第407号 2021.8.17発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…ゴー宣道場やwebサイト「愛子さま 皇太子への道」では、天皇や皇室に対して敬意を持つのは常識だという認識が当然のように醸成されている。もちろんそれはいいことではあるが、しかしこれは世間一般の感覚とはものすごく乖離しているということは、自覚しておいた方がいい。わし自身、天皇陛下に敬意は持っているが、場合によっては、懸念や疑念を持つこともある。今回の東京オリンピックを巡って垣間見える、陛下のコロナに対する認識も、おそらくわしとは違うだろう。そしていま世間一般が皇室関連で興味を持っていることといえば、もう圧倒的に眞子さまと小室圭氏のことである。世間はそういう生々しい話を、下世話に楽しむのが大好きなのだ。
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…8月10日、フジテレビ『バイキングMORE』に出演した長尾和弘医師が「明日から5類にしてほしい」等々発言したことが大反響を呼んだ。ツイッターなどに賛同の声があふれ、「バイキング」がトレンドワード入りしていたらしい。しかし、たびたび「コロナの恐ろしさ」をテレビで語り、人々に行動制限を求める“煽り医者”ふじみの救急病院の鹿野晃院長は、これに「破滅的な結果を招き」と反対。なぜ、ふじみの救急病院には重症患者が集まるのか?鹿野氏が見えていない(見て見ぬふり?)患者虐待の実態を知ろう!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!メンタリストDaiGoの炎上をどう考える?エリック・クラプトンのワクチン反対発言をどう見る?独身職員は育児職員の穴埋めを我慢して受け入れるべき?こびナビの木下喬弘医師と対談するの?イベルメクチンという薬は信用できる?名古屋市長の河村たかし、スポーツ評論家の張本勲への批判は甘い?人はなぜホラーに魅せられるの?似非専門家を排除する方法は何かない?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第431回「天皇陛下・眞子さま・小室氏」
2. しゃべらせてクリ!・第363回「恐怖のお注射砲! ぽっくん我慢の限界ぶぁ~い!の巻【前編】」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第225回「マウントをとる“煽り医者”がわかっていない患者虐待の実態」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第431回「天皇陛下・眞子さま・小室氏」 ゴー宣道場やwebサイト「愛子さま 皇太子への道」では、天皇や皇室に対して敬意を持つのは常識だという認識が当然のように醸成されている。
もちろんそれはいいことではあるが、しかしこれは世間一般の感覚とはものすごく乖離しているということは、自覚しておいた方がいい。
わしとて天皇陛下に敬意は持っているが、ただ賛美のみしているわけではない。場合によっては、懸念や疑念を持つこともある。
例えば今回の東京オリンピックの開会式だ。
開催国の元首が行う開会宣言の文言は、オリンピック憲章で一言一句まで細かく決められている。
原文は英文と仏文だが、JOCの邦訳によればこうだ。
「私は、第 〇 回近代オリンピアードを祝い、(開催地名)オリンピック競技大会の開会を宣言します」
実際、前回の東京五輪は昭和天皇が「私は、第18回近代オリンピアードを祝い、ここにオリンピック東京大会の開会を宣言します」と憲章どおりに開会宣言をされている。
ところが今回、天皇陛下はこの文言の「祝い」を「記念する」に変更し、「私は、ここに、第32回近代オリンピアードを記念する、東京大会の開会を宣言します」と言われたのだ。
英文で「祝い」は「celebrating」であり、これを「記念する」としたのはギリギリの「意訳」である。
だがわしは「第32回近代オリンピアードを祝い」と言っていただきたかった。
この文言の変更は、宮内庁が「天皇陛下がコロナ禍での五輪開催を祝福していると誤解を招く」と懸念して行ったと報じられているが、もちろん、こんな変更が天皇陛下のご意思と無関係に行われるはずがない。
わざわざ「祝い」という言葉を使わなかったのは、やはり陛下ご自身が新型コロナを本当に怖い病気だと信じ込んでいるからだろう。
天皇陛下は新型コロナについては、政府からの情報しか受けていない。昨年4月と11月には、あの尾身茂がご進講を行って直接説明しており、陛下は尾身を相当に信用していると思われる。だからこそ尾身は、首相よりも偉そうに見えるほど大きな態度が取れるのだ。
