作家がやる遊びというのは、もうちょっと回りくどいんです。  なので、そんな「高畑勲のアニメに出てきたキャラクターを、自分の映画の中にちょっと出して遊ぼう」みたいなことは、まず考えないはずなんですよね。そういうのを一番嫌がる人だから。  どちらかというと、この都市伝説というのは、無理矢理「そういうふうに見える!」って言ってるんだと、僕なんかは思っちゃうんですね。
     他にも、一番最初の冒頭、アウディの自動車をガーッと飛ばして、トンネルのあるところで急に停まって、「こんなとこもあるんだ。中へ入ってみよう」というシーン。  「実は、あの時点ですでに、あの自動車は事故にあっていて、両親は死んでいて、千尋は臨死体験をしている。このアニメ全体が千尋の臨死体験なんだ」という都市伝説もあるんですけど。  いや、もう、それもやっぱり「ないない」って、僕なんかは思うんですよね。
     なぜかというと、宮崎駿は、もうハッキリと、このアニメを作る前とか、作っている最中も「10歳の女の子に見せるためのアニメを作ってる」って言ってるんです。  「でも、『千と千尋』というのは、制作に3年も4年も掛かってしまったから、一番見せたかった10歳の女の子は、このアニメが完成した時には14歳15歳になっていて、見せるべき対象ではなくなってしまった。この辺が切ないですよね」というふうに語ってるんですよ。  だから、そういう「臨死体験だった」という噂は「月着陸はなかった」と同じように、何を見てもそう見たい人のための遊びだから、放っておこうと思っています。
     あとは、『千と千尋』に出てくる湯屋。いわゆる物語の舞台となる場所ですね。「あれは風俗だ」っていう意見も、よく聞きます。  働いている女の人は、みんな胸元をはだけているし、場所もお風呂だし、「来た神様たちを慰めてあげる」施設だし、ということで。  何よりも、監督の宮崎駿自身が、インタビューで「風俗みたいなもんです」とハッキリ言っちゃってるので、僕も昔は、この「『千と千尋』の湯屋=風俗説」というのを信じていました。たぶん、過去のニコ生でも、そういうことを言ったこともあると思います。  でもね、今になって、ニコ生でちゃんと『千と千尋』を語るために一から考えたら、やっぱり、これも違うと思うんですよね。  これは『千と千尋』の特集をやる時に言いますけども。風俗っぽく見せているのは、いわゆる宮崎駿が本来の客層として考えていた10歳の女の子じゃない、大人とか評論家が見た時に、意図的にミスリードするために、あえて作った仕掛けだと、僕には見えているんです。  でも、この話は、9月以降に予定している『千と千尋』特集で話すので、もうちょっと待っててください。
    ・・・
     今日、話す「『千と千尋』の都市伝説」というのは「千と千尋」の部分ではなく、その後ろの「神隠し」の部分です。  たぶん、日本で一番有名な神隠しというのは、天狗に拐われた寅吉少年事件だと思います。
     江戸後期、栃木と茨城の間くらいに住んでた子供、寅吉は、お祭りで壺売りの壺を見ていたら、その壺の中に飲み込まれてしまうんですね。  数年後、この寅吉は、いきなり浅草の観音堂の前に現れて、「自分は今まで数年間、天狗の世界で暮らしていた」ということを言い出しました。  当然、周りの大人達は、寅吉の言うことを全く信じなかったんですけども。そこに有名な国学者の平田篤胤という人と彼のグループがやってきて、話を聞いてみたら、「これはすごい!」と寅吉の言うことを信じて、以後の数年間、寅吉は平田篤胤やその仲間の家に住み込んで、天狗の世界の風習とか、修行、日常などの文化に関して、細かなディティールまで異常に詳しく話をし始めたという事件がありました。  平田篤胤は、これを『仙境異聞』というですね本にして出版したところ、江戸後期の大ベストセラーになったんですね。
     では、この神隠しに遭った寅吉の言う天狗の世界というのは何だったんだろうか? いまだに真実はわかっていないんですね。  単に「大ボラふきの子供が、大国学者平田篤胤やその仲間を騙しただけ」というシンプルな説もあるんですけど。ただ彼は、その時代の最高頭脳の一人であって、そんな学者が友達の学者達と一緒に……数年間ですよ? 数年もの間、一緒に住んでいて、問い詰めても、ウソだとわからなかったというのは、ちょっとね不自然だと思うんです。  「だから、天狗の世界というのは、本当にあったんだ」と言う人もいます。
     もうちょっと不思議な日本の神隠しについては、番組の後半でお話しようと思います。
    『ハーメルンの笛吹き男』のあらすじとその真相に迫った日本人
     神隠し事件というのは、このように「じゃあ何だったのか? 本当はどうだったのか?」というのがわからない場合が多いんですけど。しかし、真相をほぼ特定出来たケースもあります。  世界で一番有名な神隠しというのは、グリム兄弟が1816年に発表した『ハーメルンの笛吹き男』です。  グリム兄弟がこれを発表した、その30数年後の1849年、イギリスの詩人ロバート・ブラウニングが、その物語を詩に起こして、絵本として出版しました。 (本を見せる)
    【画像】絵本『ハメルンの笛ふき』  これがロバート・ブラウニングの『ハメルンの笛ふき』(文化出版局)の絵本です。  どんな話かを、簡単に紹介しますね。 (ページをめくる)
    【画像】市役所  これ、何かというと、市役所に詰めかけている人々の絵です。市長を問い詰めているんですね。  「ハーメルンの街はネズミが増えて困っていた」と。どんな隙間にもネズミがいて、パンやチーズを食べようとしても、その中にネズミが入っている。人々は市長に「何とかしろ!」と詰め寄っていました。
    (ページをめくる)
    【画像】まだらの男  すると、まだらの男と呼ばれている、変なまだら色の、互い違いの色の服を着た男が現れました。  この本の原題は『The Pied Piper of Hamelin』というんですけど。「Piper」は「笛吹き」で「Pied」は「まだら、だんだら模様」という意味なんですね。  このまだらの服を着た男は「1000ギルダーというお金をくれれば、ネズミ退治をしよう」と言いました。  すると、市長は喜んで「本当に退治してくれるんだったら、1000ギルダーの50倍を出そう!」と約束しました。
    (ページをめくる)
    【画像】ネズミと男  男が笛を吹きながら街を歩くと、その後から、ネズミがゾロゾロついて行くんですね。最後に男が笛を吹いたら、ネズミたちは一斉に近くのウェーゼル川に身を投げて、そのまま全滅してしまいました。
    (ページをめくる)
    【画像】まだらの男と市長  しかし、まだらの服の男が約束のお金を取りに行くと、市長達は笑ってお金を払おうとしません。「お前がやったことは、せいぜい50ギルダーの仕事だな」とい言って、値引きをしようとします。  すると、まだら男は「じゃあ、僕は別の曲を吹かせてもらうよ」と言って、帰りました。
    (ページをめくる)
    【画像】子供達1 【画像】子供達2  別の日に、まだら男が笛を吹くと、今度は街中の子供達が集まって、親がどんなに止めようと、このまだら男の後について、街から消えてしまったんですね。  まだら男は子供達をコッペン山に連れて行きました。すると、コッペン山が2つに割れて、子供達を飲み込んで、その後でまた閉じてしまったんです。
    (ページをめくる)
    【画像】泣く子供  後には、ついて行けなかった足の悪い子供1人だけが残されたんですけど。しかし、助かったにも関わらず、その子供は「ついて行きたかった!」と、それから一生、泣き続けた、と。  「2つに割れた山の向こうには、毎日が楽しくて、果物が豊かに実る、この世の楽園があったのだ」というのが、この『ハーメルンの笛吹き』という童話なんですよ。
    ・・・
     これ、実は、おとぎ話じゃなくて、実話だったんですよね。  そして、事件から700年後、この『ハーメルンの笛吹き』が実話だということ、そして、その真相を解き明かしたのは、ある日本人だったんですね。  その日本人の名前は阿部謹也。中世ヨーロッパの専門家として、世界的に有名な研究者です。 (本を見せる。ちくま文庫『ハーメルンの笛吹き男 ―伝説とその世界』)
    【画像】ハーメルンの笛吹き男 ―伝説とその世界 『ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界』(阿部 謹也)
     文庫本の方しかないんですけど。阿部謹也という人が、この『ハーメルンの笛吹き男』という本を出したことで……これがまあ、この人の出世作になったんですけど。「童話が作り話だと思われていたハーメルンの笛吹き男伝説の真相がなんだったのか?」「子供達はどこへ消えてしまったのか?」の答えが出たんです。  「このお話は、歴史上に本当にあった事件だった」ということを知った阿部謹也は、意外な方法で調査を進めました。  子供達は消えてしまったんですよ。子供達の足取りはわからない。  でも、実は当時のハーメルンは水車がいっぱいあって、穀物がいっぱい穫れたんですよ。だから、ネズミに狙われたんですけどね。穀物がいっぱい穫れて、水車で小麦粉をいっぱい作っていた。つまり、豊かな街だったんです。  そんな街ですから、市民の中には政治力を持つ親もいっぱいいた。そういう金持ちもいっぱいいた街の中で、子供達が消えてしまったので、親も必死で探すわけですね。  そういった記録や情報というのが、原題でも残っている、周辺の街や村の公文書館、つまり市の公式の書類が保管されているところから、どんどん出てきたんです。  そういった記録を読み解きながら、「事件の20年後、50年後、100年後くらいから、実はこんな話があったんだ」ということを調べて、それを繋ぎ合わせた結果、「ハーメルンの街で一体何があったのか? この子供達に何があったのか?」というのが、徐々に徐々に解るようになってきたんです。  そして、「ついに、ドイツを超えてポーランドで、消えた子供達の子孫が見つかった」と。ここまで話は行きます。
    ・・・
     ……ただし、残念ながら、無料放送はここまでです(笑)。  この続きは、後半です。これ、話がどんどん複雑になってくるので、後半では、まとめとかを入れながらやらないと、結構キツいんですけども。  すみませんね、いいところで止まって。
     次回、8月18日のニコ生は過去の再放送回なんですけど。  とりあえず、アンケートだけ出してください。  まだこれでレジュメが15枚目です。本当に、今日もレジュメがメチャクチャあるんですよ。  アンケートの答えを出してください。……はい、ありがとうございます。まあまあ、「ちょっと怖い話」だから、こんな程度なんですけども。
     来週は「『シン・ゴジラ』と核兵器」の全長版です。有料版も特別に無料公開します。  単なる再放送でなくて、最初と最後に録画メッセージを入れるので、お楽しみください。
     それでは、有料の方に切り替えてください。
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    2019/08/11 #294 「『千と千尋の神隠し』の「不思議な話」、その他“幽霊” “UFO” “怪奇現象” ……の「少し怖い話」特集!」
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    月着陸50周年特集
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    岡田斗司夫ゼミ#258:アポロ計画と4人の大統領
    岡田斗司夫ゼミ#250:白い悪魔“フォン・ブラウン” 対 赤い彗星“コロリョフ” 未来をかけた宇宙開発戦争の裏側
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    ガンダム完全講義2:ついに富野由悠季登場!
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    ガンダム完全講義5:第2話「ガンダム破壊命令」解説Part1
    ガンダム完全講義6:第2話「ガンダム破壊命令」解説Part2
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  • 岡田斗司夫プレミアムブロマガ「神隠しは実在する!「ハーメルンの笛吹き男」は歴史上の事実だった」

    2019-08-30 07:00  
    220pt
    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/08/30
     今日は、2019/08/11配信の岡田斗司夫ゼミ「『千と千尋の神隠し』の「不思議な話」、その他“幽霊” “UFO” “怪奇現象” ……の「少し怖い話」特集!」からハイライトをお届けします。
     岡田斗司夫ゼミ・プレミアムでは、毎週火曜は夜8時から「アニメ・マンガ夜話」生放送+講義動画を配信します。毎週日曜は夜8時から「岡田斗司夫ゼミ」を生放送。ゼミ後の放課後雑談は「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」のみの配信になります。またプレミアム会員は、限定放送を含むニコ生ゼミの動画およびテキスト、Webコラムやインタビュー記事、過去のイベント動画などのコンテンツをアーカイブサイトで自由にご覧いただけます。  サイトにアクセスするためのパスワードは、メール末尾に記載しています。(※ご注意:アーカイブサイトにアクセスするためには、この「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」、「岡田斗司夫の個人教授」、DMMオンラインサロン「岡田斗司夫ゼミ室」のいずれかの会員である必要があります。チャンネルに入会せずに過去のメルマガを単品購入されてもアーカイブサイトはご利用いただけませんのでご注意ください)
     神隠し事件というのは、このように「じゃあ何だったのか? 本当はどうだったのか?」というのがわからない場合が多いんですけど。しかし、真相をほぼ特定出来たケースもあります。  世界で一番有名な神隠しというのは、グリム兄弟が1816年に発表した『ハーメルンの笛吹き男』です。  グリム兄弟がこれを発表した、その30数年後の1849年、イギリスの詩人ロバート・ブラウニングが、その物語を詩に起こして、絵本として出版しました。 (本を見せる)
    【画像】絵本『ハメルンの笛ふき』  これがロバート・ブラウニングの『ハメルンの笛ふき』(文化出版局)の絵本です。  どんな話かを、簡単に紹介しますね。 (ページをめくる)
    【画像】市役所  これ、何かというと、市役所に詰めかけている人々の絵です。市長を問い詰めているんですね。  「ハーメルンの街はネズミが増えて困っていた」と。どんな隙間にもネズミがいて、パンやチーズを食べようとしても、その中にネズミが入っている。人々は市長に「何とかしろ!」と詰め寄っていました。
    (ページをめくる)
    【画像】まだらの男  すると、まだらの男と呼ばれている、変なまだら色の、互い違いの色の服を着た男が現れました。  この本の原題は『The Pied Piper of Hamelin』というんですけど。「Piper」は「笛吹き」で「Pied」は「まだら、だんだら模様」という意味なんですね。  このまだらの服を着た男は「1000ギルダーというお金をくれれば、ネズミ退治をしよう」と言いました。  すると、市長は喜んで「本当に退治してくれるんだったら、1000ギルダーの50倍を出そう!」と約束しました。
    (ページをめくる)
    【画像】ネズミと男  男が笛を吹きながら街を歩くと、その後から、ネズミがゾロゾロついて行くんですね。最後に男が笛を吹いたら、ネズミたちは一斉に近くのウェーゼル川に身を投げて、そのまま全滅してしまいました。
    (ページをめくる)
    【画像】まだらの男と市長  しかし、まだらの服の男が約束のお金を取りに行くと、市長達は笑ってお金を払おうとしません。「お前がやったことは、せいぜい50ギルダーの仕事だな」とい言って、値引きをしようとします。  すると、まだら男は「じゃあ、僕は別の曲を吹かせてもらうよ」と言って、帰りました。
    (ページをめくる)
    【画像】子供達1 【画像】子供達2  別の日に、まだら男が笛を吹くと、今度は街中の子供達が集まって、親がどんなに止めようと、このまだら男の後について、街から消えてしまったんですね。  まだら男は子供達をコッペン山に連れて行きました。すると、コッペン山が2つに割れて、子供達を飲み込んで、その後でまた閉じてしまったんです。
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    【画像】泣く子供  後には、ついて行けなかった足の悪い子供1人だけが残されたんですけど。しかし、助かったにも関わらず、その子供は「ついて行きたかった!」と、それから一生、泣き続けた、と。  「2つに割れた山の向こうには、毎日が楽しくて、果物が豊かに実る、この世の楽園があったのだ」というのが、この『ハーメルンの笛吹き』という童話なんですよ。
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     これ、実は、おとぎ話じゃなくて、実話だったんですよね。  そして、事件から700年後、この『ハーメルンの笛吹き』が実話だということ、そして、その真相を解き明かしたのは、ある日本人だったんですね。  その日本人の名前は阿部謹也。中世ヨーロッパの専門家として、世界的に有名な研究者です。 (本を見せる。ちくま文庫『ハーメルンの笛吹き男 ―伝説とその世界』)
    【画像】ハーメルンの笛吹き男 ―伝説とその世界 『ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界』(阿部 謹也)
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  • 岡田斗司夫プレミアムブロマガ「『千と千尋』都市伝説〜本当の神隠しとはなにか?」

