第17号 2012.12.11発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・
小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、
AKB48ブームから現代社会を掘り下げる(本当は新参ヲタの応援記!?)
「今週のAKB48」、よしりんの愛用品を紹介していく「今週の一品」、
漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと
紹介する「よしりん漫画宝庫」、『おぼっちゃまくん』があなたの
人生相談に真剣回答!「おぼっちゃまくん人生相談~言われたとおりに
生きるぶぁい~」、読者との「Q&Aコーナー」、秘書によるよしりん
観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。
(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」慰安婦問題は、日本人の認識を遥かに超えて、
ここまで深刻化していた!!もはや「内弁慶」では到底解決できない
という衝撃の事実が明らかになる!
※「経済不況」「デフレ経済」「若者の○○離れ」…そんな中、同じ
CDを何枚も買ってしまう消費者の心理とは、一体何なのか!?
「今週のAKB48」は、AKB48から日本の経済状況を分析!!
※今週の「おぼっちゃまくん人生相談」も爆笑必至!男の嫉妬、
ロシア人女性との浮気未遂事件、仕事上の人間関係、ホモ疑惑、
妻への不満、まさかの中○れ事件、アイドル化する子供たち、
貧乏人のプレゼント…等々、人の悩みはまだまだ尽きない!!
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言
第20回「慰安婦問題は「内弁慶」には解決できない」
2. 今週の一品・16品目「ハンカチ」
3. 今週のAKB48・第18回「デフレでも売れるモノは売れる」
4. よしりん企画、その風景・第2回「資料書籍入り段ボールの壁」
5. おぼっちゃまくん人生相談~言われたとおりに生きるぶぁい~
第76悶~第84悶
6. よしりん漫画宝庫・第17回「『角栄生きる』③情も武器だ!!」
7. Q&Aコーナー
8. 今週のよしりん
第17回「悠仁さま、お一人になってしまったら…」
9. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
10. 読者から寄せられた感想・ご要望など
11. 編集後記
第20回
「慰安婦問題は「内弁慶」には解決できない」
衆議院選挙投票日は次の日曜・16日に迫っているが、どこの情勢調査でも
自民党の圧勝と報じている。
「自民党が単独過半数の勢い!? 自民がダメで民主、ほんで民主が
ダメで自民?!はぁ?この国の大人はどうかしてますね。狂った大人達に
日本任せてたらもうダメ、若者の皆さん選挙に行こう!」
これは、お笑い芸人のたむらけんじがツイッターに書いたものだが、
ほとんど同感と言っていい。ところがこう書いたら自民党支持者が押し
かけて「炎上」になってしまい、脅迫まがいのメッセージまで寄せられた
という。例によってネトウヨ親衛隊の仕業だろう。
たむけんの発言には支持の声もあるらしいからまだいいが、ネトウヨ・
クレーマーの抗議を受けて謝罪というパターンが繰り返されたために、
安倍晋三のお腹の調子について懸念を示すことは、いつの間にかタブーに
なってしまっている。
ネトウヨ総裁・安倍晋三は、このままネトウヨ総理への道まっしぐらだ。
ネトウヨの本質は「内弁慶」である。威勢よく、攻撃的に発言している
ように見えるが、それはあくまでも、内にこもって匿名で、しかも束に
ならなければ何もできないのだ。しかもその実態は、社会にすら出て
いないニートやひきこもりだったりする。
そして安倍晋三も典型的な「内弁慶」である。勇ましいことを言うのは
国内に向かってだけ。外交の場に出たらたちまちヘタレるのは今まで散々
見てきたし、今後もそうであろうことは、首相就任後の靖国神社参拝に
ついて、早くも「行くとも行かないとも言わない」と発言していることで
明々白々ではないか。
ネトウヨと安倍晋三、相性が合うはずである。
