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第166回直木賞直前!大予想SP|全5冊読破の石田衣良予想はいかに【大人の放課後ラジオ#105】
コメ0 チャンネルからのお知らせ 29ヶ月前
第166回直木賞大予想!連続4回的中の石田衣良が今年もやります。全5冊読破の予想はいかに。直木賞候補作は読んで損のない面白い本ばかりだったよ石田衣良の二重丸は……衣良番組視聴はこちら↓第166回直木賞直前!大予想SP|全5冊読破の石田衣良予想はいかに【大人の放課後ラジオ#105】▶︎第166回直木三十五賞候補作品『同志...
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【第162回 直木賞 候補作】小川哲「噓と正典」
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 53ヶ月前
『嘘と正典』より「魔術師」「私の師匠であるマックス・ウォルトンは、ロサンジェルスの小さなパブではじめて会ったときにこう言いました。『マジシャンにはやってはいけないことが三つある。お前は知っているか?』と──」 観客席を映していたカメラがステージを向く。照明が少しずつ明るくなり、暗闇がぼんやりと白く...
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【第162回 直木賞 候補作】誉田哲也「背中の蜘蛛」
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 53ヶ月前
第一部 裏切りの日1 日常になんの変化も感じないといえば、嘘(うそ)になる。 だが、日々起こる事件の一つひとつに驚きを覚えるほど、もう若くはない。 本宮夏生(もとみやなつお)は眼鏡を外し、鼻根の両側にできているであろう、楕円形(だえんけい)の痕(あと)を揉んだ。ぬめりがある。皮脂だ。同じものが、眼鏡の側...
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第162回芥川賞・直木賞の候補作を無料で試し読み!
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 53ヶ月前
新進作家の最も優秀な純文学短編作品に贈られる、「芥川龍之介賞」。 そして、最も優秀な大衆文芸作品に贈られる、「直木三十五賞」。日本で最も有名な文学賞である両賞の、ニコニコでの発表&受賞者記者会見生放送も17回を数えます。 なんと今回も、候補作の出版元の協力によって、芥川賞・直木賞候補作品試し読み部分...
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【第162回 直木賞 候補作】湊かなえ「落日」
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 53ヶ月前
思い出すのは、あの子の白い手。忘れられないのは、その指先の温度、感触、交わした心。 あれが虐待だったとは、今でも思っていない。 あれはしつけだった。あの頃のわたしはそう思っていたし、母もそう言っていた。順番は逆だったかもしれないけれど。 両親に手をあげられた憶えは一度もない。ただ、母からよく怒...
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【第162回 直木賞 候補作】呉勝浩「スワン」
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 53ヶ月前
四月八日 日曜日──AM10:00 うすい雲が太陽にかかっていた。なのに空は、おどろくほど青かった。ありったけの幸福を、塗りたくったかのようだった。 四月は残酷な季節だと、イギリスの詩人はうたった。わかるけれど不満もある。べつに残酷なのは、四月だけじゃない。「ねえ、ヴァンさん」 肩をつつかれ我に返った。妙...
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【第162回 直木賞 候補作】川越宗一「熱源」
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 53ヶ月前
序章 終わりの翌日一 トラックが荒い運転に揺れ続けている。 幌が張られた荷台は薄暗い。ひしめく十二名の兵士の汗、饐えた体臭、遠慮ない八月の熱。それらが混交した、粘つくような蒸気が充満している。 寒い。 私は掌で首の汗を拭いながら、間違いなくそう感じる。正確には、凍えるような寒さに骨を摑まれている...
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芥川賞・直木賞の候補作を無料で試し読み!
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 59ヶ月前
新進作家の最も優秀な純文学短編作品に贈られる、「芥川龍之介賞」。 そして、最も優秀な大衆文芸作品に贈られる、「直木三十五賞」。日本で最も有名な文学賞である両賞の、ニコニコでの発表&受賞者記者会見生放送も17回を数えます。 なんと今回も、候補作の出版元の協力によって、芥川賞・直木賞候補作品試し読み部分...
