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MMAシーンを盛り上げるベラトールとRIZINのクロスプロモーション。しかし、ベラトールの旨味がいまいち見えてこないところもあるのはたしか。多くのMMAファイターをマネジメントし、ベラトールCEOスコット・コーカーとも親交の深い石井史彦氏に話を聞いた(この取材はベラトール222の前に収録したものです)


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石井さん!日本におけるベラトールの注目度がグッと上がってますが、ストラッサー起一選手のベラトールデビュー戦の相手が決まりましたね。

石井 はい、相手はエド・ルース、7月12日のオクラホマで戦います。

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エド・ルースといえば、近年のレスリング転向組では最高の実績を持つスーパーエリートですね……。MMA戦績は6勝1敗。

石井
 いやあ、いきなり厄介な相手をぶつけてきますよね(苦笑)。でも、ベラトールのウェルター級にはこんなバケモノはゴロゴロしてますからね。

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現在ベラトールはウェルター級GP開催中ですがタレントがホント豊富で。

石井
 もともとは6月23日のイギリス大会でポール・デイリーとの試合が内定してたんですよ。でも、そのイギリス大会には寝技系のファイターが多いということで、急遽ポール・デイリーの対戦相手が打撃系の選手になったんですよね。

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大会全体を見てそんなバランスを取るんですね。

石井
 マッチメイカーからすれば、寝技ばかりの試合になったら困るということと、ポール・デイリーは寝技の展開になったらおしまい……みたいなところはありますからね。これが逆に立ち技系の選手が多かったら、ポール・デイリー戦が組まれたと思います。 

――
ポール・デイリーの代わりがエド・ルースってまったくタイプが違いますねぇ。

石井
 強敵ではありますが、ベラトールには名前がないけど、強い若手はたくさんいるじゃないですか。それよりは名前のあるエド・ルースでよかったと思いますよ。

――
エド・ルースは素材は超一流ですが、唯一の敗戦となったネイマン・グレイシー戦を見るかぎり、MMAファイターとしてはまだ未完成ですよね。

石井
 そうなんですよ。エド・ルースはテイクダウンは凄いんですけど、立ち技はそこまででもないし、サブミッションゲームはあんまりなさそう。ストラッサー選手はグラップリングが強くてUFCではデイアンマイアの黒帯選手から極めてますし("Performance of the Night” & “Submission of the Week”を獲得)、なによりMMAのキャリアも上ですから。

――
ストラッサー選手はRIZINでは連勝しましたが、ウェルター級の層が薄いこともあってマッチメイクの機会がなくて。そんな矢先のベラトールとの契約でしたから、こういった強敵との試合は願ったりな一戦になるわけですね。

石井
 ストラッサー選手は38歳ですが、世界に再挑戦の場がベラトールのウェルター級という激戦区ですからね。マネジメントの立場からしても、知らない外国人選手に勝っても評価を得られづらいですからエド・ルースでよかったと思います。ボクもどんな試合になるのか楽しみですよ。

――
ところでそのベラトールはRIZINと積極的に交流していますよね。RIZINからすればベラトールに絡むメリットはたくさんありますが、ベラトールの狙いが見えづらいんですね。

石井
  もともとはボクとスコット・コーカーが知り合いだったこともあって、大晦日の堀口(恭司)選手の対戦相手としてベラトールから選手を派遣できないのか?という話から進んだんですね。今年になってボクは堀口選手のマネジメントから離れたので、いまRIZINとベラトールのあいだでどんな話し合いがされているのかはわかりかねますが……最初にベラトールから提案されたのはダリオン・コールドウェルじゃなくてジョー・ウォーレンだったんですよ。

――
うーむ。ジョー・ウォーレンは堀口選手の師匠・山本KID徳郁選手を倒してて日本でも名前はありますけど、ピークは過ぎてますね……。
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