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 「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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 今回は、2026年1月27日(火)配信のテキストをお届けします。

 次回は、2026年02月10日(火)20:00の配信です。

 お楽しみに!

2026-01-27配信のハイライト

  • 「受験はオンラインで」と「試験すべきことを試験する」
  • 「金持ちが責められなくなった日本」と「社会保障費を所得税に」
  • 「リベラルと新自由主義」と「プルデンシャル生命の大規模不正」
  • 「中国でEV大型トラック普及」と「中国軍幹部の粛清」
  • アメリカ国内の混乱と経済
  • 「未解決問題を解いたAI」と「AI災害のパターン」

「受験はオンラインで」と「試験すべきことを試験する」

山路:この1月の半ば、この前共通テストがあったばかりなんですけど、さすがにこの番組見てる人はあんまり受験生いないんじゃないかという気もするんですが。こんばんは、どうもどうも。さっそく共通テスト、回答とか新聞にも警察されてるじゃないですか、問題文とか。

小飼:その前に、その前日に天候が荒れに荒れて、山手線動くのかとかって言ってなかった?

山路:なんかまあ無事だったみたいですけどね、幸いにして。

小飼:それが無事だったっていって、よく共通テストがあってその間に楽天候とかで電車が潰れちゃって、タクシーが運んでくれたとかっていうのが美談になってるじゃないですか、バッカがと、バカが、と、

山路:もう仕組みとしてくれと(笑)、

小飼:あのさ、けっこう集団的な不正があったとはいえさ、TOEICとかさ、もうとっくにオンラインでできるようになってるわけで。共通テストって確か選択式だよね、

山路:マークシートですね、

小飼:要は答えを手書きさせたり、要は自由回答ではないですよ、選択式ですよね、オンラインでできるじゃん。

山路:まあ、そこで不正を、

小飼:なんでオンラインでやらないの?

山路:不正をどう防ぐかっていうことになってくるんじゃないですか?

小飼:いや、だからそれこそ、たとえばTOEICとかっていうのはカメラがある機材を使うわけですよね。だから、受験生は監視下で受けるわけで、それでもたとえばチーティングの余地というのはあるわけですけども。それは人間が管理してても完璧じゃないわけですよ。

山路:これ、弾さんの言うオンラインっていうのは、それぞれの個人宅っていうんじゃなくて、そういう通信設備のあるところに集めるということ?

小飼:そういう妥協でもいいし、でも本来であれば個人宅でできるようにすべきです。だってTOEICができてるじゃん。実例があるじゃん。実際の受験の時には、たとえばTOEICの点数ですとか、たとえば日本の英語検定の2級以上とかっていうのは、ちゃんと評価されるわけじゃないですか。そういったものというのは共通テストというのは別にやってるわけです。いや、だから本当に誰得なの? 実際に大学にお勤めの方の怨嗟が、毎年その頃に聞こえてくるわけですよね。いや、だからなんでこんなことやらなければいけないの、とか。だからお前らが文句言えよと。本当にお前らが悪い、はっきり言って。

山路:そういうことに声を上げない大学関係者、

小飼:そういうことに声を上げない、お前らが悪い。

山路:その話にもまさに直に関わってくることなんですけども、最新版のAIに解かせてみると得点率が97パーセントだと。

小飼:そうなんですよ。これから皆さんは何を読み取ります? いろんなことを読み取れると思うんですけど。山路さんはどう思った?

山路:受験生のモチベーションが下がること、多そうな気もしますね。

小飼:ああ、受験生のモチベーションが下がると。要はAIのほうがマシだと。

山路:もうそれって選別基準になり得るのか、みたいなことはちょっと考えてしまいますね。

小飼:でも僕は受験生ではなくて、作問者のほうがダメージ受けてると思うんですよ。受けるべきなんですよ。要は試験すべきことを試験する、テストすべきことをテストするんじゃなくて、採点しやすい問題ばっかり出し続けてきたんじゃないの、っていう。前々から言ってることだけれども。

山路:しかしこの、採点しづらいものとかでないと測れない能力、たとえばどういうものを測るような試験であったりするんでしょうか?

小飼:もうそれこそ実際の、たとえば数学能力、公式を覚えて解ける問題っていうのはあんまり良くないわけです。

山路:それこそ難関大学の二次試験みたいな形で、真っ白な紙にもう本当に回答を書かせる手順、

小飼:それはそれでやっぱり今度は採点者の裁量が出すぎるという、

山路:そうそうそう、

小飼:だから今回共通テストとかの話題ではないですけど、たぶん一番話題になったのは灘の国語の問題、詩の問題? ごめんなさい、あ、灘でよかったっけ? 灘だよな?

山路:えーと、ちょっとそのニュースは知らなかったんですけど、

小飼:はい、そこで出した詩というのがパレスチナの難民の子供の、

山路:あー、中学受験で出た、

小飼:だからそれを問題に出すことそのものを採点するほうはかなり持ち上げてたんですけれども、僕は「ふざけんな!」なんですよ。だから、お前らの血の色は何色だっていうふうに思いましたね。それって本当にたかだかお受験の問題にしていいのかと。

山路:どういう形の問題か、ちょっと私それを読んでなかったんで、

小飼:ちょっとそれはググって見てください。じつはどんな問題を作るのかっていうのも、絶対にバイアスが出るわけですよね。

山路:どういうふうにしてもバイアスって出ると思うんですよ、それこそ弾さんが言うように採点しやすい問題にしなかったら、じゃあそこでそれはちゃんと公正に測れるのか、

小飼:出題者のバイアスがあるわけです。共通テストっていうのは受験者が多いので、その辺はなるべくバイアスが出ないようにっていうのはものすごい気をつけてらっしゃると思うんですよ。でも、そもそも科目が、科目ですよ、まさに分かれてるっていうこと自体、採点者バイアスなんじゃないですか。

山路:それを言ったらもう(笑)、何て言うか、文科省のカリキュラムのところから、

小飼:いや全くその通り、何をどの時期にどれだけ教わっておくべきなのかっていうのは、それこそ本当に社会的な説問じゃん。本当にこの番組でも何度言ったかわかんないけれども、なんで簿記がないの? 義務教育の中に。僕は二次方程式は成人になる前には触れておくべき問題ではあるけれども、じゃあ簿記と二次方程式のどっちが重要か、どっちが切実かって言ったら、やっぱり簿記と答えざるを得ないです。

