アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは勝つか死ぬか……超マジメ人間のデスマッチ論です
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「リングに上がる瞬間、違う自分に変わるのです。それは、勝つか死ぬか、まるで神風特攻隊のように……」とコロンは言った。

7月のこの時期になると、プエルトリコという言葉が脳裏をよぎるのは、やはりブロディ刺殺事件があったからだろうか。そして、プエルトリコのプロレスラーと言えば、“プエルトリコの帝王”と呼ばれたカルロス・コロンの名前も思い出す。WWE殿堂入りも果たし、息子たちもWWEなどで活躍しており、コロン一族といえば、プエルトリコマット界を代表する選手たちだ。

しかし、同じくコロンを名乗るが、コロン一族とは無関係のプエルトリコ系レスラーが、いま米インディー界で活躍中なのだ。彼の名はアレックス・コロン。1984年11月18日生まれの現在34歳。何度もコロン、コロンとしつこくて申し訳ないが、冒頭の言葉はこちらのコロンが言ったものである。

168センチと小柄ながらも、その器用さが重宝されてか、日本人選手がアメリカに行った際の対戦相手を務めることが多い。竹田誠志(2018年9月)、正岡大介(2019年1月)、葛西純(2019年2月)、木高イサミ&佐久田俊行(2019年6月)と、この1年で5人の日本人選手と戦っている。

アレックスはなぜ日本人選手との対戦が多いのか。

「最初の竹田戦が評判良かったこともあり、そのときの印象がマッチメイカーには強く残ったのでしょうね。日本からわざわざ来てくださった竹田選手には最大限の敬意を持って試合をしましたし、彼も私をリスペクトしてくれたように感じました。対戦する日本人選手とは、心が通じあえるようになることを望んでいるのです」

「竹田選手の大胆不敵な心構えや正岡選手の不屈の闘志には感服しました。葛西選手と対峙したときには、彼ほどの偉大な選手と対戦できるほどになったのだと、自分に自信が持てました。佐久田選手は、彼の痛みへのガマン強さを見て、彼こそがデスマッチの将来を担う若者だなと思いました。イサミ選手は、なぜ彼がデスマッチの天才と言われるのか、わかったような気がしました。

彼らのおかげで、現在レスラーとしての私がいるのだと思います。また、彼らと対戦する日が待ち遠しいです」

これらの発言からわかるように、彼はとにかく「超」が付くほどマジメ人間なのだ。

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