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『ネヴァーウィンターの失われし王冠』第二部第5回リプレイ:絶叫館・逆転暗黒裁判
2014-03-26 13:11水曜夜は冒険者――場所はお馴染み、東京は代々木、HobbyJapanの配信室から。 今日はミシュナが欠席。ドラコリッチの経箱の扱い方がわかったからといって、理解と実践は別物。今回は儀式その他で忙しく、とても声のかけられる状態じゃなかったという扱いに。 ちなみに今日は卓の上には血飛沫の飛んだ背景の上に「待った!」「異議あり!」等々、どこかで見覚えのある台詞の書かれたカードが数枚。そう、今日のセッションは裁判になります、と、DMは最初に宣言する。そして…… “デーモンの大穴”から“証拠”と共に無事生還したジェイドたち一行、この証拠品をエヴァーナイトの評議員たちに見せ、名誉市民として認めてもらうべく、司法の場たる“絶叫館”に向かう。 死骸市場から街を横切り、ちょうどネヴァーウィンターでは“正義の館”のあった場所にゆきつくが……クーリエ:「しまった、遅かった」 絶叫館の門扉は固く閉じられている。 -
ダンジョンズ&ドラゴンズ 『ネヴァーウィンターの失われし王冠』リプレイ -第12回-
2014-03-20 17:22勇気持て、友よ “将軍”の身体からは蒼い炎が吹きだしていた。荒ぶるエネルギーがセイバインを蝕み、塵へ変えようとしている。 歩みよるあなたに、エイロヌイが戦う者の瞳で告げた。「この方は戦士です。呪文荒廃などで死ぬべきではありませんでした――ゆえに、手は止めなかった」 それはあなたにもわかった。 ――だが、自分が戦っていたら。 考えがよぎる。頭を振る。未練だ。「やったな、お前ならできると思っていた」 サビーヌとあなたが呼んでいた頃の声であった。師は蒼炎に灼かれつつあなたを見つめている。「どうした、なぜそんな顔をしている。お前は私が教えたとおり、良き仲間を見つけたじゃないか……」「でも、私はあなたも守りたかった」「お前は十分にやってくれた。私の誇りを守ってくれた。そして、部下も守る事ができる。私の部下達に命令を下してやってくれ。お前達は私を降した。ミンターン島の傭兵は強い者に従う……。この盾を持 -
『ネヴァーウィンターの失われし王冠』第二部第4回リプレイ:過去から延びる手
2014-03-19 13:13水曜夜は冒険者――場所はお馴染み、東京は代々木、HobbyJapanの配信室から。今日もフルメンバー揃っての物語開始。デーモンの大穴の切り立った壁をよじ登り、全員が無事地上に戻ったら、ヴィジュアル系というよりは数年前のシンフォニックメタルバンドみたいな風体のレッド・ウィザード3人組から、大変な上から目線(こちらは穴を登り切ったところから見上げるのだから当然だ)で声をかけられた……というところから。 後ろに男性2人を従えた同い年ぐらいの娘――3人とも間違いなくレッド・ウィザードだ――から唐突に「迎えに来た」と言われ、ミシュナはきょとんとした顔で問い返す。ミシュナ:「あの……どちらさまで?」娘:「……あなた、私を覚えていないの? この、上級アカデミー生徒会長、シェリー・ホワイトグレイヴを!!」 娘の声が高くなる。が――そう言われても覚えていないものは仕方ない。ああ、いや、そういえば居たような -
『ネヴァーウィンターの失われし王冠』第二部第3回リプレイ:世界のつながる場所
