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どれも危機一髪すぎる! SF映画史上最も命知らずなスタント10選
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どれも危機一髪すぎる! SF映画史上最も命知らずなスタント10選

2013-02-14 00:31
    SF映画史上最も命知らずなスタント10選


    映画撮影の裏側には、知られざるキケンがいっぱい! 

    サイエンス・フィクションやファンタジーといった映画は、驚きのヴィジュアル・エフェクトで溢れています。しかし何がスゴいって、そうしたSF映画はいつも生身の役者が想像を絶する様な環境に、その身を置いているコトでしょう。

    大自然の中では脆くも儚い存在の人間ですが、スクリーンの中にある危険地帯や不可思議なファンタジーの中でもヒトが自由に活躍できるのは、スタントマンという影の役者がいるお陰でもあります。

    劇中では登場人物が本気でヤバい状況を乗り越える時の、大興奮のアクション・シーンなどがありますよね。その一瞬をフィルムに収めるため、撮影時にはスタントマンたちが最大級のキケンへと立ち向かうのです。

    今回お届けします「SF映画史上最も命知らずなスタント10選」では、ホントに誰かが命を落としても不思議ではなかったような、過激なシーンをご紹介します。

    それではアクション・スタート!
     

     
    『ダークナイト』(2008):でんぐり返るトラック

    130212_Stunts2


    スペシャル・エフェクトを指揮されたクリス・コルボウルドさんは、クリストファー・ノーラン監督からこのアイディアを聞いた時、ホントはやりたくなかったのだそうです。ソレはひっくり返すクルマの種類や大きさについて、妥協案をお願いしまくったほど。

    撮影が行われたのはシカゴ市内。コルボウルドさんは、銀行が多く立ち並ぶエリアのストリート上で、このスタントが成功するかどうか全く確信が持てずにいました。ナニかの間違いで、ちょっとした破片が銀行の窓ガラスを割ってしまったら、そして通りのドコかに傷でもつけてしまったら...心配は周囲の器物破損についてでした。それに、走行中のトラックを前方に回転させるワケです。まぁ最後にはそんなキケンを顧みず、ノーラン監督はやり遂げたのですが...。

    そこでコルボウルドさんとスタント進行係のポール・ジェニングスさんは、トラックの荷台の中に巨大なピストンを仕込み、運転者のジム・ウィルキーさんにソレを発動させるというアイディアに行き着きました。コチラに本番のための、テスト・スタント映像(以下動画)があるのですが、ご覧のとおり驚くほどカンペキな結果となったので、本番に臨めたというお話です。こんなクレイジーな実験をしてくれた、スタントマンには拍手ですね。

    THE DARK KNIGHT – Truck Flip




    『ダークナイト ライジング』(2012):奈落(ザ・ピット)登り

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    ド派手なワケでもなく、命のキケンに直面するほどではないものの、意外にこういった地味なスタントのほうが心身を駆使し、スタントマン泣かせの場合があるそうな。

    『007 慰めの報酬』と『007 スカイフォール』で、ダニエル・クレイグさんのスタント役をこなしたボビー・ホランド・ハントンさん。『インセプション』や『ハリー・ポッター』シリーズでもカラダを張ったコトがあるので、相当なスタントを経験しているのですが...どのようにしてこのスタントに挑んだのかというインタヴューでこうおっしゃっています。

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    『ダークナイト ライジング』ではブルース・ウェインとしてインドの監獄の壁を登っている時、途切れた足場を飛び越えようとして何度か失敗します。あそこは落ちると、ケーブル一本で繋がれただけの100フィート(約30メートル)のフリーフォールとなってしまうのです。(落ちきった所で)壁にぶつかるのですが...アレはかなりコワかったですね。
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    ワザと足場から飛び降りた挙句、待っているのはカベに激突とかもう...スタントマンはつらいよ、ですネ(苦笑)