    2019-08-29 07:00  
    220pt
    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/08/29
     今日は、2019/08/11配信の岡田斗司夫ゼミ「『千と千尋の神隠し』の「不思議な話」、その他“幽霊” “UFO” “怪奇現象” ……の「少し怖い話」特集!」からハイライトをお届けします。
     岡田斗司夫ゼミ・プレミアムでは、毎週火曜は夜8時から「アニメ・マンガ夜話」生放送+講義動画を配信します。毎週日曜は夜8時から「岡田斗司夫ゼミ」を生放送。ゼミ後の放課後雑談は「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」のみの配信になります。またプレミアム会員は、限定放送を含むニコ生ゼミの動画およびテキスト、Webコラムやインタビュー記事、過去のイベント動画などのコンテンツをアーカイブサイトで自由にご覧いただけます。  サイトにアクセスするためのパスワードは、メール末尾に記載しています。(※ご注意:アーカイブサイトにアクセスするためには、この「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」、「岡田斗司夫の個人教授」、DMMオンラインサロン「岡田斗司夫ゼミ室」のいずれかの会員である必要があります。チャンネルに入会せずに過去のメルマガを単品購入されてもアーカイブサイトはご利用いただけませんのでご注意ください)
     じゃあ、もうちょっと詰めた話をしていきましょう。  ええと、今度の8月16日の金曜日、金曜ロードショーで『千と千尋の神隠し』をやるんですけど。ちょうど僕は、そのタイミングでアメリカに行っているので、来週はその話が出来ないんですね。  なので、今のうちに『千と千尋』の都市伝説の話をしたいと思います。
     といっても、よくあるタイプの都市伝説って、僕は嫌いなんですよ。  例えば、『千と千尋』の中に「主人公の千尋が電車に乗って、おばあちゃんのところへ行く」というシーンがありましたよね?  この時、駅構内に女の子の影が見える。 (パネルを見せる)
    【画像】駅の少女 ©2001 Studio Ghibli・NDDTM 「この、駅に立っている少女は、『火垂るの墓』の節子だ」とか、そういう説がありますよね。
     僕、こういうのは嫌いで。「絶対にない」と思うんですよね。  なぜかというと、「宮崎駿というのは、そういう程度の低い遊びをやらない人だから」なんですよ。  それぞれの作家には、作家なりの癖というのがあるんです。宮崎駿という作家がやる遊びというのは、もうちょっと回りくどいんです。  なので、そんな「高畑勲のアニメに出てきたキャラクターを、自分の映画の中にちょっと出して遊ぼう」みたいなことは、まず考えないはずなんですよね。そういうのを一番嫌がる人だから。  どちらかというと、この都市伝説というのは、無理矢理「そういうふうに見える!」って言ってるんだと、僕なんかは思っちゃうんですね。
     他にも、一番最初の冒頭、アウディの自動車をガーッと飛ばして、トンネルのあるところで急に停まって、「こんなとこもあるんだ。中へ入ってみよう」というシーン。  「実は、あの時点ですでに、あの自動車は事故にあっていて、両親は死んでいて、千尋は臨死体験をしている。このアニメ全体が千尋の臨死体験なんだ」という都市伝説もあるんですけど。  いや、もう、それもやっぱり「ないない」って、僕なんかは思うんですよね。
     なぜかというと、宮崎駿は、もうハッキリと、このアニメを作る前とか、作っている最中も「10歳の女の子に見せるためのアニメを作ってる」って言ってるんです。  「でも、『千と千尋』というのは、制作に3年も4年も掛かってしまったから、一番見せたかった10歳の女の子は、このアニメが完成した時には14歳15歳になっていて、見せるべき対象ではなくなってしまった。この辺が切ないですよね」というふうに語ってるんですよ。  だから、そういう「臨死体験だった」という噂は「月着陸はなかった」と同じように、何を見てもそう見たい人のための遊びだから、放っておこうと思っています。
     あとは、『千と千尋』に出てくる湯屋。いわゆる物語の舞台となる場所ですね。「あれは風俗だ」っていう意見も、よく聞きます。  働いている女の人は、みんな胸元をはだけているし、場所もお風呂だし、「来た神様たちを慰めてあげる」施設だし、ということで。  何よりも、監督の宮崎駿自身が、インタビューで「風俗みたいなもんです」とハッキリ言っちゃってるので、僕も昔は、この「『千と千尋』の湯屋=風俗説」というのを信じていました。たぶん、過去のニコ生でも、そういうことを言ったこともあると思います。  でもね、今になって、ニコ生でちゃんと『千と千尋』を語るために一から考えたら、やっぱり、これも違うと思うんですよね。  これは『千と千尋』の特集をやる時に言いますけども。風俗っぽく見せているのは、いわゆる宮崎駿が本来の客層として考えていた10歳の女の子じゃない、大人とか評論家が見た時に、意図的にミスリードするために、あえて作った仕掛けだと、僕には見えているんです。  でも、この話は、9月以降に予定している『千と千尋』特集で話すので、もうちょっと待っててください。
    ・・・
     今日、話す「『千と千尋』の都市伝説」というのは「千と千尋」の部分ではなく、その後ろの「神隠し」の部分です。  たぶん、日本で一番有名な神隠しというのは、天狗に拐われた寅吉少年事件だと思います。
     江戸後期、栃木と茨城の間くらいに住んでた子供、寅吉は、お祭りで壺売りの壺を見ていたら、その壺の中に飲み込まれてしまうんですね。  数年後、この寅吉は、いきなり浅草の観音堂の前に現れて、「自分は今まで数年間、天狗の世界で暮らしていた」ということを言い出しました。  当然、周りの大人達は、寅吉の言うことを全く信じなかったんですけども。そこに有名な国学者の平田篤胤という人と彼のグループがやってきて、話を聞いてみたら、「これはすごい!」と寅吉の言うことを信じて、以後の数年間、寅吉は平田篤胤やその仲間の家に住み込んで、天狗の世界の風習とか、修行、日常などの文化に関して、細かなディティールまで異常に詳しく話をし始めたという事件がありました。  平田篤胤は、これを『仙境異聞』というですね本にして出版したところ、江戸後期の大ベストセラーになったんですね。
     では、この神隠しに遭った寅吉の言う天狗の世界というのは何だったんだろうか? いまだに真実はわかっていないんですね。  単に「大ボラふきの子供が、大国学者平田篤胤やその仲間を騙しただけ」というシンプルな説もあるんですけど。ただ彼は、その時代の最高頭脳の一人であって、そんな学者が友達の学者達と一緒に……数年間ですよ? 数年もの間、一緒に住んでいて、問い詰めても、ウソだとわからなかったというのは、ちょっとね不自然だと思うんです。  「だから、天狗の世界というのは、本当にあったんだ」と言う人もいます。
     もうちょっと不思議な日本の神隠しについては、番組の後半でお話しようと思います。
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  • 岡田斗司夫プレミアムブロマガ「幽霊ホテルで感じた「嫌な気配」の正体とは?」

    2019-08-28 07:00  
    220pt
    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/08/28
     今日は、2019/08/11配信の岡田斗司夫ゼミ「『千と千尋の神隠し』の「不思議な話」、その他“幽霊” “UFO” “怪奇現象” ……の「少し怖い話」特集!」からハイライトをお届けします。
     岡田斗司夫ゼミ・プレミアムでは、毎週火曜は夜8時から「アニメ・マンガ夜話」生放送+講義動画を配信します。毎週日曜は夜8時から「岡田斗司夫ゼミ」を生放送。ゼミ後の放課後雑談は「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」のみの配信になります。またプレミアム会員は、限定放送を含むニコ生ゼミの動画およびテキスト、Webコラムやインタビュー記事、過去のイベント動画などのコンテンツをアーカイブサイトで自由にご覧いただけます。  サイトにアクセスするためのパスワードは、メール末尾に記載しています。(※ご注意:アーカイブサイトにアクセスするためには、この「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」、「岡田斗司夫の個人教授」、DMMオンラインサロン「岡田斗司夫ゼミ室」のいずれかの会員である必要があります。チャンネルに入会せずに過去のメルマガを単品購入されてもアーカイブサイトはご利用いただけませんのでご注意ください)
     「僕の態度に問題があったのかな?」というのに絡めて、これは、去年の6月にロンドンに行った時の話なんですけども。  ロンドンでザ・ランガムというホテルに泊まったんですね。 (パネルを見せる)
    【画像】ザ・ランガム これがランガムホテルです。「レディ・ガガがロンドンに行った時に、絶対に泊まる」と言われている超一流ホテルなんですけど。  ここは、世界で一番有名な幽霊ホテルなんですよ。
    ・・・
     「このホテルの3階の333号室には幽霊が出る」というので、結構、有名なんですね。  目撃されているのは小さな女の子とか、あとはドイツ陸軍の兵隊とか、そういうのが出てくるそうです。
     3階でエレーベーター降りたら、目の前に真っすぐの廊下が走ってるんですね。 (パネルを見せる)
    【画像】廊下 この廊下の一番端っこに333号室があるんですけど。もう、なんかね、この廊下自体が嫌な雰囲気なんですよ、正直。  廊下の絨毯の模様が幾何学模様なんですけど、見ていると段々、目がチラついてくるんです。……まあ、幾何学模様だから目がチラつくのは当たり前なんですけども。  なんかね、不思議なことに、嫌な気分になるんですよね。
     で、333号室の前に行ってみたら。 (パネルを見せる)
    【画像】333号室プレート 別に、これも「333」と書いてあるだけで、ドアも、いわゆるカード型のキーを差し込む新型のタイプだから、なんということもないんですけど。  ただ、もう、そんなことを気にしないはずの僕が「早く帰りたいな」と感じるくらい、嫌な感じの気がするんですよね。
    ・・・
     そのまま、廊下を1周して帰ったんですけど。333号室に行った時とは反対側からエレベーターホールに近づいた時、行った時には気付かなかったんですけど、このエレベーターホールにデッカい絵があるのを見付けたんですよね。  エレベーターホールにあったデッカイ絵というのが、これなんです。 (パネルを見せる)
    【画像】怖い絵 なんか、ちょっとこれ、怖いと思いません?  あのね「わざとやってんな」というか「やりやがったな」というか「寄せてきたな」という感じで。  この位置の茶色いシミも込みで、なんか嫌な絵なんですよね。
     これ見たときは、流石にハッキリと怖かったんですよ。気持ち悪くて怖くて。  それで「怖い」って思った瞬間に、初めて、さっきの廊下とか333号室のドアの前で感じてた感覚が理解出来たんです。  僕が感じていた嫌な気配だと思っていたものの正体は、怖いという感覚だったんですね。  絵を見て初めて「ああ俺、怖かったんだ」ってわかったんですけど。  理由はないんですよ。単に「有名な幽霊ホテルだから」と知っているから、勝手に僕が心理的に怖がっているだけだと思うんですけど。  でも、そういう知識とか理性的な考えは、実際にその場で感じた、生命の危機を感じる怖さを、もう全然、打ち消すことが出来ないんですね。  なので、とりあえず写真だけ撮って……自分の人影が絵の額縁に反射して写り込んでいるのが嫌なんですけど。この嫌な絵の写真を撮って、3階からは逃げ出すようにエレベーターに乗って去りました。
    ・・・
     さて、この「嫌な感じがした」というだけの僕は、心霊現象を体験したのか?  それとも、やっぱりこれは、単に弱気になっていたというだけの、気のせいなんだろうか?  もし、僕が5年前まで住んでいた、あの井の頭公園近くの家に「家賃が安いんだから、もう1回住めば?」って言われたら、あの頃のように、家鳴りとか、天井のドッタンバッタンとか、リビングが段々と裂けていく変な家に、平気で住めるかどうかというと、実はちょっと自信がないんですよ。
     なので、皆さんはどう考えるのかと思って、ちょっとアンケート用意しました。  「岡田斗司夫が自宅やランガムで体験したのは、何なのか?」というアンケートです。お願いします。  岡田斗司夫が体験したのは「1.心霊現象」「2.気のせい」ですね。これをちょっと聞いてみたいと思います。これも、適当にパッパと答えて頂ければ。
    「新宿がすごく居心地悪くて」(コメント)
     ああ、そう言う人もいるわけですね。
    「負のプラセーボ効果」(コメント)
     それもありそうだよな。
     はい、結果を出してください。……あ、「気のせい」が80%ですね。「心霊現象」が20%。  そうなんですよ。特に、これといった証拠も、変な現象も起こっていない。さっきのお便りみたいに、数珠が目の前で弾け飛ぶみたいなことは何も起こってないんです。  だけども、「イヤな気持ちになってしまう」ということがあるんです。
    ・・・
     この「オカルトを信じるかどうか?」というアンケートに関して、明治大学情報コミュニケーション学部の石川幹人教授は、この本の中で、不思議な実験をしています。 (本を見せる。新潮新書『「超常現象」を本気で科学する』)
    【画像】「超常現象」を本気で科学する『「超常現象」を本気で科学する』(石川 幹人)
     まず、明治大学の学生を相手に「超常現象に否定的か、肯定的か?」というふうにアンケートをとるわけですね。  すると、答えが綺麗に2つに分かれて「否定的40%、肯定的40%」と、ちょうど半々になったわけです。残りの20%は「わからない」とかの他の解答だと思います。  しかし、その次に「じゃあ、あなたではなく、一般多数の意見はどうだと思うか?」と聞くと、「否定的だと思う」という回答が、いきなり70%に上昇するんですよ。「肯定的だと思う」は10%に落ち込む。
     「自分以外の他の人はどう考えていると思うか?」という聞き方をすると、みんな、「否定的だ」と思っていて、「肯定的だ」と思っている人は10%に落ち込む。  これ、どういう意味かというと、「自分は信じているんだけども、人前では信じてないフリをする」ということなんですね。  その理由は「幽霊を見た」とか「そういう話を信じる」とか「そういう体験をした」というのは、個人的な体験であって、その体験を否定されると、まるで自分自身が否定されたような気がして、身構える癖がついているから。  だから、人間は、オカルト的なこと、超常的な体験を人前で話す時には、自分自身の本心に逆らって、否定的に話す傾向がある。  それが、この明治大学のアンケートでわかったことです。
    記事全文は、アーカイブサイトでお読みいただけます。
    2019/08/11 #294 「『千と千尋の神隠し』の「不思議な話」、その他“幽霊” “UFO” “怪奇現象” ……の「少し怖い話」特集!」
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  • 岡田斗司夫プレミアムブロマガ「今日のニコ生は、岡田斗司夫マンガ・アニメ夜話「『天空の城ラピュタ』解説」です!」

    2019-08-27 07:00  
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    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/08/27
     今日は、岡田斗司夫のコンテンツ情報をお届けします。
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    本日の岡田斗司夫マンガ・アニメ夜話は
    8月27日(火) 20:00~ 『天空の城ラピュタ』解説
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    2019/08/12 マンガ・アニメ夜話 #20 「ガンダム完全講義20:第10話「ガルマ散る」解説Part1」

    エッシェンバッハ家の屋敷はどこにある?
    ニューアークという街の謎
    「ガルマの持っていた資質」とは?
    「ジオンの地球経営」について補足
    ガルマの「王の器」と「影色指定」という演出について
    「軍人らしいガルマ」と「シャアはせいぜい呂布」
    エッシェンバッハ家の屋敷はどこにある?
     こんばんは、岡田斗司夫のガンダム完全講座。今回で20回目ですね。『機動戦士ガンダム』の第10話「ガルマ散る」の解説の前編をお送りします。  今日はもう、ちゃっちゃと進めていきます。明日からアメリカに行くのに、まだ全然、荷物の準備が出来てないんですよ。どうにかパスポートの存在だけは確認したんですけど。  18日の日曜日のニコ生も、再放送なんですけど、頭とお尻に新撮の撮り下ろしの解説動画を入れなきゃいけないし、それをこの後に収録するので、今日はもう本当に、パニック、パニックなんです。「ヒーッ!」ですよ、本当に(笑)。
    ・・・
     今回の「ガルマ散る」で、いきなり登場するのが、ガルマの彼女イセリナ・エッシェンバッハですね。  解説動画の中では「このエッシェンバッハ家の屋敷はどこなのか?」という問題で、僕は悩んでいます。  というのは、どうも『ガンダム』の公式設定では「ニューヨーク辺り」ということになっているようなんですけど、全体の流れから考えて、もしエッシェンバッハ家というのが旧家であって、アメリカの中でそれなりのポジションだというんだったら、ボストンやフィラデルフィア辺りの方がいいだろうし、そうじゃなくて、イセリナの立ち位置や、エッシェンバッハ市長本人の性格からすると、南部のテキサス辺りがまあいいんじゃないかと思うんです。  まあ、その辺を悩んでおります。
     では、岡田斗司夫がどういうことに悩んでいるのかを見てもらうためにも、さっそく始めましょう。  ガンダム完全講座、第20回「ガルマ散る」の前編の解説をお届けします。それでは、どうぞ。
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  • 岡田斗司夫プレミアムブロマガ「心霊スポットに20年住んでいた岡田斗司夫の経験談」