尾身は五輪開催5週間前の6月18日、「五輪は無観客が望ましい」と提言したが、有観客開催に意欲を燃やしていた菅義偉首相は、提言を受け入れるかどうかを明言しなかった。
その4日後の22日、菅は天皇へ内奏を行った。その内容は一切公表されないが、当然ここで五輪に関する報告が行われ、観客問題も話題に出たはずだ。
さらに2日後の6月24日、宮内庁の西村泰彦長官は定例会見で、天皇陛下が「五輪・パラリンピックの開催が感染拡大につながらないか、ご懸念、ご心配であると拝察する」と異例の発言を行い、大きなニュースになった。
もちろんこれも、宮内庁長官が勝手に憶測を言うことなどない。例によってこれは、天皇陛下が自ら語れないご意思を世に伝える際に使う奥の手だ。
西村長官は警察官僚出身で警視総監まで出世し、安倍政権で内閣危機管理監を務めた後、宮内庁次長に転じて長官に昇進した。
この人事は安倍政権が宮内庁を支配下に置き、皇室までもコントロールしようとしたものだったのだが、その目論見は完全に外れた。
西村は実直な能吏タイプで、安倍政権の危機管理監を務めたからといって政権の言いなりになるつもりなどさらさらなく、宮内庁長官になったからには実直に天皇陛下にお仕えしようとする人物だったのだ。
だからこそ政権に都合の悪い「天皇陛下がオリ・パラに懸念」という発言もしたわけだし、それが天皇陛下の本心であることも間違いない。
そしてこれを機に菅首相の態度はずるずると後退していき、その後の「感染拡大」の影響もあって、五輪は無観客で開催されることになったのだ。
あくまでも推測ではあるが、天皇陛下は尾身の提言を強く意識して、内奏の際に菅に五輪は無観客にはできないのかと尋ね、菅はこれに明確な答えを避け、有観客に含みを残したのだろう。それで2日後に宮内庁長官があの発言をした。菅はこれで、天皇陛下がそこまで強く無観客開催を望んでいるということを思い知らされ、方針転換を余儀なくされたのではないか。
コメント
コメントを書く>328 ただし様
いつも監視活動お疲れ様です。
私も全部ではありませんが、田代医師の映像見ておりました。
私も、一人の患者さんが生きるか死ぬかの切羽詰まった状況で、自分のところ
のスタッフに一部始終を撮らせていることに、違和感しか感じませんでした。
もう何というか、自分のところの宣伝に後から使えるかもね、何ならTV局
に取り上げてもらおうという打算が透けて見えるようで・・・。
お亡くなりになった方、ご遺族さまにとんでもなく失礼でもあるように思い
ました。
いるとしか思えない
>>332
この善人ってのが、東浩紀的に言うと21世紀型の人間だと思う
>>317
青ネギさん
「一日も早くこんなバカ騒ぎが終わって欲しい」と心の底から思っている人は、
メディアの扇動のせいで「コロナは怖いなあ」と思っていても、何らかの違和感がずっとあるだろうと思います。
なので、インフォデミックだということに気づけば、過剰な恐れから解放されてスッキリすると思います。
そして、インフォデミックを蔓延させた「主犯」の方へと「公憤」が向けられるでしょう。
そうではなく、この非日常(祝祭)が長く続けばいいのに、と思っている人は、
自分の厭世気分を勝手に投影させて鬱憤(私憤)をぶつけていたり、
この非日常(祝祭)で自分にスポットライトが当たったものだから、
自分の中のエゴイズムやナルシシズムなどが承認欲求となって溢れ出てしまっている人だったり、
とにかく、ひたすら自分の欲得ずくだったり、ということでしょう。
Q&Aの回答にあてはまるのは「自分の厭世気分を勝手に投影させて鬱憤をぶつけている」人だと思います。
そういう人は、妬みで視野が狭くなっているので、
「一日も早くこんなバカ騒ぎが終わって欲しい」と心底から考えている人達が、コロナ禍(マスコミ禍)の為に追い詰められていることなんか、
目に入らないのです。
>>327
希蝶さん
希蝶さんの方も、大変だと思いますが、お一人で背負いこみ過ぎずに、頼れそうなところには頼って、やっていってください。
私もいろんな方々に助けて戴いて、何とかやっております。
ウチの親もテレビしか情報がないもんだから、めっちゃコロナ脳で困りますわ。
中川淳一郎さんが離縁するという気持ちもわかります、「ワクチン打て打て!」とあまりにもうるさい時はそうしてやろうと思います、本当にはしませんけどね。
結局自分を理論で納得させられないものだから、同調圧力をかけてるんですよ。
だからそういう時は言ってやろうと思います。
日本もかつては、悲惨で無謀な戦争をしたんだよな?
