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多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー。今回のテーマはUFC、ONE、パンクラス、修斗……最新MMA舞台ウラ1万字です!!(ニコ生配信されたものを編集したものです)
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――シュウさん、今回も格闘技界のいろいろなお話を聞かせてください!
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――シュウさん、今回も格闘技界のいろいろなお話を聞かせてください!
シュウ よろしくお願いします!
――最近はシュウさんがマネジメントする選手が各地で試合をしていますが、ちょっと残念なお話から伺うと、魅津希選手がInvictaのワンデートーナメントを直前で欠場することになってしまいましたね。
シュウ そうなんですよ。魅津希ちゃんはドクターストップなんですけど、正直いうと調整失敗ですよねぇ。減量途中でもう呂律が回らなくなって全身が痺れた状態になりまして。そこからもまだ少し体重を落とさなくちゃいけなかったんですけど、これ以上やったら危険だ……ということでドクターストップになりました。
――それまでは減量は順調だったんですか?
シュウ 彼女はオフのときに右手を手術しまして、そのときに予定よりもちょっと大きくなりすぎたのかなあと。本人もツイッターで言ってますけど、根本的には自己管理不足からきたものなので、今回の件は彼女もガッカリしていると思うんですよね。
――前回も計量オーバーでペナルティを受けて試合をしましたが、このままストロー級で続けるんですか?
シュウ フライ級に上げることも選択肢としてはあるんですけど、「ストロー級で戦いたい」というのが彼女の希望なので。じつは、これから3時間後ぐらいにコーチ陣全員と魅津希ちゃんの話し合いが行なわれるんですけど、それで通訳しなくちゃいけないので、このあとも寝られない状況なんですけどね(苦笑)。
――おつかれさまです!
シュウ でも彼女、今後は大変だと思いますよ。計量オーバーをしちゃう選手はUFCは好まないですから。今回、厳密にはドクターストップですし、計量オーバーしたけではないんですけど。だから次の試合をするにあたっては、テスト減量をすることも考えていますね。それにこのトーナメントで優勝していれば、100%UFCと契約できたわけですけど、そのうえ試合に出られなかったために一銭も稼げなかったわけですから。だから「週2回ぐらいバイトせい」と言ってるんですけどね。
――次に向けて再スタートを切るしかないですね。
シュウ ホントに残念ですよ。4月27日のUFCでせっかく佐藤天くんがベン・サンダースを相手に2RTKOといういい勝ち方をしてくれたのに。UFCだってそろそろ新規契約する日本人もほしい頃じゃないですか。その弾みをつけるためにも……というところでね。
――佐藤選手はホントにいい勝ち方でしたよね。
シュウ 佐藤選手に関しては、まだ詳しくは言えないんですいけど、じつは次の試合も決まりました。彼が希望している月で、できればナンバーシリーズがいいということだったんですけど、ちょうどいい枠があって、相手もちょうどいい頃合いの選手がいたので。
――今回の試合は佐藤選手はこういう勝ち方をしないとダメな相手だった……のかなとも思っていて。
シュウ おっしゃるとおり。ベン・サンダーズと言ったらけっこうキャリアもあってUFCやBellatorでも参戦歴がありますけど、現在3連敗中ですからね。日本人選手がパンチ一発で相手を倒してそこからパウンドで勝つって最近なかなかないし、予想以上にいい勝ち方ができたんですけど。
――満点回答でしたね。
シュウ 彼に言ったのは「UFCは勝てば天国、負ければ地獄だ」と。水を刺すわけじゃないですけど、UFCで善戦した水垣偉弥選手がどれだけ落ち方が早かったか。ボクはそれを目の前で見ているのでね。
――生き残りのスピード感が他団体とはまるで違いますよね。UFCの1年が他団体では2年3年……ヘタしたら5年くらい感じます。
シュウ 佐藤選手には「帰国しても祝勝会とかしないほうがいいんじゃない」と言いました。次の試合に向けて気を引き締めてやらないといけないので。
――祝勝会は3連勝後でもいいかもしれない(笑)。
シュウ 3連勝どころか、4試合契約なので、再契約までたどりついたら祝勝会をするぐらいの気持ちでいないとダメですよ。だって目標はランカー入りですもん。大きな壁となるのが再契約できるかどうかじゃないですか。こう言ったら失礼ですけど、日本人選手は4試合契約だけで終わった選手が圧倒的に多いですからね。とくにウェルターは「神の階級」ですから。やっぱり最低でも最初の4試合契約で3勝1敗ぐらいじゃないとランカー入りは見えないですよ。
――ウェルターで3勝1敗が最低ライン、というのもなかなかレベルが高いです……。
シュウ でも、UFCは厳しい世界だから選手のフォローも凄いんですよ。UFCには専属の料理人がいたりとか、現場の環境はどんどん良くなっていますから。リカバリーのメニューだって、選手が希望すれば全部用意してくれるんですよ。まあ、佐藤選手の場合は、よく慣れたフロリダでの試合だったし、以前に2回ほど練習に行ったことことがあるフロリダのハードノックスというチームにいる選手の元奥さんが日本人の方で、彼女がご飯を作ってくれていたので、そのサービスは受ける必要はなかったんですけど。UFCって選手は食費も別でもらえるんですけど、ブラジル人選手なんかは「じゃあ、お金は使わないでおこう」ということで、みんな料理人の食事を食べてますからね。じつはセコンドがメシを食っていて、選手じゃなかったりとか(笑)。
――ハハハハハハ! チャッカリしてますね。
シュウ マッサージとかも無料なんです。中には、セコンドの人間がマッサージを受けていたりするんですよ。「この前、ちょっとヘルニアになったからさあ」みたいな(笑)。
――たくましいですねえ。女子選手なんかは編み込み代も出るということなんですもんね。
シュウ そこはInvictaでもサービスを提供してくれるんですけど。UFCは「選手のために」というのが強くなっていて、ラスベガスにUFCパフォーマンス・インスティチュートという大きなセンターができたじゃないですか。そこのスタッフが現場に来てそういうサービスを提供するんですけど、皮肉を言うような弁護士なんかだと「まあ、選手のためとか言いながらも、どうせ会社のためのリサーチと訴訟対策も兼ねてるでしょ?」と言ってましたよ。要は、何か問題が起きたときに「いや、UFCとしてはこれだけのことを選手のためにやっていますよ」と言い訳できるようにしてるんでしょうね。
――そこは素直に恩恵に預かりましょう(笑)。しかし、MMAというスポーツがメジャーの階段を昇っていく様子が伝わってきますね。
シュウ UFCは横綱相撲じゃないですけど、たとえばBellatorを含めて他団体のことを聞いてもまったく気にしてないですから。ハッキリ言って眼中にない。ダナ・ホワイトは前から言ってますけど、「UFCの最大の敵はすべてのエンターテインメントだ」と。
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