    2019-08-26 07:00  
    220pt
    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/08/26
     今日は、2019/08/11配信の岡田斗司夫ゼミ「『千と千尋の神隠し』の「不思議な話」、その他“幽霊” “UFO” “怪奇現象” ……の「少し怖い話」特集!」からハイライトをお届けします。
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     最近、怖い話が好きになってきたというのは、別に「個人的にオカルト体験があって、それで考え方が変わった」とかいうわけじゃなく。  たぶん、オカルト体験はこれまでにも何度かあるにはあったと思うんですけど、まあ、全然、興味がなかったんですね。  例えば、今の家に引っ越したのは4年前なんですけど、その前は、吉祥寺の井の頭公園の近くの一軒家を借りて暮らしてたんですよ。  借りたのは、1995年の春。もう本当に25年前ですね。広さや場所を考えたら、家賃もやたら安い物件だったんです。  なので、物件の内見に行った時に「ここ、気に入りました。契約します」と不動産屋に言うと、「じゃあ、ちょっと店まで来てください」と言われて。不動産屋まで行くと、奥の応接室に案内されて、お茶を出されたので、「もう契約するのかな?」と思ったら、支店長が出てきて「実は……」という話が始まったんですよ。  「あの家は、実はいわくがありまして。井の頭公園の事件を知ってますよね?」と。  いや、「事件」と言われてもよくわからなかったから、「なんですか?」と聞くと、「あの、バラバラの……」って言われて。それで「ああ」と。  新聞やニュースを見ない僕でも知っていたんですけど、昔、井の頭公園バラバラ殺人事件というのがあって。平成日本で最大の残酷事件で、いまだに犯人も見つかってないし、動機もわからないまま、未解決の迷宮入りをした事件なんですよ。  僕がその家を借りる1年前、1994年4月23日の朝に、井の頭公園のゴミ箱から、ポリ袋に入った変な物体が出てきたんですね。ゴミ袋を開けると、人間の足首が出てきた。  あわてて、捜査員が周り一帯を捜索すると、合計で27個、バラバラになった人体のパーツ、手足とか胴体が出てきたんです。  そのゴミ袋も、魚を獲る漁師さんが、網とかで使う、臭いが漏れない特殊な結び方をされていたり、遺体の手足の指紋がすごく丁寧に削られてたんですけど。  DNA鑑定で、被害者は近くに住む一級建築士の35歳の男性だとわかったんです。  その男性は、妻と子供と、あとは自分の母親と一緒に暮らしていて、建築士として自分が設計して建てた家に住んでたんですね。  僕が借りた家というのは、その被害者の家だったんですよ。
    ・・・
     ただ、僕は幽霊というのを全く信じていないので、気にせずに、安いから借りたんです。  まあ、こういうことの告知義務がある不動産屋さんとしても、ホッとして、すごく喜んでくれて。  なんでも、こういう物件のことを事故物件と呼ぶらしいんですけど、最初に借りる人には、こういったことを告知しなきゃいけないらしいんですね。  でも、「1人でも借り手がついて、その人が退去したら、次の借り手にはもう言わなくてもいい」という、そういう申し合わせがあるみたいです。
     それでも、ちょっと気持ち悪いので、入居の前に、1階に住んでるおばあちゃんに挨拶に行ったんですよ。  というのは、一軒家といっても3階建てて、僕が借りたのは2階と3階だけなんですね。外階段から2階に上がれるようになっていて、1階には大家さんのおばあちゃん、つまり被害者の方の母親が住んでたんですよ。  まあ、一応、ちょっと気を使って、東急百貨店でちょっと高級なゼリーのパックを買って、「お線香だけ上げさせてください」と言うと、おばあちゃんは、奥にあるメチャクチャ大きい仏壇に案内してくれたんです。  この1階には、おばあちゃん以外の人の気配がないんですよ。どうも、奥さんや子供さんは、もうすでに実家に引っ越されて、おばあちゃんは1人で息子さんの設計した家に住んでるらしいんですね。  仏壇の写真には、すごく普通な、どこにでもいそうな男性が写っていました。なので、僕もその写真のことをほとんど覚えてないんですよね。  僕は、お線香を頂いて、1本つけて、一応、それが燃え尽きるまで、手を合わせて拝んでたんですよね。
     拝む時の内容は「お化けとして出るんだったら、どうぞ1階に出てください」と。  「2階には他人である僕が住んでいます。あなたのお母さんに、毎月毎月、お金を払って、そのおかげであなたのお母さんは生きていけるんですよ?」と。  「恩を着せるつもりはないんですけど、もし僕がビックリして逃げたら、あなたも困るでしょう?」と。  「1階にはあなたのお母さんが住んでいますから、何か言いたいことがあったら、ぜひ1階に化けて出てください」と。
     マジでそういうことを考えながら、何度も何度も心の中で唱えて、その場を立ち去りました。  以後、その家の1階には立ち入ったことはありません。
    ・・・
     結局、その家には、1995年から2015年まで、20年以上、住んでいたんですけども。  当時は「怪奇現象なんて、何も起こってない。やっぱりオカルトは嘘だな」というふうに思ってたんですよ。  でも……別に脅かすつもりはないんですけど。でも、今、考えると、ちょっとだけ変なんですよ。  例えば、家鳴りが激しいんですよね。家がしょっちゅうギシギシ言うんですよ。  でも、新築の家というのは、もともと家鳴りが激しいものなんです。というのも、結構良い家だから、木材とかも豊富に使っていて、それが乾燥する周期とかがあるんでしょうね。だから、キシキシ鳴るんですけど。  あとは、まあ、井の頭公園の踏切も近くて、電車が通ると家が揺れるから「それで家鳴りがするんだろうな」と思ってたんですね。  2つ目が、天井裏とか屋根裏から、やたらと音がするんですよ。  でも、これもね、そんなにお化けっぽい音じゃないんです。もっと乱暴な、ドッタンバッタンという、怖さも何もない音で。  たぶんね、井の頭公園が近いから、テンとかタヌキとか、そういう小動物が住んでたんだと思うんですよね。  ネズミのサイズじゃ絶対にないんですよ。僕、ネズミが住んでる家に住んでたこともあるんですけど、ネズミの走り方じゃないんですよね。  あと、3つ目。なぜか、リビングのちょうど真ん中あたりの壁と天井に裂け目が入っているんですよね。  一番最初、入居した時は気付かなかったんですけど、どうも、入居した時から薄っすら裂け目があったみたいなんです。それが、15年くらいかけて、メキメキ広がっていくんですよ。  つまり、僕の住んでた家は、ゆっくりとリビングが2つに裂けて行っているんですよね。  これはいまだに原因不明で、なんのこっちゃかよくわからないんですけども。
    ・・・
     ただ、まあ、おかしなことと言ったら、以上のことだけで。たぶん、日本でも有数の事故物件……週刊文春とかも取材に来ましたから。そんな事故物件に20年以上も住んでたんですけど、結果的に、別に何も起こらなかったんですよ。
     今、コメントで「設計ミス」って書いてあったんですけど。  一級設計士の人が自分用に作った家だから、材料もそれなりに吟味しているはずなので、あんまり設計ミスではないと思うんですけどね。
     まあ「3階で寝ている時に、2階から物音する」とか「例の裂け目が年々大きくなってきて、嫌な感じがする」とか「天井裏に住んでるんだろう小動物が、やたら走り回る」ということがあったんですけど。  「こういうことは、どこの家でもあることだ」というふうに解釈してたんですよ。  今考えると、「家が裂ける」というのは、あんまりどこの家でもあることじゃないと思うんですけども。  ひょっとしたら、こういう僕の「いや、別に関係ないんじゃないの? いいんじゃないの?」と思っている態度が、怪奇現象みたいなものがあったとしても、それに気付かせないのかもなと思いました。
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    ガンダム完全講義6:第2話「ガンダム破壊命令」解説Part2
    ガンダム完全講義7:第3話「敵の補給艦を叩け!」解説Part1
    ガンダム完全講義8:第3話「敵の補給艦を叩け!」解説Part2
    ガンダム完全講義9:第3話「敵の補給艦を叩け!」解説Part3
    ガンダム完全講義10:第4話「ルナツー脱出作戦」解説
    ガンダム完全講義11:第5話「大気圏突入」解説
    ガンダム完全講義12:第6話「ガルマ出撃す」解説Part1
    ガンダム完全講義13:第6話「ガルマ出撃す」解説Part2
    ガンダム完全講義14:第7話「コアファイター脱出せよ」解説Part1
    ガンダム完全講義15:第7話「コアファイター脱出せよ」解説Part2
    ガンダム完全講義16:第8話「戦場は荒野」解説Part1
    ガンダム完全講義17:第8話「戦場は荒野」解説Part2
    ガンダム完全講義18:第9話「翔べ!ガンダム」解説Part1
    ガンダム完全講義19:第9話「翔べ!ガンダム」解説Part2
    ガンダム完全講義20:第10話「ガルマ散る」解説Part1
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  • 岡田斗司夫プレミアムブロマガ「『崖の上のポニョ』をちゃんと楽しむためのたった一つの秘策」

    2019-08-25 07:00  
    220pt
    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/08/25
     今日は、岡田斗司夫のコンテンツ情報をお届けします。
     岡田斗司夫ゼミ・プレミアムでは、毎週火曜は夜8時から「アニメ・マンガ夜話」生放送+講義動画を配信します。毎週日曜は夜8時から「岡田斗司夫ゼミ」を生放送。ゼミ後の放課後雑談は「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」のみの配信になります。またプレミアム会員は、限定放送を含むニコ生ゼミの動画およびテキスト、Webコラムやインタビュー記事、過去のイベント動画などのコンテンツをアーカイブサイトで自由にご覧いただけます。  サイトにアクセスするためのパスワードは、メール末尾に記載しています。(※ご注意:アーカイブサイトにアクセスするためには、この「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」、「岡田斗司夫の個人教授」、DMMオンラインサロン「岡田斗司夫ゼミ室」のいずれかの会員である必要があります。チャンネルに入会せずに過去のメルマガを単品購入されてもアーカイブサイトはご利用いただけませんのでご注意ください)
    【ニコ生】
    『岡田斗司夫ゼミ (無印)』
    『岡田斗司夫ゼミ・プレミアム』
    今夜のニコ生ゼミは、『崖の上のポニョ』です。
    『崖の上のポニョ』に関する評論、解説はあまり存在しません。評論の多い宮崎作品の中で、思い切り少ないと言えます。
    それに対して評論が多いのは、『風の谷のナウシカ』、『もののけ姫』、『千と千尋』。この三作品は、宮崎駿作品の中でも際立って構造的で、際立って思想家としての内面が表現されている作品です。 こんな話を作りたい、こんなキャラクターを描きたい、こんなテーマを語りたい、というのが軸にあって、それを元に作品ができています。 見せたいもの、表現したいものがあって、それを構造材として作品と組み立てるということもできています。 だから、評論も書きやすいのです。
    これら三作品だけでなく、ポニョ以外の宮崎作品には、基本、すべてしっかりした”構造”があります。
    例外が、『紅の豚』と『崖の上のポニョ』です。 『紅の豚』は、どちらかと言うと『天空の城ラピュタ』に近い。マンガ映画的におもしろさを追及しているから、テーマより娯楽性を追求しています。
    それに対して、『崖の上のポニョ』は、どう見ても芸術映画なのに、普通の分析方法、解説方法を使うと、評論として成立しません。 そういう構造とか、ストーリーとか、キャラクターすらも固まっていない状態、すべてがぐにゃぐにゃのまま、なんとかつなぎ合わせて、2時間のフィルムにした作品だからです。 そのため、見る側は、巨大な夢の話をされているような気持ちになります。
    僕は、『崖の上のポニョ』は、宮崎駿の箱庭療法だと思っています。 宮崎駿を楽しむための映画であって、決して宮崎作品を楽しむための映画ではない。 単にアニメ映画として観てしまうと、「ふざんけんな!」という感想になってしまいます。
    そうではなくて、”宮崎駿を楽しむ”という観点で見てみると、『崖の上のポニョ』というのはすごく実りが多い、豊かな作品になります。
    今夜はそういう観点で、『崖の上のポニョ』を解説してみます。
    お楽しみに!
    また、前回のニコ生岡田斗司夫ゼミ#295は 「終戦記念『シン・ゴジラ』特集、『ゴジラと核兵器』全編無料公開!」でした。
    表・裏 放送
    表・裏・放課後放送
    表放送 00:00 今週の『なつぞら』 03:40 今回は『シン・ゴジラ』を掘り下げる 06:11 過去動画スタート・『シン・ゴジラ』の面白さについて 17:03 ゴジラ評論の面白さ 23:30 『シン・ゴジラ』初歩的な質問 32:15 牧博士の正体 42:01 ラストの不可解なセリフ 48:27 庵野秀明の『オン・ユア・マーク』 51:40 「シン」とは今までの設定を御破算にすること 57:27 過去限定動画スタート・『エヴァンゲリオン』が無邪気なアニメを終わらせた 01:03:35 もう押井守はいらない 01:13:59 ナカイの窓が痛かった話 01:21:10 原爆の話 01:33:10 『シン・ゴジラ』のすごさ 01:43:27 過去限定動画終了・『シン・ウルトラマン』の話 裏放送 01:51:00 『シン・ウルトラマン』の話の続き 01:55:58 『ポニョ』と『千と千尋』で語ってほしいこと募集 放課後 01:56:19 トイショー行ってきます
    明後日(火)の岡田斗司夫マンガ・アニメ夜話は
    8月27日(火) 20:00~ 『天空の城ラピュタ』解説
    『岡田斗司夫ゼミ (無印)』会員
    『岡田斗司夫ゼミ・プレミアム』会員
    ニコ生テキスト全文公開
     2019/08/11配信の岡田斗司夫ゼミテキスト全文をアーカイブサイトで公開中!

