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お笑い芸人三又又三ZERO1のGMに就任した……というニュースを薄っすら耳にしたことはないだろうか? じつはいまだにGMとしてZERO1を盛り立てている。お騒がせ芸人の目的はなんだ???


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――
三又さんがZERO1に関わりだしてからだいぶ経ちますよね。

三又 もう2年になりますね。

――
あ、もう2年も。

三又
 すっかりZERO1に溶け込んじゃって「三又がプロレス団体のGM? いったい何をやってるんだ!?」っていうリアクションすらないですよ!(苦笑)。

――
ハハハハハハハ。

三又
 笑いごとじゃなくて! アナタもボクのGMという役職があくまで表向きだと思ってないですか? 

――
ズバリそうですが……違うんですか?

三又
 もちろん違いますよぉ! GMだけではなく、リング作りから、レフェリーまでやってるんですよ!!

――
完全に団体の中の人じゃないですか!(笑)。

三又
 だってGMですからね。WWEのシェイン・マクマホンは年に一度、大舞台でとんでもないダイブを披露しますけど、レフェリーもやってるんですよ。ボクはシェインを本気で目指してますから。

――
なんでまたZERO1にそこまで深く関わるようになったんですか? そこから聞きましょう。 

三又
 ある関係者から「ZERO1が危険だ!」と聞いて。危険だからこそ「いったいどうなってるのか?」と見に行ったわけですよ。

――
危険な男が危険な現場を見に行ったわけですね。

三又
 そうそう(笑)。じつはその前に、ある潤っているプロレス団体から「リングに上がらないか?」って声がかかってたんですよ。その団体を見に行ったら後楽園ホールが満杯。でも、そこのリングに上がる姿がなぜかピンとこなかったんですよ。で、その次にZERO1の後楽園ホールを見に行ったら……客入りがスカスカすぎて大興奮したんですよ! 「なぜなんだ? なぜこんなにお客が入ってないんだ? 俺が満員にするしかない!」って妙な使命感で燃え上がっちゃって。

――
それくらいショッキングな客入りだったんですね。

三又
 だって後楽園ホールで300人弱だったんですよ。

――
ひえっ……。

三又
 後楽園ホールの南側の席ってオレンジ色じゃないですか。誰も座ってないから一面がドワーッとオレンジ畑。映像が残ってますけど、もう地獄ですよ。いま思い返しただけでも、ゾッとしますもん……。 いまはもうだいぶ盛り返してますけどね。

――
三又さんはそこからZERO1乱入を繰り返したんですね。

三又
 「俺をZERO1のGM にさせろ!」と。最初の反応はみんな冷たかったですけどね。まあ、そこはあたりまえですよね。「いったい何をやろうとしてるんだ?」「芸人の話題作り?」に見えますよ。でも、最初から満員の団体のリングに上がったって面白くないでしょ。そういう部分では、変な話ですけど、やりがいがあったというか。

――
現場はすんなりと受け入れてくれたわけじゃなかったんですね。

三又 そこは何を言われようが、泥を被ってでもZERO1を盛り上げたいという覚悟はありましたよ。あのときからZERO1には、いい選手が揃ってるんですよ。でも、なかなか客足に結びつかない。じゃあ、ボクはGMとして何をやるかといえば、蓋をしているところを開ける作業ですよね。たとえば当時のZERO1は、お客の入りがイマイチだったことがカッコ悪かったのか、観客動員を未発表にしてたんですよ。そこでボクはマイクで「何を世界一カッコ悪いことをやってるんだ?」と言ったんです。そう指摘されたら観客動員を公開するしかないですよね。

――
たしかに痛いところを突かれたわけですもんね。

三又
 ドン底まで落ちてるんだから恥ずかしがらずに「さらけだせ!」と。プロレスも人生もやり直せるんですよ。三谷幸喜さんのドラマでいえば『王様のレストラン』。閉店寸前のレストランを松本幸四郎が救うみたいなね。 

――
三又のレストランですか(笑)。

三又
 まさに『王様のレストラン』に近かったと思いますよ。ひとつひとつの料理は素晴らしいんですよ。それなのになんでお客さんは入らないんだ?と。理由は簡単じゃないですよね。それこそボクひとりだけの力でなんとかなるわけじゃないですし、要は旗振り役をやったわけですよ。

――
ちんどん屋の役割じゃないですけど。

三又
 ZERO1は見れば絶対に面白いんですよ。ボクはお祭りの見世物小屋が大好きなんですけど、ZERO1はあの雰囲気。平成が終わって令和の時代に、昭和の非日常空間があるわけですよぉ! 最近はやっと歯車が噛み合ってきて、火野裕士選手やSUGI選手も加入して……あの地獄のような光景は打破してますよね。

――
三又さん自体は現場に受け入れられたきっかけってあったんですか?

三又
 向こうも最初は冷やかしだったと思ったんですよね。でも、ブードゥー・マーダーズに襲われて、流血して救急車で運ばれて十針を縫ったときじゃないですか。高岩(竜一)さんが言うには「これで200パーセントやめるだろうな……」と思ってたみたいですよ。でも、ボクは悔しかったんですよね。こんなことで引いてたまるかと。(ビート)たけしさんに流血のことを報告したら「おまえに救急車なんて、もったいない。税金でまかなってんだぞ」という最高のお言葉をいただきましてね。

――
さすがですね(笑)。
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