
「性格を変えて遊ぼうぜ!」の続きです!(#1,#2,#3,#4,#5)
このシリーズでは、ジャーナリストのオルガ・カザンが、最新のパーソナリティ研究をもとに行った「性格いじり」実験をベースに、いかにすれば自分の性格を変えていけるのかをまとめております。でもって、前回ですべての性格実験の説明を終えたので、今回は“総まとめ”として、いままでの実験をおさらいしつつ、これまでの手法を実践するためのジャーナリングの方法を見てみましょうー。
自分を少しずつチューニングしようぜ!
さて、簡単なおさらいです。オルガ・カザンさんが『Me, But Better』で示したのは、「自分の性格はもう変わらない!」って考え方へのカウンターでした。『社会は、静かにあなたを「呪う」』でも書いたとおり、人間の性格は変わらないと思い込んでいる人は少なくないんですが、ここで彼女は、
性格は、努力ではなく“実験”で変えられる。しかもその変化は、思ったよりも楽しい。
みたいなことを主張しておられます。つまり、カザンさんの主張ってのは、一言で言えば「自分を少しずつチューニングしようぜ!」みたいにまとめられるでしょう。心理学のビッグファイブ──外向性・協調性・勤勉性・開放性・神経症傾向──をそれぞれ実験対象にし、日常の中でどこまで性格を“適応させられるか?”が大事だってことですね。
ということで、このシリーズ最終回では、ここまでの全ての実験を振り返りながら、「ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)」との関係性と、皆さまが今日から使える“性格アップデート日記”をチェックしてみましょう。
まずはカザンさんが行った5つの実験を振り返ってみると、こんな感じになります。
① 外向性を高める:パーティを主催してみた
超内向的だったオルガさんは、「人との交流で何が起こるのか」を確かめるため、あえて自分でパーティを開催。その結果、緊張はMAXだったものの、終わってみると気分が高揚し、「人と話すと幸福度が上がる」という研究を実感したそうな。つまり、外向性とは“才能”ではなく“行動による筋トレ”だってことでして、たとえ内向的でも、少しだけ社交的に振る舞うことで幸福感が上がるということになりましょう。
② 神経症傾向を減らす:瞑想アプリに挑戦
不安と心配に振り回されていたオルガさんは、ブラウン大学のジャド・ブリューワー博士が開発した「Unwinding Anxiety」ってアプリを実践。毎日のように呼吸を観察し、感情の波がきても“ただ眺める”練習を続けたところ、「不安をなくす」ことはできなかったものの、「不安に巻き込まれず観察できる自分」を見つけたんだそうな。つまり、不安を消そうとするのではなく、距離をとる技術(デタッチメント)が心を軽くするってことですな。
③ 開放性を広げる:サーフィンと恐怖の対決
未知への好奇心を高めようとして、カザンさんはサーフィンをチョイス。「ボードが頭に当たったらどうしよう」「サメに噛まれたら…」といった恐怖に包まれまくったものの、実際に海に入ると、恐怖の向こう側に“生きている実感”が待ったとのこと。この経験を通して、彼女は「開放性とは恐怖と共存する力」だとの理解にいたっております。未知を避けることは安全だけど、恐怖の中にしか“新しい自分”は生まれないってことですね。
④ 協調性を上げる:怒りを「計画」に変える
もともとオルガさんは短気だったため、「イラッとした瞬間にどう反応を変えるか」をテーマにして実験を実施。心理学者のライアン・マーチンが提唱する「怒り→計画切り替え法」を応用し、
「誰かがミスをしたときには、“何を改善できるか”を考える」と自分に課したそうな。それによって最初は爆発寸前の日も多かったものの、数週間後には「他人の意図を想像する」癖がつき、関係のストレスが激減。怒りを抑えるのではなく、怒りを“理解”に変えるスキルこそが協調性の本質だと気づいたらしい。
⑤ 誠実性を鍛える:未来を先取りする思考法
最後のテーマは誠実性で、オルガさんは「SNSを開く→後悔」というパターンを断ち切るために、行動前に“未来の自分”を思い浮かべる訓練を実施。たとえば、「このままダラダラしたら、明日の朝にどんな気分だろう?」あるいは「今少し頑張ったら、夜の自分はどう感じるだろう?」みたいに考えるトレーニングを積んだところ、目先の誘惑に強くなり、余計なワインのおかわりも自然と減っていったそうな。これはエピソード未来思考と呼ばれて、個人的にもナイスな介入だと思っております。
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