    2019/08/11 #294 「『千と千尋の神隠し』の「不思議な話」、その他“幽霊” “UFO” “怪奇現象” ……の「少し怖い話」特集!」

    本日のお題と次回告知
    『なつぞら』の「空ー!」と『魔法使いサニー』の理由
    お便り「怪談イベントで砕けた僧侶の数珠」
    岡田斗司夫が事故物件に20年住んで体験した奇妙な現象
    幽霊ホテルで感じた「嫌な気配」の正体とは?
    『千と千尋の神隠し』にまつわる俗説と天狗の話
    『ハーメルンの笛吹き男』のあらすじとその真相に迫った日本人
    解き明かされた『ハーメルンの笛吹き男』の真相
    ヤムアキくんの「怖い話」と「超常現象への態度」
    寒戸婆の「本当の話」と妖怪物語
    お便り紹介「電車に同じ人が」
    ゼミ、マンガ・アニメ夜話 電子書籍販売中!
    AmazonのKindleストアで、岡田斗司夫ゼミ、岡田斗司夫マンガ・アニメ夜話の電子書籍を販売中です(「岡田斗司夫アーカイブ」でもご覧いただけます)。
    月着陸50周年特集
    岡田斗司夫ゼミ#269:恐怖と贖罪のホラー映画『ファースト・マン』完全解説
    岡田斗司夫ゼミ#258:アポロ計画と4人の大統領
    岡田斗司夫ゼミ#250:白い悪魔“フォン・ブラウン” 対 赤い彗星“コロリョフ” 未来をかけた宇宙開発戦争の裏側
    岡田斗司夫ゼミ#291:アポロ宇宙船(前編)〜地球が静止した1969年7月21日とアポロ11号の打ち上げ
    岡田斗司夫ゼミ#292:アポロ宇宙船(後編)〜月着陸と月面歩行
    岡田斗司夫ゼミ
    岡田斗司夫ゼミ#287:『アラジン』特集、原作からアニメ版・実写版まで徹底研究!
    岡田斗司夫ゼミ#288:映画『君の名は。』完全解説
    岡田斗司夫ゼミ#289:NASAとLINEの陰謀、スパイダーマンをもっと楽しむためのガイド
    岡田斗司夫ゼミ#290:『進撃の巨人』特集〜実在した巨人・考古学スキャンダルと、『巨人』世界の地理
    岡田斗司夫ゼミ#293:『なつぞら』特集と、『天気の子』解説、“禁断の科学”の話
    岡田斗司夫ゼミ#294:『千と千尋の神隠し』の不思議な話と、幽霊、UFO、怪奇現象の少し怖い話特集
    マンガ・アニメ夜話
    ガンダム完全講義1:虫プロの倒産とサンライズの誕生
    ガンダム完全講義2:ついに富野由悠季登場!
    ガンダム完全講義3:『マジンガーZ』、『ゲッターロボ』から始まる映像革命
    ガンダム完全講義4:第1話「ガンダム大地に立つ!!」解説
    ガンダム完全講義5:第2話「ガンダム破壊命令」解説Part1
    ガンダム完全講義6:第2話「ガンダム破壊命令」解説Part2
    ガンダム完全講義7:第3話「敵の補給艦を叩け!」解説Part1
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    ガンダム完全講義15:第7話「コアファイター脱出せよ」解説Part2
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  • 岡田斗司夫プレミアムブロマガ「朝ドラ『なつぞら』完全解説〜ワンス・アポンア・タイム・イン・アニメーション」

    2019-08-24 07:00  
    220pt
    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/08/24
     今日は、2019/08/04配信の岡田斗司夫ゼミ「『なつぞら』特集と、『天気の子』『トイストーリー4』ネタバレ解説、ちょっと怖い“禁断の科学”の話」から無料記事全文をお届けします。
     岡田斗司夫ゼミ・プレミアムでは、毎週火曜は夜8時から「アニメ・マンガ夜話」生放送+講義動画を配信します。毎週日曜は夜8時から「岡田斗司夫ゼミ」を生放送。ゼミ後の放課後雑談は「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」のみの配信になります。またプレミアム会員は、限定放送を含むニコ生ゼミの動画およびテキスト、Webコラムやインタビュー記事、過去のイベント動画などのコンテンツをアーカイブサイトで自由にご覧いただけます。  サイトにアクセスするためのパスワードは、メール末尾に記載しています。(※ご注意:アーカイブサイトにアクセスするためには、この「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」、「岡田斗司夫の個人教授」、DMMオンラインサロン「岡田斗司夫ゼミ室」のいずれかの会員である必要があります。チャンネルに入会せずに過去のメルマガを単品購入されてもアーカイブサイトはご利用いただけませんのでご注意ください)
    「悩みのるつぼ」卒業します!
    【画像】スタジオから こんばんは、8月4日の岡田斗司夫ゼミですね。  毎回、スーツを着てネクタイを締めてると暑いので、8月からしばらくは、アロハシャツで。そうですね、9月いっぱいくらいはこれでやってみようと思います。すみませんね、失礼な格好で。
     最近は、もう、コメント用のモニターが3面になってて。  正面の位置に、一般会員用のコメントが流れてて、右側がプレミアム会員用のコメントモニターで、左側がYouTubeライブの方用のコメントが流れているという感じになってます。  今、YouTubeライブでは「いいタイミングで来た」とか「こんばんは」というコメントが出ているところですね。  プレミアムの方では「いいんじゃない?」とか「アロハは正装」というコメントが流れております。
     今日の放送は「ちょっと怖い話」という告知をしてましたが、「ちょっと怖い話」をするのは、放送のわりと後ろの方になります。  というのも、今週は『なつぞら』について話したいことが、もう本当に山のようにあるので。すみませんけど、『なつぞら』の話だけで無料が終わってしまいます。  有料放送になったら、一気に『天気の子』と『トイ・ストーリー4』と「怖い話」に行こうと思いますけども、そんな感じになります。よろしくお願いします。
     ではでは、一番最初は「るつぼ」の話をしようと思うんですけども。  僕、朝日新聞で10年以上「悩みのるつぼ」という連載をやってたんですよね。  「悩みのるつぼ」というのは、朝日新聞の土曜日版に載っている、4人の回答者が持ち回りで行う人生相談のコーナーで、4週間に1回、順番が来るんですけど。これを、9月7日の土曜日で卒業することになりました。  実は、半年前からずっと朝日新聞の担当さんに相談していて「6ヶ月前からだったら、準備ができるので大丈夫ですよ」と言われたので、辞めさせていただけることになったんですけど。正直、1年くらい前から辞めたかったんですね。
     理由は、とにかく自分でも「同じパターンになりつつある」と思ったからなんですよね。  3、4年くらい前までは「さあ、今回はどんなふうに答えようか?」とか、毎回毎回3つくらい相談の候補が来るんですけど、「どれも面白いな!」と思ってたんです。  でも、最近は「ああ、なんかまた、前に答えたのと同じパターンになっちゃうな」と思うようになってきて。  僕は「仕事というのは、新しく何かを始めるよりも、何かを辞める方が10倍大変だ」と思ってるので、できるだけ辞め時というのを間違えたくないと思ってるんですけど。  まあ、あんまりワクワクできなくなってきてしまったので、9月7日で辞めさせていただくことになりました。  これも、本当は4月くらいにパッと辞めたかったんですけど、「ちょっとそれは勘弁してください」と言われて。
     折角だから、この「悩みのるつぼ」の答えの作り方というのを話そうと思って、久しぶりに一般向けの講演をしようと思います。 (パネルを見せる)
    【画像】講演会パネル 「悩みのるつぼ 岡田斗司夫 卒業講演会」という講演会を、東京と大阪で行います。完全無料で皆さんをご招待するという感じですね。  東京は9月23日。月曜日だけど祝日です。大阪が9月28日の土曜日。東京は渋谷の辺り、大阪は梅田の辺りです。両会場共に、昼間2時半から2時間程度のイベントです。  参加費無料なんですけども、すみませんが、抽選になります。一度の申込みで2名まで応募できます。当選された方は、申し込みの時のメールアドレスに連絡致します。この当選の発表が9月12日ですね。  注意事項として、小学生以下の参加・同行はできません。連れてこれるのは中学生以上ですね。そして、イベントが始まっちゃったら、途中入場は出来ません。これはもう、僕の気が散るからなんですけども。  お申し込み方法は……今、URL出ますか? はい。URLが出ておりますので、そちらの申し込みページにアクセスして申し込んでください。
    岡田斗司夫「悩みのるつぼ」卒業記念講演会
     なんでURL方式にしたのかというと、これ、朝日新聞にも広告を載せてもらったんですけど。朝日新聞で往復はがきとかで募集したら、もう、70代、80代の方からものすごい量の応募が来たんですね。  なので、「せめて、URLと言われても応募ができるような世代の方も」ということで、どうぞよろしくお願いします。お待ちしております。  あんまり、こういう無料のイベントって、毎年毎年できるようなもんじゃないので。これ、全部自腹でやります。朝日新聞は協力はしてくれるんですけど、お金は全部、僕が出しますので、よろしくお願いします。
    『なつぞら』の「踊りを知らなかったアニメーターたち」
    【画像】スタジオから ということで、じゃあ、行きましょうか。『なつぞら』ですね。  先週の『なつぞら』は、本当にいろんなことがあったので、月曜から順番に語って行きます。
     7月29日の月曜日の『なつぞら』は、月日が経って、いきなり昭和39年。1964年の正月です。  主人公のなつも上京8年目で、もう、ドラマの中で5年も経ってるんですけど。なつが勤めている東洋動画の新年会で、社長から引退宣言が出ます。  東洋動画の社長が「今日、私は社長を辞めます!」と言い出して、みんな「おおっ!」と言ったんですけど。蓋を開けてみれば「そのまま会長に上がります」という、どうでもいい宣言だったんですけども。  この中で、会長は「子供の頃から私が好きなのはそろばんでした。映画とかを見る人間ではなくて」と話したんです。それを聞いて、まあ、ドラマの中の人物たちは笑っていたんですけど、これは伏線なんですね。  「そろばんが好きだった」というのは「以後、この会社のアニメスタジオは、ものすごい合理化が行われる」という意味なんですね。その伏線になってます。  会長は「私はもともと鉄道マンとして入った。良い鉄道マンとは何かというと、そろばんのできる鉄道マンだ」という話をするんです。  そろばんのできる鉄道マンとは何かというと、路線の終点に娯楽施設を置く。例えば、遊園地とか動物園とか野球場のような。今では、西武も京急も、どこでもごく普通にやっているようなことなんですけども。「これを最初に始めた」と、まあ、そういうふうなことを語るんです。  僕らの多くも、やっぱり今、そういう街に住んでるわけですね。なんとなく私鉄の沿線があって、その終点には大きい野球場があったり、テーマパークがあったりする。それに引き寄せられて住んでるという、まあいわゆる「郊外型の暮らし」ですか。  昔の日本というのは「田舎にダーッと人が住んでいて、それとは別に都心部にも人が集まって住んでいる」という、すごく簡単な構造だったんです。それが、私鉄が始めた「郊外と都心を電車で繋いで、その結果、人を毎日、通勤列車に乗せよう」という運動によって変わっていった。日本という国が発展して行ったわけです。  これが7月29日の月曜日の内容です。
     続く7月30日の火曜日は、まさかの宮崎駿がフラれ、まゆゆは大塚康生と結婚するという発表があって、僕もう、ひっくり返りました。 (パネルを見せる)
    【画像】大塚康生結婚 ©NHK 「歴史上では、まゆゆが演じている大田朱美は宮崎駿と結婚するはずだったのに! なんで大塚康生と!? これでは歴史にズレが!」と思ったんですけど。まあ、これはドラマですから、別に歴史でもなんでもないんですけどね。  なんで、こんなことが起こるのかというと、「以後のドラマ内での、まゆゆ、大田朱美の出番をなくしたくないから」なんですね。  というのも、宮崎駿と結婚した後の大田朱美は、宮崎家で専業主婦になるため、アニメーターを辞めざるをえなかったんですね。ドラマでも歴史通りに描くとすると、まゆゆの出番がなくなっちゃうので、まあ、ちょっとそこは「これはドラマですから」ということで、スタジオにも居残ることになりました。  この後、フラレて悔しがる宮崎駿とまゆゆがダンスするシーンがあって。  そこでは「メガネを外すと一気に美少女になる」という、お約束もあって、ちょっと可笑しかったんですけども。 (パネルを見せる)
    【画像】宮崎駿ダンス ©NHK これは、ちょっとアップでいいシーンなかったんですけど、「悔しがる宮崎駿とまゆゆがダンスしている」というシーンですね。  このダンスシーンが何のためにあるのかと言うと、もちろん、この後で『太陽の王子ホルス』を作ることになるので「その中でのルサンとピリアという2人の若者が結婚して踊るシーンの参考資料にするため」というのもあるんですけど。  これは、『ハイジ』のオープニングの、ペーターとハイジの踊りの伏線なんですね。
     『アルプスの少女ハイジ』のオープニングには「ペーターとハイジが、手に手をとって踊る」というシーンがあるんですね。 (パネルを見せる)
    【画像】ハイジのダンス ©サンクリエート これ、実際の歴史でも、当時のアニメーターは誰も踊り方がわからなかったんですよね。  その結果、どうなったのかというと、小田部さんという、今回の『なつぞら』のアニメ監修をしているオッサンと、宮崎駿という、これまたオッサンの2人が、手を繋いで、本当にこのまんま踊ったそうなんですね。「それを横から8ミリカメラで撮影して、なんとか作画した」と。  とりあえず、その場にいるアニメーターの誰一人も踊れなかったので、しょうがないから、宮崎駿と小田部さんが手を繋いで、これと全く同じダンスを楽しそうに踊って。それを、森康二さん、ドラマの中でいう仲さんがスケッチして、なんとかダンスシーンを作ったという歴史上の事実があるんですけど。  たぶん、僕の読みでは、このまま『アルプスの少女ハイジ』まで、このドラマは行くはずなので、おそらく「高畑勲と宮崎駿がダンスをして、大塚康生がスケッチをする」というシーンが見れるはずだと、僕は思っています。今から楽しみですね(笑)。  これが、7月30日火曜日の出来事です。  その日の放送で、ドラマは昭和40年、1965年の春になり、大塚康生は長編の作画監督に抜擢されました。  作画監督になると「演出家は誰で行く?」って聞かれるんですけど。これが、この当時のアニメの作り方だったんですよ。  「アニメというのは絵描きが作るものであって、演出というのは単にお話を繋ぐための補助に過ぎない」と考えられていた。だから、脚本を書いたりする時とか、全体の流れを作る時に出て来るだけで、実は「作画監督が全てをコントロールする」という考え方だったんですよ。  ところが、ここで大塚康生は「演出は高畑勲さんです。そうでないと僕はやりません」と言うんですね。  この辺の『なつぞら』は、歴史通りです。
    『ホルス』の実験と「絵の描けない演出家」問題
    【画像】スタジオから 7月31日水曜日、ついに『太陽の王子ホルス』は始動します。  ドラマ内では『神をつかんだ少年クリフ』というタイトルになっています。よくわからないタイトルですよね。  なぜ「神をつかんだ」なのかというと。これって、わりと良い意味のように聞こえるんですけど、この「神」というのは、どうも死神らしくて。  だからといって「死神をつかんだ少年」というのが、どういう意味なのかも、よくわかりにくいんですけど。  制作のスケジュールは遅れに遅れて、夏になっても、ドラマの中の一番の悪役であり、おまけにヒロインになるはずのキアラという女の子のキャラクターデザインが決まらないんですね。  なつも、キアラのデザイン案をいっぱい描くんですけど、全然決まらない。  これも、歴史通りです。『太陽の王子ホルス』でも、主人公なつのモデルになった奥山玲子や、宮崎駿、あとはまゆゆのモデルになった大田朱美まで、みんなでヒルダを描いたんだけど、この全員がボツをくらったんですね。 (パネルを見せる)
    【画像】ヒルダ案1 例えば、奥山玲子なんて、上手いんですよ。この2つのヒルダが、奥山玲子が描いたバージョンなんですけど。「悲しみをたたえた感じ」というのが十分出てると思うんですけど、高畑勲にとっては、これでもダメ。
    【画像】ヒルダ案2 宮崎駿なんて、もう、いろんなパターン描いてるんですけど、全てダメなんですね。 (パネルを見せる)
    【画像】ヒルダ案3 これ、もう全部、宮崎駿のデザインなんですけど。宮崎駿ね、実はこういうムック本(『ジブリ・ロマンアルバム 太陽の王子 ホルスの大冒険』徳間書店)で、3ページ以上、宮崎駿のデザインだけが載ってるページがあるくらい描いてるから、「どんだけ描いてんだ?」って思うんですけど(笑)。  この鼻筋がスラッと通っているのは、ロシアのアニメーションの『雪の女王』の影響だと思います。そういう人形劇っぽいようなキャラクターも描いてるんですけど、これまたボツをくらいました。  ここに「(大田朱美)」って書いてありますよね? この大田朱美というのがドラマでまゆゆが演じている、後に宮崎駿の嫁さんになる人のデザインです。やっぱり、絵が上手いんですよ。しかし、やっぱりこれも全部ボツをくらってしまうんですね。  この大田朱美版にしても、奥山玲子版にしても、ちゃんと悲しみの表現はできていると思うんですけど、それでもダメと言われるんですね。十分に素晴らしいんですけど、高畑勲はOKを出さなかった。  スケジュールは遅れに遅れて、ついに仲さん、森康二が心配して、声を掛けるんだけど。  それに対して「仲さんのアニメーションは古い。かわいい動物が出てくるだけの古臭いアニメーションだ」と思っている高畑勲は「仲さんは口を出さないでください。自分達の好きにさせてください。責任は僕が取ります」と、後の伏線になるようなセリフを言っちゃうんですね。
     しかし、結局、キアラというキャラクターデザインの決定版を出したのは、ドラマ内ではイッキュウさんと呼ばれている演出家・高畑勲が「古い」とか「あの人の言う通りにしていたら、新しいものが出来ない」と言い捨てていた仲さんのデザインでした。  これは、やっぱり、あまりにも面白い展開だったので、毎日新聞のネット版にも記事になって載っていたんですよね。 (パネルを見せる)
    【画像】毎日新聞
    仲の描いた「キアラ」は小田部羊一さん作だった。「当初のような絵は描けない」も…いきさつは?