「文科省カリキュラムで日本は落ちぶれました、文系理系で分けるのも」(コメント)

小飼:どうなんだろうなー。一方アメリカという国は受験に関してはもう本当に英語しかないんです。

山路:個人の得意を見せるみたいな形での、

小飼:いちおう受験のこと、受験を英語ではentrance examっていうふうに訳されてはいるんですけども、そもそもアメリカにはそんなものないんですね。アプリケーションはあります。で、俺はいかに、貴校に、貴学って言っちゃいけないな、貴学にふさわしい人物かっていうのを延々とアピールするわけです。アピールする中で、たとえば共通、SATのような共通テストを使ったりするわけですけども、SATの点数とかって言ったらalumni、日本語で言うとOBとかOGですね、の推薦状の前にはもう本当に鼻紙みたいなもんです(笑)。

山路:めっちゃ簡単だって言ってましたよね、弾さん。ふざけんなみたいな。

小飼:SATの点数とかではなくて、いちおうそういう推薦状があれば必ず入れる組というのを全部満たした上で、残った部分を、

山路:コネで、

小飼:いや、だからコネで埋まらない部分というのを点数でやってるわけですよ。

山路:それで言うんだったら、アメリカの受験制度というか、大学とかの仕組みっていうのがうまく機能してるという、必ずしもそういうわけじゃないですよね?

小飼:何をもって機能してるか、ですよね。なんだかんだ言って、世界で一番自然科学系のノーベル賞を集めて、トランプは置いといて(笑)。

山路:それっていうのは他のところから呼んできた人だったりもするわけですよね。

小飼:呼べるわけです。

山路:今言ったSATとかで上がってくる人たちの優秀さみたいなのと、ちょっと断絶がないですか?

小飼:そういうのを混ぜるっていうのに効用があると。だから、完全にコネだけでもダメだし、完全に点数だけでもダメで、そういう連中が交わる環境を作るというのが肝要であるというのが彼らの結論で、だからそれは実績を伴ってるわけです。

山路:(アメリカは)科学と技術で世界一にはなっている、

小飼:その通りです。

山路:でも中国とかって、大学の仕組みってまたぜんぜん違いますよね。

小飼:そうですね。中国とかは日本よりもさらに受験の比率が高い国です、

山路:科挙の伝統で、

小飼:それでやっぱりうまくいってますし、そこからさらにアメリカとかイギリスとかに留学して、博士号を取って戻ってきてっていう。でも、その間にアメリカとかイギリスにいる間に結婚して、妻子もうけて、妻子アメリカに置いといてっていうのは、中国語でそういうエリートのことを裸族と言うそうです、

山路:はだか族と書いて、

小飼:裸族と書いて。

山路:全裸中年ではないわけだ(笑)、

小飼:そうなんですよ(嘆息)。

山路:なんで残念そうな声を出すんですか(笑)、

小飼:だって僕は日本語的な意味で裸族なので、

山路:ああ、家で(笑)、

小飼:布団にくるまってる時には特に何も着てないので。いや、それちょっと違うよと、

山路:ただそこまで国によって仕組みが違うって言うんだったら、それはつまり中国的なやり方にしたほうがいいとか、アメリカ的なやり方にしたほうがいいって、それだけで変わるもんでもないんじゃないですか?

小飼:なにを求めてるか、ですよね。平均の底上げを求めているのか、一番トップがどこまで上に上れるのかというのを求めているのか、というのでやっぱり変わってくると思います。たぶん今のところの正解というのは、下にいるうちというのは、要は点数方式で、

山路:下にいるっていうのは国としてってこと?

小飼:国としてというのか、そうですね、高校あたりまではお受験方式でも、要は受験の問題さえ適切であればいいし、その後はアメリカのようにそもさんせっぱ方式、要はすごい奴のお眼鏡にかなったやつが弟子になるという、

山路:大学に入るのに、日本は高校の延長上でやってるのが問題じゃないかっていうこと?

小飼:そうなんですよ、僕もちょっとさっき言い間違えてしまいましたけども「学」ですよね、大学ですよね、「校」じゃなくて。学校ではなくて大学なんですよ。違い分かりますか?

山路:スクールじゃなくて、学びに行くんじゃなくてっていうことですよね、大学とかっていうのはそれこそ院とかになっていくと自分で研究をする、とかそういうこと?

小飼:院の定義もあるんですけども、もちろん英語にもあって、英語の「校」というのはまさにスクールですよね。スクールでは正解を叩き込むんですよ。正解がある問題というのはそれが徹底に正しいし、特に重要なものというのは、正解から外れたら人が死んだり、牢屋に落ちたりするわけですよ。だからそういったものというのは本当にロースクールですとか、メディカルスクールですとかで叩き込むんですよね。

山路:ああそうか、ロースクールはスクールだもんな。

小飼:どちらもマスターズなんですよね。

山路:ん? ん?

小飼:日本語で言うと修士ですね。で、これがドクターになると、もう全く自由というのか、そもそも何を研究するのかっていうのも自分で決めなければいけないですし、じゃあどうやってドクターになるのかって言ったら、他のドクターに戦いを挑まなければいけないわけですよね。というのか、他のドクターから攻撃されるわけですよね、お前は本当にドクターにふさわしいのかという。

山路:しかしそれで言うんだったら、

小飼:跳ねのけたらドクターになれるという仕組みなわけですよね。

山路:そういう本来の大学院とかのそういうあり方って、みんながみんなに必要なもんでもないですよね、いっちゃなんですけど。

小飼:ねえ。なのになんでみんなに大学に行かせようとするかっていうふうに言うと、これ特にアメリカで顕著なんですけれども。なんて言えばいいのかな、ワーカー、要は労働者ですよね、本当に手に職的な労働者ですよね。ドイツであれば、ずっと行くとマイスターになるのですよ。アメリカではそれを制度的に尊ぶというふうにならなかった、でも最近なりつつあるみたい。

山路:ブルーカラーの収入が増えて、

小飼:その通りです、

山路:職業訓練校の人気がめちゃめちゃ高いみたいな。

小飼:その通りです。思い出した、クラフトマンシップって言いますね、あまり尊とばれなかったんですよね。

山路:でも日本もそうですよね。

小飼:過去形、どうなんだろう、それでも日本はまだ「匠」だのなんだのっていう言葉が死んではいないから。

山路:なるほどね、マシという見方もできるわけだ。なるほどなるほど。

小飼:日本には高専があるのはでかいね。最近は高専も、

山路:呪術を教えたりとかね(笑)、

小飼:だから中高一貫校というのか、高短大一貫校みたいになってはいる。

山路:でも、これ日本のはとにかく時流に、今の時代に合ってないということなんですかね、教育の仕組みみたいなものが。エリートを伸ばすわけでもなく、底上げをやるための仕組みでもなく、なんとなく高度な教育と言いつつも、高校の延長みたいな感じで受験をさせるみたいな感じでバラバラになっているということ?