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【第161回 直木賞 候補作】朝倉かすみ「平場の月」
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 59ヶ月前
一「夢みたいなことをね。ちょっと」 病院だったんだ。昼過ぎだったんだ。おれ腹がすいて、おにぎり喰おうと思ったんだ。おにぎりか、菓子パンか、助六か、なんかそういうのを買おうと売店に寄ったら、あいつがいたんだ。おれすぐ気づいちゃったんだ。あれ? 須藤? って言ったら、あいつ、首から提げた名札を...
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【第161回 直木賞 候補作】柚木麻子「マジカルグランマ」
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 59ヶ月前
正子、おおいに嫌われる。「売れっ子になりたいなら、まずはその、髪の色を変えるべきよ」 一九六二年にパリを来訪した際、政府の要人に黒曜石と称えられた大きな瞳で、じっとこちらを見据えながら助言をくれたのは、いつものように紀子ねえちゃんだった。 彼女と知り合ってかれこれ五十六年になるが、こうして呼び出...
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【第161回 直木賞 候補作】澤田瞳子「落花」
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 59ヶ月前
第一章 行旅 湿気を孕(はら)んだ暴風が、古びた蔀戸(しとみど)をきしませている。どこからともなく聞こえてくる調子はずれの笛の音が、まるで激しく揺れる客館の悲鳴のようだ。 寛朝(かんちょう)は薄い衾(ふすま)の中で、寝返りを打った。その途端、水と土の臭い、それに腐臭や馬糞(ばふん)の臭気までを...
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【第161回 直木賞 候補作】原田マハ「美しき愚かものたちのタブロー」
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 59ヶ月前
一九五三年六月 パリ チュイルリー公園 その展示室に一歩足を踏み入れた瞬間、田代雄一は、澄み渡った池に投げ込まれた小石の気分を味わった。 ふつふつと気泡を吐きながら、光合成の粒をまとった緑藻の森の中を落下してゆく。なめらかな水の腕をすり抜けて、青い影が揺らめく水底にたどり着く。見上げれば、水面を...
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【第161回 直木賞 候補作】窪美澄「トリニティ」
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 59ヶ月前
トリニティ (trinity)三重、三組、三つの部分。定冠詞が付いた大文字で始まるthe Trinityはキリスト教における三位一体を意味する。実在の人物や雑誌などから着想を得ましたが、本書はフィクションです。1「今日もまた生きたまま目が覚めたか」 七十二歳の鈴子(すずこ)は瞼を開けた瞬間に昨日の朝と同じことを思っ...
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芥川賞・直木賞の候補作を無料で試し読み!
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 65ヶ月前
新進作家の最も優秀な純文学短編作品に贈られる、「芥川龍之介賞」。 そして、最も優秀な大衆文芸作品に贈られる、「直木三十五賞」。日本で最も有名な文学賞である両賞の、ニコニコでの発表&受賞者記者会見生放送も17回を数えます。 なんと今回も、候補作の出版元の協力によって、芥川賞・直木賞候補作品試し読み部分...
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【第160回 直木賞 候補作】森見登美彦「熱帯」
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 65ヶ月前
第一章 沈黙読書会 汝にかかわりなきことを語るなかれ しからずんば汝は好まざることを聞くならん ○ この夏、私は奈良の自宅でそこそこ懊悩していた。 次にどんな小説を書くべきか分からなかったのである。 奈良における私の平均的な一日はじつに淡々としている。朝七時半に起きて、ベランダから奈良盆...
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【第160回 直木賞 候補作】深緑野分「ベルリンは晴れているか」
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 65ヶ月前
一九四五年七月、ドイツ ベルリンⅠ 呼び鈴がけたたましく鳴らされ、私はコカ・コーラの瓶とコンビーフ・ハッシュの大皿を右A卓に、潰したじゃがいもの大皿を左D卓に置いて、音のした方へ向かった。つま先でターンすると、U.S.ARMYのロゴ入りエプロンの裾がひるがえる。 アメリカ軍の慰安用兵員食堂〝フィフティ・ス...
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【第160回 直木賞 候補作】真藤順丈「宝島」
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 65ヶ月前
われらがオンちゃんは、あのアメリカに連戦連勝しつづけた英雄だった。 地元のコザでも、島の全土を見渡しても、ふたりといない豪傑だった。 焼けつくような暑さのなかで、オンちゃんはいつだって皆の先頭を走っていた。 あの夜もそうだったよな。 地元のさとうきび畑を突っきって、夜の天幕がひろがるヤラジ浜ま...