     ということで、もう、ニュースにまでなってるんですけど。  ちなみに、この回は、ちゃんと『なつぞら』のオープニングでも、「イラスト制作:小田部羊一」というクレジットが、わざわざこのためだけに出ているんですね。 (パネルを見せる)
    【画像】クレジット ©NHK ドラマ内でのデザイン原稿は、アニメーション時代考証を担当している小田部羊一さんが描いたんですけど。  それくらい、このキアラ、現実の『ホルス』の中ではヒルダというキャラクターはすごかったんですね。  では、「どんなにすごかったのか?」というと、こんな証言が残っています。
    「東京アニメーション同好会」(アニドウ)主宰 なみきたかし

    『太陽の王子 ホルスの大冒険』を公開時に観た僕の世代は、みんなヒルダにイカレてしまった。 それは、かわいいとか萌えとかいうものとは断じて違う。二次元の作られたものではなく、考えて行動する、そして主張を持った1人の人間を感じて、忘れられない実在の人物となったものなのだ。

    “もりさんのヒルダ” アニドウより引用
    宮崎駿

    僕らが想像もしていなかったものを、高畑勲はやろうとしていて、それに応えたのは、森康二(さん)しかいなかったんですね。ヒルダが(雪狼に襲われるシーンで)フレップという子供と熊を自分の首飾りを与えて逃して見送る姿を見た時は、凍りつきましたからね。 こんな映画を作っていたんだと。初めて観たって感じでね。ショックでした。

    “もりさんのヒルダ” アニドウより引用
     これが、実際の『太陽の王子 ホルスの大冒険』のヒルダです。 (パネルを見せる)
    【画像】ヒルダ ©東映アニメーション 自分が持っている、魔除けの首飾りを、子供と小さい動物に与えて、自分のもとに氷の狼がこれから襲い掛かろうとしているにも関わらず、子供が飛んで行く後ろ姿を見守っている。  「この時のヒルダの表情というのは、もう森康二しか描けなかった」というふうに宮崎駿は言ってるんですけども。  同時に「こういうキャラクターというものを、アニメーションで描けるんだ! こういう見せ方ができるんだ!」ということに、すごいショックを受けたそうです。  このヒルダの描き方は、全て実験だったそうです。  例えば「虚ろな目」。アニメーションとか漫画でよくやるんですけど、何か気持ちが入っていない、虚ろな目を表現する時、目を中央より広げて描く。  逆に言えば、意思の強いキャラを描く時は、目を中央に寄せて描く。
    「黒目だけ?」(コメント)
     違います。「眼球の位置自体を」なんですよ。  眼球の位置自体を外側に広げて描くと、何かこう、ボンヤリした、虚ろな目になるんですね。反対に、眼球の位置を、やや中心に寄せて描くと、強いキャラになる。  こういうのは、この頃の実験で確かめられたんですね。森康二と高畑勲が何回も何回も話し合って、情報を交換して、実験して実験して、徐々に徐々に確かめていったことなんです。
     次に、このヒルダの「顔の上半分だけを見ると目は何も語っていないけど、下半分だけを見ると口元が笑っている」という表情。  これも、それまでのアニメーションの表現では絶対にやってなかったことなんですね。  これは、一度、テレビアニメなどをやって、リミテッドアニメと呼ばれる「顔の輪郭とか目とか口とかをバラバラに描く」というところから、逆説的に発見した方法なんですね。  つまり、目の表情と口の表情をあえて別の表現で描く。「目は怒っていても、口は笑っている」とか、そういうことをやることによって、なんとも言いようのない、不思議な表情が作れるということを、高畑勲は発見していたんです。  そして、それをこのヒルダの中で積極的に応用していった。そうやって完成形に近づけていったわけですね。
     これは高畑勲本人の証言です。

    吹雪のシーンの森さんの作画について、ぼくは別のところに書いたのでもう繰り返す事はしないが、そのパトスの表現はまさに鬼気迫るものがあったと自分の作品であっても恥ずかし気もなく断言したい。 森さんの描くヒルダは他の誰のともちがっていた。森さんのヒルダだけが本当のヒルダだった。 前にも書いたが、首つきからしてちがっていた。森さんからのおそろしいばかりのエネルギーを全身にみなぎらせていた。

