『Fate/Zero』の衛宮切嗣や『めだかボックス』の球磨川禊、そして『コードギアス』のルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。かれらは一様に不可能とも思える高い理想をかかげ、それに向かって邁進していくも、望んだ結果を得られません。さて、その彼らの共通項ですが……僕なりの言葉で語ると「何か理屈倒れになっちゃっている所?」みたいな話になってくるのですが、もう少し違う角度で詰めると……「自己主張を貫くために、気がつくと“世界全部”を敵に回して、勝ち目が極めて薄い戦いに追い込まれている」とでも言いましょうか?
もう一つは「弱い自分を護り隠すために、極めて強いペルソナ(心的仮面)をかぶっているが、けっこう要所々で、その弱い自分が、やや、ダダモレになっている」所ですね。おそらく、このキャラ毎にある、ある種の二面性というか、そのギャップの部分にしびれて人気が出ているんじゃないかと想像します。
弱いなら弱いままで。
『ガッチャマンクラウズ』のはじめちゃんはゼロ年代ヒーローを超克する「正しい」主人公。(2351文字)
どこが話題で人気なんだというひともいるでしょうが、少なくともぼくのまわりでは絶賛の嵐、マストの作品として認識されていますね。
なんとあの敷居さんまで冬眠から目覚めて記事を書くという異常事態(http://d.hatena.ne.jp/sikii_j/20130825/p1)。
ひさびさにまわりのほぼ全員でひとつの作品をリアルタイムに追いかけてああでもないこうでもないと語りあう喜びを満喫しています。作品完結の前に気づいて良かった!
この作品の文脈についてくわしいことは以下に以前に書いたのでそちらを読んでください(http://ch.nicovideo.jp/cayenne3030/blomaga/ar322009)。
この記事を書いたあと、最新の第7話を見たのですが、やっぱり凄いとしか云いようがない。
なかでも印象的だったのはやっぱり主人公のはじめちゃんの行動。
特にあっさりケータイを切ってしまうところは「おお、こうやって大衆からの無限責任追及を回避するのか!」と感動してしまいました。これについてはまた別立てで記事にしたいと思います。
しかし、この一の瀬はじめというキャラクターのおもしろさはやはり文脈を押さえていないとわかりづらいところがあるかもしれない。
一部ではアホの子扱いされていたくらいですからね。さすがに物語がここまで来た時点では彼女の凄さに気づいていないひとはいないと思うけれど――いるのかなあ。
少し前にLDさんのブログで、いま、「間違えた道のまま突っ走っている」キャラクターが流行っているという話がありました。
はじめちゃんはこういった「間違えた方向に全力疾走」系の主人公と対極にある「正しい」女の子なのです!
LDさんはその種の「正しい」キャラクターを「王」と名づけているらしい。少々長くなりますが、その部分についても上記記事から引用させてもらいましょう。
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