    『キャットウーマン』(2004):26階ビル・ジャンプ

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    ゾーイ・ベルさんはタフな女性。TVドラマの『ジーナ:ウォーリアー・プリンセス』で、主役ルーシー・ローレスさんのスタントを務めて芽が出た女性スタントマンです。さらに、それを観ていたクエンティン・タランティーノ監督がたいへん感銘を受け、カノジョのために『デス・プルーフ in グラインドハウス』の脚本を書いたほど。劇中でクルマのボンネットに張り付いていたのがベルさんです。

    これまでのスタントで、どれがイチバン緊張感があったか? というインタヴューでは、『キャットウーマン』の中で26階の高さの屋根から飛び降りたのが大変だったとお答えになっています。シャロン・ストーンさんの変わり身として、約67メートルの高さを回転しながら落っこちたカノジョ(以下動画)は、コレで世界スタント・アワードであるタウラス賞を受賞。しかもそれが人生で初めてのビルディング・ジャンプだったという言うから、トンでもない肝っ玉の持ち主と言えましょう。



    映画『アベンジャーズ』のスタントマンが、高さ9メートルのジャンプに失敗して頭皮をズルむけちゃった事故に比べたら、それ以上のアクシデントになり得る可能性も大きくあったワケです。

    大きな予算の映画であれば、それに応じた安全が確保できるのですが...『ジーナ』のような低予算番組ですと、城壁をロープと滑車と数人の男性スタッフの補助のみでバク転するようなスタントもしなければならなかったため、実は危険度は予算に応じて反比例するんですって。この事実は別の意味でコワいです(汗)


    『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』(2002):ヘルム峡谷

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    スタント進行係のジョージ・ルージさんによりますと、たくさんの人と動物がぶつかり合うシーンをどうにかしないといけなかったため、ヘルム峡谷の撮影はとても苦痛だったそうです。大量のウルク=ハイがハシゴを登っては落とされる、あのシーンが特に...とのこと。

    そんなたくさんいるウルク=ハイのひとりを演じていた時以外は、サウロン役も務めたスタントマンのサラ・ベイカーさん。カレもまた、そのシーンは悲惨なモノだった...と表現しています。そのインタヴューを伺ってみましょう。

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    高いところから飛び降りるシーンでの撮影には、28名の男女スタントマンが、前者の飛び降りから2秒以内に続けて飛び落ちるというモノでした。マットに着地したら、すぐどかなければなりません。周囲が全く見えない状況だったため、タイミングこそが全てだったのです。

    もう「なんてこった! オレはこれどうやったらイイんだ?(笑)」という状況です。振り返るとスグなんにも見えなくなるといった環境で、「お願いだからちゃんと着地できますように、ダレかの上に着地したくない、ダレかが自分の上に落ちてくる前に早く起き上がらなければ」という気持ちでいたんです。

    マジでクレイジーですよ。たぶんアレが、これまでで一番キツいスタントだったでしょうね。だって何が起こるか分からないんですもん。かなりヤバかったですよ。


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    カンタンなスタントでも、速いスピードで大人数が一斉に取り掛かるとなると、非常にキケンなものになってしまうんですね。しかし『ロード・オブ・ザ・リング』3部作でイチバン危険だったのは...オフ時のヴィゴ・モーテンセンさんによる、無差別な頭突き攻撃だったのだとか(苦笑)


    『マトリックス リローデッド』(2003):ドゥカティ高速道路爆走シーン

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    この撮影のためにわざわざ高速道路を建造したという、ケタ外れのスケールで、トリニティーがキー・メイカーと2ケツでドゥカティをブっ飛ばします。車線を右に左に、クルマの間を縫うように、時には逆走したりと息をつくヒマもないカーチェイスは必見です。

    スタントウーマンのデビー・エヴァンスさんいわく、当時最もキケンで緊張した瞬間は、巨大なセミ・トラックが壁とカノジョを挟んで潰そうと迫ってくるのを、やり過ごして回避するシーン(以下動画)だったそうです。