    “もりさんのヒルダ” アニドウより引用
     この、首のつく位置から何から全部違ったので、高畑勲にとっては、宮崎が描こうが大塚康生が描こうが、他の誰が描こうが、それはもう、ヒルダではなかったというわけですね。
     しかし、こういうのって『太陽の王子 ホルスの大冒険』がちゃんと完成したから言えることなんですよね。  このドラマの中でも描かれているんですけど、普通、演出家が「僕の頭の中にあるヒルダは、もっと別のものだ! もっとすごいヒルダが歩いているはずなんです!」と言ってデザインをボツにしたら、アニメーターは怒るに決まってるんですよね。
     「演出の頭の中を覗いて描けと言うのか!?」と。これ、よくアニメーターと演出家の間で言い合いになる問題で。  例えば、これは僕が実際に目にしたことなんですけど、『オネアミスの翼 王立宇宙軍』というアニメを作っている時に、主人公のシロツグ・ラーダットというキャラクターのデザインが、本当になかなか決まらなかったんですね。  主役のデザインが決まらないと、他の脇役のキャラクターたちを先に進められないんですよ。脇役を先に進めちゃうと、主役で使いそうなパーツを使うかもわからないから。  なので、まず、主役のデザインを決めて、それに対して太ってるとか痩せてるとか、顎が張ってる、イケメンみたいに、他のキャラクターというのを決めるから、まず、主役を決めなきゃいけない。  つまり、『なつぞら』と全く同じ状況だったんですよ。  山賀博之というのは、絵が描けない監督であって、貞本義行はものすごく絵が上手い。その貞本義行に対して、いろんな主人公のキャラクター案を伝えるんですけど、それは全て口の説明でしかできないわけですよね。  山賀も「そうではなくて、もっと力強く! ……いや、力強くといっても、やっぱり所詮は現代っ子だから、そんなにイケイケのキャラクターではなくて!」ということを、いっぱい、いっぱい説明するんですよ。  それに対して貞本は、描いて見せるしかないんです。で、1回目、2回目、3回目までは、まあ、黙って描くんですけど、4回目、5回目くらいになってきたら、本人としてはこれしかないというデザインを毎回描いてるわけだから、「そんなことを言うんだったら、あなたが描いてくださいよ!」と。  その結果、「いや、俺は描けないから!」という言い合いになるわけです。  さて、そんな無限に意味のない言い合いをしている中で、ある時、山賀監督が、急に貞本義行にOKを出したんですよ。「あっ! これです、これです! これでお願いします!」と。まあまあ、無事に済んだんですけど。  その日の夜、みんなが帰った後で、僕と貞本と、あと何人かだけが残っていた時に、貞本が「岡田さん、気が付きましたか?」って言うんです。  「何?」と聞き返すと、貞本義行は「あれ、山賀さんに似せて描いたんですよ。何回も何回もやり直させられててわかったんですけど、結局、あれは自分を描いてほしかったんですよね。だから、山賀さんの顔の中のパーツをいくつか入れてみたら、1発でOKが出ました。やっぱりって思いました」と。  こんなふうに、演出家が「俺の中にはイメージがあるんだ!」と言う時というのは、実は、具体的な絵がある場合が多いんですよ。  でも、それをそのまま描いて欲しいわけじゃなくて、それを超えるものを描いて欲しいんですね。  貞本は、意地悪にも、山賀に気付かれないように、山賀と同じ顔を描いたんですよね。その結果、山賀が1発でOKを出したので、周りにいる飯田君とか、いろんなアニメーターがニヤニヤしながら「ああ、やっぱりそうだった」なんて思うという、そういう話があったんですけど(笑)。  だから、たぶん、このドラマの中でも、イッキュウさんには自分の中にイメージがあったんですよ。  それは、子供の頃に初めて好きになった女の子かもわからない。そういったイメージはあるんだけど。  でも、それをそのまま描いてほしいわけじゃないんですね。その子の写真を持ってきて「こういうふうに描いてくれ」と言うんではなくて、「それを超える何かを描いてほしい」と思っていたんだと思います。  このヒルダ、というか、キアラのキャラクターを決める下りは、あまりにリアルで、ちょっとビックリしました。
     あとは「カット割りでアクションをごまかさない」という話があって、これにも僕はビックリしたんですけども。  これは、『クリフ』の作画に入ってからのシーンなんですけど。 (パネルを見せる)
    【画像】絵コンテ ©NHK クリフの絵コンテがあって、その上に、この絵コンテを元に大塚康生が描いた原画が乗っている。  これは「この原画ではダメだ」って言ってるシーンなんですね。
     では、何がダメなのかと言うと。わかりやすく、絵コンテの部分をアップにしたものを作ってみました。 (パネルを見せる)
    【画像】絵コンテアップ ©NHK もう本当に、NHKのドラマに映っていたものを拡大しただけなので、ちょっと見にくいかもわからないんですけど。これ、わかりますか?  絵コンテ上で「カット220」「221」「222」と、1コマずつ続いていた後で「カット223」だけが、ザーッと4コマも続いているんですね。  これ、どういう意味かというと、「この第223カットは、延々と長いカットだ」ということなんですね。主人公のクリフが剣を振りかぶって悪魔と戦うシーンなんですけど、その周りをカメラがずーっと回り込んでいるんですよ。  コンテに書かれた指示をよく見てみると「送り込みフォロー」って書いてあるんですよ。つまり、正面から剣を振り下ろすクリフに対して、最初は正面にあったカメラが、クリフの後ろに回り込む。そうやって悪魔と剣を戦わせている様子を丸々1カット描け」ということなんですね。  ところが、それをすると作画的にあまりにも大変だから、ついつい大塚康生は、カットを勝手に割って、クリフのクローズアップで、ちょっと逃げようとしたんですね。  これは見せ場なんですけど、確かに1カットで描くと緊張感が出るし、大人は「おっ!」と思うですけど、子供は、ロングショットでの戦いになってしまうので、退屈しちゃうんですよ。子供としては、やっぱり顔のクローズアップがあって、表情が見えた方が安心するんですね。  だから、今、『太陽の王子 ホルスの大冒険』をBlu-rayなんかで僕らが見た場合、40、50を過ぎてから見ると、あまりにもすごくてビックリするんですけど。子供の頃に見た時は……僕は中学生の時に見たんですけども、確かに面白くなかったんです。小学生、中学生くらいには、よく動きというのがわからないから、「なんか、退屈で説教くせえ話だな」と思ってたんですけど。  今、見るともう本当にビックリするくらいすごいアニメなんですけどね。確かに、こういうカットを割るということをやってないがゆえの迫力というのは、存分に出ているアニメです。
     さて、8月1日の木曜日の放送で、昭和41年の夏になり、『神をつかんだ少年クリフ』は、やっと完成しました。 (パネルを見せる)
    【画像】クリフポスター 誤解のないように言っておきますけども、左側が『神をつかんだ少年クリフ』のポスターです。右側がそのモデルになった『太陽の王子 ホルスの大冒険』なんですけど。まあ、かなり似てます。  この部分に赤い惹き文句があるんです。ちょっとこれ読みにくいんですけども、拡大して読むと「立ち向かえ。クリフよ、君は強い」って書いてあるんですね。  「君は強い」って変なコピーだなと思ったんですけど。『太陽の王子ホルス』は「ホルスは強い、強いんだ」っていう、もっと変なコピーなんですよね(笑)。  「ここまでパロディにしなくてもいいのに!」って。「NHKの美術班、どんだけ遊ぶんだ!?」っていう。遊びすぎですよ。もう本当に色々やってくれてるんですけど(笑)。  「ホルスは強い、強いんだ」っていうのも「そのコピーなんだ!?」って思うんですけど。『クリフ』では、それにピッタリ合わせてきてるというのが面白かったです。  しかし、この『クリフ』という映画は、東洋動画、始まって以来の不入り。まあまあ、お客さんが全然入らなかったわけですね。  「イッキュウさんの初監督漫画映画は大失敗しました」というナレーションを、わざわざウッチャンが読みあげるくらいの不入りでした。
    「労働組合の実験作品」だった『ホルス』
    【画像】スタジオから 8月2日金曜日の放送は、その不入りのシーンから始まります。「映画が全然ダメでした」と。 (パネルを見せる)
    【画像】社長 ©NHK もうね、社長は引退して会長になったから、新しい社長になってます。新しい社長は、スーツを着ているような人なんですけども。  そんな新しい社長から責任を問われるイッキュウさん、つまり、高畑勲は「関わったスタッフ全員の昇給とボーナスを停止します」と言われます。  その上、「以後、映画部長、つまり、映画の起草を決める部長は、本社から出向してくる管理職になるだろう」と言われるんですね。  つまり、これまではアニメーター達が自由に企画を作って「次は演出を誰がやる? 作画監督は誰がやる? どんな話をしようか?」というふうに、全て現場で決めさせてもらっていたけれど、そういう甘っちょろい時代は終わって、いよいよ管理職の人が「こういう作品を作りなさい。このスケジュールで進めなさい」と言う体制になる。  「それはなぜかというと、全て君たちの責任だ」と。「君たちが思う理想の映画を会社は作らせてあげた。その結果を見てごらん? ほら、客が全然入ってない。子供が喜ぶ? ウソつけ! 子供は映画館の中を走り回ってるじゃないか。大人も寝てるじゃないか。こんな映画を作ったからには、もう以後は、こんなことは出来ませんよ?」と。  まさに自業自得というんですかね。だから、イッキュウさんも何も言い返せないわけですね。ここでようやっと、理想の作品を作ることのリスクに、イッキュウさんは気が付きます。
     その結果、辞表願いを出して「辞めさせてください」と頭を下げます。  この頭を下げての「辞めさせてください」というのは、もう、映画を見る世代によって、やっぱり反応が違うんですけど。  これを「逃げる」というふうに見る人もいるんですよ。「もうこれでダメだから、逃げるだな」というふうに見てる人もいるんですけど、逆なんですよね。  まず、社長から「関わったスタッフ全員の給料はもうこれ以上は上げないし、ボーナスも停止する」と言われたので、「私が辞めて責任を取りますので、他の人間の処分を軽くしてください」と。例えば、部長だった人を課長にするとか、作画にいた人間をどっかに飛ばすとか、そういう報復的なことはやめて、私1人の首で、みんなへの処罰は勘弁してくださいという、そういうニュアンスがあるんです。  だから、「辞めさせてください」というふうに、頭を下げて管理職にお願いしなきゃいけないんですね。頭を下げてお願いして、自分が辞めることによって、他の人に対する処罰というのを軽くしようとしているわけです。  という、中身の話は、まあまあ、見てりゃわかることなんですけど。  僕が気になったのは、ここにあるキャラクターフィギュアなんですね。「おいおい、ちょっと待てよ!」と。 (パネルを見せる)
    【画像】トラとワニ ©NHK ここにちゃんとトラとワニがいるんですよ。「お前らは、たしか『動物三国志』の、関羽と張飛だろ!」と(笑)。  これ、たぶん、ドラマの中ではこれまで出てきたことがなかったんですけど、「『動物三国志』というアニメを作った」という話があったんだから、そのキャラクター人形も、NHKの小道具係の人は作ったんですよ。でも、今まで、本編内で登場させる部分がなかった。なので、せめて「東洋動画のこれまでのNo.1ヒット作」という設定もあるしということで、小道具さんがここに置いたんだと思うんですけど。  いや、なんか、『動物三国志』のキャラクターフィギュアが見れて嬉しかったんですけど。  実は、『なつぞら』の中で東洋動画が作っている長編劇場映画には、全て、それぞれ理由があるわけですね。  最初に『白蛇姫』という中国の昔話のアニメを作るんですけど、これは何のために作っていたかというと、ドラマの中では東洋動画、現実の歴史では東映動画は「東洋のディズニーを目指す」と言ってたんですね。  ディズニーというのは何かというと、「ヨーロッパ原作のおとぎ話を、アメリカでアニメーションにして、もう一度ヨーロッパに輸出する」というビジネスだったんです。当時は、アメリカ国内だけの映画として作っていては儲からないので、あえてヨーロッパに輸出することによって儲けようとしていた。この構造を「ディズニー的」と言ってたんです。  なので、当然、東洋動画も最初は同じようにヨーロッパの童話をアニメーションにして、ヨーロッパに輸出することを考えてたんですけど。しかし、そこはもうディズニーにマーケットを取られちゃっている。  「じゃあ、中国のお話だ!」ということで、自分達でアニメにして、アジア圏に売り出そうとしていた。これが、実際の東映動画の戦略だったんですね。  なので、ヨーロッパ原作では勝てないので、アジア圏のマーケットを狙って『白蛇姫』を作った。  その次の『動物三国志』というのも、同じく、アジアマーケットを狙うための中国原作のアニメです。その後の『アラジン少年とランプの魔人』というのは、中東マーケットを狙ったものだったんですけど。  ここまでやって、東洋動画が徐々にわかってきたのは「国際的な市場で子供向けのアニメーションを作るのは、まだまだ難しい」ということだったんです。  なぜかというと、映画館がすでに完備されていて、子供を映画館に連れて行く文化のあるアメリカやヨーロッパと違って、アジア諸国では、まだまだその段階に達してないからですね。  「なので、今はアニメーションを作る実力を蓄えて、日本国内でのマーケットをもっと開拓しよう」ということで、そこから先の『わんこう浪士』……現実には『わんわん忠臣蔵』や、あとは『真田十勇士』……現実には『少年猿飛佐助』のことですけど。こういうふうに、国際マーケットというのを一時保留し、日本マーケットに集中するためにその時代劇モノを2つ作った。  これが、『なつぞら』の中での東洋動画の全体戦略です。  ここら辺は、もう、ドラマの中では説明してくれてないんですよ。  「はい、アニメファンの皆さんはわかってくださいね?」という感じで、スタッフからサインが出てるんですけども。まあ、難しいですよね(笑)。  今言ったような「アジア圏のための中国原作。それがダメだから日本の時代劇」というような移り変わりの中で、『神をつかんだ少年クリフ』という企画がいかに無茶だったかは、もうおわかりだと思います。  そりゃもう、最初から当たるはずがないんですよね。  「辞表を提出してきた。もう、俺の映画全然ダメだった。当たんなかったよ」と言うイッキュウさんを、なつは喫茶店の中で慰めます。  「大人にも見てもらえたら、大人向けだと宣伝してもらえたら良かったんだけどね」と、ここでなつは言うんです。でも、それに対してイッキュウさんは何も返しません。  なぜかと言うと、イッキュウさんは知ってるからですね。「この映画は大人も見てる」んですよ。  というのは、10歳とか8歳の子供が映画館に来る時に、子供だけで来るなんてことはありえないからです。必ず、子連れで大人も来てるんですよ。  でも、そういった大人達にも、自分の作った作品は全くアピールしなかったわけですね。だって、そんな大人達は映画館の中でグーグー寝てたわけですから。  この「大人も見てるのにダメだった」というのをどう考えるべきかというと、まあまあ、「子供向けだと宣伝されたのが悪い」ということだと思うんですけど。  またさっきの『オネアミスの翼 王立宇宙軍』の時の話になるんですけど。映画というのはね、思った以上に中身で勝負できないんですよ。「観る時の気持ち込みで映画」ってよく言うんですけど、宣伝って、映画の本編と同じくらい大事なんですね。  映画を作ってる最中は「どんな方法であろうと、映画館に呼びさえしたら、中身は観た人が判断してくれる。だから、面白いものを作ればいいんだ!」というふうに、スタッフはついつい考えちゃうし、宣伝の人もそういうふうに説得してくるんですけど、それは絶対に違うんですよ。  「こんな作品ですよ」というふうに、あらかじめ、ちゃんと宣伝しないと、みんなそういう気持ちで観てくれない。そうなると、後の世になって「ものすごく面白い!」と言われるようになる『ホルス』も、公開当時は「本当に面白くない映画」というふうになっちゃうわけですね。  今、ちょっとコメントで流れたんですけど、『この世界の片隅に』もそうなんですよ。  『この世界の片隅に』というのは、ものすごく慎重に、派手な宣伝を一切やってなかったんですね。なぜかと言うと、派手な宣伝をやって、そっち方向で観に行っちゃうと、あの感動がやってこないんですよ。  なので、宣伝というのは本当に映画と同じくらい大事なんです。だからこそ、『かぐや姫の物語』の時に高畑勲は怒ったわけですね。  『かぐや姫』の時、高畑勲は「これは“かぐや姫の物語”なんです。だから、かぐや姫の物語だけを観に来てください」と、すごく抑えた宣伝をするはずだったのに、鈴木敏夫が勝手に「かぐや姫の罪と罰。かぐや姫はなぜ地球に追放されたのか?」という、高畑勲が「それだけはやめてくれ」と言ってた宣伝をやっちゃったわけですね。  結果、映画はヒットしたんですけど。観る人はみんな「かぐや姫の罪と罰ってなんだ?」という目線で観に来てしまった。なので、高畑勲としては、それはもう本当に「生涯、鈴木敏夫を許さない!」と思ったくらい、怒ったそうなんですけど。  それくらい、宣伝というのは大事だったわけですね。
     おまけに、歴史的な経緯で話すと、実は『太陽の王子 ホルスの大冒険』も、大人向けの宣伝はちゃんとやってたんですよ。まあ、なんとツラいことに。  というのも、『ホルス』というのは、実質的には東映動画の作品というよりは、東映動画労働組合の作品だったんですね。  実際は、スケジュールにしても予算にしても、会社のトップと交渉した上で、東映の労働組合が決めた予算、労働組合が決めたスケジュールの中でお話を作ったんですよ。  それはなぜかと言うと、当時の東映の労働組合というのは、すごくパワーを持っていたのと同時に「自分達で作品を管理しよう」という企みもあったからなんですね。  「会社と戦って自分達の権利を通す」というだけではなく、それと同じくらい「自分達がちゃんと管理して、面白い作品を作って儲けよう」という意識もちゃんとあったんですよ。  労働組合のみんなが集まる総会の中で「本当に良いものを作ればヒットするはずだ!」という結論を全員が共有していた。そういう意見が大多数だったので、その実験作品として『太陽の王子 ホルス』というのは作られたそうです。  これ、大塚さんの『作画汗まみれ』という本に書いてあって、僕は結構ビックリしたんですけど。 (本を見せる)
    【画像】作画汗まみれ『作画汗まみれ 増補改訂版』(大塚 康生)
     労働組合の実験作品として作ったものなので、実は作品の宣伝や動員も、労働組合がいろいろ手を尽くしてくれていた。だから、「これは大人向けの作品だ」ということまで含めて、労働組合の組合員達は宣伝してくれたし、チケットも配ってくれた。  でも、ダメだったわけです。そこまでやっても『ホルス』というのは、ヒットしなかった。  なので、労働組合がそれまで信じていたコンセプト、「本当に良いものを作れば、観客はやってくるんだ」という大前提が崩れてしまって、労働組合は、この後、徐々に力を失っていき、『ホルス』のような作品は二度と作れなくなっていくという、こういう大きい悲劇が待っていたわけです。  でも、『なつぞら』の中では「『クリフ』がダメだったから、長編映画はもう作れない」みたいに描かれてるんですけど。  この『作画汗まみれ』の中で、大塚康生さんは「実際には、東映動画側もオリジナルの長編アニメは『ホルス』が最後だと、最初から言ってた」と証言しているんですね。  「もう、長編作品はできない。以後はマンガ原作のものをやるか、テレビの方に集中する」というふうに、管理部の方は最初から言ってた、と。だから、最初から、俺達は確信犯的に好きなことをやるつもりだった。会社の言うことは聞かずに、自分達が本当に良いと思う作品を、これで長編アニメは打ち切りだから、一生に1回だけ、自分達の好きなものをやってやれというつもりでやった、と。  だから、『なつぞら』のドラマの中で描かれているように、アニメーター達というのは無力で、会社の言いなりになるしかないという存在ではなかったんです。もっとしたたかだったんですよ。  「これで最後なんだったら、予算とか全部取っ払って、自分達の好きなことをやってやれ!」という大実験をやって、その結果、ボロ負けしたという。そういう、アニメーターの方もしたたかだったというところが面白かったですね。
    高畑勲の「全編の絵コンテ」という革命と「演出による演技法」とは
     あと、これは、『太陽の王子 ホルスの大冒険 絵コンテ集』のあとがきの方に書いてあることなんですけど。 (本を見せる)
    【画像】ホルス絵コンテ『太陽の王子ホルスの大冒険』(高畑 勲)
     この中で「『ホルス』という作品の何が画期的だったか?」ということを話しています。  ……あの、たぶんね、これから生涯にわたって、ニコ生岡田斗司夫ゼミで、まるまる1回『ホルスの大冒険』の特集をやることはないと思うので、もう、今のうちに話しておきますけど。
     何が画期的だったのかというと、「絵コンテを描いたことだ」というふうに、大塚さんは言ってるんですね。  僕らにしてみれば、アニメを作る前に絵コンテを描くなんて、当たり前だと思うんですけども。実は、アニメの歴史の中で、高畑勲が世界で初めて長編の劇場アニメ1本の絵コンテを描いたそうです。これは、それまでのやり方と違ってたんですね。  それまでのやり方は何かというと、ウォルト・ディズニーであろうとどこであろうと、まず脚本があって、その次に、特に見せ場のシーンだけストーリーボードというのが描かれるんです。  まあ、ストーリーボードの役割というのは、絵コンテとほぼ同じなんですけど。じゃあ、脚本があって、見せ場だけのストーリーボードがあるとどうなるのかというと、「アニメーターは自分が担当している部分のストーリーボードだけを見る」ことになるわけですね。その他の部分は、全部、自分の自由な解釈でやればいいわけです。  そんな中で、演出家というのも、脚本というものをキッチリ守らせればいいだけなわけで、実は、演出家と言っても、あまり監督的な仕事はしていない。だから、アニメーションの世界では「監督」と言わずに「演出」と言うんですね。  それに対して、高畑勲というのは、1本の長編映画の絵コンテを、頭からお尻まで初めて書いた。まあ、実際に作画したのは、表紙にも書いてある通り、大塚康生で、他人に描かせたんですけど。それでも、全部自分のイメージで描かせたんですね。  これは、まさに世界のアニメーションの歴史の中での革命だったんですよ。今では、あまりにも当たり前になり過ぎたから、誰もこれを高畑勲の功績として考えていないんですけど。  この、全てのシーンを自分のイメージ通りの絵コンテにするという高畑勲の作り方は、アニメーターに対して「なぜ、そのカットが必要なのか?」「なぜ、そのカットが前のカットと繋がっているのか?」「このカットでは何を表現しなければいけないのか?」ということを、メチャクチャ考えさせることになったんです。  それまではアニメーターというのは、言っちゃ悪いですけど、極端な話、大喜利だったんですよ。「脚本というお題があって、その中で面白い動きをさせたり、かわいい動きをさせたりする」という。  当時は「串団子形式」って言ってたそうなんですけど。自分の出番になったら、自分の団子をできるだけ面白く作る。次のカットになったら、別のアニメーターが面白いのを作る。こういう面白い団子が串で繋がっているような状態で、アニメーションというのを作っていたわけですね。『わんぱく王子の大蛇退治』も、全部そうやって作ったそうなんですけど。  しかし、『ホルス』では、そういうアニメーター達に勝手に大喜利のように面白く作らせるようなことはさせなかったんです。そうではなく、アニメーター1人1人に徹底的に考えさせて、「このシーンというのは、これが必要だから、こうしなきゃいけない」ということをさせたんです。  そんな、1カット1カット、全部、高畑勲と論争して作っていかなきゃいけないような、とんでもない作り方をしたわけですね。  そのおかげで、以後、アニメーターというのは、ものすごく物を考えるようになった。とにかく、この『ホルス』の前と後では、アニメの作り方が全部変わってしまった。  アニメーター達は、これのおかげで「俺達がやっていることは、こんなことだったのか」というふうに、初めて作品のテーマを理解するようになり、ストーリーを理解するようになり、キャラクターを理解するようになった。  「なのに、これ1作で長編アニメが終わってしまった。俺達の悔しさよ……」というのが書いてあって。  「それはすごいツラいよな」って。だって、天国を見た瞬間に、その天国が失われていく様を見なきゃいけないわけですから。そりゃあツラいですよね。
     さっきも言った通り、これは労働組合が作った映画なんですよね。  つまり、労働組合運動によって「みんなが考えて会社の方向を決める」という、自分達の生き方と「みんなが考えたような作品を作る」という、作品の作り方を完全にシンクロさせたアニメーションになったわけですよ。  僕が知っている限り、長いアニメーションの歴史の中で、自分達の生き様と自分達の作品の作り方、そして、その内容までもを全部一致させようとした、そんな気が狂ったアニメは、この世の中に2つしかないんですね。  1つ目が、この『太陽の王子 ホルスの大冒険』です。  そして、2つ目がですね、『オネアミスの翼 王立宇宙軍』です。
     歴史上、この2つしかなくて。そして、この2つとも、記録的な不入りというですね……アハハ(笑)。  やっぱり、そうなんですよ。これね、すごく面白くて、一生忘れられなくて、「この映画の作り方しかない!」と思うんですけど。ほぼ100%ヒットしないんですよね。  たぶん、「作っている人間の思いが熱すぎて届かない」というのもあるかとおもうんですけど。  で、どっちにも言えるのが「後の世になってから評価される」んですよね。  だけど、後に評価されたとしても、もうね、監督は全盛期を過ぎてるから(笑)。  だから、『ホルス』が終わった後あたりの、高畑勲。この幻の10年の間に、高畑勲にチャンスを与えていたら、どんなすごい作品が出来たかもわからないし。『オネアミス』の監督の山賀博之にしたって、あの後に、長編映画を2本くらい作らせたら、どこまで行ったかわからなかったんですけども。  まあ、それは言ってもしょうがないことですね。  はい、「両方ともヒットしなかった」という、悲しい事実であります。
     このコンテ集の中に書いてあるんですけど、高畑勲のすごさは、演出だけではないんですよね。  例えば、『なつぞら』の中で、たしか『ヘンゼルとグレーテル』の時だったと思うんですけど、「涙を流すシーンで、瞳のハイライトだけを動かすと泣いているように見える」という話がありました。  あれって、実は高畑勲が思いついたことなんですよ。ドラマの中では、なつが思いついたようなことになっているんですけど、これはアニメーターの発想ではないんですね。  高畑勲が「目がウルウルするということを表現したい時には、目の中のハイライトだけを動かせばいいんだ」ということを思いついて、実験してやらせたんです。  高畑勲のすごいところというのは、リミテッドアニメという制限の中での演技法まで次々と発明して、アニメーターに提案して「それはダメだよ」と言われながらも、「実際にやってみたらできた!」と感づかせることなんです。  絵を描かないくせに、そこまでしてたというのが、高畑勲のすごいところなんですけど。  もう1つ、高畑が作り上げたアニメーションならではの演技法というのを、ドラマの1シーンを例に取って説明したいと思います。  『なつぞら』の中で、イッキュウさんは主人公のなつにプロポーズしたんですけど、映画がダメだったので、「もう結婚はできません。あなたのことは諦めます」と言い出すんですね。  その結果、なつから「そんなことを言うヤツは、私も好きじゃありません。顔も見たくない!」と言われて、フラれるわけなんですけど。次の日、もう一度、なつに謝りに行って、プロポーズするんです。  そのプロポーズのシーンです。 (パネルを見せる)
    【画像】プロポーズシーン ©NHK なつは、最初、イッキュウさんが言う謝りの言葉を全然聞こうとしないんですね。思い切り怒ってるんですけど。しかし、イッキュウさんが真剣に話しかけると、段々と心を開いていく。  このシーン、わかりやすくするために、上から1フレームずつ見て行きましょう。  一番最初、なつは相手を許していないんですね。だから、相手の方を真っ直ぐ見て、口を閉じてる。この口が閉じて、相手を真っ直ぐ見ていることによって、「あなたの言うことは聞いてあげますけど、私はあなたを許すつもりがありません」という、彼女の決意がわかります。  ところが、この2つ目のフレームでは、イッキュウさんの言っていることに、心が僅かに動かされたんです。なので、その瞬間、この口元だけが、ほんのちょっとだけ開くんですね。  さらに、イッキュウさんの言葉をずーっと聞いていると、心を動かされ、目線がほんの少し下にさがって、口が開いて歯が見えるんです。  この3つのフレームを見てください。ものすごく説得されて、一番最初は心を許してないので、口を食いしばってる。しかし、次に口だけが先に開く。最後に目線が下り、口がちょっと開いて歯が見えてしまう。これが「心を開く」という演技なんですね。
     この「心を開く」という演技は、どこで出てきたのかというと、これなんですよ。 (パネルを見せる)
    【画像】ヒルダ ©東映アニメーション ヒルダのモンタージュ技法。さっきも話した「目は怒ってるんだけども、口だけは笑っている」という技法。これをやると、その人物の心が、打ち解けているように見えるんですね。  実際には、このヒルダは、後ろにいる雪狼に襲われていて、それどころの状況じゃないんですけど。  ヒルダというのは、それまで、他人に決して心を許さなかった少女なので、主人公のホルスと話している時も、子供と話している時も、村人と話している時も、自分が喋っていない時はずーと口を閉じていたんです。それはもう、『太陽の王子 ホルス』の1カット目からずーっと守ってるルールなんですよ。  ヒルダは口を中途半端に開けない。そうじゃなくて、口を真一文字に結んでいるから、目は笑っていても、ちょっと不思議な印象がある。  ところが、この小さい子供に自分のお守りをわたして見送るシーンでだけは、口を僅かに開けてる。なので、急に「心を許している、心を開いている」という印象になるんですね。  これが、高畑勲が作り上げた「演出による演技法」というんですかね? 本来だったら、悲しい顔というのを描かせたり、怒った顔というのを描かせるんですけど、そうじゃない。「目だけは怒って、口は悲しんでくれ」みたいな指定をすることで、完璧にキャラクターを作り上げ、結果、試写会場でそれを観た宮崎駿に「背筋が凍るくらいの衝撃を受けた」と言わしめたわけですね。
     このアニメ内でのヒルダの演技と、本編内のなつの演技を、ちゃんとシンクロさせたNHKの『なつぞら』は、すごいなというふうに思いました。  これって、普通のドラマでやっちゃえば、わりとありきたりの演技なんですけど、これを見せる回で、アニメの方の演技も両方やるというところが、ちょっとすごいと思います。
     さて、イッキュウさんのプロポーズは、この説得によって見事成功して、土曜日に放送されたエピソードのラストでは、ついに十勝の柴田農場に「娘さんをください」とご挨拶に向かうところまで進みました。  おそらく、ここでイッキュウさんは、泰樹じいちゃんから猛烈頑固な反対に遭うはずです。ますます『ハイジ』のアルムおんじの可能性が高くなってくるわけですね。
     イッキュウさんは、これで東洋動画を退職するんですね。  実際の歴史では、高畑勲は宮崎駿を誘って新しいアニメスタジオに就職することになります。  しかし、大塚康生も、なつのモデルになった奥山玲子も、東洋動画を辞めないんですよね。それから先、どんどんテレビマンガの仕事が増えてきて「いやあ、なんかもう1回、長編アニメを作りたいんだけどな。長編でなくてもいいから、マンガ原作以外のものもやりたいな」と思うようになるんです。  もうね、この当時の東映動画は、どんどんマンガ原作モノに走って行くんですよね。  なので、ドラマ『なつぞら』でも、そんなふうに「オリジナルものがやりたいな」と思った結果、8月の後半あたりから『アルプスの少女ハイジ』をモデルにした作品を作ることになるんじゃないかと思います。  実際には、スイスにロケハンに行ったんですけど、みんなで十勝にロケハンに行って。それが『なつぞら』のオープニングアニメに繋がるわけですね。  前回は『スイスの少女サマー』と言ったんですけど、まあ、これで十勝が舞台となるのは確実で。  よくよく考えたら、オープニングのアニメーションって、リスとかキツネとかが出てくるから、あれはスイスじゃないんですよね。そういう動物が使われるんだったら、やっぱり「十勝の少女」、もしくは「北海道の少女」にするしかないと思うんですけど。  「そうやって繋がるに違いない」と、僕は思っています。  『なつぞら』のオープニングアニメは、実はなつが最後に作ることになるアニメーション、『十勝の少女サマー』のアニメで、最後はそこで繫がるのではないか?  ……と、前回も言った通り、あくまでも岡田斗司夫の妄想を、お伝えしました。
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    2019/08/04 #293 「『なつぞら』特集と、『天気の子』『トイストーリー4』ネタバレ解説、ちょっと怖い“禁断の科学”の話」
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    岡田斗司夫ゼミ#287:『アラジン』特集、原作からアニメ版・実写版まで徹底研究!
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    岡田斗司夫ゼミ#293:『なつぞら』特集と、『天気の子』解説、“禁断の科学”の話
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    ガンダム完全講義11:第5話「大気圏突入」解説
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  • 岡田斗司夫プレミアムブロマガ「なつぞら完全解説:アニメの演技と広瀬すず〜完全シンクロの奇跡を見よ!」

