第210号 2017.1.31発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが見舞われたヘンテコな経験を疑似体験!?小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…トランプは多国籍企業を「自国ファースト」ではないと批判し、保護貿易主義こそが「アメリカファースト」だと主張している。何となくトランプが急に「アメリカファースト」を言い始めたかのようなイメージがあるが、本当はアメリカはいつだって「アメリカファースト」であり、そもそも「グローバリズム」も「アメリカファースト」の戦略である。日本人は、未だにグローバリズムを理解せず、世界中がみな平等に栄えることができると妄信している。いつになったら、お花畑の思い込みから脱するのだ!?
※小説「わたくしの人たち」…どんな貧困状態も、恥も外聞も捨ててあらゆる手段で乗り越えてきた3人の子供を持つシングルマザー・宅間志井子。彼女のアドバイスにより、沙智子は古代中国皇帝の運命哲学・四柱推命を使う占い師に…!!薄井沙智子あらため大森沙智子先生の元には、連日、相談依頼が寄せられるが!?
※おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて、一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてくり!」。「ニュース・チャマ」の時間でしゅ!キャスター・ぽっくんとコメンテーター・貧ぼっちゃまのコンビぶぁい!何やら不穏な出来事が起きている様子でしゅが、さぁしゃべらせてクリ!
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第210回「『自国第一』は当たり前、グローバリズムもアメリカ第一だった」
2. しゃべらせてクリ!・第168回「ぽっくんと貧ぼっちゃまのニュースショーぶぁ~い!の巻〈後編〉」
3. 泉美木蘭の小説「わたくしの人たち」・第13話「お話相手サービス《愚痴聞き館》」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 読者から寄せられた感想・ご要望など
7. 編集後記
第210回「『自国第一』は当たり前、グローバリズムもアメリカ第一だった」 アパホテルが客室に南京大虐殺を否定する本を置いているということで騒ぎになり、中国政府は自国内の旅行業者に、アパホテルの利用中止や広告の撤去を要求、観光客にも利用しないよう呼びかけた。
その本は、ホテルを運営するアパグループの代表・元谷外志雄がペンネームで書いた社会時評エッセイ集で、南京大虐殺を否定する論拠は、わしが『戦争論』で挙げた論拠と同じものが多い。
だが一方で、同書は支那事変の拡大要因となった様々な事件を全て「コミンテルン(ソビエト共産党の国際組織)の陰謀」としている。
ただし、わしは「コミンテルン陰謀説」を採ってないから、この点は強調しておく。
どうやら昨今の自称保守・ネトウヨ界隈では、支那事変も大東亜戦争も、なんでもかんでも「コミンテルンの陰謀」にしてしまうトンデモ歴史観が「正史」として定着してしまっているようで、その知性の劣化は留まるところを知らない。
とはいえ、たとえアパホテルの南京大虐殺否定論が、「コミンテルン陰謀説」に基づくトンデモレベルのものだったとしても、それに対して中国政府にとやかく言われる筋合いは全くない。
なぜなら、中国は「日本陰謀説」に基づくデタラメな反日映画・反日ドラマを作りまくり、全国で年がら年中上映・放送しているからだ。
言わば、中国全土がアパホテルなのである!
中国政府が国民に「アパホテルを使うな」と言うのなら、日本政府は「中国に観光に行くな」「中国に投資するな」と日本国民に言うべきなのである。
「自国ファースト」で考えれば、当然そうなる。
どの国だって「自国ファースト」で考えてるはずなのに、日本だけが「他国ファースト」でモノを考えるから異常なのだ。
トランプが「アメリカファースト」を掲げてトヨタのメキシコ工場を批判し、アメリカで売る車はアメリカで作れ、アメリカ人の雇用を増やせ、メキシコで作るのなら高い関税をかけるぞと言ったら、トヨタはすぐさま今後5年間で100億ドル(約1兆1000億円)以上をアメリカに投資すると表明。
その第一弾として、ペンス副大統領の地元であるインディアナ州の工場におよそ6億ドル(約700億円)を投資し、新たに400人を雇用すると発表した。
これに対して、日本国内でトヨタに同情する声が上がっていることが理解できない。ここは批判の声が上がらなければおかしいだろう。
なぜトヨタはアメリカの雇用ばかり創出しようとしているのか?
そんな巨額を投じる体力があるのなら、なぜ日本に工場を作り、日本で関連中小零細企業の従業員までをみんな正社員にして、給料を上げていくような投資をしないのか?
なぜトヨタは「日本ファースト」で考えないのか?