小飼:うーん。

山路:けっこう本当になかなか難しいところかなと思って。

小飼:えーとですね、いや、でも難しいところまで待てるっていうこと自体、今や高学歴の証なのかもしれない。あのね、そんなに待てない、待たなくなった。

山路:知識を身につけて働き始めるまでってこと?

小飼:いや、何か問題が出た来た時に答えを出すのに。だから、その意味ではA級戦犯は小泉ですね。

山路:今の、待たなくなってきたっていうのは、どういう意味?

小飼:要は、本当にこうすれば解けるというふうに簡単に言い切れない問題をこうだというふうに言ってしまう。はっきり言って詐欺師なんですけどね。考え込まなければいけない時ってあるんですよ、長考に入らなければいけない。なんですけど、今の人というのは1手10秒以内でお願いします、ばっかり見てきてるわけです。

山路:なんかちょっと感じとしてわかるような気がする、たとえばそれこそどうなんだろう、適切な例かわかんないですけど、就活なんかもどんどんわかりやすいテンプレの受験的なものになりつつあるような、そんな感じ?

小飼:そうですね。そもそも正解のない問題に、あるいはまだ答えが出てない問題に晒されるのが遅すぎるっていうことはあるね。

山路:それって(笑)、ただ言いたいことはすげーわかるんですけれども、世の人の半分以上ってそんな人じゃないというか、そういうことを求めてない人たち、

小飼:いや、とんでもない、とんでもない。いや、誰もがぶつかるんですよ。どっちが正解とも言えない、そもそも選択肢がどれなのかっていうのがわからないっていう状態に、みんなぶつかるわけですよ。それが本当に10代のガキに進路を聞くとかって、バカか! って、

山路:それは同意ですね、働いてみないとわからないだろうっていうのは。

小飼:その点ドイツはもっとヤバくて、中学生にそれやってるわけですからね。中学生どころか、小学生か、小学生にそれ強いてるからさ。

山路:それも早すぎんじゃねえの、という気もしますけれども、

小飼:早すぎる早すぎる、早すぎる早すぎる。

山路:自分の頭で考えろって、知識を身につける前に考えろってなんかあんまり意味がないような気がするんだけどな。

小飼:自分の頭で考えなければいけないんだけれども、自分の頭で考えればいいというものでもないという。自分の頭で考えて、でもやっぱり間違ってましたっていう体験を誰のせいにもできない、痛い思いっていうのを積み重ねないと大人になれないというのか、結局大人と子供の違いってそれでしかない。誰のせいにもできない失敗を、痛い目をどれだけ体験してきたかっていう。

山路:それで言うと日本って割と痛い目に合いづらい社会ではあるかもしれない。

小飼:それはある。いや、たかだか不合格ぐらいだもんな、10代で。

山路:前も言ったかもしれないけど、日本って割と凡庸な人に優しい国だと思ってるんですよね、私。

小飼:それは人類的には正しいと思う、

山路:その面で言うんだったら、日本ってある意味うまくいってると逆説的に言えないですか?

小飼:(コメントを見ながら)宿題ある国のほうが少ないんじゃなかったっけ? 僕はオランダ語は話さないんだけども、ドイツ語で宿題に相当する言葉があるのは知ってます。ハウスアフガーベって言いますね。あるんですよ(笑)。いや、でもドイツで使われてるかどうかはわかんないです。ドイツ語のクラスでは必ずハウスアフガーベがありましたね。

山路:だからこの日本っていう国があんまりそういうことに向き合わずに済んだから、みんなこういうふうな教育のシステムになってるとも言えんじゃないのかなっていう気はすんだけれども。

小飼:あー、まあでもそこはわかんないな。でも、一つ確かなのはそろそろ失われて30年になるのかな(笑)、

山路:それで言うんだったら、

小飼:ちょっと待って。確かにマクロで見ると、もうはっきり言って冴えないですよね、今の日本は、経済だけでなくて。でもその一方で、文化だとか個人技だとか、そういうところっていうのはものすごい伸びてますよね。なんかサッカーとかむちゃくちゃ強くなりましたよね(笑)。だから確かに個性を伸ばす方向には来たんですよ、日本の若者を育てるマインドセットっていうのも、社会の歯車にピッタリ収めるっていう方向は嫌いすぎるぐらい嫌うようにはなったんですよ。それは確かにあちこちに現れている。

山路:個人の活躍っていう形で。

小飼:だけどそれはこの30年の停滞を正当化するほどのものだろうかという、

山路:それで言うんだったらたとえばアメリカの大学を出た人とかのたとえば失業、職につけない割合だったりとか、学歴、いい大学に入れなかったら人生オワタみたいな感じになる人も多いわけじゃないですか。

小飼:いや、もちろん。

山路:そのところの過酷さと比べて、どっちがいいみたいなんてなかなか言えなくないですか?

小飼:それはある。

山路:あと中国のあのお受験競争の激しさだって、もう想像するだに絶対体験したくないじゃないですか(笑)。

小飼:まぁでもそれは中国人になってみないとわからんからね。いや、でもその中で勝ってきたやつらというのはやっぱりすげーよなと。

山路:そこのところって、なかなか、

小飼:そう、だから結局あっち立てばこっち立たずになるんですよ。

山路:そこのところなかなか一言では、こういうふうにやったらこうなるからいいみたいなんて言えない気がするんだよな。

「金持ちが責められなくなった日本」と「社会保障費を所得税に」

小飼:いや、でもね、一つ日本がこういう層にとっては格段にいい国になったという、

山路:こういう層?