    プロのスタントマンであっても、トラックを運転するのが生身の人間である限り、状況は常に変化し、何が起こるか予見できません。それはつまり、スタント界では安全ではない事を意味するのです。

    とあるテイクでは、カノジョが避けた直後にトレイラーが豪快な振り子のように壁に激突しました。常に冷静沈着なエヴァンスさんであっても、「さすがにそこまでは注意を払っていなかったので、アレには気付かせられずにはいませんでしたね。」とおっしゃっています。なので撮影が終わってからの喜びはひとしおだったそうです。

    比較的にスタントウーマンは男性スタントマンよりもタイトなコスチュームを着ることが多いため、時として怪我のダメージが大きくなる傾向があります。衣装にパッドやプロテクションを巧く仕込められないのです。特にトリテニティーのボディー・スーツでは、バイク用パンツに入ったプレート以外はどうにも安全性が向上できない状態でした。制作側は、エヴァンスさんにトリニティーと同じ髪型にするべく、散髪をして欲しかったようですが...エヴァンスさんは自前の長髪が少しでもパッドの代わりになるよう、カツラを装着する事を主張し、散髪を断ったのだそうです。


    『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(1981):トラック引き回し

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    このシーンは、映画史上最高のスタント・リストに度々登場する、有名なスタントのひとつとのこと。

    それは走行中のトラックのボンネットからクルマの底へ潜り、地面に引きずられながら最後尾まで移動していって、最後はトラック底面に絡めたムチに自ら引きずられる、というシーンです。

    この時のスタントマンであるテリー・レオナードさんは、カレの友人スタントマンであるグレン・H・ランドール・ジュニアさんがトラックの運転をするのであれば...という条件でようやく撮影にOKしたというほど、とても危険なシーンでした。実はこのシーン、1939年の『駅馬車』という西部劇で、スタントマンのヤーキマ・キャナットさんがやってのけたシーンのオマージュなんだそうです。

    さらにレオナードさんの心配はもうひとつ。『レイダース』と同じ年、撮影に入る少し前にも『ローン・レンジャー』という別の映画で、ほぼ同じタイプのスタントに臨んでいたというんです。なんとそこでは、馬車に足を轢かれて大怪我をするというアクシデントに遭っています。まだ完治していない状態であるにも関わらず、違う映画で再チャレンジをするとは...正真正銘のプロですね。以下のメイキング映像もどうぞ。


    『ヘルボーイ』(2004):地下鉄からの脱出

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    対向してくる地下鉄から逃げ出したキャラクターを追っているという設定で、スタントマンのトッド・ブライアンさんはレールの上に横たわり、レプリカで出来た地下鉄がカレに向かって可能な限り近付くのを待ち、ギリギリのトコロで腹筋を使って上半身を起き上がらせて回避するという決死のスタントがこのシーン。

    そこにはふたりのスタッフがトッドさんの足をしっかり押さえつけ、クイックな腹筋で起き上がるのをサポートしていました。もし上手く行かなかったら...電車に轢かれて首チョンパ! というシチュエーションです。

    プロデューサーはこのスタントに反対で、撮影の時には(あまりの恐ろしさと緊張で)両目を覆い隠してソッポを向き、シーンが終わった周りの歓声と拍手で、やっと撮影の成功を知ったのだとか。


    『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』(2011):ウィングスーツでのベースジャンピング

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    上空からではなく、建造物の頂上などから飛び降りるベースジャンピング。エクストリーム・スポーツとして数えられ、大変なキケンが伴うモノです。

    マイケル・ベイ監督は、このベースジャンピングをどうやったらさらにアンリミットな高みに持っていけるか自問自答した結果...水平飛行プラス、計画通りに飛んでくれるグループを追加するという答えに達しました。