2014-03-12 10:27水曜夜は冒険者――場所はそろそろお馴染み、東京は代々木、HobbyJapanの配信室から。ちなみに今日は前回、前々回より少々画面がみっしり気味。第二部第3回目にしてフルメンバー揃っての配信です。魂が迷っていたエリオン、ネヴァーウィンターで病床についていたミシュナもようやくシャドウフェルにやってきたとのこと。いや、来られてよかったといえる場所なのかはともかく、ですが……。 ネヴァーウィンター。 どんよりと立ち込めた黒雲が切れ、薄日が差し始める。やがて陽光は暗雲を退け、青空が広がってゆく。それは来るべき真の復興の日々を象徴するかのように。 ――ずいぶん、眠っていた気がする。 ぶり返した汚穢熱に倒れ、そのまま伏せっていたミシュナは、ゆっくりと身体を起こした。病み上がりの身体はまだ重いが、吐き気もふらつきもいつの間にか消えている。耳を澄ますと窓の外では明るい賑やかな人声。私が倒れている間に何が起 -
『ネヴァーウィンターの失われし王冠』第二部 第2回リプレイ:エヴァーナイト名所巡り
2014-03-05 15:02水曜夜は冒険者――場所はオレンジ色の壁紙が何やらレトロ感を醸し出す、東京は代々木、HobbyJapanの配信室から。ところで配信が平日夜、ということは、社会人には様々な都合不都合が発生することもあります。そんなこんなで今日は、PLが前回よりさらに1人欠けて3人。防衛役2人に指揮役1人となったパーティー。それでも物語は進みます。 グールの案内人クーリエに連れられ、墓場を出た一行が最初に足を踏み入れたのは――広場を囲んで屋台や酒場が立ち並び、物売りの声も賑やかな市場。ただし店の主はみな死人、売っているものといえば斬り落とされて生血のしたたる腕や脚、台に山と積んだ臓物と、たしかにこの地の住民にとっては新鮮な食物だろうが命ある人型生物の身としては、確かに勝手なものとはいいながら、なかなかにぞっとしない。クーリエ:「ここは死骸市場、エヴァーナイト随一の愉快な場所ですよ。なにしろこの街の路地で聞こえ -
ダンジョンズ&ドラゴンズ 『ネヴァーウィンターの失われし王冠』リプレイ -第10回-
2014-03-05 14:42戦禍の気配 北方の至宝と称えられた頃、この街には三つの橋があった。 "眠れるドラゴン橋"、"翼を持ったワイヴァーン橋"、"イルカ橋"がそれである。 それぞれに名前通りの姿をした橋であったが、今なお残るのはただ一つ"翼を持ったワイヴァーン橋"のみ。そして今、翼竜の橋こそはネヴァーウィンターの分断の象徴であり、ゆえに戦いの場となっていたのである。 現政権であるネヴァレンバー卿と雌雄を決しなければならない、その点においてレジスタンスの長、アーロン・ブレイドシェイパーとネヴァーウィンター仮面の意見は一致していた。しかし、ネヴァーウィンター仮面の行動は早かった。いや、拙速に過ぎたとさえ言える。彼は自身の血統を武器に民衆を扇動し血戦に向かった。「それは、早すぎるのだ」とアーロンは言った。「このままでは無辜の民が傷つくだけだ」と。 あなたたちは地上に急いだ。ネヴァーウィンター仮面、そして民衆の暴走を止め -
ダンジョンズ&ドラゴンズ 『ネヴァーウィンターの失われし王冠』リプレイ -第11回-
2014-03-03 17:29錯綜する王統 続報は届いていない。 ミンターン傭兵団、セイバイン将軍。彼女が事態の収拾に動いていて、“アラゴンダーの息子たち”に率いられた暴徒達が守護卿区までたどり着いていないということは、事態はまだ均衡しているのだろうと想像できた。 セイバイン将軍がすべてを片付けた可能性については、想定から取り下げた。それは楽観ではなく、願望に過ぎないことはネヴァレンバー自身がわかっていた。 ネヴァーウィンター仮面は手強い相手である。 仮面自身の力量はもとより、その存在によって束ねられる不平不満、それをネヴァレンバーはよく理解していたのだ。 市長のソマンガルトは変わらず書類を読み、資料をめくり、サインをする。おそらく暴徒が机の前に来ても彼はネヴァーウィンターを実質的に動かすその手を休めはしないだろう。ネヴァレンバーは小姓に鎧と剣の準備を命じた。その時である。「閣下、“アラゴンダーの息子たち”灰マント派の
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