小飼:日本のこの30年で、すごい良くなったというふうに感じる人たちっていうのはどういう人たちでしょう?

 

 「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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 今回は、2026年1月13日(火)配信のテキストをお届けします。

 次回は、2026年01月27日(火)20:00の配信です。

 お楽しみに!

2026-01-13配信のハイライト

  • 「ベネズエラの重油」と「考えた戦略という誤解」
  • 「お笑い南鳥島」と「キドカラーとレアアース」
  • 「トランプ戦艦はボツ?」と「議会解散の仕組み」
  • 「憲法の抜け穴」と「Metaの詐欺」「空っぽな台湾ならあげる」
  • 「エンドユーザーに金を払わせる力のあるApple」
  • 「イランで今一番不足している資源は?」と「マグロ漁船でNetflix」

「ベネズエラの重油」と「考えた戦略という誤解」

山路:明けましておめでとうございます。

小飼:明けましておめでとうございます。

山路:本年もどうぞよろしくお願いいたします。もう1月13日で正月の話するのも何なんですけど、正月休み、何してました?

小飼:えーとですね、例年になく寝正月でしたね。っていうのも、じつは去年度秋から長女も給与生活者になりまして、

山路:いよいよ社畜に。

小飼:そうです、そうです、社畜化しました。やっぱり社畜というか、社畜の休日というのはもうひたすら寝るという、

山路:1年目だときついですよね、特に。

小飼:連休何がいいかって言って、彼女曰く、たとえば3連休とかですね、月曜日が移動祝日日で休みになっているとかっていうのは、平日が4日しかないのかいっていう(笑)。

山路:週休3日が人類最低限の目標にしないといけないような気がするんですけどね。

小飼:その一方で次女はスキーリゾートに、何と言えばいいのかな、僕もよくわからないのですけれども、すごいゴージャスなところで働いていたみたいですけれども。

山路:ほうほう。正月はみんなダラダラと家で寝ていたという、

小飼:そうですね、

山路:弾さんは『刃牙』をまた読んだりとかみたいな感じですか(笑)、

小飼:あははは、

山路:それぐらいなんか頭使わないぐらいで休むのが正月休みいいのかも。

小飼:ただやっぱ物騒なニュースも多かったので、それに絡むものの調べ物とかっていうのもけっこうしてましたね。けっこういろんなことがわかりましたね、それで。

山路:その物騒なものっていうのは今回の番組にも関わるような話?

小飼:そうですね。例の、本物のbattleshipですとか、

山路:ほうほう、そのことはじゃあぜひ番組の、

小飼:ちょっとその中身とかね、

山路:まぁそうやって私のほうもちょっと旅行とかでぼんやりしてただけなんですけど、

小飼:じつはbattleshipよりも、アメリカの場合フリゲートのほうがヤバい。小さな船のほうがちょっとヤバい状況にあるという。

山路:そういうわけでさっそく入ろうとは思うんですけど、

小飼:どれから行く?

山路:そうですね、まずはメローニの言葉からいっておきましょうか。

小飼:そう、だから年末の挨拶で本当に「ご挨拶」でしたね。ああいうの大好きだ、

山路:「2025年はもうひどい年だと皆さん思われてるかもしれませんけど、安心してください、2026年はもっとひどい年になります」という(笑)。もうその通りでしたわと。世界、なんかこう、年明けからもう全速力じゃないですか、松が取れるまで待たんのか、みたいな、

小飼:もっと早くなる可能性がなきにしもあらず、なんで。まだこれで全速だと思っちゃいけないのかもしれない。

山路:メローニのように怖いことを(笑)。まずはとっ始めでやっぱり一番デカかったのこれじゃないですか?

小飼:じつはですね、この手のことに関してアメリカは前科だらけなんですね。懐かしいところですとパナマでやってます。当時はパパブッシュ政権でしたね。

山路:ノリエガ将軍でしたっけ?

小飼:そうです、

山路:なんかラノベでもそういうのあったような気がしますね(笑)、『NORIEが将軍』っていう、確か。

小飼:自国に連れ去って刑事犯として裁くっていうのは、これはっきり言って国際法違反というのか、もう国の自治というのをシカトしてるわけです。でも、その一方でべつに占領してるかではないわけです、その辺がロシアと違って、あくまでも特殊作戦なわけですよね。

山路:いちおうロジックとしてはアメリカに迷惑をかけている犯罪者を捕まえたぞっていう建付け、

小飼:そういう建付けにはしている。でも、カルテル・デ・ロス・ソレス(太陽のカルテル)、組織というのはないわけです、本当にweapons of mass destruction(大量破壊兵器)並みになかったわけです。今回もっとひどいのはベネズエラの石油を勝手に売っ払ってるんですよね。

山路:もうすでに?

小飼:売っ払って懐に入れることを正当化するための大統領令、もう出してるんですね。どういうことかっていうと、普通犯罪とかで差し押さえたものというのは勝手に処分できないわけですね。そう、だからまともな法治国家であれば。ただし戦地であれば、それを売って国庫に入れて、いろんなものに充当していいっていう法律もあるわけです。

山路:しかしそれ、すごい矛盾してないですか? つまり戦争じゃないって言ってるのに、その戦地で得たものを売っちゃって、

小飼:だから非常事態を宣言してるわけですよ。ただし、この非常事態というのは対テロ程度なんですよね。軽度なんですよね。全面戦争ではないわけです。だから、それをずっと引きずってるわけですけれども。

山路:さらに好き勝手できるように、

小飼:で、タンカーとかを拿捕してて、これはロシアに持っていくタンカーとかして言ってる写真もあるんですけど、でもよく見ると空荷なんですよね。なんで空荷ってわかるかっていうと、喫水線からずっと浮いてるわけです。もうギリギリ、タンカーとかは割とどれくらい荷物が積まれているのかっていうのは見ればわかるんですよね。浮いちゃうんです、空荷だと。

山路:空荷のタンカーを拿捕したってこと?

小飼:そう、それは要は石油を密輸してるという言い方をして。ここまで堂々と泥棒してるというのは珍しいです。ロシア以下ですね。

山路:すごいな(笑)、えー、そんなことまでやっとったんですね。で、

「Altmanのせいで個人用PCの値段がやばい」(コメント)

小飼:これも、もしかしたら止まるかもしれないというニュースも(笑)。

山路:そうですか(笑)。で、ベネズエラなんですけど。今後トランプなんかはいろいろ長期化するとは言ってるんだけども、こんなのってベネズエラの石油利権みたいなものって正当な権利なく、そんなにアメリカが自由にできるものなの?