さて、いわゆる「従軍慰安婦問題」についてだが、安倍晋三が誇らしげに
「できることしか書かない」と言い切った政権公約では、「重点政策集」の
項目130「領土・主権・歴史問題に関する研究機関の新設」で次のように
明記している。
「領土問題に関する歴史的・学術的な調査・研究を行う機関を新設します。
新機関は研究成果を活用し、国内及び国際社会に対し、法と歴史に基づく
日本の主張について普及・啓発、広報活動を行います。また、各種の戦後
補償裁判やいわゆる慰安婦問題の言説などにおいて、歴史的事実に反する
不当な主張が公然となされ、わが国の名誉が著しく損なわれています。
これらに対しても新機関の研究を活用し、的確な反論・反証を行います」
これに関連して安倍晋三は、11月30日に行われた日本記者クラブ主催の
党首討論会で、朝日新聞の星浩記者の質問に対して、「従軍慰安婦問題」は
朝日新聞の誤報によって、吉田清治という詐欺師のような男が書いた本が
事実のように伝わってしまったものであって、人さらいのように慰安婦を
強制連行したという事実は証明されていないと答え、有識者会議を設置
して、慰安婦の「強制性」を認めた「河野談話」の見直しにかかる意向を
示した。
朝日新聞の記者に対して「従軍慰安婦問題は朝日の誤報のせいだ」と
言った、これだけでネトウヨ連中は拍手喝采状態である。
確かに、このこと自体は正しい。だが、これは今や完全に国内だけの
議論であって、これをいくら言っても国際的には全く日本の名誉回復には
ならず、むしろ逆効果にすらなるということを、安倍晋三もネトウヨ、
自称保守連中も一切理解していない。
「世界」12月号で元外交官・東郷和彦が、自称保守たちが目をふさいで
いる現状を報告している。
東郷和彦といえば、外務省時代には鈴木宗男と蜜月で、北方領土二島
先行返還論を主張したことなどでとかく保守派には評判の悪い人物だが、
このレポートは決して軽視できないものである。
東郷はこう警告している。
「自民党新政権ができた場合の対応如何によっては、この問題は日韓二国間
関係を越え、米国を始めとする欧米諸国と日本との間に計り知れない
深刻な対立を引き起こす可能性がある。
万一そのような対立に至った場合には、日本は完全な国際的孤立に陥り、
戦後日本外交の中でも最大の外交敗北を引き起こしかねない。
しかも、この問題が国際的に如何に大きな火種を有しているかが、日本
国内では、まったくと言っていいほど、報道されていない」
東郷は「慰安婦の奴隷狩り的な強制連行はなかった」ということ自体は
「必ずしも誤りでない」ものの、それを議論するのは「日本国内でしか
通用しないガラパゴス化現象」であり、国際的には通用しないと指摘する。
「ガラパゴス化」とは不愉快な表現だが、事実なのだから仕方がない。
サヨクは「従軍慰安婦問題」をでっち上げる際、最初は最もインパクト
の強い吉田清治の証言を使って「奴隷狩り的強制連行」のイメージを
流布した。
そして、それがウソだとばれ始めると、「売春業者が甘言を弄して騙す
などして、本人の意思に反して性を売らされた『広義の強制』があった」
と話をすり替え、「強制連行があったかなかったかは、問題ではない」
と言い出した。
サヨクたちは海外でも全く同じことをやり、すっかり「強制連行が
あったかなかったかは、問題ではない」ということにしてしまったのだ。
海外ではとっくに完全に問題がすり替えられてしまっているのに、
安倍晋三は今なお「強制連行はなかった」ということだけを繰り返し、
それさえ言えば問題が解決すると思い込んでいる。まさにガラパゴス
なのである。
安倍晋三が総理在任中だった2007年5月、東郷が米国人から言われた
ことを紹介しているが、これは衝撃的な内容である。
コメント
コメントを書くこんばんは。毎週の配信楽しみにしております。
以前、トッキーさんのブログにコメントを使っていただいてありがとうございました。
遅くなりましたが御礼申し上げます。
さて、今回の選挙ですが私は残念ながら投票しに行く事が出来ません。
海外出張中で当初二ヶ月の予定が半月延び、一ヶ月伸び、来年まで帰国する事が出来ません。
上の方の威勢はいいけれど現実を無視した計画でトラブルが多発、しわ寄せが下の方や多方面に・・・と
以前泰緬鉄道やインパール作戦に関する本を読んでいた時は無謀さに呆れたりもしましたが