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【第160回 直木賞 候補作】垣根涼介「信長の原理」
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 65ヶ月前
私たちがいま住む世界についての理解はもともと不完全であり、完全な社会などは達成不可能なのだ。ならば、私たちは次善のもので良しとせねばならない。それは不完全な社会であるが、それでも限りなく改善していくことはできる社会である ――ジョージ・ソロス 第一章 骨肉 1 少年は蟻を見ていた。 暑い夏...
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【第160回 直木賞 候補作】今村翔吾「童の神」
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 65ヶ月前
序章 陽が欠けていく。蒼天に突如現れた何ものかに喰われている。凄まじい速さで影が地を進み、砂埃の立つ往来も、壮麗な寝殿造りも、分け隔てなく呑み込んでいく。「天帝がお怒りじゃ」 牛車の物見が開き、公家が戦慄声を上げた。従者も天を指差し顎を小刻みに震わせる。「京を離れるぞ」 大きな荷を馬に背負わせた...
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芥川賞・直木賞の候補作を無料で試し読み!
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 71ヶ月前
新進作家の最も優秀な純文学短編作品に贈られる、「芥川龍之介賞」。 そして、最も優秀な大衆文芸作品に贈られる、「直木三十五賞」。日本で最も有名な文学賞である両賞の、ニコニコでの発表&受賞者記者会見生放送も16回を数えます。 なんと今回も、候補作の出版元の協力によって、芥川賞・直木賞候補作品試し読み部分...
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【第159回 直木賞 候補作】『未来』湊かなえ
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 71ヶ月前
序章 カラカラの喉をさらに乾燥させるかのように、開いたままの口に大量の空気を送り込みながら、全力で走る、走る、走る……。 駅が見えてきた。高速バス乗り場には、大型バスが一台停まっている。すでに、改札が始まっているようだ。バスの乗車口前には、長い列ができている。 夏休み中とはいえ、平日だか...
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【第159回 直木賞 候補作】『傍流の記者』本城雅人
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 71ヶ月前
プロローグ 二〇二一年某日 東都新聞総務局。「これが昨夜、うちの記者が財団の理事長にぶつけたメモだ」 同期の運動部長が、A4にプリントアウトした取材メモを見せてきた。「あっちの部屋に行こう」 なにかあったら応接室まで連絡してくれと部下の総務部員に伝え、局長席を立つ。 使っていない応接室の灯りを点...
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【第159回 直木賞 候補作】『ファーストラヴ』島本理生
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 71ヶ月前
スタジオまでの廊下は長くて白すぎる。 踵を鳴らしているうちに、日常が床に塵のように振り落とされて、作られた顔になっていく。 Cスタジオに入り、渡されたマイクをジャケットの下から通した。本番五分前なのにスタッフたちがのんびりしていることが番組の低予算と低視聴率を物語っている。もっともタレントでも...
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【第159回 直木賞 候補作】『じっと手を見る』窪美澄
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 71ヶ月前
(※本作の試し読み箇所は作品冒頭ではありません。)「かわいく撮れてるぞー、日奈」と言いながら、校長先生が手招きをして机の上にある紙を見せてくれた。にやけた顔で写っている自分の顔が目に入った。「あ、もうこれで、これで十分です」と、返事をすると、「もっとよく見なさい。ほらほら。おまえも海斗もタレントさ...
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【第159回 直木賞 候補作】『宇喜多の楽土』木下昌輝
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 71ヶ月前
一 ――武も運も 命もはてし 石山の…… そこまで口ずさんで、宇喜多八郎は首をひねった。 なにかが、ちがう。しっくりこない。 風のない一日で、鳥たちも季節を忘れたかのように声を殺していた。 目を閉じて耳をすます。〝命もはてし〟では、流れが悪い。 国もはてし……、いやちがう。山河もはてし……、でもない。 ...
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超話題作!マスコミ試写会で観てきた『孤狼の血』押さえるべきポイント5つ!
コメ0 【無料】ガジェット通信ブロマガ 75ヶ月前
今年5月12日に全国公開になる、役所広司&松坂桃李W主演の劇場用映画『孤狼の血』。原作は、柚月裕子の角川書店から刊行された小説。第69回日本推理作家協会賞受賞、第154回直木賞候補作品、このミステリーがすごい!2016年版国内編第3位、本の雑誌が選ぶ20...続きを読?