小飼:それはできない。それはトランプが勝手にできると言い張ってるだけで。今回の顛末というのは議会にも報告を入れてないんですね。the Executive Branchが勝手に、要するに行政が勝手にやったものです。

山路:それってもうすでに憲法違反ですよね、

小飼:ですよ、立派な。

山路:堂々たる憲法違反ですよね。

小飼:だからそこが割と、アメリカはいろんなところに攻め入っては、そこにあるものを勝手に処分してきたという歴史はあるわけですよね。近年だとイラクですとかね。

山路:でも議会の承認は得てたわけだ。

小飼:そうです、今からやりますよっていうのは言って。パパブッシュの頃というのは、パナマは黙ってやったんですけれども、湾岸戦争の時には多国籍軍を構成してやったじゃないですか、だから世界に対して今からこうします、我が国はこうしますっていうのを言ってからやってるわけですよね。

山路:それを大統領の思いつきで、

小飼:そうです、勝手にやっては勝手にそれをTwitterで、Twitter以外にもTruth socialとかあるので、SNSで誇ってるわけですよね。一つすごい気になる「誇り方」がありまして、This is our hemisphereっていう、

山路:これは私らの半球であると、

小飼:具体的には南北アメリカを含む半球で、グリーンランドも入ってるわけですね。だからグリーンランドもよこせっていうふうに言ってるわけですね。

小飼:カナダもアメリカの州にするとかって言ってるのも、その文脈なんですよ。本当にトランプの頭の中の世界地図っていうの、バカ世界地図っていうのがありますけど、ほんとそうなんですよね、ああいいところに(地球儀を手に取りながら)で、これですね、This is hemisphere. That’s why he said it’s his.で、とりあえず僕の視界の裏だから、この辺にベネズエラがあって、次はキューバとかグリーンランドとか言ってるわけですよね。

山路:トランプって南北戦争も、北アメリカと南アメリカの戦争とか思ってそうですよね(笑)、

小飼:いやそう思ってんじゃない?

「今から石油に投資するのどうなの?」(コメント)

小飼:いや、バカです。ましてや、ベネズエラの石油っていうのはすごい質が低いんですよ。

山路:地上に出た途端に固まるという話を聞きましたが。

小飼:いやー、だから本当に重油とアスファルトなんですよね。重油もいちおうランク付けがあってABCというふうにあって、アルファベットが上のほうが軽いわけです。で、Aとかはまぁ普通に常温で液体で、もうそのままディーゼルエンジンに入れられるんですけど、重いやつというのはまず燃料にする前に、エンジンにくべる前に温めて液体にしなければいけない。なんですけども、そういったものなので、安いわけです。安いので、大きな商船は一番重たいC重油を燃料にできるようにしてます。ただ、重たいで温めないと使えないっていう以外にも、もう一つ困った欠点がありまして、それは何かっていうと炭化水素だけではないんですよ、純粋な炭化水素だけだったらいいんですけども、けっこう硫黄を含んでるんですね。なので、燃やすと亜硫酸ガスが出るわけですね。

山路:環境負荷が高い。

小飼:火力発電でも、炭化水素、重たい炭化水素ですね、重油ですとか、あるいは石炭ですとかっていうのを燃やした時には当然亜硫酸ガスが出るんですけれども、最近の火力発電所っていうのはそれ、大気に出さないんですよね。スクラブラーという装置がついていて、そこでもう全部取り除いちゃうわけです。でも、船というのはそこまで広くはないので、そのまま垂れ流しにしてたんですけれども、最近厳しくなりだして、大きな船とかだとスクラブラーをつけたりですとか、あるいはもう少し小さいやつだとかだと燃料を変える、LNGとか、あるいは灯油というのか、軽いディーゼル燃料ですね、硫黄とかを取り除いた、

山路:そんなベネズエラの石油って、簡単にアメリカの石油メジャーとかが入ってちょちょいってやったら利益にできるようなもんではぜんぜんなさそう、

小飼:ぜんぜんない、

山路:エクソンのCEOがかなりネガティブな、これ不可能だぜみたいなと言ったら、もうお前はその石油利権に入れたらん、みたいなことをトランプが。

小飼:じつはですね、アメリカの原油というのは特にメキシコ湾のまわりで取れるやつっていうのがすごい軽くて、質がいいんですね。ルイジアナスイートという言い方もします。スイートって言い方をしますね、軽い炭化水素の分子量が小さいやつを多く含んでるやつというのは。そういう質がいいのがいっぱいあったんですけれども、それでも中東の石油を輸入してたというのは、温存しておきたいっていうのもあったんですよね。だから、外が買えるうちは買えっていうのをずっとやってきたんですよ。で、中東のやつというのは重いんですよね。でも、使えるといえば使えるので。

山路:ちなみにそういうアメリカ国内の頁岩から取るシェールオイルなんかはどうなんですか?

小飼:シェールはいろいろあるんですけども、割と軽めですね。

山路:じゃあアメリカの今の精油の仕組みっては基本的に割と軽めのでやるように、石油、

小飼:ただテキサスにあるやつとかっていうのは昔はいっぱい中東から、より重い原油を輸入してたわけですじゃないですか。それを精製できる設備というのもあって、それだとベネズエラのいいほうの、マシなほうの原油はプロセスできるということで。

山路:しかしベネズエラはそんなに石油の質良くないんだったら、でも中国はベネズエラの石油のことに関していろいろ結ぼうとしてたりとかしてたわけですよね、中国はそういう質の悪いやつでもとにかく押さえときたかったってことなんですか?

小飼:そういうこと。まぁでも石油が欲しいからというのは二次的なものですよね。アメリカにフットプリントが欲しかったっていうのはありますよね。だから、そう言ってる間にもペルーに世界最大級の貿易港、港を作ってますからね。あっさりちゃっかり。日本ではそのままでは使えない全長400mのコンテナ船とかも横付けできるような港を作ってますからね。それを大西洋岸でもできたら、それはいいに越したことはなくて。その意味ではベネズエラっていいターゲットだったんですけれども。

山路:これ、しかし、アメリカが中国のパワーを押し返そうとしたっていう見方もできるのでは?