    ソコで映像に登場したのが、JT・ホームズさんとカレのバードマンというチーム。でも街中で飛行するコトの何が難しいかって、ビル群の中ではストリート毎にビル風や上昇気流などの気象条件が違うんですって。飛行ルートのアチコチにスタッフを配置し、分刻みでコンディションのリポートが上がってきますが、一箇所だけ「自殺の曲がり角」とアダ名が付けられたコーナーがあり、これまで何千回と飛んだ経験を持つプロのJT・ホームズさんですら、「乱立するビルの数々を目にして、背中に新人時代のようなアドレナリンが流れるのを感じましたよ。」と、恐怖を感じたようです。

    実際に劇中で観る映像、合成やCG加工かと思っていましたが、ホントのスタントだったんですね。ビックリ! 


    『死霊のはらわた』(1981):撮影ほぼ全編

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    サム・ライミ監督がこの映画を作っていた時、カレ自身いったいナニをやっているのか判っていなかったそうですが、とにかく俳優さんたちが素晴らしいパフォーマンスをするためには、本当にツラい思いをさせなければイケなかった...と信じて疑わなかったそうです。それも安全器具や特殊効果などにかける資金が全くない、ゼロ予算という状況だったので、セットでの撮影は役者さんたちにとって、毎日が生命の危機と隣合わせだったとのこと。

    たとえば、カメラが窓ガラスを割って役者に近寄るシーンは、本当にカメラが窓ガラスを割っており、役者はマジで飛び散るガラス片を避けなければいけませんでした。そして写真のように白目だけになるコンタクトレンズは、全く前が見えないモノだったため、ナイフ(本物)を持って俳優ブルース・キャンベルさんを襲うシーンでは、ほとんど闇雲に迫ってくるナイフを、ブルースさんは本気で避けています。

    真に迫る演技の裏側は、リアルに生命の危険があったからなのですね。そこにはホラーを超えた怖さがあるかもしれません。


    『Moon』(2009):セット内を動きまわるだけなのに...

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    映画の制作にかける予算が少ないほど、確保される安全性も低くなるコトはもう上で学んだ通りなワケですが...このインディーズ系SF映画『Moon』は特に低予算で、関わったクリエイターはいくつもの役職を同時にこなさないといけませんでした。VFX監督でコンセプト・アーティスト、グラフィック・デザイナーにしてスタントマンをも務めたというのが、ギャヴィン・J・ロザリィさん。

    基本的にカレがしていた事は、自家製の宇宙服を着てセット内を動きまわるコトなのですが...コレが視界は悪くフロント・ガラスは曇り、呼吸も大変で触ったモノの感触が伝わってこないというヒドいモノ。そのスーツで地上約3メートルの高さにある月の砂利で覆われたセットに立ち、頭は振り返られない、脚を曲げるコトもできない、曇ってよく見えない状況でよじ登ったり出たり入ったりしていたのです。

    映画の中では、全くそんな危なっかしい様子は見受けられないのですが、ひとたび落っこちでもしたら大怪我をしてもおかしくない状況だったんですって。大変なご苦労があったようですが...io9でこの記事が出たのを読んだギャヴィンさんご本人が、ご自身のツイッターで、以下のようにつぶやかれています。

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    『Moon』はインターネットのアチコチ変なトコロで時々話題に上がるけど、この記事は楽しませて貰ったよ。
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    さぁ、というコトで...どんな映画にも、実は隠れたキケンが伴っていることがよく解りましたね。これからは映画を観る時に、撮影の裏側にも想いを馳せてみるのもまた違った楽しみ方かと思われます。

    皆さんお気に入りのSFやファンタジー映画で、コレはスゴいぞ! ってなアクション・シーンがありましたら、ぜひとも教えてくださいね! 


    10 of the Most Insane Death-Defying Stunts from Science Fiction Movies[io9]

    (岡本玄介)

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    RSSブログ情報:http://www.kotaku.jp/2013/02/most_suicidal_sf_stunts_ever.html
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