    2019-08-23 07:00  
    220pt
    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/08/23
     今日は、2019/08/04配信の岡田斗司夫ゼミ「『なつぞら』特集と、『天気の子』『トイストーリー4』ネタバレ解説、ちょっと怖い“禁断の科学”の話」からハイライトをお届けします。
     岡田斗司夫ゼミ・プレミアムでは、毎週火曜は夜8時から「アニメ・マンガ夜話」生放送+講義動画を配信します。毎週日曜は夜8時から「岡田斗司夫ゼミ」を生放送。ゼミ後の放課後雑談は「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」のみの配信になります。またプレミアム会員は、限定放送を含むニコ生ゼミの動画およびテキスト、Webコラムやインタビュー記事、過去のイベント動画などのコンテンツをアーカイブサイトで自由にご覧いただけます。  サイトにアクセスするためのパスワードは、メール末尾に記載しています。(※ご注意:アーカイブサイトにアクセスするためには、この「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」、「岡田斗司夫の個人教授」、DMMオンラインサロン「岡田斗司夫ゼミ室」のいずれかの会員である必要があります。チャンネルに入会せずに過去のメルマガを単品購入されてもアーカイブサイトはご利用いただけませんのでご注意ください)
     あと、これは、『太陽の王子 ホルスの大冒険 絵コンテ集』のあとがきの方に書いてあることなんですけど。 (本を見せる)
    【画像】ホルス絵コンテ『太陽の王子ホルスの大冒険』(高畑 勲)
     この中で「『ホルス』という作品の何が画期的だったか?」ということを話しています。  ……あの、たぶんね、これから生涯にわたって、ニコ生岡田斗司夫ゼミで、まるまる1回『ホルスの大冒険』の特集をやることはないと思うので、もう、今のうちに話しておきますけど。
     何が画期的だったのかというと、「絵コンテを描いたことだ」というふうに、大塚さんは言ってるんですね。  僕らにしてみれば、アニメを作る前に絵コンテを描くなんて、当たり前だと思うんですけども。実は、アニメの歴史の中で、高畑勲が世界で初めて長編の劇場アニメ1本の絵コンテを描いたそうです。これは、それまでのやり方と違ってたんですね。  それまでのやり方は何かというと、ウォルト・ディズニーであろうとどこであろうと、まず脚本があって、その次に、特に見せ場のシーンだけストーリーボードというのが描かれるんです。  まあ、ストーリーボードの役割というのは、絵コンテとほぼ同じなんですけど。じゃあ、脚本があって、見せ場だけのストーリーボードがあるとどうなるのかというと、「アニメーターは自分が担当している部分のストーリーボードだけを見る」ことになるわけですね。その他の部分は、全部、自分の自由な解釈でやればいいわけです。  そんな中で、演出家というのも、脚本というものをキッチリ守らせればいいだけなわけで、実は、演出家と言っても、あまり監督的な仕事はしていない。だから、アニメーションの世界では「監督」と言わずに「演出」と言うんですね。  それに対して、高畑勲というのは、1本の長編映画の絵コンテを、頭からお尻まで初めて書いた。まあ、実際に作画したのは、表紙にも書いてある通り、大塚康生で、他人に描かせたんですけど。それでも、全部自分のイメージで描かせたんですね。  これは、まさに世界のアニメーションの歴史の中での革命だったんですよ。今では、あまりにも当たり前になり過ぎたから、誰もこれを高畑勲の功績として考えていないんですけど。  この、全てのシーンを自分のイメージ通りの絵コンテにするという高畑勲の作り方は、アニメーターに対して「なぜ、そのカットが必要なのか?」「なぜ、そのカットが前のカットと繋がっているのか?」「このカットでは何を表現しなければいけないのか?」ということを、メチャクチャ考えさせることになったんです。  それまではアニメーターというのは、言っちゃ悪いですけど、極端な話、大喜利だったんですよ。「脚本というお題があって、その中で面白い動きをさせたり、かわいい動きをさせたりする」という。  当時は「串団子形式」って言ってたそうなんですけど。自分の出番になったら、自分の団子をできるだけ面白く作る。次のカットになったら、別のアニメーターが面白いのを作る。こういう面白い団子が串で繋がっているような状態で、アニメーションというのを作っていたわけですね。『わんぱく王子の大蛇退治』も、全部そうやって作ったそうなんですけど。  しかし、『ホルス』では、そういうアニメーター達に勝手に大喜利のように面白く作らせるようなことはさせなかったんです。そうではなく、アニメーター1人1人に徹底的に考えさせて、「このシーンというのは、これが必要だから、こうしなきゃいけない」ということをさせたんです。  そんな、1カット1カット、全部、高畑勲と論争して作っていかなきゃいけないような、とんでもない作り方をしたわけですね。  そのおかげで、以後、アニメーターというのは、ものすごく物を考えるようになった。とにかく、この『ホルス』の前と後では、アニメの作り方が全部変わってしまった。  アニメーター達は、これのおかげで「俺達がやっていることは、こんなことだったのか」というふうに、初めて作品のテーマを理解するようになり、ストーリーを理解するようになり、キャラクターを理解するようになった。  「なのに、これ1作で長編アニメが終わってしまった。俺達の悔しさよ……」というのが書いてあって。  「それはすごいツラいよな」って。だって、天国を見た瞬間に、その天国が失われていく様を見なきゃいけないわけですから。そりゃあツラいですよね。
     さっきも言った通り、これは労働組合が作った映画なんですよね。  つまり、労働組合運動によって「みんなが考えて会社の方向を決める」という、自分達の生き方と「みんなが考えたような作品を作る」という、作品の作り方を完全にシンクロさせたアニメーションになったわけですよ。  僕が知っている限り、長いアニメーションの歴史の中で、自分達の生き様と自分達の作品の作り方、そして、その内容までもを全部一致させようとした、そんな気が狂ったアニメは、この世の中に2つしかないんですね。  1つ目が、この『太陽の王子 ホルスの大冒険』です。  そして、2つ目がですね、『オネアミスの翼 王立宇宙軍』です。
     歴史上、この2つしかなくて。そして、この2つとも、記録的な不入りというですね……アハハ(笑)。  やっぱり、そうなんですよ。これね、すごく面白くて、一生忘れられなくて、「この映画の作り方しかない!」と思うんですけど。ほぼ100%ヒットしないんですよね。  たぶん、「作っている人間の思いが熱すぎて届かない」というのもあるかとおもうんですけど。  で、どっちにも言えるのが「後の世になってから評価される」んですよね。  だけど、後に評価されたとしても、もうね、監督は全盛期を過ぎてるから(笑)。  だから、『ホルス』が終わった後あたりの、高畑勲。この幻の10年の間に、高畑勲にチャンスを与えていたら、どんなすごい作品が出来たかもわからないし。『オネアミス』の監督の山賀博之にしたって、あの後に、長編映画を2本くらい作らせたら、どこまで行ったかわからなかったんですけども。  まあ、それは言ってもしょうがないことですね。  はい、「両方ともヒットしなかった」という、悲しい事実であります。
     このコンテ集の中に書いてあるんですけど、高畑勲のすごさは、演出だけではないんですよね。  例えば、『なつぞら』の中で、たしか『ヘンゼルとグレーテル』の時だったと思うんですけど、「涙を流すシーンで、瞳のハイライトだけを動かすと泣いているように見える」という話がありました。  あれって、実は高畑勲が思いついたことなんですよ。ドラマの中では、なつが思いついたようなことになっているんですけど、これはアニメーターの発想ではないんですね。  高畑勲が「目がウルウルするということを表現したい時には、目の中のハイライトだけを動かせばいいんだ」ということを思いついて、実験してやらせたんです。  高畑勲のすごいところというのは、リミテッドアニメという制限の中での演技法まで次々と発明して、アニメーターに提案して「それはダメだよ」と言われながらも、「実際にやってみたらできた!」と感づかせることなんです。  絵を描かないくせに、そこまでしてたというのが、高畑勲のすごいところなんですけど。  もう1つ、高畑が作り上げたアニメーションならではの演技法というのを、ドラマの1シーンを例に取って説明したいと思います。  『なつぞら』の中で、イッキュウさんは主人公のなつにプロポーズしたんですけど、映画がダメだったので、「もう結婚はできません。あなたのことは諦めます」と言い出すんですね。  その結果、なつから「そんなことを言うヤツは、私も好きじゃありません。顔も見たくない!」と言われて、フラれるわけなんですけど。次の日、もう一度、なつに謝りに行って、プロポーズするんです。  そのプロポーズのシーンです。 (パネルを見せる)
    【画像】プロポーズシーン ©NHK なつは、最初、イッキュウさんが言う謝りの言葉を全然聞こうとしないんですね。思い切り怒ってるんですけど。しかし、イッキュウさんが真剣に話しかけると、段々と心を開いていく。  このシーン、わかりやすくするために、上から1フレームずつ見て行きましょう。  一番最初、なつは相手を許していないんですね。だから、相手の方を真っ直ぐ見て、口を閉じてる。この口が閉じて、相手を真っ直ぐ見ていることによって、「あなたの言うことは聞いてあげますけど、私はあなたを許すつもりがありません」という、彼女の決意がわかります。  ところが、この2つ目のフレームでは、イッキュウさんの言っていることに、心が僅かに動かされたんです。なので、その瞬間、この口元だけが、ほんのちょっとだけ開くんですね。  さらに、イッキュウさんの言葉をずーっと聞いていると、心を動かされ、目線がほんの少し下にさがって、口が開いて歯が見えるんです。  この3つのフレームを見てください。ものすごく説得されて、一番最初は心を許してないので、口を食いしばってる。しかし、次に口だけが先に開く。最後に目線が下り、口がちょっと開いて歯が見えてしまう。これが「心を開く」という演技なんですね。
     この「心を開く」という演技は、どこで出てきたのかというと、これなんですよ。 (パネルを見せる)
    【画像】ヒルダ ©東映アニメーション ヒルダのモンタージュ技法。さっきも話した「目は怒ってるんだけども、口だけは笑っている」という技法。これをやると、その人物の心が、打ち解けているように見えるんですね。  実際には、このヒルダは、後ろにいる雪狼に襲われていて、それどころの状況じゃないんですけど。  ヒルダというのは、それまで、他人に決して心を許さなかった少女なので、主人公のホルスと話している時も、子供と話している時も、村人と話している時も、自分が喋っていない時はずーと口を閉じていたんです。それはもう、『太陽の王子 ホルス』の1カット目からずーっと守ってるルールなんですよ。  ヒルダは口を中途半端に開けない。そうじゃなくて、口を真一文字に結んでいるから、目は笑っていても、ちょっと不思議な印象がある。  ところが、この小さい子供に自分のお守りをわたして見送るシーンでだけは、口を僅かに開けてる。なので、急に「心を許している、心を開いている」という印象になるんですね。  これが、高畑勲が作り上げた「演出による演技法」というんですかね? 本来だったら、悲しい顔というのを描かせたり、怒った顔というのを描かせるんですけど、そうじゃない。「目だけは怒って、口は悲しんでくれ」みたいな指定をすることで、完璧にキャラクターを作り上げ、結果、試写会場でそれを観た宮崎駿に「背筋が凍るくらいの衝撃を受けた」と言わしめたわけですね。
     このアニメ内でのヒルダの演技と、本編内のなつの演技を、ちゃんとシンクロさせたNHKの『なつぞら』は、すごいなというふうに思いました。  これって、普通のドラマでやっちゃえば、わりとありきたりの演技なんですけど、これを見せる回で、アニメの方の演技も両方やるというところが、ちょっとすごいと思います。
     さて、イッキュウさんのプロポーズは、この説得によって見事成功して、土曜日に放送されたエピソードのラストでは、ついに十勝の柴田農場に「娘さんをください」とご挨拶に向かうところまで進みました。  おそらく、ここでイッキュウさんは、泰樹じいちゃんから猛烈頑固な反対に遭うはずです。ますます『ハイジ』のアルムおんじの可能性が高くなってくるわけですね。
     イッキュウさんは、これで東洋動画を退職するんですね。  実際の歴史では、高畑勲は宮崎駿を誘って新しいアニメスタジオに就職することになります。  しかし、大塚康生も、なつのモデルになった奥山玲子も、東洋動画を辞めないんですよね。それから先、どんどんテレビマンガの仕事が増えてきて「いやあ、なんかもう1回、長編アニメを作りたいんだけどな。長編でなくてもいいから、マンガ原作以外のものもやりたいな」と思うようになるんです。  もうね、この当時の東映動画は、どんどんマンガ原作モノに走って行くんですよね。  なので、ドラマ『なつぞら』でも、そんなふうに「オリジナルものがやりたいな」と思った結果、8月の後半あたりから『アルプスの少女ハイジ』をモデルにした作品を作ることになるんじゃないかと思います。  実際には、スイスにロケハンに行ったんですけど、みんなで十勝にロケハンに行って。それが『なつぞら』のオープニングアニメに繋がるわけですね。  前回は『スイスの少女サマー』と言ったんですけど、まあ、これで十勝が舞台となるのは確実で。  よくよく考えたら、オープニングのアニメーションって、リスとかキツネとかが出てくるから、あれはスイスじゃないんですよね。そういう動物が使われるんだったら、やっぱり「十勝の少女」、もしくは「北海道の少女」にするしかないと思うんですけど。  「そうやって繋がるに違いない」と、僕は思っています。  『なつぞら』のオープニングアニメは、実はなつが最後に作ることになるアニメーション、『十勝の少女サマー』のアニメで、最後はそこで繫がるのではないか?  ……と、前回も言った通り、あくまでも岡田斗司夫の妄想を、お伝えしました。
    記事全文は、アーカイブサイトでお読みいただけます。
    2019/08/04 #293 「『なつぞら』特集と、『天気の子』『トイストーリー4』ネタバレ解説、ちょっと怖い“禁断の科学”の話」
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  • 岡田斗司夫プレミアムブロマガ「なつぞら完全解説:労働組合の実験作品だった『太陽の王子ホルスの大冒険』」