小飼:そういうふうに見てる人もいるでしょう。でもですね、今のオーバルオフィスの主というのは、そんなに深く考えてないんです。だから、あのね、皆さんの一番の誤解というのは、僕も含めた誤解というのは、そういうきちっと戦略を考えた上でやってるわけではないんですよ。だから根底にThis is our hemisphere.があるわけですよ。

山路:もっと幼児的衝動みたいな感じなわけだ、

小飼:そうです、はい。いや、Argentina(アルゼンチン)の経済政策も結局早くも馬脚が出てて、倒れかけたのを、要はデフォルトを起こさせる代わりにアメリカのほうが債権をライトオフしたんですよね、ベールアウトしたんですよね。だから、それもだいぶアメリカ国内でも非難が出ましたけれども。要するにour hemisphereなので。

山路:いちおう友達だから助けて、

小飼:友達じゃない、

山路:友達というか、

小飼:部下というか、舎弟なわけです、

山路:舎弟ね、はいはい。餌をあげたわけなんですね。それで、

小飼:餌をあげたというよりも、尻を拭ったんですよね。

山路:それがベネズエラだけではなく、さらにはグリーンランドに関しても。

小飼:そうです、

山路:これもour hemisphereだからという、

小飼:そうです。そういうことです。5歳児くらいにならないと。だから5歳児になってください。今のアメリカのドクトリンを読み取るっていうのは。細かいことを考えるのは取り巻きの連中なので。アメリカの軍事作戦はすごいです、やっぱりUS Armed Forcesっていうのはすごいですよ。あんな作戦ができるのはアメリカだけです。でも、根底にはThis is our hemisphere.なんですよ。

山路:これ、グリーンランドのほうとか絶対に必要みたいなこととかを、

小飼:だからアライアンスで、グリーンランドでアメリカがやるべきことというのは全部できてたんですよ、冷戦時代はもっとアメリカ人がいたんですね、もっといろんなところに米軍基地がディプロイされてたんですけれども。今はもう一か所だけになってるんです、冷戦終わっちゃったから。

山路:しかもそのデンマークとの関係で言えば、そんなのって基地まであるわけだから、何にも、今のままで良かったんじゃないかと思うんだけど、

小飼:そう、アライアンスで十分で、アメリカとソ連の一番の違いっていうのはソ連はoccupationだったんですよ、

山路:占領、

小飼:そう、アメリカは同盟だったわけですね。alliesだったんですよね、ワルシャワ条約機構って言ってますけれども、実際は属国だったわけじゃないですか、東ドイツもポーランドもチェコスロバキアもハンガリーも、全部under occupationだったんですよ、形だけだったんですよね、国の独立性というのは。いちおう国連では一票あるけれども。

山路:そういう旧東の、東欧の国ってめちゃめちゃロシア嫌ってますもんね。

小飼:に対して、NATOというのは本当にアライアンスだったわけです。それでもアメリカの影響が大きすぎるということで、一時フランスはそこにも入ってなかったです。NATOにすら入らずに物事を独立性を保とうとしてたわけですね、フランスは。でも、それでもアライアンスのほうが、アライアンスでいいじゃんっていうことで今はもうNATOの中心的なメンバーですけれども。あくまでも同盟で済ませてたんですよ。すごい違いなんですよ、これは。

 

 「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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 今回は、2025年12月23日(火)配信のテキストをお届けします。

 次回は、2026年01月13日(火)20:00の配信です。

 お楽しみに!

2025-12-23配信のハイライト

  • 「両者とも頑張った」スマホ新法
  • 「ハンコで半導体回路」と「トランプ級戦艦の実現可能性」
  • 「ジェットエンジンをデータセンターに」と「タービンブレード1枚いくら?」
  • 視聴者質問「書籍市場で電子版の割合が低い」と「利上げと円安」
  • 「核保有論の意図」と「H3失敗、2段目には2段目の難しさ」
  • 「がんを100パー治す腸内細菌」と視聴者質問「幸福の最大化と自由度の最大化」

「両者とも頑張った」スマホ新法

山路:最初、軽い話題からいこうと思うんですけど。“Twitter”が復活するというニュースなんですが(笑)。

小飼:この場合はX.comがTwitterを継いだ、ではなくてTwitterという名前のウェブサービスが再び出来上がるという意味ですよね。

山路:Xが所有しているTwitterの商標権っていうのが使ってねえんだったら、もうそれ無効じゃねえの、みたいな話なわけですよね。弾さん、ちなみにTwitter.new登録しました?

小飼:登録しました。いや、もちろんそれは、

山路:そうですか(笑)、海のもんとも山のもんともつかないSNS、

小飼:とりあえずネームスペースを取ったというね。

山路:これってまだ、今の状況ではぜんぜん情報も出てないから何とも言えないんですけども、

小飼:ベーパーウェアかもしれないしね、

山路:ああ、とりあえずそういう話題作りして資金を集めようみたいな。

小飼:そうそうそう。

山路:こんなんされて、イーロン・マスクとか黙ってたりするのかな?

小飼:まぁ現段階では特に、今の元TwitterのあのX.comのobstacle(障害)にはならないという。

山路:もうだいぶ規模も違いますしね。結局SNSって、もうユーザーベース、既存のユーザーベースからなかなか移らねえっていうのはThreadsを見ても、mixi2を見ても。私はmixi2、一切触ってないですからね。

小飼:まったくだ。だれだよ、dankogaiとったのは。

山路:あっ、mixi2で(笑)?