あそこまで酷くないとはいえ似たような事が自分の身に降りかかることになろうとは。
「大東亜論」は今度の新刊と一緒に帰国した時の楽しみにとっておきます。
もし、今度の日曜日に日本に瞬間移動して投票に行く事が出来るなら日本未来の党に入れるでしょう。
女性宮家の件と自民党への対抗軸という点で民主党にすべきかと迷う所ではありますが。
ライジングの刊行に関しては週一回、大ボリュームを一気に読みたい派です。
ただ会員数の増加やよしりん企画の負担軽減に役立つのであれば週二回の分割もいいかなとも思います。
葉書のボツを恐れずに乗り越えて腕を磨いていく者がいたから「ハガキ職人」という言葉が生まれたように
自分自身を常に鍛え上げていきたいものです。
毎週の返信と質問への回答、ありがとうございます。
先生が「すべらない話」を大好きだと知り、質問者として安心、興奮しております。
「すべってる話もあると思う」という辛口の先生には、未公開の話が収録されて、発売されているDVDをお薦めします。(3大会収録の最新DVD-BOXには、私の見た所、大便の話が多数)これで、毎週の配信への感想が書きやすくなります。「いや~、先生とみなぼんのやりとり、すべらんな~」手抜きでしょうか。それでは加えて「いや~、慰安婦問題、すべってるな~」いかがでしょうか。
岸端さんは「すべらない話」はお好きでしょうか? そうならば、好きなプレーヤーはおられるでしょうか? これはいつか先生に訊いてみようかと、今のところ思っています。
寒い日が続きますが、体に気を付け、頑張ってください。
前略。小林先生始め、各師範方のご意見を参考にした上で、今回は「民主党に投票する」と決めます。まゆゆじゃありませんが、野田首相がTPP参加を表明したことを「まだ許したわけではありません」。しかし、脱原発と皇位継承問題の2点において、今回の選挙結果がどうであれ、まだまだ民主党には影響力を持っていてもらわなければ困ると感じました。
個人的に、自民党の西田昌司議員の今後の動向が気になります。西田議員はかねてから構造改革を批判しており、TPPにも反対のはずです。野田首相がTPP参加を表明した時には、やはり強く批判していましたが、同じことが安倍氏に対してもできるのかどうか。野党の立場でしかモノが言えないのか、それともかつての平沼氏のような離党してでも意思を曲げない気骨を持っているのか、よくよく注目しておこうと思っています。
それと、これは一読者としての希望なのですが……選挙後、小林先生と野田首相との対談を読んでみたいです。
とにかく今は、16日の選挙結果を待つことにします。「希望の国」になる可能性はまだ残っているのか、やっぱり「失望の国」なのか……これからが、果てしない戦いの始まりですね。
p.s.カレー千衛兵さんがお元気そうで、良かったです。
>>54 童人さんへ
2012年は、公・私ともに、ネット・現実ともに色々あって、全然元気では無いのですが・・・、【小林よしのりライジング】を読むと、たちまち元気が出てしまうんですネ♪♪
【小林よしのりライジング】における「コール&レスポンス」のダイナミズムには、
抜かれっぱなしです、私のドギモ (^O^)
我々のような一庶民が、小林先生、みなぼんさん、トッキーさんと、やり取りができてしまっていることは、決して『当たり前の事』ではなく、本当に『有り難い事』だと感謝しています。
童人さんは今、中学生を教える先生なんですね。
私は「子供に関わる仕事」というのは素晴らしいと思っています☆
そう!童人さん【ゆいはん】推しなんやね(^O^) やっぱり童人さんは分かってはる人やなぁ♪
会社の同僚が「よしりんは全然ゆいはんを推してないやんけ!」って怒ってましたよ(笑)
ようやくクレジットカードをゲットして、ライジングが読めるように復活しました。
みなぼんさんは優秀な秘書さんですね~
みなぼんさんのような方と一緒に仕事ができたら楽しいだろうなと思います。
よしりんが羨ましい…
今週号の少年ジャンプのこち亀にて、両さんが紛争地域に赴き「ともだちんこ」の力で紛争解決
してしまいました。
動画や活字で八面六臂の活躍のよしりんですが、やはり本質は漫画の人。
生み出すギャグは世界平和にも貢献するポテンシャルがあるのですよ。
やはりよしりんは政治家になっちゃ駄目かもしれませぬな。
こんにチワワ!よしりん永久推し、みなぼん一推しのアッシュです!
