カリフォルニアのガレージから生まれたこの電子楽器は、弦をこすることなく、銅製のコイルと磁性のスティックで奏でる楽器という斬新な発想から生まれました。
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弦の代わりに抵抗性のリボンを貼り、銅製のコイルを表板に備えた独特のデザインから生み出される音は、とても幻想的でした。
エレクトリック・チェロは、Magnetovore社の創設者であるデビッド・レヴィさんによって開発されたもの。
サウンド・エンジニアリングの研究を行っていたレヴィさんは、様々な電子音楽に触れるなかで磁性楽器の可能性に気付きます。その発想のきっかけとなったのが、1919年にレフ・セルゲーエヴィチ・テルミンが発明した世界最初の電子楽器「テルミン」でした。
テルミンの自由な発想と電子音楽とを異なる方法で結合できないかと考えたレヴィさんは、やがてマグネティック音楽の可能性に行き着きます。以来、いくつかのプロトタイプを制作し、現在の最新型といえるのが、ご紹介するマグネティック・チェロです。
ネックには弦の代わりに抵抗性のリボンを貼り、ボディには銅製のコイル。そして、磁気を帯びたスティックで演奏されるマグネティック・チェロの醸し出す音は、新しくありながらも、どこかレトロな感覚。ラジオのアンテナに手をかざすと「ヴィーン」なんて音がしたものですが、なるほど、テルミンに着想を得たというのが納得できる感じがします。
ちなみに、レヴィさんが3年前に公開した、エレクトリック・チェロ:バージョン4.1のデモ映像がこちらです。
まだまだ洗練されていないという印象ですよね。でも今回公開された動画では、チェリストのBen Solleeさんによって演奏され、繊細で多様なサウンドを奏でています。
もしかすると今後、磁気を用いて演奏される電子楽器のバリエーションが数多く生み出されていくかもしれません。マグネティック・ヴァイオリンやマグネティック・ヴィオラなどなど......磁気楽団によるアンサンブルとか、ちょっとSFぽくてワクワクしてきます。
Ben Sollee on the Magnetovore Magnetic Cello [YouTube]
[Magnetovore]
(キネコ)
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