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記事 13件
  • 「52」

    2021-05-31 07:00  
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      半世紀以上生きて来て、こんな1年はおそらく初めてだ。
     

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  • 「僕らは忘れてしまうのではない、ただ思い出せなくなるだけなのだ」

    2021-05-28 07:00  
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    「てんじんがしまってどこ?」
     3歳だった去年中止になっただけで、1歳、2歳と毎年遠足に行っていた場所のことを4歳の娘は当時の写真を見てもまるで憶えていなかった。
     

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  • 「グライダー」

    2021-05-26 07:00  
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     遠浅の透き通った海がどこまでも広がっている。誰もいないのを確認して、スポーツ用のマスクを外す。潮の香りを含んだ朝の冷たい空気が肺に流れ込んでくる。身体を蝕んでいた淀んだものと一緒に吐き出す。乱れていた呼吸が規則正しく整っていく。平日の海沿いの国道は車通りもほとんどない。海岸線に沿ってゆるやかな曲線を描くその道をただ黙々と走っていく。
     

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  • 「白い蝶」

    2021-05-24 07:00  
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     週に一度、娘と二人だけで夕食を採る。午後四時を回ったら仕事を切り上げ、洗濯物を取り込み、夕食を作り、浴槽に湯を張ってから保育園に娘を迎えにいく。と、改めて文字にすると自分の行動じゃないみたいだ。与えられた役を演じているような人格の乖離。「晩飯なに食べようかな?」と考えながらラブシーンをこなしている俳優の気分だ。やったことないから想像でしかないのだけれど。
     

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  • 「きょうはなんようび?」

    2021-05-21 07:00  
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     人はいつから時間と曜日に縛られているのだろう。いつからか茫漠と感じていたことがようやく判明した。
     

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  • 「鉛色の海と空」

    2021-05-19 07:00  
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     海と空が重たい鉛色に染まり始めた。梅雨入りが遠くないことの合図だ。湿気を含み始めた空気を強い風が吹き飛ばそうとするけれど、雨雲の到着を早めるのと波のうねりを大きくするのとでかえって状況は悪くなっていく。
     

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  • 「世界から遠く離れて」

    2021-05-17 07:00  
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     町の防災無線が不要不急の外出を控えるよう繰り返し警告していた週末の朝だった。渋滞の始まった下り線を横目に海沿いの国道を山側に右折する。隧道を抜けるとそこには海の眩しさまでたった五分なんて信じられない光景が広がる。新緑の里山。山頂から流れていく穏やかな川の両脇には尾根伝いに畑が続いている。 車を降りると、僕らは苗を載せたケースを抱え、その一画にある菜園へと向かった。
     

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  • 「仲間の頑張っている姿が、歩き続ける力になる。」

    2021-05-14 07:00  
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     友達の少ない僕にも、仲間と呼べる人たちはいる。今は会えない人も多いけれど、その人たちを思い浮かべるたびに、苦楽を共にした様々な場面が甦ってくる。人生に輝きをくれた仕事。生涯忘れ得ぬ幾つもの旅―――。
     

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  • 「彩雲」

    2021-05-12 07:00  
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     高齢の母を孫に会わせておこう。そう思ったのは、むしろここからが本当の地獄の始まりだと感じたからだ。この一年に渡る非日常は単なる予行演習に過ぎなかった。誰もがこれまでにない恐怖に震える本当の地獄がもう波打ち際まで迫っている。そんな予感がしたからだ。
     

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  • 「好きな海を嫌いになって欲しくない」

    2021-05-10 07:00  
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     連休明けの誰もいない浜辺をランニングしていた朝のことだ。地元の小学生が三十名ほど列を為してやってきた。赤青黄色の体育帽子。一年生から三年生くらいだろうか。遠足か何かかなと思っていると、おもむろにリュックの中からビニール袋とトングをひとり一つずつ取り出して、浜のゴミ拾いを始めた。
     

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