小飼:怒らないから、名乗り出て。

山路:いや、怒る気満々じゃないですか(笑)。怖い、怖い。じゃあちょっとそのタイトルにもあったスマホ新法の話、先いっておきましょうかね。けっこうこれって、これは日本の政権がうまく交渉したっていう例になるんですかね? スマホ新法。

小飼:どうなんだろうね。

山路:最初に出てきたスマホ新法の案だと無制限にサイドローディング、要はAppleの公式に認めるんじゃないストアみたいなものも自由に作れるようにして、アプリとかも自由にインストールさせようみたいな、わりととんでもないようなことを言ってたんだけれども、けっこうなんというのか、

小飼:実装のところで政権とAppleのほうで交渉があったみたいで。

山路:うんうん、で、なんというのか割とどっちもメンツを立てられるぐらいのところに落ち着いたみたいなというのか、

小飼:落ち着けたというのか。

山路:政権のほうとしてはつまりAppleとかGoogleに販売手数料をちょっと割引かせたというか、値下げさせて、いちおうこう別のストアも条件付きだけども認めるみたいな形にして。

小飼:そこで本当に落ち着いてるのかねっていうのはあるけれども、なるべく大騒ぎにならないように、両者とも頑張ったっていうのは、それは事実ではあると思う。

山路:今回、本当にAppleが相当一般の消費者相手に広告というか、だいぶメッセージとか出しましたよね。

小飼:そうね。

山路:あんまりそういうことしないイメージあったんですけども、そういう政策に関してかなり意見という、広告は出さなかったかもしれないけども、かなりメッセージは出してましたけどもね。これはだいぶ日本もデジタル企業との付き合い方がわかってきた?

小飼:わかってきた、ではないですね。Appleから見れば、率直に言って余計なことしやがって、なんで。それ以外の何ものでもないんで。

山路:今回のiOS 26.2の変更で、使ってみました? Kindleのアプリから外部のリンク、

小飼:しまった、それが一番影響があるやつなのに、しまった。わかりました。iPadで確認します。僕はその手のことは主にiPadでやってて。しまった、気づかんかった。

山路:それはちょっと便利かな、ただ、それも、そのやつも完璧じゃないみたいですけど。これまでは、お勧めのところではサンプルをダウンロードする仕様になってましたが(外部リンクに飛んで書籍を購入できるようになった)。

小飼:相変わらずまぁいつものこと、やっぱり怖いよな。なんか新しいことを試すと、アカウントがぶっ壊れるという恐怖心が、KindleというのかAmazonアカウント。ものすごいフラジャイルなんですよね。

山路:とくに私、かなり早い段階でKindle使ったんですよ、日本でまだKindleがやってないときにAmazon.comでアカウント作って、Kindleの、

小飼:そうね、Kindleのハードウェアがガンガルだった頃だよね、

山路:ガンガルでしたっけ(笑)、

小飼:モビルフォースガンガルだった頃だよね。ものすごいなんか、こんな醜いハードウェア、ありえんだろうっていう、

山路:それは私まだ買ってないんですけどね、そのガンガルだった時のやつという、

小飼:ああ、そうか、アカウントを入手しただけ、

山路:アメリカの、要はそのKindleのストアが始まった時にアカウントを作って。

小飼:なるほど。

山路:その時にアカウントを作った人っていうのは、Amazon.co.jpでサービスが始まった時に、アカウントを紐付けできたんですよね。ただ、1回紐付けすると、それが後々の、

小飼:そうそう、その手の話。僕、両方持ってるよ、.comも.co.jpも、両方持ってるよ、じつは。で、紐付けしてない。

山路:ああ、それが一番結局賢かったかもしれない(笑)。

小飼:なんか、パイオニアの皆さんの話を聞いて、これはよねインテグレートしちゃいけないよなって。

山路:なんかね、たぶんAmazonの人も検証しきれてないようなバグの原因になってるっぽいんですよね、いまだに。

小飼:検証したところで儲かるわけでもないし。ただ、ほったらかしにすると穴が開くかもしれない。

山路:とりあえずAmazon.comのアカウントを削除すると、Amazon.co.jpで買った本も見られなくなるみたいな、そういうこととか、

小飼:そうそう、そういうホラーストーリーズをいっぱい聞いたんだよ。

「楽天Koboのほうがサービスが早かったよ」(コメント)

山路:ほうほう、そうでしたか。Koboのほうが早かったっけ、日本ではそうだったかもしれないな。なんかコメントで、

「今日は弾さんが怒るポイントが多そうだな」(コメント)

小飼:ハハハ、いや、でも楽天は楽天で、いまだに2FAがまともに実装されてないでしょ。

山路:2要素認証、

小飼:そうそうそう、そういうところだよ。

山路:楽天証券は、パスキーに対応したんですけどね。

小飼:うん。あのね、楽天も、楽天がつくので証券と銀行と、普通のwebコマースのサービスとクレジットカードと、全部あるんだけれども、微妙に認証メソッド違うんだよね。

山路:たぶん、ぜんぜん別だったサービスのやつの統合ってのが、

小飼:それそれそれ、

山路:やりきれてないという、よくあるやつ。

小飼:よくあるジャパンネット銀行がPayPayになるみたいに。

山路:まぁPayPay銀行の場合は名前が変わっただけですけど(笑)。楽天の場合は、ぜんぜん由来の違うサービス、

小飼:いや、振り込む時にPayPay銀行にPayPayする、

山路:恥ずかしめを与える、なんともたまらない姿勢がなんとかしてもらいたいですけどもね。ちょっと、

小飼:だから振り込み先の指定だけでも、ジャパンネット銀行復活して、

山路:本当にそれはそう思う(笑)、

小飼:PayPayはないわ、PayPayは。

山路:向こうでチャリンと鳴ってそうですもんね。

小飼:いや、鳴るんだよ。

山路:振り込み? いや、それは嘘でしょ(笑)。

小飼:いや、本当だよ。本当だよ。これでやったよ。

山路:え、銀行の振り込みが鳴る? いや、そんなもないでしょ。

小飼:PayPay銀行への支払いは、PayPayアカウントでできるんだって。

山路:へえ、そうなんだ。

小飼:あえてPayPayでやったところ、やっぱりペイペイ鳴ったよ。このアプリでPayPayすると、必ずペイペイするんだって。ペイペイ鳴るっていう。

山路:私、法人アカウントだから、法人口座だから、より恥ずかしいです。

小飼:そうなんですよ。

「ハンコで半導体回路」と「トランプ級戦艦の実現可能性」

山路:いやいや。勘弁してもらいたいですけどね。じゃあ、IT絡みでもう一つ。これ意外に地味だけども、地味というか、でかいと思うのが大日本印刷、DNPが発表したテンプレートということなんですけれども。これは何でしょうかと。

小飼:昔からけっこうIT絡みの、そう、仕事はしてきたDNP、大日本印刷なんですけれども、主張するに、レーザーで鋳型をいちいち作らなくても、いったんレーザーで作った鋳型をポンと半導体基板に押せば、回路ができるんじゃね? っていう主張です。

山路:そんな簡単な、

小飼:簡単なものをさらに簡単にしてるんですよ。

山路:しかも10nmとかのレベルの細かさなわけじゃないですか。

小飼:そうですね。

山路:それでハンコができるんだというのが。

小飼:ハンコでできるという。

山路:これ本当に実用的に作れるんだったら、めっちゃすごくないですか?

