タゴールは1861年生まれのインドの詩人、思想家。1913年ノーベル文学賞を受賞。これはアジア人に与えられた初のノーベル賞であった。タゴールは1916年、日本を訪問した。この時の状況を「日本紀行」を記す。『タゴール著作集』第十巻はこの紀行と関連発言を収録している。

・アジアにおいて日本だけが、ある日突然、ヨーロッパが世界を制覇したと同じ力をもって、ヨーロッパに逆襲できると考えたのである。

・このことを考えつくと、一時の猶予もならなかった。わずか数年のうちに、日本はヨーロッパの力をつかみとったのである。

・歴史上、これほど驚嘆すべき出来事は前例がない。

・日本がこうしたものを土台から築きあげる必要がなかったからだと理解すべである。

・わたしたちがなんと言おうと、アジアの最果てに生きる民族が、ヨーロッパ文明の複雑な装置のすべてを、完璧なまでの能力と熟練した技術をもって使いこなすこ