何となく、トランプが急に「アメリカファースト」を言い始めたかのようなイメージがあるが、本当は、アメリカはいつだって「アメリカファースト」である。
そもそも「グローバリズム」も「アメリカファースト」の戦略だ。
コメント
コメントを書くみなぼん編集長、どうか無理なさらないようお願いします。明日だろうが明後日だろうが我々は黙ってライジングを待ちます。日曜日の道場によしりん先生の秘書として体調万全で臨む事を最優先にして下さい。
もう1年弱になりますが『SAPIO』のネトウヨ化が進んだせいもあってか、最近はdマガジン月額¥400で色々な雑誌と一緒にまとめてスマホで読んでいます。多少読みづらいですが『大東亜論』は後で単行本が出たら買えるし、よしりん先生の原稿料はおそらく雑誌の売行きとは連動していないと思ったのでスマホで十分と思っていました。しかし、先程のブログを読んで3月号は雑誌で購入しようと思います。保存版として手元に置いておきたいし、いつもの月より販売部数がグッと増えて小林よしのりの影響力を世に思い知らせてやる号になると期待しています。
橋下羽鳥の番組を観ました。
橋下氏は、さすがは弁護士を経験された御方だけあって、論理的に物事を考える方だ、というのがわたしの印象でした。
けれども、小林先生が仰るようにどこか観念に侵された部分があって、一方的な見方に陥っているのでは?という部分も見受けられました。
たとえば、橋下氏は、「表現の自由」や「レッテル貼り」という言葉を番組の中で使っておられましたが、それって意味合いを取り違えているのではない
でしょうか?デマとか、ヘイトとか、権力者がそういうのを用いて庶民をいじめるのを、表現の自由とか、レッテル貼りとか、そういう文脈で語るのはやはりおかしいです。
小林先生は、庶民が苦しむのを、わずかな富裕層と大勢の貧困層に完全に二極分化されるのを黙って見過ごすわけにはいかないから、グローバリズムやTPPに反対するのであって、「考え方の違い」で割り切れる話ではないと私は思います。
「1970年代は計画経済」だったとか、「共産主義になる」とかの方がよほど「レッテル貼り」だと思いますが。
自国で製品を作って、国内で需要を喚起して、剰余分を輸出する保護主義は、日本では1970年代は当たり前のようにやってきたことであって、それを「鎖国」というのはおかしいのではないかと思います。わが町神戸では、1980年にポートピア博覧会が開かれたが、神戸港は港を封鎖しましたか?
橋下さんの仰る完全失業率も、全然カラクリに気がつかない(泉美師範から教わって初めて気がついたから、わたしも人のことを言えませんが)。
「TPPは国民が投票で決めればいい」とも橋下さんは仰います。しかし、自由主義がいいか保護主義がいいか、国の根幹を左右することを国会で徹底的に議論をやり合わずに、いきなり投票でやるってのも、政治家としてはどうなのだろうか?
橋下さんは論が立つけど、その中身に関しては????なことだらけでした。
しかし、橋下さんが、「戦争論」「台湾論」「沖縄論」まで読んでいた事は意外でした。
やはり小林先生が橋下氏と激論を交わしたのは、大いに意義があった、と、思います。
長くなりましたが、番組を観ての感想を終わります。
>>261
sokonuke様、非常~に細かいことを言いますが、
sokonuke様のおっしゃる「3月号」というのは、今売っている(2月頭に発売した)号のことを言っておられますか?
それとも、来月よしりん先生が「ゴー宣道場の一端でも明かされる」描き下ろしが載る号のことを言っておいでですか?
後者なら、それは来月発売の「4月号」です。
くだらないことを聞いて申し訳ありません。
橋下徹との対談をビデオ録画で拝見しました。よしりん先生の楽勝でしたね。番組冒頭の橋下は余裕の顔で、まさに漫画家と思って舐めてたのが見え見えでした。序盤では勉強不足が露呈し、途中からは必死で形勢挽回を図ってましたが、実力で敵わないと思ったのか終盤は論理のすり替えに逃げましたね。国内での競争に敗れた事業者まで保護するなんて誰も言ってないのに、共産主義に近づくだとか、保護貿易か自由貿易か国民に選挙で問うと言ったのには笑えました。早口で必死にまくし立てる橋下の話を「うん、うん」と聞くよしりん先生の顔が迫力あり過ぎて、橋下さんもさぞ怖かったろうな~とちょっと同情しちゃいました。最後の「安倍に媚びを売るな」もカッコよかった!
安倍はトランプとのゴルフで「ヨッ大統領!ないすしょっと!!」ってヨイショしまくるんでしょうね。正に「幇間」外交
高森氏のブログを読みました。
「◯◯は山師だ」とかいう言葉を使うのは、普通、◯◯のことを侮蔑したり、差別したりする行為で、本当は厳に慎まなければならない戒めでありますが、こと山口敬之氏の発言に至っては、ジャーナリストとしての本分を忘れ、サピオをはじめ「その手の」雑誌で読者層に受けるようないい加減なことを書いて、それで原稿料を貰って飯のタネにしているようであれば、やはり山師という謗りを免れる訳には行かないでしょう。
国政に関する権能を有しない天皇陛下の為されることを憲法違反だと言うのは、天皇陛下に人権がないと言っているのに等しいです。陛下に人権がないと主張する人は、不敬だと言う前に、人としての情が欠落していると言わざるを得ません。
BLOGOSの記事読みました。
記事途中に、「天皇論 平成29年」の表紙が出ているでは
あ~りませんか!!
「昭和天皇論」と一緒に我が本棚に並べたら、本棚が格調高
くなりそうだなぁ。
27日が今から楽しみです!!
お邪魔致します。
私もBLOGOSの記事(とても興味深く読めました)を覗いたら。
『天皇論 平成29年』の表紙がいち早く掲載されているのを見てびっくり!
その気合いの入り具合に背筋がぞくぞくしました。
発売日が待ち遠しいです!
「紙幣が必要ない世界は嫌じゃ」
まさしく箴言
橋下羽鳥を録画で見ました。橋下氏の勉強不足と焦燥が見えて少し可笑しくなりました。次回も楽しみにしています!