小飼:すごいことになりますね。

山路:そういう半導体の細かい回路作るのってEUV、超紫外線だっけ(※極端紫外線の間違い)、それで回路、

小飼:ただ原理としては写真乾板なんですよね。どれだけ細かくできるのかというのは写真乾板に焼き付ける時の光の波長で決まるわけです。それがものすごい短波長のほうに偏らせているというのか、ほとんどそれなのがEUVなんです。

山路:めちゃめちゃ高いですよね。

小飼:その通りです。あまりに短波長なので、もう無理だろうっていうので、だからいろんな企業が他のメソッドも試してはいるんですよ。たとえば電子線でやったらどうだろう、要するに電子顕微鏡、逆電子顕微鏡みたいなもんですよね。なんだけれども、量産レベルにぜんぜん到達しませんでした。

山路:それをハンコでやっちゃったっていう。すごい低コストで半導体が作れるかもしれないってことですよね。

小飼:十分の一って言ってましたね(笑)。でもそういうレベルでのブレイクスルーが起こるのがこの世界なんですよ。

山路:やっぱりこAI半導体とかAI需要とかで半導体需要が盛り上がってるからこそ、こういう技術開発なんかにも熱が入ったっていうのはあるんですかね?

小飼:どうなんでしょうね、最近になってやっと浮上してきたところはありますよね。昔からいろいろやってましたよ。そういうエレクトリクスに関することは、DNPは。紙に印刷しているだけの会社ではぜんぜんないです。

山路:ラピダスなんかがまさに今挑んでるじゃないですか。先端半導体。そこのところ、DNPもこういう技術を使って協力するわけですよね?

小飼:そこはわかんない。TSMCもラピダスも、その当時に得られるベストな技術、テクノロジーを導入しているというのは、そこは間違いないところなので。ちなみに最近はIntelも再びそれをやるんじゃないかという候補にまた上がってきています。要は他社からチップのファンダリーとして活動するっていうことです。

山路:ずいぶんアメリカ政府から金もつぎ込まれるみたいな話もありましたしね(笑)。

小飼:10パーセント、USAなんですよね。

山路:どんどん国有企業っぽくなってきますよね、どの国の半導体事業というのも。

小飼:TSMCは中華民国がべつに所有してるわけではないはずだけど、ちょっと後で調べます。じつはこっそり蔣一族に、蔣経国の一族に所有されてたりするのかな?

山路:なるほどね、

「今日コメント少ないね、年末だから」(コメント)

小飼:っていう、そうそうそう、言いたいこと言ってくださいね、皆さん。

山路:それで弾さんが怒るかもしれないけれども、遠慮なく(笑)。IT絡みでちょっとこののけぞるというか、びっくりしたニュースでもう一つ。北朝鮮絡みのニュースなんですが。

小飼:北朝鮮絡み。ああ、

山路:これすごくないですかっていう。

小飼:でも、あれはなるほどだったよね。110ナノメーターって、ナノセカンド。ごめんなさい、ミリセカンドですね。すごい、わずかな時間に思えますけれども、100分の11秒ですよ。

山路:これ、あるアメリカの企業にリモートワークで働いてた従業員、その従業員からの反応っていうのが何か調べてみると110ミリセカンド、タイムラグがある。

小飼:だいたいそれくらいになりますね、太平洋を渡ると。僕もシアトルで、厳密な位置はちょっとNDA的に言うとまずいと思うんですけれども、まあまあとにかく110ミリセカンド離れたところのサーバを直したことはあります。この遅延はもう、光の速度に由来するものなので、避けようがないです、これは。

山路:この北朝鮮の工作員が侵入しようとして潜んでたっていうのはAmazonだったらしいんですよね。それをしかも人が気づいたとかっていうんじゃなくて、そういうふうに不自然なタイムラグのある、なんていうのかな、従業員とのやり取りみたいなことを自動でチェックするような仕組みを入れたみたいですね。

小飼:なるほどなぁ、それはAmazonの中の人、グッジョブです。

山路:なかなかすごい話だなと、ここまで来てんだなっていうのは。

小飼:すごい話ではあるけれども、まあ、ですよねーという。

山路:それぐらいやってるだろと、Amazonならば。

小飼:お互いにやってるかもしれないね。

山路:あーなるほどね。まさに情報戦がね。今。

小飼:(コメントを見ながら)今来たさんがいらっしゃいます。

山路:これもマジかよと思ったニュースいっておきましょうか。これ本当にマジなんですかっていう(笑)。トランプがトランプ級戦艦を建造すると発表したっていうニュースなんですよね。このニュースっていうのが、このトランプ級戦艦っていうのが、なんかいろいろすごいんですよね。この指向性エネルギーレーザーとか、人工知能を搭載し、

小飼:ぜんぜんスペックが上がってないでしょ。

山路:極超音速ミサイルを搭載しとか(笑)、いろいろ書いてあるんだけど。これってマジなんですか?

小飼:それはトランプがほざいただけですね、今のところは。これすごい大事なところなので皆さん押さえてほしいんですけれども、どんな軍艦に限らず、どんな兵器をどれだけ買うのかっていうのを決めてるのは誰でしょう? 米国政府の場合。クイズです。

「軍隊?」(コメント)

山路:ってコメントが、

小飼:そう、いや、だから軍隊に使ってもらうためのだから兵装というのは当然買ってもらうわけですけども。買うのは誰かっていうのはわかりますよね。じゃあ何をいくら買うのかっていうのを決めてるのは誰でしょう?

「国防省」(コメント)

山路:ってコメントが。でも、その前段階がいるってことですよね。

小飼:そういうことです。

「議会」(コメント)

山路:って出てますね。

小飼:はい、やっと正解が出ました。18番が正解です。そうなんです。コングレスなんです。

山路:下院上院とまあ、それで承認されなければ。

小飼:そうです。それで数多のハイテク兵器というのがダメ出しされたわけです。

 
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