    2019-08-22 07:00  
    220pt
    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/08/22
     今日は、2019/08/04配信の岡田斗司夫ゼミ「『なつぞら』特集と、『天気の子』『トイストーリー4』ネタバレ解説、ちょっと怖い“禁断の科学”の話」からハイライトをお届けします。
     岡田斗司夫ゼミ・プレミアムでは、毎週火曜は夜8時から「アニメ・マンガ夜話」生放送+講義動画を配信します。毎週日曜は夜8時から「岡田斗司夫ゼミ」を生放送。ゼミ後の放課後雑談は「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」のみの配信になります。またプレミアム会員は、限定放送を含むニコ生ゼミの動画およびテキスト、Webコラムやインタビュー記事、過去のイベント動画などのコンテンツをアーカイブサイトで自由にご覧いただけます。  サイトにアクセスするためのパスワードは、メール末尾に記載しています。(※ご注意:アーカイブサイトにアクセスするためには、この「岡田斗司夫ゼミ・プレミアム」、「岡田斗司夫の個人教授」、DMMオンラインサロン「岡田斗司夫ゼミ室」のいずれかの会員である必要があります。チャンネルに入会せずに過去のメルマガを単品購入されてもアーカイブサイトはご利用いただけませんのでご注意ください)
     8月2日金曜日の放送は、その不入りのシーンから始まります。「映画が全然ダメでした」と。 (パネルを見せる)
    【画像】社長 ©NHK もうね、社長は引退して会長になったから、新しい社長になってます。新しい社長は、スーツを着ているような人なんですけども。  そんな新しい社長から責任を問われるイッキュウさん、つまり、高畑勲は「関わったスタッフ全員の昇給とボーナスを停止します」と言われます。  その上、「以後、映画部長、つまり、映画の起草を決める部長は、本社から出向してくる管理職になるだろう」と言われるんですね。  つまり、これまではアニメーター達が自由に企画を作って「次は演出を誰がやる? 作画監督は誰がやる? どんな話をしようか?」というふうに、全て現場で決めさせてもらっていたけれど、そういう甘っちょろい時代は終わって、いよいよ管理職の人が「こういう作品を作りなさい。このスケジュールで進めなさい」と言う体制になる。  「それはなぜかというと、全て君たちの責任だ」と。「君たちが思う理想の映画を会社は作らせてあげた。その結果を見てごらん? ほら、客が全然入ってない。子供が喜ぶ? ウソつけ! 子供は映画館の中を走り回ってるじゃないか。大人も寝てるじゃないか。こんな映画を作ったからには、もう以後は、こんなことは出来ませんよ?」と。  まさに自業自得というんですかね。だから、イッキュウさんも何も言い返せないわけですね。ここでようやっと、理想の作品を作ることのリスクに、イッキュウさんは気が付きます。
     その結果、辞表願いを出して「辞めさせてください」と頭を下げます。  この頭を下げての「辞めさせてください」というのは、もう、映画を見る世代によって、やっぱり反応が違うんですけど。  これを「逃げる」というふうに見る人もいるんですよ。「もうこれでダメだから、逃げるだな」というふうに見てる人もいるんですけど、逆なんですよね。  まず、社長から「関わったスタッフ全員の給料はもうこれ以上は上げないし、ボーナスも停止する」と言われたので、「私が辞めて責任を取りますので、他の人間の処分を軽くしてください」と。例えば、部長だった人を課長にするとか、作画にいた人間をどっかに飛ばすとか、そういう報復的なことはやめて、私1人の首で、みんなへの処罰は勘弁してくださいという、そういうニュアンスがあるんです。  だから、「辞めさせてください」というふうに、頭を下げて管理職にお願いしなきゃいけないんですね。頭を下げてお願いして、自分が辞めることによって、他の人に対する処罰というのを軽くしようとしているわけです。  という、中身の話は、まあまあ、見てりゃわかることなんですけど。  僕が気になったのは、ここにあるキャラクターフィギュアなんですね。「おいおい、ちょっと待てよ!」と。 (パネルを見せる)
    【画像】トラとワニ ©NHK ここにちゃんとトラとワニがいるんですよ。「お前らは、たしか『動物三国志』の、関羽と張飛だろ!」と(笑)。  これ、たぶん、ドラマの中ではこれまで出てきたことがなかったんですけど、「『動物三国志』というアニメを作った」という話があったんだから、そのキャラクター人形も、NHKの小道具係の人は作ったんですよ。でも、今まで、本編内で登場させる部分がなかった。なので、せめて「東洋動画のこれまでのNo.1ヒット作」という設定もあるしということで、小道具さんがここに置いたんだと思うんですけど。  いや、なんか、『動物三国志』のキャラクターフィギュアが見れて嬉しかったんですけど。  実は、『なつぞら』の中で東洋動画が作っている長編劇場映画には、全て、それぞれ理由があるわけですね。  最初に『白蛇姫』という中国の昔話のアニメを作るんですけど、これは何のために作っていたかというと、ドラマの中では東洋動画、現実の歴史では東映動画は「東洋のディズニーを目指す」と言ってたんですね。  ディズニーというのは何かというと、「ヨーロッパ原作のおとぎ話を、アメリカでアニメーションにして、もう一度ヨーロッパに輸出する」というビジネスだったんです。当時は、アメリカ国内だけの映画として作っていては儲からないので、あえてヨーロッパに輸出することによって儲けようとしていた。この構造を「ディズニー的」と言ってたんです。  なので、当然、東洋動画も最初は同じようにヨーロッパの童話をアニメーションにして、ヨーロッパに輸出することを考えてたんですけど。しかし、そこはもうディズニーにマーケットを取られちゃっている。  「じゃあ、中国のお話だ!」ということで、自分達でアニメにして、アジア圏に売り出そうとしていた。これが、実際の東映動画の戦略だったんですね。  なので、ヨーロッパ原作では勝てないので、アジア圏のマーケットを狙って『白蛇姫』を作った。  その次の『動物三国志』というのも、同じく、アジアマーケットを狙うための中国原作のアニメです。その後の『アラジン少年とランプの魔人』というのは、中東マーケットを狙ったものだったんですけど。  ここまでやって、東洋動画が徐々にわかってきたのは「国際的な市場で子供向けのアニメーションを作るのは、まだまだ難しい」ということだったんです。  なぜかというと、映画館がすでに完備されていて、子供を映画館に連れて行く文化のあるアメリカやヨーロッパと違って、アジア諸国では、まだまだその段階に達してないからですね。  「なので、今はアニメーションを作る実力を蓄えて、日本国内でのマーケットをもっと開拓しよう」ということで、そこから先の『わんこう浪士』……現実には『わんわん忠臣蔵』や、あとは『真田十勇士』……現実には『少年猿飛佐助』のことですけど。こういうふうに、国際マーケットというのを一時保留し、日本マーケットに集中するためにその時代劇モノを2つ作った。  これが、『なつぞら』の中での東洋動画の全体戦略です。  ここら辺は、もう、ドラマの中では説明してくれてないんですよ。  「はい、アニメファンの皆さんはわかってくださいね?」という感じで、スタッフからサインが出てるんですけども。まあ、難しいですよね(笑)。  今言ったような「アジア圏のための中国原作。それがダメだから日本の時代劇」というような移り変わりの中で、『神をつかんだ少年クリフ』という企画がいかに無茶だったかは、もうおわかりだと思います。  そりゃもう、最初から当たるはずがないんですよね。  「辞表を提出してきた。もう、俺の映画全然ダメだった。当たんなかったよ」と言うイッキュウさんを、なつは喫茶店の中で慰めます。  「大人にも見てもらえたら、大人向けだと宣伝してもらえたら良かったんだけどね」と、ここでなつは言うんです。でも、それに対してイッキュウさんは何も返しません。  なぜかと言うと、イッキュウさんは知ってるからですね。「この映画は大人も見てる」んですよ。  というのは、10歳とか8歳の子供が映画館に来る時に、子供だけで来るなんてことはありえないからです。必ず、子連れで大人も来てるんですよ。  でも、そういった大人達にも、自分の作った作品は全くアピールしなかったわけですね。だって、そんな大人達は映画館の中でグーグー寝てたわけですから。  この「大人も見てるのにダメだった」というのをどう考えるべきかというと、まあまあ、「子供向けだと宣伝されたのが悪い」ということだと思うんですけど。  またさっきの『オネアミスの翼 王立宇宙軍』の時の話になるんですけど。映画というのはね、思った以上に中身で勝負できないんですよ。「観る時の気持ち込みで映画」ってよく言うんですけど、宣伝って、映画の本編と同じくらい大事なんですね。  映画を作ってる最中は「どんな方法であろうと、映画館に呼びさえしたら、中身は観た人が判断してくれる。だから、面白いものを作ればいいんだ!」というふうに、スタッフはついつい考えちゃうし、宣伝の人もそういうふうに説得してくるんですけど、それは絶対に違うんですよ。  「こんな作品ですよ」というふうに、あらかじめ、ちゃんと宣伝しないと、みんなそういう気持ちで観てくれない。そうなると、後の世になって「ものすごく面白い!」と言われるようになる『ホルス』も、公開当時は「本当に面白くない映画」というふうになっちゃうわけですね。  今、ちょっとコメントで流れたんですけど、『この世界の片隅に』もそうなんですよ。  『この世界の片隅に』というのは、ものすごく慎重に、派手な宣伝を一切やってなかったんですね。なぜかと言うと、派手な宣伝をやって、そっち方向で観に行っちゃうと、あの感動がやってこないんですよ。  なので、宣伝というのは本当に映画と同じくらい大事なんです。だからこそ、『かぐや姫の物語』の時に高畑勲は怒ったわけですね。  『かぐや姫』の時、高畑勲は「これは“かぐや姫の物語”なんです。だから、かぐや姫の物語だけを観に来てください」と、すごく抑えた宣伝をするはずだったのに、鈴木敏夫が勝手に「かぐや姫の罪と罰。かぐや姫はなぜ地球に追放されたのか?」という、高畑勲が「それだけはやめてくれ」と言ってた宣伝をやっちゃったわけですね。  結果、映画はヒットしたんですけど。観る人はみんな「かぐや姫の罪と罰ってなんだ?」という目線で観に来てしまった。なので、高畑勲としては、それはもう本当に「生涯、鈴木敏夫を許さない!」と思ったくらい、怒ったそうなんですけど。  それくらい、宣伝というのは大事だったわけですね。
     おまけに、歴史的な経緯で話すと、実は『太陽の王子 ホルスの大冒険』も、大人向けの宣伝はちゃんとやってたんですよ。まあ、なんとツラいことに。  というのも、『ホルス』というのは、実質的には東映動画の作品というよりは、東映動画労働組合の作品だったんですね。  実際は、スケジュールにしても予算にしても、会社のトップと交渉した上で、東映の労働組合が決めた予算、労働組合が決めたスケジュールの中でお話を作ったんですよ。  それはなぜかと言うと、当時の東映の労働組合というのは、すごくパワーを持っていたのと同時に「自分達で作品を管理しよう」という企みもあったからなんですね。  「会社と戦って自分達の権利を通す」というだけではなく、それと同じくらい「自分達がちゃんと管理して、面白い作品を作って儲けよう」という意識もちゃんとあったんですよ。  労働組合のみんなが集まる総会の中で「本当に良いものを作ればヒットするはずだ!」という結論を全員が共有していた。そういう意見が大多数だったので、その実験作品として『太陽の王子 ホルス』というのは作られたそうです。  これ、大塚さんの『作画汗まみれ』という本に書いてあって、僕は結構ビックリしたんですけど。 (本を見せる)
    【画像】作画汗まみれ『作画汗まみれ 増補改訂版』(大塚 康生)
     労働組合の実験作品として作ったものなので、実は作品の宣伝や動員も、労働組合がいろいろ手を尽くしてくれていた。だから、「これは大人向けの作品だ」ということまで含めて、労働組合の組合員達は宣伝してくれたし、チケットも配ってくれた。  でも、ダメだったわけです。そこまでやっても『ホルス』というのは、ヒットしなかった。  なので、労働組合がそれまで信じていたコンセプト、「本当に良いものを作れば、観客はやってくるんだ」という大前提が崩れてしまって、労働組合は、この後、徐々に力を失っていき、『ホルス』のような作品は二度と作れなくなっていくという、こういう大きい悲劇が待っていたわけです。  でも、『なつぞら』の中では「『クリフ』がダメだったから、長編映画はもう作れない」みたいに描かれてるんですけど。  この『作画汗まみれ』の中で、大塚康生さんは「実際には、東映動画側もオリジナルの長編アニメは『ホルス』が最後だと、最初から言ってた」と証言しているんですね。  「もう、長編作品はできない。以後はマンガ原作のものをやるか、テレビの方に集中する」というふうに、管理部の方は最初から言ってた、と。だから、最初から、俺達は確信犯的に好きなことをやるつもりだった。会社の言うことは聞かずに、自分達が本当に良いと思う作品を、これで長編アニメは打ち切りだから、一生に1回だけ、自分達の好きなものをやってやれというつもりでやった、と。  だから、『なつぞら』のドラマの中で描かれているように、アニメーター達というのは無力で、会社の言いなりになるしかないという存在ではなかったんです。もっとしたたかだったんですよ。  「これで最後なんだったら、予算とか全部取っ払って、自分達の好きなことをやってやれ!」という大実験をやって、その結果、ボロ負けしたという。そういう、アニメーターの方もしたたかだったというところが面白かったですね。
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    2019/08/04 #293 「『なつぞら』特集と、『天気の子』『トイストーリー4』ネタバレ解説、ちょっと怖い“禁断の科学”の話」
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