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超話題作!マスコミ試写会で観てきた『孤狼の血』押さえるべきポイント5つ!
コメ0 ガジェ通 75ヶ月前
今年5月12日に全国公開になる、役所広司&松坂桃李W主演の劇場用映画『孤狼の血』。原作は、柚月裕子の角川書店から刊行された小説。第69回日本推理作家協会賞受賞、第154回直木賞候補作品、このミステリーがすごい!2016年版国内編第3位、本の雑誌が選ぶ20...続きを読?
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【第158回 直木賞 候補作】『銀河鉄道の父』門井慶喜
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 77ヶ月前
1 父でありすぎる 一日の仕事を終えて鴨川{かもがわ}をわたり、旅館に帰ると、おかみが玄関へぱたぱたと出てきて、上がり框{がまち}に白{しろ}足袋{たび}の足をすりつけながら、「宮沢{みやざわ}はん」「何です」「……!」 目をかがやかせ、好意的な表情で、わけのわからないことをまくしたてた。 ──わか...
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【第158回 直木賞 候補作】『彼方の友へ』伊吹有喜
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 77ヶ月前
プロローグ 佐倉ハツという名前がいやで、自分で書くときはいつも佐倉波津子と書いている。 ハツという名の由来は一月生まれだから「初」。父母はそこに出発の「発」、活発の「発」という意味もこめたそうだ。どうしてカタカナにしたのかと聞いたら、「モダンでしょ」と母は浴衣を縫いながら微笑んでいた。「外国語っ...
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【第158回 直木賞 候補作】『ふたご』藤崎彩織
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 77ヶ月前
彼は、私のことを「ふたごのようだと思っている」と言った。お酒を飲んでいると、ときどきその言葉を使うことがある。ふたご。まるで同じタイミングで世に生まれて、一緒に生きてきたみたいだ、と。 ふたご。その言葉を他人に対して使うと、生々しい響きになる。まるで生まれて初めて聞いた音や、見た景色も、同じみ...
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【第158回 直木賞 候補作】『火定』澤田瞳子
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 77ヶ月前
第一章 疫 神 春風にしては冷たすぎる旋風が、朱雀大路に砂塵を巻き上げている。 どこぞの門口から転がってきたのだろう。がらがらとやかましい音を立てて近づいてくる桶をまたぎ越し、蜂田名代は大路の果てにそびえる朱雀門を仰いだ。 鴉か、それとも鳶か。巨門の甍に羽を休める影は豆粒ほどに小さく、二十一歳の...
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【第158回 直木賞 候補作】『くちなし』彩瀬まる
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 77ヶ月前
もうだめなんだ、とアツタさんに言われた。いつかはくるだろうな、そうだろうな、とは思っていた。だけど実際に言われたら想像よりずっと悲しくて、アツタさんのいない生活がいやで、両目からだらしなく涙があふれた。頰を伝って顎の先に溜まり、したたりおちて裸の胸を濡らす。「どうしても?」「うん、妻がね」 妻...
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芥川賞・直木賞の候補作を無料で試し読み!
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 77ヶ月前
新進作家の最も優秀な純文学短編作品に贈られる、「芥川龍之介賞」。 そして、最も優秀な大衆文芸作品に贈られる、「直木三十五賞」。日本で最も有名な文学賞である両賞の、ニコニコでの発表&受賞者記者会見生放送も15回を数えます。 なんと今回も、候補作の出版元の協力によって、芥川賞・直木賞候補作品冒頭部分のブ...
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芥川賞・直木賞の候補作を無料で試し読み!
コメ0 芥川賞・直木賞発表を楽しもう 83ヶ月前
新進作家の最も優秀な純文学短編作品に贈られる、「芥川龍之介賞」。 そして、最も優秀な大衆文芸作品に贈られる、「直木三十五賞」。日本で最も有名な文学賞である両賞の、ニコニコでの発表&受賞者記者会見生放送も14回を数えます。 なんと今回も、候補作の出版元の協力によって、芥川賞・直木賞候補作品冒頭部分のブ...