外交を行う時には、自国が何をしたいかだけではなくて、相手の国が何を考えているか

どの様な外交環境にあるかを考えることが重要である。

まず、国後・択捉について考えて見よう。

日本は、サンフランシスコ平和条約で千島を放棄した。そして、全権代表の吉田首相は国後・択捉を南千島であるとの位置づけをしている。

他方、米国とソ連の間においてはルーズベルト大統領がヤルタ会談で、千島をソ連にあげるといい、1945年8月19日、トルーマン大統領はスターリンに対して、「千島列島の全てをソ連極東軍総司令官に明け渡す領域に含むよう、修正することに同意する」と送信している。

この状況からして、国際的に国後、択捉がソ連領になったことに対する疑義はほとんどない。

一方、歯舞・色丹をみてみよう。日ソ共同宣言を見てみよう。「ソヴィエト社会主義共和国連邦は,日本国の要請にこたえかつ日本国の利益を考慮して,歯舞諸島