それを、なぜ誰も止められなかったか?今はわかる気がするわ・・・・。
こんばんは、ライジング配信ありがとうございますvv
ゴーマニズム宣言・第431回「天皇陛下・眞子さま・小室氏」を読んで。
尾身会長が天皇陛下に信頼されているのをいいことに、コロナ恐怖煽りを続けることは、陛下の信頼への裏切りです。
自分を信じてくださる天皇陛下を欺いていることに、良心の呵責が全くない証です。
木蘭さんのトンデモ見聞録・第225回「マウントをとる“煽り医者”がわかっていない患者虐待の実態」を読んで。
コロナを指定感染症2類扱いにし続ける理由が、自分たちの儲けのため、マウントを取って自分のプライドを満たすため、目立って自分に酔いしれたいだけなら、今すぐにでも医者を辞めるべきです。
コロナを5類扱いにしていれば回復されたであろう方が、2類扱いのせいで重症化するまで放置され、手遅れになって死ぬことがあってはならないのです。
国体のあり方について 今更ながら、今だからこそ考えてみました。
『天皇論』小林よしのり先生著 2009年6月9日第1刷発行 より
まず、「国体」とは、天皇を中心とする二千年来の日本の国家体制 と、定義されています。
天皇が、立憲制国家にも関わらず、異例のご決断をされたことがあります。
「ポツダム宣言受諾をめぐる御前会議が紛糾、ついに結論が出せなくなった。その時、全く異例のことながら、天皇の聖断(ご意見)を仰ぐことになった」 ポツダム宣言受諾の意を天皇は表明される。(本来、天皇は行政に口を挟んではならない)後に昭和天皇は
「当時私の決心は第一にこのままでは、日本民族が亡びて終ふ。私は赤子を保護することは出来ない。第二に国体護持のことで木戸も同意見であったが、敵が伊勢湾付近に上陸すれば、伊勢熱田両神宮は、直ちに敵の制圧下に入り、神器の移動の余裕はなく、その確保の見込みが立たない。それでは国体護持は難しい。故にこの際、私の一身は犠牲にしても講話せねばならぬとと思った」と述べられている。
(続き)「『三種の神器』を守ることは国を守ることそのものであり、天皇がそれにこだわったのは、当然である」
「しかし『国民』と『三種の神器』のどちらを優先するかという究極の選択では、『大御宝』である国民が第一だと語っておられた!」 これは、神話ではありません。昭和の時代のお話です。そして、昭和天皇は、我々国民を『大御宝』と仰ってくださる。小林先生は「現在まがりなりにも『日本』という国が存在し、我々が安穏として暮らしていられるのは、あの時、どんな犠牲を払ってでも天皇を守ったからである」と我々国民も天皇をお守りしようと懸命だったことを伝える。さらに一般庶民がいかに天皇をお慕いしていたかを森登代子氏『今世民衆天皇即位式拝見』の例をあげてこう論じる。
「このような『天皇と民』の関係が古代から江戸時代を通じて持続していたから幕末には『一君万民』の思想として登場してくる」そして、「天皇は公的統治の理念上の体現者であり民を『大御宝』として大事にする。民は私的支配を受けない存在として天皇の『大御心』を戴く」と、天皇と国民の相思相愛の仲を説く。
(続き)「この民の信頼を尊敬によって、天皇の権威は支えられている」「その権威によって、日本は安定した社会を築くことができるのである」と。
そして、そのような天皇と国民の濃密な信頼関係の存在を述べた上で
「天皇は絶対神でもなければ独裁者でもない」そして、天皇と考えが違った時「わしは逆賊になる!」まなぼん「ええ!?天皇を敬愛しているんでしょ?」「もちろん」「だが、個人崇拝はしない」『思考停止に陥るようなことは、わしの場合、絶対ない!」「だから、いざという時は西郷隆盛のように逆賊になることも覚悟しておかねばならんだろう!」
「天皇が自らの存在を国民の意のままに委ね独裁者の登場の道を開いたり、共産主義、全体主義、収容所列島にこの国を導く危険をわしは断固阻止する!」「わしは、天皇の御言葉に反しても日本の伝統を強制する悪役に徹していこうと思っている」
(続き)しかし、最後には小林先生は言われる。
「天皇は我々の魂の中にある! 天皇を中心においた『支配なき自己統治』こそが日本の国体なのである!」と。
話を最初に戻しますが、昭和天皇が行った立憲的制度に反した例外の御聖断については、
「戦争を終わらせたあの有名な『聖断』は、本来責任を負うべき内閣が機能不全に陥ったためのあくまでも例外的行為」と先生は言われています。現在、日本は非常に危機的状況にあり、しかも「内閣が機能不全に陥った」状態とほぼ考えて良いのではと、思っています。それは、倉持さんも憲法上で日本の現状をそのように述べられていたと思います。
私は、陛下に是非とも新型コロナについて、そして、ワクチンについての真実(データに基づく)を知って頂きたく思います。先生の仰るような「逆賊」になってもかまいません。
それにしましても、小林先生のこのぶれない思想の見事さよ!
『天皇論』一冊、しかも最後の2章のみでここまで言うことができました。本当に素晴らしい思想家だと思います。難しいことの分からない私ですが、先生がこうして漫画にして下さって、随分助かりました。改めましてありがとうございます。私も立派な「逆賊」になります!
訂正 「最後の2章」→「最後の3章」