自民党に期待されている人が多いと言われていますが、過去と現在の安倍の言動と行動を振り返ると、これ程説得力のない人は中々居ないんじゃないかと思ってしまいます。
従軍慰安婦問題によしりんが着手されて、日本人の認識が180°変わり、私たちの祖父たちの汚名を晴らしてくれました。
それだけに、言うだけ番長の様な内弁慶が蔓延っている現状に怒りを覚えます。
故郷を護るために、命がけで戦った先祖を票稼ぎや自分のちっぽけなプライドを守る道具に使う連中を出来る事なら引っ叩きたい気持ちでいっぱいです。
慰安婦問題は終わっていない。今後は国内ではなく、諸外国と戦っていかなければならないでしょう。
そのために、冷静でパトリを持つ健康な愛国心を持つ日本人が生まて欲しいです。
話は変わりますが、おぼっちゃまくんの人生相談では、今回も名言が沢山ありましたね!
特に、男心のわかる女に惚れるには目から鱗が滝の様に落ちました(笑)
今週のよしりんを読むと、みなぼん編集長の『遊びましょう!』発言がそれに当てはまると個人的に睨んでます。
みなぼん編集長の様に男をたてて、なおかつ自分の欲求もぶつけてくれる女性が近くに居てくれたら、男が生き生きするんじゃないですかねえ?
それと、週三回の分割配信は賛成です!
週三回も更新されるって事は楽しみが増えることですから、逆にラッキーかも?と考えてますよ。
それでは、来週の火曜日をお待ちしてます!
お疲れ様でした!
国内では尖閣などで内外の現実を無視し強硬で勇ましくまた排外主義的な意見を言う人達。
彼等は自分達では「保守派」と思っているのかもしれませんが、それらの意見に反対している人も彼等を「保守派」と思っているのではないでしょうか。
サヨクや左翼も私が見聞きした限りでは「憲法改正や諸外国に強気にでる過激な意見」という感じです。
過激な意見というのは先生と同意見なのですが、サヨク達も無知かあえて利用しているのか彼等を「批判」する事により保守的考え自体にネガティブなイメージを植えつけているように思えます。
また私見ですが知らない人にとってはそれら「保守派」と激しく論戦しおおいに批判を加えている先生も「同じ穴の狢の右翼」と思われているのかと思うと忸怩たる思いです。
今週のライジングは『Q&Aコーナー』の回答に格言が多くて、格言好きな自分には垂涎の内容でした。
特にみなぼん編集長の諦めない事に関する回答と、よしりん先生の粘っこい誇りの回答は、現場のプロを目指す者にとって、これほど前進する勇気を貰える言葉は他にないんじゃないの!?と思ってしまいました。
あと、ポカQさんの愛称にはそんな裏話があったなんて・・・申し訳ありませんが、爆笑してしまいました(^^;;
ポカQさん、応援していますので、これからも良質な作品作り頑張って下さい!
そして、今週はUGN48の発表があって、「へへ!よしりん先生の狂気が爆発するぜ!」と思って見てたんですが、至極冷静な目線を持ってメンバーを選んでいて、推しメンとかの枠を超えて、本気でAKBグループを愛しているんだなぁ、と感じました。
また、指原莉乃との対談についての動画も拝見しましたが、意外な暴露話等があって見てるこっちがヒヤヒヤしてしまいました(^^;;
ライジングの連載サイクルですが、週2〜3回の分割ライジングも、どんなものか見てみたいので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
ライジングが有る限り、自分はずっと購読し続けるので、これからも頑張って下さい!
今晩は。
これまで「よしりん漫画宝庫」で様々な漫画が紹介されてきましたが、今回ほどトッキーさんが
羨ましいと思ったことはありません!!札平の渾身の叫びが気になってきになって仕方ないです!!
そこだけでもアップしていただけないでしょうか?
今回の「ゴーマニズム宣言」で安倍晋三を茶化すイラストはこれまでのライジングに掲載されたイラストの中で
一番愉快で笑いました。
でも、そんな笑いも内容を読んで吹き飛んでしまいました。慰安婦問題を世界中に広めた左翼に
考えもなしに広告を掲載したホシュ、なんの抵抗もせずに頭を下げた安倍晋三に憤慨し、アメリカだけでなく
オランダ、カナダ、EUまで同様の決議を採択していたことに絶望しました。
日本国内でも相当の圧力や抗議があったのに、世界を相手に正当性を訴えるにはよほど緻密で隙のない
計算された戦略が必要ではないでしょうか。それを今の政府にやれるとは思えません。
僕たちはまた祖父たちの想いを踏み躙ってしまうのでしょうか。