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* 堀潤のテレビでは言えない話 vol.35 *
~シリーズ「原子力産業インサイドルポ」の巻~
発行:8bitNews 2014.7.23 (ほぼ日刊)
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皆さん、お疲れ様です!
イスラエルによるガザへの攻撃で連日100人単位で死者が増加、女性や子どもを含む市民の犠牲者は増え続けるばかりです。
国際政治学者・高橋和夫さんの話によりますと、今回のイスラエル軍による攻撃は以前から計画されていたものと見られ、ガザを実行支配するハマスを徹底的に殲滅させる意図が明確だと指摘しています。
これまで、イスラエルとパレスチナの仲介役はムスリム同胞団を中心としたエジプトでした。
ところが、昨年の政変によって現エジプトのシシ政権は、ムスリム同胞団に厳しい姿勢で弾圧を続けており、同じイスラム勢力であるハマスは今回エジプトによる停戦案をはねつける結果に。
事態は混迷を極めています。
現地で取材を続けるジャーナリストの田中龍作さんによると、ハマスは武器庫など活動拠点を民家の地下に設けているといい、市民の生活空間がイスラエル軍の攻撃の標的になっているとのこと。
イスラエル軍による2009年の大規模な攻撃時には、ハマスが地域の教会や病院に弾薬庫などを構えた事から、当時はそれらの施設が攻撃対象となり多くの死傷者が出たといいます。
Al jazeeraによると、一連の戦闘で今日までの16日間でガザでは648人の死者、4000人を超える人々が負傷したとのこと。国連によると、住民およそ170万人のうち、7割の120万人以上が水へのアクセスができなくなっている、または制限されていると見られており、非常に厳しい状況に追い込まれています。
これまで積極的に停戦への働きかけをしてこなかったアメリカのケリー国務長官が仲介国のエジプトを訪れ、22日、シシ大統領などと相次いで会談しました。
しかし、停戦に向けた合意を得られるかどうかは具体的な道筋はまだ見えていません。
アメリカはイスラエル軍の最大のスポンサー国です。いぜん、ロサンゼルスで行われたイスラエル軍主催の資金集めパーティーを取材した事があります。アメリカの政財界から多くの人たちがこのパーティーに参加していました。
会場となったホテルに次々と黒塗りの車が到着して、華やかなドレスに身を包んだセレブ達が、ビジネスチャンスとばかりに、会場の中に消えて行く様子を「ガザへの攻撃をやめて」と書かれたプラカードを持った同じく米国市民達が大きな声で抗議のかけ声をあげていたのが印象的でした。
参加者の中には元イスラエル軍の兵士、パレスチナからの移住者もいました。そして、彼らは言うのです「私たちに武器はいらない」。
彼らはそして続けます「必要なのは対話だ、アメリカが武器を売るのをやめさせるのに必死だ」。
確かにその通りです。
前出の高橋さんによると、イスラエルは国際世論には敏感な国だとされています。アメリカやヨーロッパなど世界各国の市民に広がりつつある抗議行動が今後停戦に向けた圧力になるよう願ってやみません。
日本でもそうした抗議の声があがりつつあります。
ぜひ皆さんも関心を寄せていただけますと幸いです。
それでは本日のコンテンツをお楽しみください。
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お待ちしております!!!
▼前回「Vol.34」へのリンクはこちらです。
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┗■ 01.ルポ 原子力産業インサイド
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シリーズ『ルポ 原子力産業インサイド』
なかなか一般では関わる事が少ない原子力産業の内側の人々を取材。安倍政権誕生以来、原発の再稼働、原発輸出に向けて業界内では取り組みが活発化。彼らは一体何を考え、どう行動しようとしているのか。原発の賛否を考える上でもまずは業界内の動きもしっかり知っておきたい。電力会社からメーカー、業界団体まで、福島の事故を繰り返す訳にはいかないという思いから堀が切り込む。
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日本が原発輸出をやめられない理由(ワケ)前編
■国内最大規模の業界団体「原産協」
前回に続き、国内最大規模の原子力業界団体「原産協」について。
日本の原子力政策の幕開けとなる1956年、原子力基本法が施行されたその年に設立された組織で、原子力の開発と平和利用を推進することを目的に電力会社、電機メーカー、商社、銀行、自治体などが結集し発足した。元々は文部科学省所管の社団法人だったが、公益法人制度改革に伴い2012年から一般社団法人となった。
加盟社数は2014年6月24日現在445社。原産協のHPで公開されている社名一覧を眺めてみると実に様々な企業が名を連ねており、原子力産業の裾野の広さをあらためて実感させられる。例えば「あ行」の企業を列挙してみると、IHI(旧石川島播磨重工業)、愛知金属工業、青森県、アサツー・ディーケー、ALEVA Japan など、工業から広告代理店、外資系、自治体まで多岐にわたる。
原産協が掲げる今期の目標は「信頼回復」。
原発事故の記憶から立ち直り、安心して使ってもらえる原発産業でなくてはならないと、念頭の挨拶でも述べていた。
前回は、なぜ日本は原発再稼働を目指すのかを聞いた。今回は、なぜ日本は原発の海外輸出にこだわるのか考察していきたい。まずは、欧米が頭を悩ませるロシアの存在について服部氏の説明は中々興味深い。
原産協理事長、服部拓也氏(70)。
服部氏は東京電力出身。東京大学大学院工学系研究科の修士課程を修了後、1970年に東京電力に入社。一貫して原子力部門の中枢を歩んできた。2000年に福島第一原発の所長、2005年に東京電力副社長を歴任。2007年より現職の原子力産業協会理事長をつとめる。
■原発に投資家からの金が集まらないという現状
今回、服部氏がまず語ったのは、欧米の原発推進国が頭を悩ませている課題について。それは新規原発建設のための資金。リスクを回避したがる投資家が増え、市場からの資金調達が頭打ちになっている現状について原子力政策を市場原理に委ねていてよいのか、という声が各国からあがっているという。そうした中、台頭しているのがロシア。一体何が起きているのか。服部氏の説明をまず。
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(服部氏)
今、世界中が自由競争化のもとにある競争に悩んでいます。
原子力産業が自由化していく中でおきている現象なのですが、新設の原発に関する資金調達について各国ともに頭を悩ませています。
投資家は2~3年程先の利益を期待しているようですが、原子力というのは減価償却まで20位かかり利益がでるのはそこからです。そこから稼ぎ始めるのです。
原発は最初はコストが高いので、償却で徐々にランニングコストが下がってきてだいたい15年、人間で言うと中学を卒業する頃までは親に世話になっているという状況です。つまり2~3年で回収できる補償はないので政府が補償するべきという声も聞かれます。
ーー欧米ではどのように対応しているのでしょうか?
(服部氏)
アメリカやイギリスはそうした声をうけ政府が債務保証する仕組みを導入しつつあります。イギリスでは政策的に必要な電源として固定価格で買い取りましょうという取り組みをはじめています。1kWhあたり16円位で、35年買い取るということになっているので魅力的だ。こうした政府保証をベースにした取引をロシアが新設のプラントで力をいれています。まずロシアはトルコに対して政府保証をつけ、建設から支援し、完成後は所有して支援するという方針です。きっちり運転のところまで面倒見る、買い取る部分を手当てするというものです。
ーー資金調達能力に乏しい新興国では有効でしょうね。
(服部氏)
市場に任せておくと今の環境の中では投資家からお金が集まりません。世界中が悩んでいます。そこをロシアが知恵を出しているという状況です。実は建設コストもたがをはずして市場に対して野放しにしているので、近年めちゃくちゃ高くなっています。例えば、
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